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2020年7月27日 (月)

報復カード

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https://jp.wsj.com/articles/SB11130368917055384376704581308874272616498

 22日、米国がヒューストンの中国総領事館をスパイ活動の拠点だとして閉鎖したが、翌日、韓国の中央日報は、韓国や中国のレアアース関連株が急騰したと報じた。これは中国がレアアースの対米禁輸「報復カード」を使うと信じられていたためである。レアアースは、自動車やIT製品に必ず使われる「先端産業のビタミン」だが、中国の鉱山(写真一枚目)が世界の生産シェア70%をキープし、アメリカは80%を中国に依存している。

 ただ、報復カードを使うと、ブーメラン効果もあり自分をも痛めるのだ。2010年尖閣諸島領有権紛争で中国は日本へのレアアースの輸出禁止をしたが、日本は備蓄で当面を凌ぎ、国を挙げての新材料の開発や代替鉱山の開拓を進め、中国依存度を50%にまで下げるのに成功した。更に2014年WTOでの日本側勝訴で価格が暴落したこともあり、中国の世界シェアは97%から80%へ落ち最近は70%とか。また、日本のEEZ内の海底で、それこそ無限のレアアースが発見されたとされ、中国のレアアースカードはいつまで使えるのか疑問視されている。

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https://feliceplan.co.jp/fptv/us-bond

 中央日報によれば、中国が使える第2の対米「報復カード」には米国国債があると。中国は、日本に次ぐ米国国債保有国(第2図)で、日本と中国で1/3を持っているらしいから、流石のアメリカも首根っこをアジア勢に抑えられている格好。もし、中国が米国国債を売れば、米国国債の暴落と金利上昇などが発生し、世界経済は大混乱する。一方、中国もドル安で海外資産が減少するなど大打撃を受けるので、このカードはそう簡単には使えない筈。

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https://www.recordchina.co.jp/b61633-s0-c20-d0000.html

 第3の「報復カード」は、中国国内の米国企業の締め出しである。ただ、アップルだけでも、台湾のフォクスコン(写真3枚目)傘下で、50万人の中国人ワーカーがいると見られ、そう容易ではないであろう。さらに、今回のコロナ騒動で、世界各国は中国でのサプライチェーンを他国に移そうとしているので、それを加速することになりかねない。

 結局、今回のヒューストン中国総領事館閉鎖への「報復カード」は、割合地味な成都駐在アメリカ総領事館の閉鎖となった。本来なら、香港米国総領事館が候補だが、香港はアジアのアメリカ企業の拠点で、余りにも影響が大きいと中国が判断したためとか。

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http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/07/21/2020072180156.html

 ところで、本ブログの記事趣旨とは関係ないが、最近、Yahooなどで中央日報日本語版の記事をよく見かけるであろう。朝鮮日報、東亜日報と並ぶ韓国の三大朝刊紙らしいが、特に韓国は米中に二股をかけているせいか、米中摩擦にセンシティブのようだ。時々、日本のマスコミより緊張感あふれる記事が載る。

 話変わるが、図4は最近発表された世界の経済力などを加味した総合的な軍事力ランキング。韓国は順位を上げ、5位の日本とほぼ同じ指数の6位である。まさかと思うが、駐留米軍が韓国から撤収したような場合、心配の種が残るーーアジアの軍事バランスを計算すると、米・印・日とロ・中・韓の合計軍事力指数は、ほぼ同じである。

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