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2020年7月 7日 (火)

三峡ダム、ブラックスワンが迫る

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https://news.yahoo.co.jp/articles/f5d099f3b2be1de4d1601d9875b8dd63f3b246f3

 NEWSWEEK誌日本版は「中国の三峡ダム(写真一枚目)にブラックスワンが迫るー決壊はありうるのか」と報道している。1697年に豪州で黒い白鳥が発見され、「有り得なく起こり得ないことが起きるときに強い衝撃を受ける」ことをブラックスワンというらしい。

 豪雨により1400万人の洪水被害者が既に出ている中国で、世界最大の水力発電ダムの危機が囁かれている。もし、決壊すれば上海が水没するなど、その被害は計り知れないが、ダムの耐久性はほぼ限界に達していると。そこで、ネットで三峡ダムについてちょっと勉強してみた。

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https://life.jah.tokyo/世界最大の三峡ダムはいつ決壊してもおかしくな/

 三峡ダムは第2図のように、長江(揚子江)中流の武漢と重慶の間に位置する。1993年、多くの専門家の反対を押し切り、共産党政府が建設した世界最大の落水式ダム。32基の発電機による発電量は、中国全体の需要の10%を賄うという。貯水量は黒部ダムの200個分、面積は琵琶湖の1.7倍もある。河の水深も深くなり、1万トン級の船舶が5段階の閘門を経て170mの落差を上り、重慶まで航行できるようになった。

 2009年に竣工したが、建設中は官僚たちによる汚職の温床になり、手抜き工事で試験注水時に、ダムの堤体に1万か所の亀裂が発見されたらしい。当初は1000年の計としたが、いつの間にか100年の計となり、もう10年で怪しくなってきた。プロジェクトを推進した政治家トップたちは、責任逃れか竣工式に誰も姿を見せなかったので、スタート時から不吉な?ダムだったらしい。

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ichikawakazuhiko.naganoblog.jp/e2501534.html

 2018年にGOOGLE EARTHの画像(写真3枚目)で、ダム本体の歪が発見されたが、中国政府はこの事実を画像処理のためとして認めなかった。ところが、最近は「設計の範囲内」として歪を認めている様子。ただ、専門家によれば、一般にコンクリートの歪は確かに出るが、あくまでもmm単位であり、もしこのような大きな歪が本当なら、もうとっくに決壊していてもおかしくないそうだ。

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https://tr.twipple.jp/p/1f/3daf07.html

 写真4枚目は、左端の三峡ダム(X印)が決壊した場合の下流のハザードマップである。ただ、もしダムが決壊すれば、普通はまず下流が大被害を受けると思われるが、専門家のシミュレーションではまず上流だと言う。山崩れが同時に起こって、ダムが水をかえってせき止め、上流の重慶などの四川盆地が最初に水没すると。四川省というのは、人口が日本くらいはあるからそれだけでも大変な被害である。

 時間差がややあって、鉄砲水は通常の5倍の速度で、図の赤印の下流を地域を襲い、武漢、南京、上海などはあっという間に水中に没する。この地域は、中国のGDPの約40%をしめ、4-6億人が被害を受ける。海外企業も2万社を超え、停電が長引き、上海の復旧に10-20年はかかるなど、その損害は計り知れないと。なお、中国が、アメリカと戦火を容易には交えないのは、もし三峡ダムを破壊されれば一発で参ってしまうからだそうだ。

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dontena.doorblog.jp/archives/13710120.html

 中国発の新型コロナウイルスとならんで、怖れられているのが、三峡ダムの汚染物質(写真5枚目)。当初から指摘されていたらしいが、上流から流入する多量の土砂でダムの排水口が詰まり、人口3000万人の重慶などが垂れ流す生活排水が、ダムに溜まりに溜まっているらしい。信じられないがその上を人が歩けるほどの厚さだと言う。政府ももうお手上げで放置している様子。もし、これらの汚染物質が下流に一度にまき散らされると、伝染病の蔓延は避けられないそうだ。

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https://oacchannel.com/2020/06/?p=1950

 第6図は三峡ダム崩壊時の海洋への影響を分析したもの。武漢、南京、上海などの大都市を総洗いした流出瓦礫や汚染物質は、長江から東シナ海や黄海に流れ出て、黒潮や対馬海流に乗って今度は日本を襲う。

 まだ起こってはないが、いずれ発生するであろう歴史上まれにみるこのような人災は、中国共産党の一党独裁による欠点がでたものであろうか。一党独裁は、決断が速くて正しい判断の場合はそれなりに有効だが、間違った場合はとんでもない悲劇を起こす例である。早く、過去の過ちを認め、渇水期にでもダムを徐々に壊して元通りにするしかないであろう。230万人とされるダム建設のために移住させられた人々の為にも。

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