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2020年7月

2020年7月30日 (木)

畳語クイズ

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https://www.youtube.com/watch?v=Bb79U9cba-0

 今朝、首都圏一帯に緊急地震速報がエリアメールで配信され、どきっとしたが地震は全く感じられなかった。その後、誤報と判明。それにしても、コロナ禍で社会活動が止まっているのか、最近はニュースが少ないと思っていたら、今朝のYahooで「区区」は何と読むとのクイズまでが載っていた(写真)。「くく」も正しいらしいが、「まちまち」が三択クイズの答えである。

 ところで、諏訪兼位さんの朝日歌壇賞受賞作、「寸寸を何と読むかと娘の問いぬ秋葉原悲しずたずたと読めば」(2009年)を思い出した。「区々」「寸寸」のような繰り返し言葉を畳語と言うらしい。ウイキペデイアによれば、畳語は世界共通に、幼児語(おめめ、たんたん)、オノマトペア(ガタガタ)、強調語(とってもとっても)などに使われると。日本語にはその他に、名詞の複数化(山々)、副詞的表現(時々)などがあるそうだ。

 そこで漢字2語の畳語700例をネットで見つけたので、暇に任せてちょっとクイズを作ってみた。作って見て、作った本人がほとんど分からないのに驚くーーほんとにおまえは日本人かい?

 まずは、PCかな入力でも漢字変換される一般的に使われるらしい易しい畳語から。次の畳語の読みは? 

 1)愈々 2)然々 3)仄々 4)稍々 5)努々 6)態々 

 答えは、1)いよいよ 2)しかじか 3)ほのぼの 4)やや 5)ゆめゆめ 6)わざわざ

 次はやや難しそうな畳語から。

 7)怖々 8)段々 9)煌々 10)諄々 11)騒々 12)温々 13)歴々 14)兀々

15)爽々 16)悄々 17)緊々 18)総々 19)陸々 20)戦々

 答えは、7)おずおず 8)ぎざぎざ 9)きらきら 10)くどくど 11)ざわざわ 12)ぬくぬく 13)ありあり 14)こつこつ 15)さばさば 16)すごすご 17)ひしひし 18)ふさふさ 19)ろくろく 20)わなわな

 日常使っている畳語言葉を漢字で書くのは、難しいと緊々と感じる。しかも、使われている漢字は嫌というほど平易であるのに戦々とする。

  ついでに、畳語の四字熟語の例を紹介ーーいずれも、PCかな漢字変換入力可能のものから。侃々諤々(かんかんがくがく)、喧々囂々(けんけんごうごう)、唯々諾々(いいだくだく)、虚々実々(きょきょじつじつ)、是々非々(ぜぜひひ)、正々堂々(せいせいどうどう)、明々白々(めいめいはくはく)、縷々面々(るるめんめん)など。

2020年7月29日 (水)

南シナ海

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https://mainichi.jp/articles/20161225/ddm/001/030/112000c

 新型コロナウイルスに限らず中国発のビッグニュースが後を絶たない。中国は人口・経済力・特異な政治形態、どれをとっても気になる巨大な隣人ではある。あまり日本では気にされなかったが、先月、中国は黄海・東シナ海・南シナ海で、同時に大規模な軍事演習をしたらしい。

 第一図のように黄海は北朝鮮・韓国、東シナ海は韓国・日本・台湾、南シナ海は台湾・フィリッピン・ベトナム・マレーシア・ブルネイなどに囲まれている。中国が主張する領海は、図の赤点線の第一列島線内で、尖閣諸島や南シナ海の南沙諸島などを当然含む。

 ところが、今月、南シナ海で米国と中国が同時に大規模な軍事演習をして、お互いの艦船が見える距離にまで接近したと言う。中国のヒューストン領事館閉鎖に続いて、米国大統領選挙前に、アメリカ軍が南シナ海の中国が設置した人工暗礁を奇襲攻撃する可能性が高いと、中国の軍事専門家は警告しているらしい。

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https://www.nishinippon.co.jp/image/118352/

 東シナ海に接する沖縄には米軍が駐留するので中国は手を出さないが、南シナ海(第2図)では、ベトナムの米軍が1973年に撤収すると、早速1974に中国は西沙諸島(パラセル諸島)を軍事占領した。また、1992年にフィリッピンから米軍が引き上げると、1995年には南沙諸島(スプラトリー諸島)に中国は軍事施設(写真3枚目)を建設した。かように南シナ海は中国が好き勝手にふるまって来たのだ。

 南シナ海のこれらの諸島は、永年、中国と周辺諸国との間で領有権を巡っての紛争が続いてきたが、2016年国際司法裁判所は、中国の主張を完全に退けた。だが相変わらず中国が実効支配しているのが実情で、南シナ海は、世界の1/4の海運物流量が通り、日本の生命線を握るシーレーンだが、今、世界で最も危険な海域になるとは。

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http://blog.livedoor.jp/fuchichouyomigaeru/archives/78913304.html

2020年7月27日 (月)

報復カード

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https://jp.wsj.com/articles/SB11130368917055384376704581308874272616498

 22日、米国がヒューストンの中国総領事館をスパイ活動の拠点だとして閉鎖したが、翌日、韓国の中央日報は、韓国や中国のレアアース関連株が急騰したと報じた。これは中国がレアアースの対米禁輸「報復カード」を使うと信じられていたためである。レアアースは、自動車やIT製品に必ず使われる「先端産業のビタミン」だが、中国の鉱山(写真一枚目)が世界の生産シェア70%をキープし、アメリカは80%を中国に依存している。

 ただ、報復カードを使うと、ブーメラン効果もあり自分をも痛めるのだ。2010年尖閣諸島領有権紛争で中国は日本へのレアアースの輸出禁止をしたが、日本は備蓄で当面を凌ぎ、国を挙げての新材料の開発や代替鉱山の開拓を進め、中国依存度を50%にまで下げるのに成功した。更に2014年WTOでの日本側勝訴で価格が暴落したこともあり、中国の世界シェアは97%から80%へ落ち最近は70%とか。また、日本のEEZ内の海底で、それこそ無限のレアアースが発見されたとされ、中国のレアアースカードはいつまで使えるのか疑問視されている。

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https://feliceplan.co.jp/fptv/us-bond

 中央日報によれば、中国が使える第2の対米「報復カード」には米国国債があると。中国は、日本に次ぐ米国国債保有国(第2図)で、日本と中国で1/3を持っているらしいから、流石のアメリカも首根っこをアジア勢に抑えられている格好。もし、中国が米国国債を売れば、米国国債の暴落と金利上昇などが発生し、世界経済は大混乱する。一方、中国もドル安で海外資産が減少するなど大打撃を受けるので、このカードはそう簡単には使えない筈。

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https://www.recordchina.co.jp/b61633-s0-c20-d0000.html

 第3の「報復カード」は、中国国内の米国企業の締め出しである。ただ、アップルだけでも、台湾のフォクスコン(写真3枚目)傘下で、50万人の中国人ワーカーがいると見られ、そう容易ではないであろう。さらに、今回のコロナ騒動で、世界各国は中国でのサプライチェーンを他国に移そうとしているので、それを加速することになりかねない。

 結局、今回のヒューストン中国総領事館閉鎖への「報復カード」は、割合地味な成都駐在アメリカ総領事館の閉鎖となった。本来なら、香港米国総領事館が候補だが、香港はアジアのアメリカ企業の拠点で、余りにも影響が大きいと中国が判断したためとか。

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http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/07/21/2020072180156.html

 ところで、本ブログの記事趣旨とは関係ないが、最近、Yahooなどで中央日報日本語版の記事をよく見かけるであろう。朝鮮日報、東亜日報と並ぶ韓国の三大朝刊紙らしいが、特に韓国は米中に二股をかけているせいか、米中摩擦にセンシティブのようだ。時々、日本のマスコミより緊張感あふれる記事が載る。

 話変わるが、図4は最近発表された世界の経済力などを加味した総合的な軍事力ランキング。韓国は順位を上げ、5位の日本とほぼ同じ指数の6位である。まさかと思うが、駐留米軍が韓国から撤収したような場合、心配の種が残るーーアジアの軍事バランスを計算すると、米・印・日とロ・中・韓の合計軍事力指数は、ほぼ同じである。

2020年7月22日 (水)

舞い戻ったメインフレーマーたち

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https://japan.cnet.com/article/35155568/

 先月アメリカのハネウェル社が、世界最高性能の量子コンピュータ(写真一枚目)の商品化を発表し、IBM社のそれを凌ぐとした。これを聞いて、昔懐かしい汎用コンピュータ(メインフレーム)全盛時代を思い出した人も多いであろう。今ではクラウド(サーバとインターネット接続PC)やスパコンなどに押されて、すっかり影を潜めた感じだが、かってはメインフレームでは、IBM・ハネウェル・ユニシス・富士通・日立・NECなどが、血みどろの大激戦を戦っていたのだ。

 現在、メインフレーム市場は極端に小さくなり、IBMが80%をしめる独り勝ちだが、NECや東芝が提携していたハネウェル社も1991年には撤退している。特に、ウサギさんは、ハネウェルに売られたGEの頃から関係があるので、ハネウェルはまだコンピュータをやっていたのかと感慨深いものがある。

 ハネウェルの量子コンピュータの発表では、量子ビットにイオントラップ方式を使うそうだ。超高真空の中のイッテルビウム(原子番号70)のイオンが主役。イッテルビウムと共鳴する光をあて、演算後の0か1かを判定する。一方、IBMやグーグルは、絶対温度0度近くに冷却した超電導のワイヤーのループに電磁パルスを当てる方式で、現在のところこちらが主流と目されているらしい。

 IBMによれば量子コンピュータの性能は、「量子ボリューム」で決まると。つまり、量子ビット数、エラー率、連結量できまる数値で、IBMは53量子ビットで量子ボリューム32を達成して世界一の性能としていた。今回、ハネウェルは、4量子ビットしかないが、量子ボリュームは既に16であり、今後商品化するモデルでは、スケーラビリティが組み込まれているので、容易に64ボリュームに上がるので、IBMを上回るとしている。

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https://twitter.com/kojotaku29/status/1283175458582888448/photo/4

 ところで、昨秋、グーグルがセンセーショナルな発表をした。スパコンで1万年かかる計算を、量子コンピュータがわずか数分ですましたとした。これは勿論、量子コンピュータが得意とし、スパコンが全く不得意な問題を選んだので不公平ではあるが、まあ、グーグルが言う通りライト兄弟の初飛行に匹敵する快挙ではある。ただ、旅客機の一般普及にはその後40年以上かかっている。

 量子コンピュータの将来をどう考えているのか、最近、日本総研が優れた冷静な?レポートを出している。「量子コンピュータの概説と動向」。https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/column/opinion/pdf/11942.pdf

第2図は真に見辛いが、横軸が年度(左から2010、2019、2025、2035、2050年)、縦軸が量子ビット(下から0.5百、3百、5百、1千、2千、5千、10万、100万、1億)を表す。

 左側の赤い折れ線は、量子アニーリング方式と呼ばれるいわば(アナログ的)特化型量子コンピュータであり、既に2000量子ビットのD-WAVE2000Qなどが商品化されて、先行して実用化されている。特定の分野でデジタルな結果を求めないような応用に向いている。

 右側の青の折れ線は、汎用のゲート型量子コンピュータで、IBMやハネウェルなどが凌ぎを削っている本命分野。ここで気が付くのは、有意な計算をするには、量子ビット数を増やす必要があるのに、なかなか伸びない事。これは、量子ビットの宿命ともいえる、他から影響を受けやすく安定性がなく、エラー率が高いから、量子ビットをやたらに増やしても意味がないせい。

 PCなど古典的コンピュータでも、計算中などにエラーは発生するが、エラー修復機能があるので問題ない。ところが、量子になると厄介である。ビットの状態を覗くだけで情報が変わってしまうので始末が悪い。そこで何回も計算して、答え合わせが出来る場合は、答えが合うまで計算し、答え合わせが出来ないケースでは、結果の多数決をとる野蛮な?方法をとるらしい。

 表現は悪いが、量子コンピュータはかっては似非科学と言われたらしい。原理は分かってもその有用性が分からなかったのだ。ところが1990年代に、ショアという人が大変な発見をした。つまり、インターネットなどで使われている公開鍵暗号の原理である、素因数分解をするアルゴリズムを見つけ、それが量子コンピュータに応用できることが判った。以降、量子コンピュータの開発は急ピッチで進み、同時に格子暗号方式など、解読できない新しい暗号の研究も進んでいる。ただ、ショアのアルゴリズムを使っての解読には、200万量子ビットが必要と言われ、第2図では右端上の2050年頃と推定されているので、当面は大丈夫そうである。

 第2図で青の三角形の部分は、NISQ(Noisy Intermediate-Scale Quantum computer)と呼ばれる。ノイズがあり大規模でもない量子コンピュータ領域だが、分子同士の化学反応などをシミュレートする量子化学計算などで、古典コンピュータの性能を上回る可能性があると。そのせいもあり、各国ともに、量子コンピュータへの開発投資を始めた。米国1400億円/5年、中国1200億円/5年、EU1250億円/10年、日本200-300億円/10年(2020年度230億円/1年要求)など。

 (参考)2019.10.25の本ブログ「量子コンピュータの実際」 http://joudeki.cocolog-nifty.com/blog/2019/10/post-e04a17.html

2020年7月19日 (日)

天地創造

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http://tora-sun.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-db3a.html

 久しぶりに懐かしいIntermissionのある長い映画を見た。BSプレミアム・シネマで「天地創造」(写真一枚目、米・伊、1966年)である。旧約聖書の創世記、1章の「天地創造」から22章の「イサクの生贄」まで、3時間かけて描く。制作当時はまだCGがない時代で、特撮に苦労したであろう。特に色々な動物が狭いところに押し込められる「ノアの箱舟」が、ジョン・ヒューストン監督自身が出演したシーンのせいか、やけに長いが結構面白い。

 50年以上まえの70億円だから、現在では700億円くらいの製作費をかけ、興行収入も多かったが赤字映画だったとか。聖書ストーリーに慣れない特に日本人には、アブラハム中心の後半はやや退屈か。「バベルの塔」のエピソードが意外にあっさりで、ここはもう少し突っ込めば素人受けしたであろうが、聖書に忠実では仕方あるまい。

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http://seibei.hatenablog.com/entry/2015/02/08/172958

 ところで、天地創造の最初の1週間(第2表)のプロセスは、昔の人々の科学的なセンスが判り、今でも興味があるところ。まさに無から神の「光あれ」で光が生まれた1日目はビックバンそのものであり、植物・魚・獣・人間と生物が生まれる順序も案外正確である。また、人間が神の形を模って作られたところなどは憎いではないか。

 なお、天地創造の時期は、1654年英国国教会は、紀元前4004年10月18日ー24日と特定したが、旧約聖書のモーゼ五書に登場する族長たちの寿命を加算して算出したと言う。日本でも、1940年に紀元2600年の祝典があったが、神武天皇の即位は、歴代天皇の寿命から紀元前660年と計算されたらしい。

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https://ameblo.jp/tokukeiki/entry-12409018640.html

 ついでに、旧約聖書と新約聖書は何が違うのであろうか? 第3図に示すが、旧約聖書は紀元前10-2世紀ごろに書かれたユダヤ教の正典で、出エジプト記などユダヤ民族の歴史と多数の律法からなる。一方、イエスもユダヤ教徒であったが、ユダヤ教の厳しい戒律を批判し、キリスト教が生まれた経緯がある。新約聖書は1-2世紀に書かれたイエスの教えを説くものだが、キリスト教ではベースとなる旧約聖書をも聖書とする。

 また610年ころ、アラビアのメッカにてムハンマドがイスラム教を始めた。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教は共通の神「ヤハウエ」を信じる同根の宗教だが、イスラム教は「コーラン」を正典とする。

 

 

2020年7月17日 (金)

神奈川良いとこ?

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https://kawlu.com/journal/2017/01/28/8112/

 政府肝いりのコロナ経済対策である「Go To トラベル キャンペーン」が、東京抜きで22日から実施されることになった。経済のV字回復を目指して1兆3千5百億円を投じる観光振興の目玉政策で、コロナ騒ぎが収まると見込んだ8月頃実施の予定であったが、推進役の菅官房長官(写真一枚目左)の指示で、4日連休と夏休み前の7月22日実施へ、7月10日急遽決まったもの。

 一方、小池都知事(写真一枚目右)は、都内の感染者急増を踏まえ、「都外への外出自粛」を訴え、真っ向から国の方針と対立し、全国の地方自治体の多くの首長も小池に賛同した。菅は北海道の講演で「都の蔓延は東京都だけの問題」として、暗に小池の対応ミスと指摘のうえ、観光現場は苦しいとして既定方針を譲らない。以降、両者の泥仕合は収まらず、公明党委員長が苦言を呈するまでに発展。

 結果として、東京だけを除外しての実施となったのは、想定外の一敗地にまみれた菅と官邸による小池への嫌がらせとの観測記事が多い。一方、東京と一体の筈の首都圏3県が含まれなかったのは、菅の地盤が神奈川県の横浜だからとか。

 ここで、今更だが、首都圏の一体化の程度をお浚い。東京都の人口は1350万人、神奈川910万人、埼玉730万人、千葉620万人であるが、昼間の東京都への流入人口は、神奈川から107万人、埼玉から94万人、千葉から72万人である。実に東京の就業者・通学者の約30%は、これらの3県からの通勤・通学者で占められているのだ。従って、都民からすれば、何故都民だけGo Toの対象外なの? 外すなら首都圏全域という感じであろうか。

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https://kawlu.com/journal/2017/01/28/8112/

 話全く変わるが、コロナ騒ぎでテレワークが普及しているが、高層マンションで思わぬ死角があることが判って来たとの記事を見つけた。20階以上のタワマンでは、一般に壁は鉄筋コンクリートではなく、分厚い石膏ボードのような乾式壁を使うそうだが、これだと、遮音性が弱く、ワーク中に隣人のくしゃみが聞こえることがあると言う。また、タワマンでは1500人程度が密に住むので、エレベータが混み合い、スポーツジム・キッズルーム・パーティルームなどの共用設備が密になる可能性が高いとか。

 また、昨秋、武蔵小杉のタワマン(写真二枚目)で地下の電気設備が浸水して、長期に電気・水道・エレベータなどが止まって、大問題となったが、東京の臨海地区のタワマンなども同様のリスクを抱えているらしい。これらのタワマンは、交通の便が良いとして人気が高く、実力以上の高値で取引されてきたが、テレワークの日常化など、ニューノーマルの時代には、神奈川など郊外の一戸建ての人気が出るのは間違いないと言う。ここでも神奈川よいとこ?

 

 

2020年7月15日 (水)

三体Ⅱ 黒暗森林

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60725990U0A620C2BC8000/

 中国のSF作家、劉慈欣の「三体Ⅱ 黒暗森林 上下」(写真一枚目)を藤沢ジュンク堂で買った。「三体」は2006年に書かれたが日本語版発行が何故か2019年6月と遅れ、2008年に書かれた「三体Ⅱ」の日本語版もやっと先月発刊されたもの。また、「三体Ⅲ 死神永生」日本版は来年発刊らしいが、「三体」シリーズ全体では、全世界で既に2900万部売れている滅多にないスーパーベストセラー作品らしい。

 なお、2020.2.15の本ブログで「三体」を紹介している。 http://joudeki.cocolog-nifty.com/blog/2020/02/post-51ff0b.html

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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8A%89%E6%85%88%E6%AC%A3

 著者の劉慈欣(1963- 写真二枚目)は、中国山西省出身の発電所のコンピュータ管理者である。他の主な作品は「球状閃電」「さまよえる地球」「神様の介護係」など。2015年、アジア人初のヒューゴー賞受賞。

 4光年遠方の「三体」に高度な文明があるが、より安住の地を求めて、地球を400年後に宇宙艦隊で侵略する計画が判明した。その間、地球は対策を進めるが、敵は「智子」というコンピュータを埋め込んだ陽子を地球に発射し、高エネルギー素粒子物理学などの実験を妨害し、あらゆる人間の活動も監視する。「智子」の唯一の死角は人間の思考であり、世界で4人の特別な権限を与えられた「面壁者」が選ばれ、終末決戦の戦略を誰にも漏らさずに思考することになる。

 主人公の名もない天文学者である羅輯は、突然、「面壁者」に選ばれ、本人もその理由が分からず当惑する。実は、第一部の主人公で「三体」発見者の葉文潔が、若いころの羅輯に「社会宇宙学」を勉強するように、重要な公理と概念を教えて勧めていたのだ。

 これが「黒暗理論」である。宇宙は広大でもし複数の文明が存在しても、お互いを理解しあう事は不可能。また、どんな文明でも突然技術が大進化することがある。従って、もし他の文明を見つけたら、すぐ相手を滅ぼすのが最も賢明である。全ての文明は、宇宙の暗い森に潜む狩人のようなもので、自分の位置を相手に絶対に知らせてはならないのだ。高名な物理学者「フェルミのパラドックス」というのがある。「宇宙には沢山の文明がある筈なのに何故見つからないのか?」ーーこれは各文明が自分の存在を消しているからである。

 200年後に人工冬眠から起こされた羅輯は「三体」と対決し、「三体」の位置情報を全宇宙にバラマクと脅して、地球侵略を思い止ませることに成功する。

 200年後の世界の描写も結構面白い。地下空間に人々は住むが空はあくまでも青く見え、地表を支える多数の木の根のような建物に住む。エネルギーは無料で電波で送られ、地下の空飛ぶ自転車が交通手段。壁や衣服などあらゆるものがディスプレイになり色や模様も自由に変わる。部屋の照明や温度なども、瞬時にその人に最適になるように自動調整される。著者がコンピュータ技術者なのに、コンピュータの進化は止まってしまって、現在と余り変わらない。食物は全て工場生産なので、地上の農産物は凄い貴重品など。

 

2020年7月13日 (月)

火山噴火とマグマ

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https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/15/092500017/092500001/

 昨日、鹿児島県の諏訪之瀬島が今月2回目の噴火をしたが、最近、同県の口永良部島、薩摩硫黄島、桜島、東京都の西ノ島と島嶼で続いて、火山活動が活発になっている。これは、今後30年の間に確率7-80%で発生すると予測される南海トラフ巨大地震の前触れとする学者もいるようだ。

 図一枚目は、2015年の火山噴火予知連絡会の資料で、お馴染みの危険な火山一覧である。長引く豪雨やコロナ騒ぎに隠れて、これらの火山活動は余り報道されていないようだが、火山噴火の原因となるマグマの仕組みなどについて、小中学生時代に戻った気持ちで、今更だがちょっとお浚いをして見た。

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http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2012/09/1194.html

 ご承知のように、地球の内部構造(図2枚目)は、地表から掘り進めると地殻・マントル・外核・内核となる。地球誕生時は、星と星の合体で高熱のマグマ・オーシャンであったが、徐々に冷え、鉄やニッケルなど重い元素が中心に沈んで内核(固体)を形成した。その外側に液状の外核が依然として超高温で残り、これが地球自転により流動して電流が流れ、地球磁気を発生させる。

 さらに外側には、依然高温だが高圧のために固体となったマントルが取り巻く。ところで、火山のもとになる液体のマグマは、液状の外核由来ではなく、あくまでこの固体のマントルの中で、不思議なことに地表近くで生まれるらしい。

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https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/whitep/2-4.html

 マグマの出来方には二通りある。一つはハワイの例で、プレートの真ん中でホットスポットから湧き出るタイプと、日本などの例でプレートの境で発生するタイプがある。第3図は後者の場合で、海側のプレートが陸側のプレートに潜り込むさい、海水も一緒に引き込むが、この水が橄欖石の融点を急激に下げ、マグマが発生する。地球の半径は6400kmもあるが、100kmとかの浅いところでマグマは生まれ、上昇してマグマ溜まりを形成して、遂に地表の隙間から噴火に至る。

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https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/nteq/nteq.html

 日本近辺のプレートは、第4図のように、陸のプレートである北米プレートに海のプレートである太平洋プレートが潜り込み、日本海溝で東日本大震災を起こした。一方、陸の他のプレートであるユーラシアプレートに、他の海のプレートであるフィリピンプレートが潜り込み、南海トラフ巨大地震を起こすとされている。

 第4図で相模トラフの延長であるフォッサマグナの西側は、ユーラシアプレートで、西日本の火山活動が活発なのは、最近、フィリピンプレートの圧力が大きいので、マグマの生成が多いためと考えられると。従って、同時に南海トラフ巨大地震発生の危険も大きいということ。

 

2020年7月10日 (金)

九州の梅雨と中国

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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A2%85%E9%9B%A8

 「令和2年7月豪雨」で各地に梅雨前線が居座っているが、特に九州南部・北部を線状降雨帯が次々と襲うのは何故か、今更だがちょっとネットで勉強。そもそも、梅雨時の東アジアでは、第一図のように4つの気団がせめぎ合っているらしい。

 左上の揚子江気団だけが大陸性で乾燥し、右上のオホーツク海気団、右下の小笠原気団、左下の熱帯モンスーン気団は海洋性で湿気が多いそうだ。また、オホーツク海気団だけが冷たく他は暖かい。揚子江気団と熱帯モンスーン気団は主として湿度の差で間に停滞前線が発生し、オホーツク気団と小笠原気団の間には主として温度の差で停滞前線が出来ると言う。なお、東西の気団同士は、離れていたり、性質が似ていたりで、その間に前線は発生しないと。

 南北の気団が衝突した場所に、東西に数千kmに渡って前線ができ、数か月かかって少しずつ北上し、長雨が1-2か月続くが、これが「梅雨」である。図を見ると、九州など西日本の梅雨は、主に揚子江気団と熱帯モンスーン気団の南シナ海海上などでの衝突が起源であることが理解できる。

 この4つの気団は勢力がお互いに拮抗しているので、梅雨前線は長期に同じところに停滞するが、夏の訪れとともに、南側の気団の勢いが強くなり、次第に前線は北上し遂には消え去る。また、一般にアメリカでもそうだが、大陸の東端は雨が多いという共通した気象傾向があり、梅雨時の西日本の雨量が東日本より多いのはそのせいとか。

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https://www.afpbb.com/articles/-/3287772

 ところで、梅雨は日本特有の現象かと思ったら、中国の方が先輩である。もともと「黴雨(ばいう)」と中国で言ったが、「かび」より「うめ」が良いとして、同音の「梅雨」になったと「チコちゃん」で教わった。今回の豪雨被害(写真2枚目)も、中国の長江や黄河などでは日本の比ではないらしい。304の河川で警戒水位を越え、5000万人が避難したとか。もし、三峡ダムが決壊でもしたらそれこそ中国はすっ飛ぶかもしれない。

 新型コロナウイルスが中国で発生し、今回の大水害とも合わせて、今年は中国の災難の年である。中国には、「庚子(かのえね)大禍」という迷信?があるとか。庚子は十干十二支で60年に一回巡ってくるが、2020年がまさに庚子に当たるのだ。歴史的なこじつけの感もあるが、1840年のアヘン戦争、1900年の義和団の乱、1960年の大飢饉が大禍に相当すると。

 関係ないが、日本でも某副総理の「呪われたオリンピック」発言があったのを思い出した。こちらは60年ではなく、1940年、1980年、2020年オリンピックと40年ごとである。このまま世界中のコロナ禍が収まらないと、副総理の「呪われたオリンピック」が、それこそ予言通りになるかもしれない。

 

  

 

 

 

2020年7月 7日 (火)

三峡ダム、ブラックスワンが迫る

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https://news.yahoo.co.jp/articles/f5d099f3b2be1de4d1601d9875b8dd63f3b246f3

 NEWSWEEK誌日本版は「中国の三峡ダム(写真一枚目)にブラックスワンが迫るー決壊はありうるのか」と報道している。1697年に豪州で黒い白鳥が発見され、「有り得なく起こり得ないことが起きるときに強い衝撃を受ける」ことをブラックスワンというらしい。

 豪雨により1400万人の洪水被害者が既に出ている中国で、世界最大の水力発電ダムの危機が囁かれている。もし、決壊すれば上海が水没するなど、その被害は計り知れないが、ダムの耐久性はほぼ限界に達していると。そこで、ネットで三峡ダムについてちょっと勉強してみた。

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https://life.jah.tokyo/世界最大の三峡ダムはいつ決壊してもおかしくな/

 三峡ダムは第2図のように、長江(揚子江)中流の武漢と重慶の間に位置する。1993年、多くの専門家の反対を押し切り、共産党政府が建設した世界最大の落水式ダム。32基の発電機による発電量は、中国全体の需要の10%を賄うという。貯水量は黒部ダムの200個分、面積は琵琶湖の1.7倍もある。河の水深も深くなり、1万トン級の船舶が5段階の閘門を経て170mの落差を上り、重慶まで航行できるようになった。

 2009年に竣工したが、建設中は官僚たちによる汚職の温床になり、手抜き工事で試験注水時に、ダムの堤体に1万か所の亀裂が発見されたらしい。当初は1000年の計としたが、いつの間にか100年の計となり、もう10年で怪しくなってきた。プロジェクトを推進した政治家トップたちは、責任逃れか竣工式に誰も姿を見せなかったので、スタート時から不吉な?ダムだったらしい。

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ichikawakazuhiko.naganoblog.jp/e2501534.html

 2018年にGOOGLE EARTHの画像(写真3枚目)で、ダム本体の歪が発見されたが、中国政府はこの事実を画像処理のためとして認めなかった。ところが、最近は「設計の範囲内」として歪を認めている様子。ただ、専門家によれば、一般にコンクリートの歪は確かに出るが、あくまでもmm単位であり、もしこのような大きな歪が本当なら、もうとっくに決壊していてもおかしくないそうだ。

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https://tr.twipple.jp/p/1f/3daf07.html

 写真4枚目は、左端の三峡ダム(X印)が決壊した場合の下流のハザードマップである。ただ、もしダムが決壊すれば、普通はまず下流が大被害を受けると思われるが、専門家のシミュレーションではまず上流だと言う。山崩れが同時に起こって、ダムが水をかえってせき止め、上流の重慶などの四川盆地が最初に水没すると。四川省というのは、人口が日本くらいはあるからそれだけでも大変な被害である。

 時間差がややあって、鉄砲水は通常の5倍の速度で、図の赤印の下流を地域を襲い、武漢、南京、上海などはあっという間に水中に没する。この地域は、中国のGDPの約40%をしめ、4-6億人が被害を受ける。海外企業も2万社を超え、停電が長引き、上海の復旧に10-20年はかかるなど、その損害は計り知れないと。なお、中国が、アメリカと戦火を容易には交えないのは、もし三峡ダムを破壊されれば一発で参ってしまうからだそうだ。

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dontena.doorblog.jp/archives/13710120.html

 中国発の新型コロナウイルスとならんで、怖れられているのが、三峡ダムの汚染物質(写真5枚目)。当初から指摘されていたらしいが、上流から流入する多量の土砂でダムの排水口が詰まり、人口3000万人の重慶などが垂れ流す生活排水が、ダムに溜まりに溜まっているらしい。信じられないがその上を人が歩けるほどの厚さだと言う。政府ももうお手上げで放置している様子。もし、これらの汚染物質が下流に一度にまき散らされると、伝染病の蔓延は避けられないそうだ。

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https://oacchannel.com/2020/06/?p=1950

 第6図は三峡ダム崩壊時の海洋への影響を分析したもの。武漢、南京、上海などの大都市を総洗いした流出瓦礫や汚染物質は、長江から東シナ海や黄海に流れ出て、黒潮や対馬海流に乗って今度は日本を襲う。

 まだ起こってはないが、いずれ発生するであろう歴史上まれにみるこのような人災は、中国共産党の一党独裁による欠点がでたものであろうか。一党独裁は、決断が速くて正しい判断の場合はそれなりに有効だが、間違った場合はとんでもない悲劇を起こす例である。早く、過去の過ちを認め、渇水期にでもダムを徐々に壊して元通りにするしかないであろう。230万人とされるダム建設のために移住させられた人々の為にも。

2020年7月 6日 (月)

蝗害


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www.meihoucom.jp/25633

 熊本県南部での集中豪雨で球磨川が氾濫するなど大きな被害が出ている。新型コロナウイルスが収まらないなか災難が続くが、世界でもコロナに加えて他の大きな災害が発生していると、今朝の日経ビジネスは報道している。写真一枚目のサバクトビバッタによる「蝗害」(こうがい)で、第2図のようにアフリカ東部・中東・インドに被害が広がっているらしい。


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www.meihoucom.jp/25633

 FAOは、2020年に東アフリカで2500万人、イエメンでは1700万人が飢餓に陥ると警告している。パキスタンでは、綿花や小麦が食い荒らされ、約5500億円の損害が予測されると。

 また、南米パラグアイでもサバクトビバッタが大発生し、大食料庫のアルゼンチンへ南下している。幸い、アメリカと中国へはまだ来襲していないが、食料入手難という点で日本もいずれ何らかの影響を受けると。

 1平方kmに最大8000万匹の成虫がおり、1日に3万5千人分の食料を食べる。2018年にサイクロンがアフリカの砂漠地帯に大雨を齎し、植物が繁茂してバッタが数を増やした。その後、大雨が飛来先にも続いて更に増えて70年来という爆発的な繁殖となったそうだ。

 1870年のネブラスカの最大の群れの例では、幅180km、長さ500kmに達したと。1958年の観測では、1立方メートルあたり17匹、個体数500億匹、重量12万トンである。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/蝗害

 ウイキペディによれば、バッタは11月に産卵し春に幼虫となり、低い生息密度のもとでは、写真3枚目上の「孤独相」という普通の成虫となる。ところが、不思議なことに、幼虫のときに他の幼虫と接触すると、写真3枚目下のような黒い「群生相」に変わるのだ。これがいわば「悪魔への変身」(相変異)で、高い飛翔能力と集団性が高い成虫が生まれる。

 

 ところで、「蝗」は「いなご」と訓で読むが、見た目に差はない「イナゴ」と「バッタ」は何が違うのであろうか。両者とも分類上は「バッタ目」に属し、「イナゴ科」と「バッタ科」に分かれる。ただし、「イナゴ科」は「バッタ科」のように相変異はしない。平たく言えば、コメを食うイナゴは食べるとおいしく、バッタは不味い。

2020年7月 1日 (水)

なぜノーベル物理学賞をとれたのか

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https://www.sankei.com/life/news/151006/lif1510060042-n1.html

 「ノーベル賞の科学 なぜ彼らはノーベル賞をとれたのか 物理学賞編」(2009年、矢沢サイエンスオフス編著)を、化学賞編に続いて図書館から借りた。1983-2008年の主な16人が特集されているが、内4人の日本人が載っているので紹介する。

 まず、写真一枚目右の小柴昌俊氏(1926-)は、2002年「天体物理学、特にニュートリノの検出に対するパイオニア的貢献」で物理学賞を受賞。東大教授として当初は「陽子崩壊」を観測すべく、1983年岐阜県神岡鉱山の地下1000mに3000トンの純水プールのカミオカンデを造り、光電子増倍管1000個で観測した。ところが3年間観測しても「陽子崩壊」は一向に起こらず、それこそ国家予算の無駄使いの典型例とされそうになった。

 そこで、ニュートリノの検出に方針転向し、設備を整えて1987年元旦から観測を始めたところ、なんと54日後に、「超新星1987A」からのニュートリノ・シャワーを捉えたのだ。13秒間に11回観測され、そのエネルギーは、太陽が過去50億年間に放出した量の1000倍もあったという。

Particles

https://www-he.scphys.kyoto-u.ac.jp/nufrontier/neutrino.html

 ところで、ニュートリノとは何であろうか。第2図に示すが、物質の基本構成粒子である素粒子は、物質粒子、力を運ぶ光子などのゲージ粒子、質量を与えるヒッグス粒子の3種からなる。更に、物質粒子は、原子核を作るクオークと電子などのレプトンからなるが、ニュートリノはこのレプトンの仲間である。ニュートリノは電気を帯びておらず、小さくて軽いので、あらゆる物をスイスイ通り抜ける。太陽や超新星爆発、原発などでも発生し、1秒間に100兆個ものニュートリノが我々の体を通り抜けているが害はないらしい。

 従来、このニュートリノには質量がないと考えられてきたが、若干の質量があることを、1998年、写真一枚目左の梶田隆章氏が発見し、2015年「ニュートリノ振動の発見」で物理学賞を受賞した。梶田氏は東大の小柴氏の弟子。なお、本書の出版後の授賞なので梶田氏は載っていない。

 カミオカンデは1996年にその使命を終えたが、同年、2代目のスーパーカミオカンデが稼働を開始。5万トンの純水と1万2千個の光電子増倍管で陽子崩壊を監視したが今回も失敗。だが、1998年、地球の下部からのミューニュートリノの数が、宇宙からくる数の半分しかないことから、地球内部でミューニュートリノの一部がタウニュートリノへ変身した(振動という)ことが判り、ニュートリノに質量があることが証明されたという。

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https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/d7bfaa2f112a267aa1da4ecfa2a6c8f7

 最近の物理学賞は、カミオカンデ、スーパーカミオカンデなどに代表されるいわば「巨大科学」による成果が増えている。スイスのCERNを使った「ヒッグス粒子の発見」を筆頭に、アメリカのLIGOによる「重力波の発見」など国の威信をかけたように大きな国家予算が使われる。受賞者も研究室で一人コツコツというより、大きな組織のトップで、予算分捕りに長け、大勢の研究者のマネジメントに適した人が貰うようだ。

 その正反対に、昔流の紙と鉛筆で?2008年の物理学賞を取ったのは、写真3枚目の南部陽一郎氏(右、1921-2015)、小林誠氏(中、1944-)、益川敏秀氏(左、1940-)である。南部氏は「素粒子物理学における自発的対称性の破れの発見」、小林・益川氏は「小林・益川理論とCP対称性の破れの起源の発見による素粒子物理学への貢献」が受賞理由。

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https://slidesplayer.net/slide/15151167/

 3人の授賞理由の共通項は、「対称性の破れ」だが、これを一般の人が理解するのは大変であろう。第4図はマスコミ受けする説明で、南部氏の業績は一口で言えば、上記に何回か登場した質量を与えるヒッグス粒子を予測したこと。南部氏は米国籍だが、もう半世紀前に大きな業績をあげ、教科書に載るほどの伝説的な人であり、2008年の受賞時は「今頃?」という感じだったらしい。また、ピーター・ヒッグス(1929-)は、1964年に南部理論をベースとして、ヒッグス粒子の仮説をたてたが、2012年CERNでヒッグス粒子が観測され、2013年に物理学賞を受賞している。

 一方、小林・益川氏の業績は、クオークとレプトンにおける第3世代の存在を提唱したことにあると。クオークではトップとボトムであり、レプトンではタウニュートリノとタウ電子である。 

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https://www.youtube.com/watch?v=MY-jF0o0lRg

 写真5枚目の3人も本書には載っていない。2014年「高輝度で低消費電力の白色光源を可能とした青色発光ダイオードの発明」で物理学賞受賞。こちらの授賞理由は分かりやすいが、名古屋大の赤崎・天野氏は窒化ガリウムの結晶化により青色発光を可とし、日亜化学の中村氏は事業化に成功。中村氏も米国籍。

 

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