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2020年6月17日 (水)

ミサイル防衛


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tokyoexpress.info/2017/10/25/配備する「イージス・アショア」に巡航ミサイル/

 今日は趣向をちょっと変えてキナ臭い話を一つ。河野防衛相が、10万円給付の二階自民党幹事長に続いて、「ちゃぶ台返し」をした。2017年、安倍首相が米トランプ大統領のご機嫌取りに、官邸主導にて決めた陸上イージス導入計画を、急に停止したのだ。アメリカの反応を気にする外務省は「殿ご乱心」と大騒ぎらしいが、まさに「死に体」政権で起こる現象で、次の「ちゃぶ台返し」は何かともう永田町では囁かれているらしい。

 陸上イージス(写真一枚目、左が管制建屋・右がミサイル発射塔)は、イージス・アショアと呼ばれ、日本に向かう弾道ミサイルを地上から発射する迎撃ミサイルで撃ち落とす。従来、海上のイージス艦が対応してきたが、海上での日夜の連続勤務が厳しく、陸上が楽ということから、そっくり機能を陸に移してイージス・アショアが生まれたらしい。

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https://mainichi.jp/graphs/20171217/hpj/00m/010/001000g/1

 とりあえず、日本をカバーするには2基が必要で、候補地として陸上自衛隊の秋田県新屋演習場と山口県むつみ演習場(図二枚目)が選ばれた。何故かイージスのノウハウが豊富にある海上自衛隊や航空自衛隊でなく、何もわからぬ陸上自衛隊が急に押し付けられ、現地対応の拙さもあって、まず秋田県でトラブルを起こした。

 
 山口県では演習場が内陸のため、発射後のブースター地上落下が問題となっていたが、最近、ソフトの改造では追いつかず、ハードで2000億円・10年間もかかることが判って、遂に停止に追い込まれたもの。良く分からないが、この問題は候補地決定時から判っていて、海岸に設置すれは解決していた筈だが。
 
 ネットによれば、普通の事業案件は現場が周到に準備して上にあげる日本の仕組みだが、イージス・アショアの場合は、官邸トップダウンの上に、さんざんマスコミなどに叩かれ、面目を失った感の防衛省は腹を立て、大義名分の立つこの停止のチャンスを前から狙っていたのではと。

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https://mainichi.jp/graphs/20171217/hpj/00m/010/001000g/1

 日本のミサイル防衛システムは第3図のように2本立てである。まず、敵地で弾道ミサイルが発射されると、米国の早期警戒衛星が発射時の熱を検出する。その情報で地上・海上のレーダーが目標を追尾して弾道軌道を解析し、大気圏外で分離されるロケットエンジンやデコイ(囮)などの中から、本物の弾頭を識別する。イージス艦の迎撃ミサイルから放たれた迎撃体で、高度70-500kmの宇宙空間にて弾頭を直撃し、交戦時の赤外線反応から成否を判別する。

 もし、これで撃ち漏らした場合は、地上のパトリオット・ミサイル(PAC3)を使って、高度15-20kmで撃ち落とす。PAC3は可搬式で大都市や主要地周辺に約120基配置されているが、敵ミサイルの破片はブースターどころでない規模で都市近郊に落下する。だが、核攻撃の被害と比較すれば問題とする人は少ないと。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/THAADミサイル

 それでは、北朝鮮のミサイル脅威が続く中、今後の対策はどうするのであろうか? 河野大臣は、「現在7隻で来春8隻となるイージス艦で当面乗り切る」とする。一方、THAADミサイルというのがある。韓国米軍が設置するとして、中国が猛反対し、韓国に経済制裁を加えた曰く付きのシステム。

 THAAD(写真4枚目、終末高高度防衛ミサイル)は、40-150kmの高度で落下してくるミサイルを撃ち落とす迎撃システムで、パトリオットより高度であり、迎撃に成功した場合、地上への影響が少ないとされる。

 一般人はミサイル防衛と言えば、多分迎撃ミサイルの方に関心が行きがちだが、実は心臓部はレーダーの方であり、このTHAADミサイルは、Xバンドレーダーという高性能なものを使うらしい。中国が韓国への設置を反対したのもこのレーダーの威力が凄いためとか。

 在日米軍には、多分、THAADはまだ配置されていないが、Xバンドレーダーの方は、京都府経ヶ峰、青森県車力各米軍通信所の2か所に既に配置されているらしい。いざ開戦となれば横須賀・沖縄の米軍基地と、この2か所の米軍通信所が最初の攻撃目標になるに違いないとか。

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https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20180316-00082784/

 ところで、ミサイルの各国の開発競争はもの凄くて、アメリカでさえ、防衛システムが追いつかないらしい。特に、ロシアが開発して既に実地に配置したというアヴァンガールド(写真5枚目、超音速滑空体)は、各国とも迎撃にお手上げとか。

 ロケットで打ち上げたあと、加速してグライダーのように大気の薄い層を、マッハ20という超高速で飛行し、飛行機のように飛行経路を変えられる。ロケットで高高度に打ち上げる弾道ミサイルでも、低高度を飛びレーダー逃れをする巡航ミサイルでもない、いわば「滑空ミサイル」という新ジャンルの画期的なミサイル。中国も超音速の滑空体ミサイルを開発したとかで、今やミサイルの脅威は北朝鮮ではなく、ロシアと中国らしい。

 

 

 

 

 

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