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2020年6月

2020年6月29日 (月)

NかMか

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https://ameblo.jp/bookcafe-cosmos/entry-11592682600.html

 藪から棒だが、アガサ・クリスティの長編ミステリーに「NかMか」(1941年、写真一枚目)というのがある。お馴染みの探偵ポワロやミス・マープルではなく、トミーとタペンス夫妻が主人公の3作目。ちょっと変わった題名は、聖公会祈祷書にある「汝のクリスチャンネームは何か。NかMで答えよ」から採られたという。

 ところで、今日のブログ「NかMか」は、このクリスティの作品とは全く無関係で、日経電子版が2011年の「東京不思議探検隊」記事を動画版でアップしたタイトルから採っている。

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https://style.nikkei.com/article/DGXNASFK16018_16112011000000/

 写真2枚目のように、「日本橋」の「ん」のローマ字表示に「N」と「M」の二通りあり、どちらが正しいの?というのが記者の問題意識。調べるとJR・メトロ・都営地下鉄・バスなどの駅名は全て「M」であり、三越も高島屋も「M」である。一方、道路標識・みずほ銀行・三井住友銀行などは「N」である。

 ことの起こりは、ヘボンが1886年に決めた「旧ヘボン式」にまで遡る。元来、ローマ字表記は、外国人に読みやすくするために考案されたもの。「ん」は[N」としたが、特に「N」が「B」「M」[P」の前に来ると発音しにくいため、その場合に限り例外的に「M]とした。たしかにNIHONBASHIより、NIHOMBASHIの方が発音しやすいのであろう。ところが、ややこしいことに、1954年に旧ヘボン式は改定され「修正ヘボン式」となり、「ん」は例外なく「N]を使うようになったので混在しているのだ。

 ここで、ローマ字の歴史をちょっとお浚いするが、科学と違って言語の世界は、まさにGOCHAGOCHAですっきりしない。ご承知のように、ヘボン式では、「し」は「SHI」、「ち」は「CHI」、「つ」は「TSU」、「ふ」は「FU」など、外国人が発音しやすいようになっているが、これを小学校で教えるには理由が付かない。そこで、1937年に政府は国粋的な?「訓令式」を定めた。「し」は「SI」、「ち」は[TI」、「つ」は「TU」、「ふ」は「HU」、「ん」は[N」であり、これが現在小学校でも教えられている日本の公式なローマ字である。

 ところが、1954年、GHQなどヘボン派の巻き返しがあり、「訓令式」と「旧・修正ヘボン式」が、ケースバイケースに使用可となった。主として、パスポートや駅名などは「旧ヘボン式」、道路標識などは「修正ヘボン式」を使うが、その後、学校で習った標準の「訓令式」はあまり使われないと言う妙な事態になっているのが現状。

 さらに、話を複雑にしているのが、PCやスマフォのローマ字キーボード入力。「じゅうよう」は、ヘボン式や訓練式では上に長音記号を付けるが、コンピュータ入力では[JUUYOU」となり、「ん」は「NN」となるので、このままローマ字記述する人が増えているらしい。

 元の情報がしっかりさえしていれば、ローマ字表示などあまり問題とならないのではとの説もあるが、例えば外国でパスポート情報のコンピュータ検索が必要になったとき、旧ヘボン式で名前を入力したのを忘れていると、そのような人は居ませんともなりかねない。因みに、パスポート上で「群馬」県は、「GUMMA」でエーっと戸惑う人も多いそうだ。

 なお、2009年に東大では、「修正ヘボン式」をベースとしたローマ字推奨方式の使用を学内に通知しているらしい。

 

 

 

2020年6月27日 (土)

なぜノーベル化学賞をとれたのか


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https://www.amazon.co.jp/dp/4774140597/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

 コロナ騒ぎで業務を縮小していた図書館もほぼ旧に戻ったので早速一冊借りてみた。「ノーベル賞の科学ーなぜ彼らはノーベル賞を取れたのか-化学賞編」(写真一枚目、矢沢サイエンスオフィス編著 2010年)である。この本はシリーズ物で、物理学賞編、生理学医学賞編、経済学賞編は既に出版されているらしい。

 
 一般論としては、化学は退屈な分野であり、化学賞の受賞者には物理学賞や生理学医学賞のような華々しい、マスコミ受けするような人があまり居らず、人々が忘れがちであると本書はしている。正直、ウサギさんも日本人が沢山化学賞を受賞して居られるが、どなたが何をされたか頭は混乱している。
 
 ウィキペデイアによれば、日本人のノーベル賞受賞者は、物理学賞9人、化学賞8人、生理学医学賞5人、文学賞2人、平和賞1人の計25人であり、ほかに日本人だが外国籍の人が、物理学賞で2人(南部洋一郎氏、中村修二氏)、文学賞で1人(カズオ・イシグロ氏)おられるそうだ。
 
 本書では、2008年から遡る約30年間の化学賞受賞者から、主な20人を選んで一般の人にも分かりやすく紹介している。その中に登場する5人の日本人にスポットを当ててみる。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/下村脩

 最初は下村侑氏(写真二枚目、1928-2018)。「緑色蛍光蛋白質(GFP)の発見と開発」で2008年の化学賞受賞。GFPは顕微鏡の発明以来といわれる革命的なツールでトレーサーに使われた。今や、がんの転移などタンパク質がかかわるあらゆる生命科学の研究に欠かせないと。

 
 1951年長崎大薬学部を卒業し、修士課程でウミホタルの発光物質の抽出に成功したが、プリンストン大学のジョンソン教授がこれに注目し、1960年下村氏を招聘する。そこで与えられたテーマは、オワンクラゲの緑色発光物質の研究。家族全員でクラゲをとり、1日に3000匹、10年で10トンのクラゲを集めたという。
 
 1974年ついに発光の仕組みを解明した。1987年、別の研究者により、GFPのトレーサーとしての応用法が発見され、1994年には緑色以外の色にも発展し、いわばモノクロからカラー化が進んで、その応用が爆発的に進んだという。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/田中耕一

 二人目は田中耕一氏(写真三枚目、1959-)。2002年、「生体高分子の同定および構造解析のための手法の開発」で化学賞受賞。平たく言えば、タンパク質の質量を計ったのである。タンパク質は、アミノ酸の数と配列が違うので、その質量は微妙に異なる。従って、タンパク質の種類を特定するのには質量の測定が重要だが、質量は1/1億ー1000億グラムしかない。

 
 質量分析はまず資料を高電圧下の真空中でイオン化し、生成されたイオンを質量に応じて分離してそれぞれの質量を検出する。ところが、かってはイオン化できるのは無機質に限られ、タンパク質は無理であった。だが、田中氏は島津製作所での先輩のアイデアで、添加物を加えてレーザー照射することを日夜実験していたが、ある日、誤って添加物に選んだコバルトの粉末にグリセリンを垂らしてしまった。本来捨てるべきものだが、どうせ捨てるならと添加物に使ってみると、意外にもタンパク質はイオン化されたのだ。
 

 ところで、田中氏はノーベル化学賞受賞者のなかでも稀有の人らしい。東北大学電気工学科の卒業だが、博士でも修士でもない学士は歴史上田中氏が初とか。43歳の無名のサラリーマンでもあり、化学が専攻でなかったことも、色々な化学関係者からの受賞後の講演依頼で困ったらしい。「私は化学が不得意?なノーベル化学賞受賞者なのです!」

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https://ja.wikipedia.org/wiki/野依良治

 三人目は野依良治氏(写真四枚目、1938-)。2001年、「キラル触媒による不斉反応の研究」で化学賞受賞。平たく言えば、ロジウムやルテニウムなどを触媒として、効率よく化学化合物を生成する技術。

 灘高・京大・名古屋大・ハーバード大を経て名古屋大に戻り、定年後は理化学研究所理事長。2007年の天皇皇后両陛下の欧州視察では首席随員を務めるなど、エリートコースを歩んで、本書のネタになるような面白いエピソードは特にない。ただ、理研時代には、STAP細胞事件で大いに泡を食ったらしい。

 「事実は真実の敵」という変わったモットーが持論とか。「事実は事実として尊重するが、事実は限定的であり、その裏に潜む偉大な真実を見逃してしまう」

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www.nikkei-science.com/page/magazine/0012/SHIRAKAWA.html

 四人目は白川英樹氏(写真五枚目、1936-)で、2000年に「導電性高分子の発見と発展」で化学賞受賞。驚いたことに絶縁体の筈のプラスチックに電気が流れたのだ。

 1966年、白川氏が東工大の助手の時、韓国からの留学生が、ポリアセチレンを造る際に触媒の量を間違えたのが大発見の糸口とか。

 導電性ポリマーはいまでは電池・コンデンサー・発光ダイオード・有機ELテレビ・電子ペーパーなどへの応用が広く進んでいる。吉野彰氏がリチウムイオン2次電池の負極に、ポリアセチレン使ったのでも有名になった。

 ただ、受賞時に白川氏は筑波大学を定年で辞めたばかりで、悠々自適の生活が乱されるので、受賞辞退も考えたらしい。同じ受賞者でも、野依氏とは受けるイメージがだいぶ違うのに驚く。

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https://www.sankei.com/life/news/191209/lif1912090027-n1.html

 五人目は福井謙一氏(写真六枚目、1918-98)で1980年「化学反応過程の理論的研究」で化学賞受賞。戦前、京大の工業化学科で学んだが、化学とは所詮電子の科学であるとして、量子力学などの物理や理論化学に興味を示した。

 フロンティア軌道理論を提唱。化学反応のさい、一方の持つ最高エネルギーの軌道電子が、他方の分子が持つ電子の存在しない最低エネルギーの軌道に入ると予言した。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/根岸英一

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www.asahi.com/area/hokkaido/articles/MTW20180925011190002.html

 本書には載っていないが、2010年に「クロスカップリングの開発」で化学賞を受賞したのが、根岸英一氏(写真七枚目、1935-)と鈴木章氏(写真八枚目、1930-)。芳香族化合物の炭素同士を触媒で効率よくつなげる。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/吉野彰

 同じく本書には触れられていないが写真九枚目の吉野彰氏((1948-)は、「リチウムイオン二次電池の開発」で2019年の化学賞受賞。

 

2020年6月24日 (水)

富岳四十一京

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https://unbalance.xyz/fugaku-supercomputer/

 理化学研究所と富士通のスーパーコン「富岳」(写真1枚目)が、毎秒41京の計算をして世界最速となったが、おサルさんからは、葛飾北斎の「富岳三十六景」ならぬ「富岳四十一京(けい)」と言うと教わった。

 国立研究開発法人理研の「富岳」スパコンは神戸研究所に属し、前身の「京」スパコンを撤去した跡に設置された。理研の神戸研究所と言えば、STAP細胞事件でも有名だが、兵庫県西部の佐用町にある放射光研究センターも、世界最高性能の放射光で有名である。

 これらから、理研は関西の研究所との誤解を受けかねないが、実は埼玉県和光市に本拠があり、筑波・横浜・東京・仙台・名古屋など全国展開している大研究所である。

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 第2図は、歴代トップスパコンの歴史を示す。「2位では駄目なんですか」と言われて名をはせた?「京」は2011年の1年間だけ1位となったが、その後は米国・中国にずっと首位を奪われ、やっと今回「富岳」が奪回した。ただ、これもせいぜい1年で、来年には中国と米国が「富岳」の2倍以上高速のスパコンの計画があるとか。

 日夜頑張っておられるコンピュータの開発者に敢えて失礼なことを言えば、スパコンの性能はもう技術というより、予算がいかにつくかにかかっているらしい。つまり、スパコンの性能は、簡単に言えばパソコンのボードを何枚並列に並べるかというような「力技」にかかっていると。勿論、多数並べれば超高速のバス技術や、メモリ・ファイルアクセス、冷却問題など、実際の難問は多いのは想像できるが。

 「富岳」も1100億円の国家予算を使ったものの、米中両国の威信をかけたスパコン開発競争から一歩引いて、速度よりむしろ使いかってや低消費電力などを目標にしていたらしい。ところが、コロナ騒ぎでその対策のため1年前倒しで実用したら、図らずも?米中を追い抜いてしまったのが真相らしいーー珍しいコロナのお陰。

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https://dempa-digital.com/article/50709

 第3表は「富岳」と「京」の比較である。CPUアーキテクチャで「富岳」はArmとあるが、これはソフトバンクの孫会長が、英国の設計会社ARM社を3兆円以上で買い、ソフトバンクの株価が下がったので有名となったアーキテクチャである。マイコンの命令の数を極端に少なくして、消費電力を減らし、今後大発展が予想されるIOT(Internet Of Things)の端末用マイコンの本命とされる。

 また、ARMは標準ソフトが載るので「京」と違って使いやすく、現に「富岳」の小型応用スパコンは幾台か既に出荷されて、商業ベースに乗せやすいとか。

 CPUの数を見ると、15万個以上とあるが、まさに15万台のPCを並べたに等しく、消費電力も「京」の約3倍である。「京」の消費電力は3万世帯分と言われたから、「富岳」は10万世帯30万人分で、一つの中都市なみである。ただ、昨秋の「富岳試作機」は、性能対消費電力部門で世界一となったそうだ。

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 写真4枚目は「富岳」が設置された建物ではなく、付属の熱源機械棟である。つまり、「富岳」の冷凍機や発電機が入っている。スパコンは発熱が凄いので、一般には空冷ではなく液冷も併用するので、冷却設備は巨大になるらしい。また、電力は商用電源を使うが、瞬停ではなく瞬低(雷などで電圧が下がる)に、これらの冷凍機やファイルシステムが弱いので自家発電機を持つ。「京」の場合は、2基のコジェネ・ガスタービン発電機があるとか。

 ところで、この電力消費量の多さは、大型の計算センターなどでは頭が痛い問題となる。例えば、暗号資産(仮想通貨)では、ブロックチェーン内の取引記録を台帳に追記するが、その承認が定期的に必要であり、承認にはデータの整合性と正確さが求められて膨大な計算量が必要になる。

 世界中の多数の計算センターがネット上で一斉に競争し、最初に解を得たセンターが暗号資産の分配褒章を貰う変わったシステム。計算にはマイニングマシンという、それこそ高速のPCボードを工場のラックに多数並べたような専用の超大型コンピュータを使うが、電気代が問題で中国など安い国にセンターを設置するらしい。

 グーグルなどのIT企業が保有する我々に関する大規模なデータ、今後、AIの発展でビッグデータを保管する巨大な容量の計算センターや、スパコンを上回る性能の量子コンピュータなどが普及すれば、ますます、コンピュータが電力を使うことになり、知能面だけでなくエネルギー消費面でも、人類はコンピュータに譲ることになるかも知れない。  

2020年6月22日 (月)

破壊される銅像

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https://r.nikkei.com/article/DGXMZO60280530S0A610C2FF8000

 アメリカ・ミネアポリスで黒人男性が、白人警官により殺された事件に端を発した欧米各地での抗議デモの影響が、歴史的人物の記念像にも波及している。ちょっと関心を持ってそれらの人物を調べて見た。写真一枚目は、南北戦争当時、奴隷制度の存続を掲げた南部連合の初代大統領ジェーファーソン・デービス(1808-89)の像が、バージニア州で引き倒されたもの。

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https://www.cnn.co.jp/usa/35155134.html
 写真二枚目では、ボストンでクリストファー・コロンブス(1451-1506)の像の首が切り落されている。また、ミネソタ州など多くの場所でもコロンブスの像が破壊された。コロンブスは、日本では新大陸発見の偉人の感覚だが、アメリカ大陸では、アメリカ原住民の大虐殺を行い、アメリカ発見前はアフリカからの奴隷商人であって、発見後にアフリカから奴隷をアメリカ大陸に大量に移入した張本人として、忌み嫌われたとんでもない人物だったらしい。

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https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-53004323

 写真三枚目は、南部連合のロバート・E・リー将軍(1807-70)のバージニア州の像が落書きなどの攻撃を受け、州知事は銅像の撤去を決定した。また、フィラデルフィアでは、1960-70年代に、黒人を弾圧したとされるフランク・リッツオ元市長の銅像が破壊され、ついに撤去されている。更に、ニューオリーンズでは、有名な奴隷保有者であったジョン・マクドノーの像が2台のトラックで、ミシシッピー河に捨てられているなどなど。

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https://app.f.cocolog-nifty.com/cms/blogs/

 写真四枚目は、イギリスの奴隷商人エドワード・コルストン(1631-1721)の像がブリストル湾に放り込まれる様子。コルストンの船は約8万人の奴隷を運んだとされるが、イングランドでは長くその功績が讃えられてきたと。

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https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-53004323

 写真五枚目は、ベルギーのヘントにあるベルギー国王レオポルド2世(1835-1909)の像が赤いペンキで塗られ、「息ができない」と書かれた。アントワープでは、別の同国王の像が燃やされ撤去されている。1865-1909年ベルギーを統治したが、コンゴを私的な植民地とし、奴隷労働を強制してコンゴ人約1000万人を殺したとして悪名高いと。

 驚くのは、ロンドンのウィンストン・チャーチル(1874-1965)像までが、インド人などへの人種差別主義者として、落書きされ攻撃されていること。

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https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/photo/17/030600058/

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www.kutuh.net/antistalin/07_jp.htm

 ところで、人種差別反対運動に関連する本題の趣旨とは無関係だが、「銅像の破壊」の質と量で最大なものは、何と言っても旧ソ連のお二方の像であろうか?

 写真六枚目は首を切られたウラジーミル・レーニン(1870-1924)の像。ソ連建国の父として敬愛され、銅像の数は14000もあったと言われるが、1991年のソ連崩壊でほとんどが壊されたらしい。

 写真七枚目は、ヨシフ・スターリン(1878-1953)の哀れな像である。1930年代には数千の巨大な銅像がソ連各地に造られ、第二次大戦後は東側諸国をも含めて最盛期を迎えたが、死後の1956年のフルシチョフによるスターリン批判で大悪人とされ、全ての銅像は破壊された。だが、最近、スターリンの歴史的評価は復活しつつあるらしい。まさに「歴史は創られる」のだ。

 

 

 

2020年6月20日 (土)

映画「老人と海」

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https://movies.yahoo.co.jp/movie/25543/photo/

 NHKBSプレミアムでまた古い映画を見た。「老人と海」(米、1958年)である。ヘミングウェイ(1899-1961)原作の「THE OLD MAN AND THE SEA」を丁寧にそのまま映画化したもの。原作は短編だが1952年に出版されると、世界的なベストセラーとなり、1954年のノーベル文学賞受賞に繋がったらしい。ウサギさんは、原文で既に読んだと思っていたが、映画を見たら読んでいなかったようだ。

 キューバの老漁師サンチャゴ(写真一枚目、スペンサー・トレイシー)は85日間も不漁で、助手の少年も家族の命で舟にもう乗らなくなった。貯えも尽きて、三度の食事もままならず、少年のお情けに預かる情けない日々を送っていた。

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https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/1f/Maind_u0.gif

 ある朝、一人で舟を沖合に出すと、舟より大きいとんでもなく巨大なカジキが繋って、3日間も舟ごと引きずり回される。ウイキペデイアによれば、大きなカジキ(写真二枚目)は体長4m、体重700Kgにも達し、時速100Km以上と水中で最も速く泳ぐ動物とか。

 サンチャゴは、やっと弱ってきたカジキを仕留めて船側に括り付けたが、今度は血の匂いを嗅いだサメの大群に襲われる羽目に。銛などあらゆる武器でサメを撃退したが、港に戻ってみると、カジキはもはや骨だけになっていた。サンチャゴの漁は失敗したが、疲れ果てた老人は今度こそと銛の入手など次の漁の準備を少年に頼むのだ。

 カジキと格闘中の舟中でまどろむサンチャゴは、過去の黒人との腕相撲試合などの夢をたびたび見たが、ラストシーンはアフリカ草原でのライオンの夢である。これをどう読み解くか難しいが、ヘミングウェイの読者への宿題か。

 CGなどがまだない時代に、暴れるカジキとの格闘を撮影するのは、さぞ難しかったであろう。また、主演のスペンサー・トレーシー(1900-67)は、この映画でアカデミー主演男優賞にノミネートされたが受賞は逃した。ただ、「我は海の子」(1937)、「少年の町」(1938)で主演男優賞を連続受賞しているし、9回も主演男優賞にノミネートされているのは、ローレンス・オリヴィエと並んで二人だけだそうだ。

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https://blog.goo.ne.jp/livin_on_a_prayer/e/4dbcf5cb67cf660b39be0ff68c1dec7f

 ついでに、ヘミングウェイの名作の映画化を調べると、写真3枚目は「誰が為に鐘は鳴る」(FOR WHOM THE BELL TOLLS, 米、1943)。スペイン内戦に参加したアメリカ人ロバート・ジョーダン(写真右、ゲイリー・クーパー)は、ジプシーのゲリラに協力を求めるが、ここで美しい少女マリア(写真左、イングリット・バーグマン)と出会い恋に落ちる。

 敵の作戦変更で、今や無意味となってしまった橋の爆破作戦を、連絡不徹底でやむなく実行したロバートは、仲間を逃して自分は死ぬ。この作は1930年代にスペイン内戦に参加したヘミングウェイの経験から。題名は、英国の詩人ジョン・ダンの「個人は人類の一部であり、他の人の弔鐘はあなたの為にも鳴っている」から。つまり、全体のための個人の犠牲を美徳とする精神を説く。

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https://plaza.rakuten.co.jp/mag7cup/diary/201210310000/

 写真4枚目は「武器よさらば」(A FAREWELL TO  ARMS、米、1957)。アメリカ人の青年フレデリック・ヘンリー(写真右、ロック・ハドソン)は、第一次世界大戦でイタリア軍志願兵として参加した。だが、自分の理想と反する戦争の現実に失望し武器を捨てる決意をする。

 そして、知り合った看護婦キャサリン・バークレイ(写真左、ジェニファー・ジョーンズ)と恋に落ち、妊娠したキャサリンとスイスへ逃亡するが、キャサリンは難産の末産んだ子とともに亡くなり、失意のフレデリックは雨の中を立ち去るラストシーン。ヘミングウェーの1918年のイタリア戦線従軍記者の経験がベースの恋愛反戦小説。

 

2020年6月17日 (水)

ミサイル防衛


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tokyoexpress.info/2017/10/25/配備する「イージス・アショア」に巡航ミサイル/

 今日は趣向をちょっと変えてキナ臭い話を一つ。河野防衛相が、10万円給付の二階自民党幹事長に続いて、「ちゃぶ台返し」をした。2017年、安倍首相が米トランプ大統領のご機嫌取りに、官邸主導にて決めた陸上イージス導入計画を、急に停止したのだ。アメリカの反応を気にする外務省は「殿ご乱心」と大騒ぎらしいが、まさに「死に体」政権で起こる現象で、次の「ちゃぶ台返し」は何かともう永田町では囁かれているらしい。

 陸上イージス(写真一枚目、左が管制建屋・右がミサイル発射塔)は、イージス・アショアと呼ばれ、日本に向かう弾道ミサイルを地上から発射する迎撃ミサイルで撃ち落とす。従来、海上のイージス艦が対応してきたが、海上での日夜の連続勤務が厳しく、陸上が楽ということから、そっくり機能を陸に移してイージス・アショアが生まれたらしい。

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https://mainichi.jp/graphs/20171217/hpj/00m/010/001000g/1

 とりあえず、日本をカバーするには2基が必要で、候補地として陸上自衛隊の秋田県新屋演習場と山口県むつみ演習場(図二枚目)が選ばれた。何故かイージスのノウハウが豊富にある海上自衛隊や航空自衛隊でなく、何もわからぬ陸上自衛隊が急に押し付けられ、現地対応の拙さもあって、まず秋田県でトラブルを起こした。

 
 山口県では演習場が内陸のため、発射後のブースター地上落下が問題となっていたが、最近、ソフトの改造では追いつかず、ハードで2000億円・10年間もかかることが判って、遂に停止に追い込まれたもの。良く分からないが、この問題は候補地決定時から判っていて、海岸に設置すれは解決していた筈だが。
 
 ネットによれば、普通の事業案件は現場が周到に準備して上にあげる日本の仕組みだが、イージス・アショアの場合は、官邸トップダウンの上に、さんざんマスコミなどに叩かれ、面目を失った感の防衛省は腹を立て、大義名分の立つこの停止のチャンスを前から狙っていたのではと。

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https://mainichi.jp/graphs/20171217/hpj/00m/010/001000g/1

 日本のミサイル防衛システムは第3図のように2本立てである。まず、敵地で弾道ミサイルが発射されると、米国の早期警戒衛星が発射時の熱を検出する。その情報で地上・海上のレーダーが目標を追尾して弾道軌道を解析し、大気圏外で分離されるロケットエンジンやデコイ(囮)などの中から、本物の弾頭を識別する。イージス艦の迎撃ミサイルから放たれた迎撃体で、高度70-500kmの宇宙空間にて弾頭を直撃し、交戦時の赤外線反応から成否を判別する。

 もし、これで撃ち漏らした場合は、地上のパトリオット・ミサイル(PAC3)を使って、高度15-20kmで撃ち落とす。PAC3は可搬式で大都市や主要地周辺に約120基配置されているが、敵ミサイルの破片はブースターどころでない規模で都市近郊に落下する。だが、核攻撃の被害と比較すれば問題とする人は少ないと。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/THAADミサイル

 それでは、北朝鮮のミサイル脅威が続く中、今後の対策はどうするのであろうか? 河野大臣は、「現在7隻で来春8隻となるイージス艦で当面乗り切る」とする。一方、THAADミサイルというのがある。韓国米軍が設置するとして、中国が猛反対し、韓国に経済制裁を加えた曰く付きのシステム。

 THAAD(写真4枚目、終末高高度防衛ミサイル)は、40-150kmの高度で落下してくるミサイルを撃ち落とす迎撃システムで、パトリオットより高度であり、迎撃に成功した場合、地上への影響が少ないとされる。

 一般人はミサイル防衛と言えば、多分迎撃ミサイルの方に関心が行きがちだが、実は心臓部はレーダーの方であり、このTHAADミサイルは、Xバンドレーダーという高性能なものを使うらしい。中国が韓国への設置を反対したのもこのレーダーの威力が凄いためとか。

 在日米軍には、多分、THAADはまだ配置されていないが、Xバンドレーダーの方は、京都府経ヶ峰、青森県車力各米軍通信所の2か所に既に配置されているらしい。いざ開戦となれば横須賀・沖縄の米軍基地と、この2か所の米軍通信所が最初の攻撃目標になるに違いないとか。

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https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20180316-00082784/

 ところで、ミサイルの各国の開発競争はもの凄くて、アメリカでさえ、防衛システムが追いつかないらしい。特に、ロシアが開発して既に実地に配置したというアヴァンガールド(写真5枚目、超音速滑空体)は、各国とも迎撃にお手上げとか。

 ロケットで打ち上げたあと、加速してグライダーのように大気の薄い層を、マッハ20という超高速で飛行し、飛行機のように飛行経路を変えられる。ロケットで高高度に打ち上げる弾道ミサイルでも、低高度を飛びレーダー逃れをする巡航ミサイルでもない、いわば「滑空ミサイル」という新ジャンルの画期的なミサイル。中国も超音速の滑空体ミサイルを開発したとかで、今やミサイルの脅威は北朝鮮ではなく、ロシアと中国らしい。

 

 

 

 

 

2020年6月15日 (月)

懐かしのアメリカ・テレビドラマ

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https://kaigai-drama-board.com/posts/23140?p=3

 先日の本ブログで、アメリカのテレビドラマ「パパは何でも知っている」(写真一枚目)で、マーガレット(写真左から二人目)は、J.ヒルトン原作の映画「失はれた地平線」(LOST HORIZON 1937米)で出演したジェーン・ワイアットであると紹介したが、この頃の米国TVドラマがやけに懐かしくなり、暇に任せてちょっとトリビアを調べてみた。

 「パパは何でも知っている」(Father Knows Best)は、1949ー54年にアメリカのラジオで、次いで1954ー60年にテレビで放送されたらしい。日本では1958-64年にNTV系列で放映されている。パパのアンダーソン(写真右から二人目、ロバート・ヤング)は、アメリカ中西部の架空の街スプリング・フィールドの保険会社の営業部長。賢明なママと3人の子供たちが巻き起こす事件が織りなす明るい典型的なアメリカ中流家庭のホームドラマ。

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https://katasumi.at.webry.info/201006/article_19.html

 当時のテレビドラマはまだアメリカの吹き替え版全盛の時代で、ほぼ同時に始まった「うちのママは世界一」(写真二枚目)も懐かしい。主婦のドナ・ストーン(写真前左、ドナ・リード)が中心で、アメリカでのドラマ名は「The Donna Reed Show」である。夫のアレックス(写真前右、カール・ベッツ)は小児科医で、上流の中産家庭が描かれる。

 アメリカで1958-66年、日本では1959-60年フジTVで、1961-63年TBS系列で放映された。当時の日本は、大学卒初任給が月1万円の時代である。広い居間と庭と大きい車、人の背より高い冷蔵庫、何より牛乳とアイスクリームが飲み食べ放題なのに驚く。なお、ドナ・リードは、1953年の米映画「地上(ここ)より永遠に」(From Here To Eternity)でアカデミー助演女優賞を受賞している。

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https://www.crank-in.net/movietitle/197688

 これらのTVドラマのはしりとも言えるのが「アイ・ラブ・ルーシー」(I Love Lucy 写真3枚目)であろう。ルーシー(写真左、ルシル・ボール)は、NYのアパートに、バンドリーダーの夫のリカード(写真右、デジ・アーナズ)と住むが、ルーシーは天真爛漫でショー・ビジネスを夢見る。ルーシーはスターには不向きだが、自身と夫をトラブルに巻き込むのは得意なのだ。

 1951-57年アメリカで放送され、日本では1957-60年NHKで、1961-62年フジTVで放映された。シットコム(situation comedy)の代表的作品であり、アメリカでの視聴率一位をずっとキープした伝説的なドラマ。驚くことに、今でも世界中で多数の言語で放映されているらしい。

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https://www.excite.co.jp/news/article/Dramanavi_045308/

 中でもウサギさんが欠かさず見たのが、写真4枚目の「逃亡者」(The Fugitive)。妻殺しで死刑の判決を受けた小児科医のキンブル(デビット・ジャンセン)は、護送中の列車事故に乗じて逃亡し、ジェラード警部(バリー・モース)の執拗な追跡を受ける。真犯人の鍵を握る片腕の男を追い詰める最終回は、全米の視聴率が50%を超え史上最高記録になったそうだ。

 アメリカでは1963-67年、日本では1964-67年にTBS系列で放送され、やはり最終回では「君の名は」と同じような現象が日本でも起こったらしい。なお、デビット・ジャンセンは特に女性ファンの人気が高かったが、比較的に若い1980年に病死したと。

 

2020年6月12日 (金)

映画「心の旅路」

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https://ameblo.jp/caro88/entry-11154082440.html

 NHKBSプレミアムシネマで古い映画を見た。「心の旅路」(Random Harvest 1942米)である。第一次世界大戦で記憶を失ったイギリス軍人のスミス(写真一枚目右、ロナルド・コールマン)は、精神病院を脱走するが、踊り子のポーラ(写真左、グリア・ガーソン)に匿われる。

 二人は結婚して子供もできて安穏に暮らすが、スミスは出先で事故にあい、今度は近くの3年の記憶を失い、逆に過去を思い出して仕舞うのだ。実家に戻ってみると、亡くなったばかりレイナーという父の事業を継ぐことになり、やがて、経営者として名を成すに至る。新聞の写真でレイナーを知ったポーラは、社長秘書としての公募に応じ、マーガレットと名乗って身元を隠して働くようになる。

 有能なマーガレットのお陰もあって、レイナーはどんどん出世するが、ついにマーガレットに求婚し結婚する。議員に当選し貴族に列せられるが、ときどきレイナーは記憶が戻り、二人の関係はギクシャクしたものに。あるとき、脱走した精神病院があった街へ出張したレイナーは、ふとしたきっかけで記憶が戻り、以前に住んだ家を捜し出すが、そこには、たまたまマーガレットも昔を懐かしんで訪問していて、レイナーは遂にポーラを思い出したのだ。 

 やや時代がかったメロドラマだが、戦後、日本で公開されたときは、女性の涙を大いに誘ったものらしい。記憶喪失物は、「冬ソナ」といい何時でも人気があるようだ。

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https://kakaku.com/item/D0053481701/picture/

 ところで、この映画の原作者は、ジェームズ・ヒルトン(英1900-54)と知った。ヒルトンの「チップス先生さようなら」は、ウサギさんが学生の頃の英語の副読本で懐かしい。戦前の英国の流行作家で、結構、映画化されていて、「心の旅路」に主演した二人も良く出ているとは知らなかった。写真二枚目は、映画「チップス先生さようなら」(1939英)で、写真右が35歳のグリア・カーソン(1904-96)だが、なんとこれがきってのインテリ女優の映画初出演である。また、左のロバート・ドーナットは、アカデミー主演男優賞を、下馬評高かった「風と共に去りぬ」のクラーク・ゲーブルを抑えて本作で受賞している。

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https://ameblo.jp/hotwalker6/entry-12460014492.html

 アカデミー賞といえば、1942年、「心の旅路」と同じ年に撮られた「ミニヴァー夫人」(米、写真三枚目)で、グリア・カーソンは主演女優賞を受賞している。なお、J.ヒルトンはこの映画の原作者ではないが、アカデミー脚色賞の方を受賞した。

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https://ameblo.jp/caro88/entry-10387414930.html

 写真4枚目は、「失はれた地平線」(米、1937)だが、これも原作J.ヒルトンで、主演は写真左のロナルド・コールマンである。なお、写真右は、ジェーン・ワイアットで、その後のアメリカの連続テレビドラマ「パパは何でも知っている」でお馴染みであろう。

 

 

2020年6月10日 (水)

サンティアゴ巡礼路

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www.wsk.or.jp/report/kurokawa/03.html

 NHKBSプレミアムの「世界ふれあい街歩き」は必ず見ているが、ここ3週は連続して「聖なる巡礼路を行く~カミーノ・デ・サンティアゴ1500km」である。「カミーノ」はスペイン語で「道」の意味。サンティアゴ・デ・コンポステーラ(第1図)は、スペイン西端にあるキリスト教のローマ、エルサレムと並ぶ三大巡礼地の一つである。

 キリストの12使徒の一人聖ヤコブ(スペイン語ではサンティアゴ)がエルサレムで殉教したあと、813年にスペインのこの地で、遺骸が発見されたとされ大聖堂が建てられた。コンポステーラは日本語では「星の野原」という意味。以降、欧州各地から中世では年間50万人が巡礼に訪れたという。発見当時はイベリア半島の大半はイスラム勢力に占領されていたが、この発見はレコンキスタの広がりを促す契機となったと。だが、流石に20世紀には年間10万人程度に減ったが、21世紀に入ってから再び急増しだし最近は30万人と人気のコースとなっているらしい。

 巡礼路は沢山あるが、第一図は中でも世界遺産に指定されたもの。コンポステーラの町は1985年、スペイン内の巡礼路は1993年、フランス内の巡礼路は1998年にそれぞれ世界遺産に登録されている。巡礼路には宿泊に使われるなど多数の歴史的な建造物があると。

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https://www.travelbook.co.jp/topic/4404

 ところで、巡礼者(写真2枚目)が歩く距離は並大抵ではない。例えば、フランスのル・ピュイからだと、フランス内で700km、スペイン内で800kmで計1500kmもある。一日30km歩ける元気な人でも50日、普通の人は一日20km位だから75日もかかるらしい。

 たいていの人は、一人参加でバラバラに歩くが、大人数と長期間のためどこかで必ず再会して親しくなるという。テレビ画面で見ると、歩く人波は途絶えることはない。確かに予想外の人気らしい。

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https://www.travelbook.co.jp/topic/4404

 巡礼者はリュックにホタテ貝の殻をぶら下げ、水筒としてヒョウタンを使い、杖をシンボルに持つ。巡礼手帳(クレデンシャル)を持つ人は、巡礼路にあるアルベルゲという宿泊施設(写真3枚目)に、400ー1000円程度で予約なしで泊まれるらしい。ただし、一晩のみで宿泊者は男女を問わず同室である。

 巡礼路は大きく3つのフェーズに分けられるとか。NHKはフランス内を「宗教の道」、ピレネー山脈越えを「肉体の道」、スペイン内を「魂の道」としている。特に巡礼路の難関は、ピレネー越えと言うより、急な下り坂の方で足を痛める人が多いとか。また、スペインの平地では、景色の変化が乏しく、自然に自分を見つめることになると言う

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https://www.travelbook.co.jp/topic/4404

 やっと、コンポステーラ大聖堂(写真4枚目)に到着し、栄光の門から入るが、幾千万人もの巡礼者の手のくぼみがある柱があり、クレデンシャルに押されたスタンプを確認して、コンポステーラという証明書を貰う。

 NHKの番組では、20歳で国を離れバルセロナでデザインの仕事をしてきた56歳の日本人男性を8Kカメラで追っている。フランスのル・ビュイからだから3か月くらいの密着取材か。8Kだから美しい景色が主体かと思ったら大違いで、男性と彼が道中で知い合いとなった巡礼者たちの「心の記録」である。

 国籍、男女、年齢もバラバラで、何故参加したのか、参加してどうだったのかを聞くのは実に興味深い。アメリカ人の引退した元上級女性看護師、ブラジル人の父と息子、オランダ人夫妻、中国人の28歳の女性、大阪の42歳の日本人女性、スペインの48歳の現職警官などなど。各人、問題にぶつかり、自分を見つめなおし、次の展開を求めている。一様に、参加して知らない人との会話が楽しく、心が開かれたのが最大の成果としている。今の時代に、求められているものは何かの参考に大いになるであろう。

2020年6月 8日 (月)

漫画「将棋の渡辺くん」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/34147?rct=national

 今朝、将棋の棋聖戦五番勝負(写真一枚目)が、渡辺明三冠(写真左)と藤井聡太七段(写真右)の間で始まった。高校生の藤井七段は史上最年少でのタイトル挑戦となるが、コロナ騒ぎのために多くの対局が延期され、今回の記録も危ぶまれたが辛うじて4日の差で達成したという。

 今朝の朝日新聞天声人語は、勿論、藤井七段の今日の晴れ姿の記念だが、ちょっと捻って、コロナで野球やサッカーのプロ試合開幕が遅れ、プロの技のぶつかり合いを見る機会が失われているので、久しぶりのスポーツ観戦の感覚で棋聖戦を見たいと。

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https://www.amazon.co.jp/将棋の渡辺くん-1-ワイドKC-伊奈-めぐみ/dp/4063955591

 ついては、漫画の「将棋の渡辺くん」(写真2枚目)を紹介している。渡辺三冠の妻の伊奈めぐみさん(写真3枚目左)の作で、別冊「少年マガジン」に2013年から連載中とか。そこで描かれる天才渡辺くんは、ぬいぐるみの犬が大好きで犬になりきって喋り、洗濯物の取り込みが出来ず、一人で買い物ができない。

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blog.livedoor.jp/puri2ten3/archives/28710054.html

 だが、天才は普通人とは違うーー準備の良さだ。息子(写真3枚目中央ーーかってのウシさんにそっくり)のサッカーの審判を順番で頼まれれば、Jリーグを生で見て研究する。将棋もしかりで、藤井七段の研究は徹底して行ったに違いない。漫画の中で渡辺くんは、「金が欲しければ勝てばよい。将棋に勝てなければ勉強すればよい」。

 ところで、渡辺三冠は勿論初代の「永世竜王」としても有名。なにしろ国民栄誉賞の羽生永世七冠より先に永世竜王になっている。世間一般の人には、名人のタイトルが将棋では1位と思われているが、実はプロの将棋世界では竜王のタイトルの方が賞金の4300万円始め、上位にランクされているのだ。

 渡辺三冠は20歳で竜王となり、以降、5連覇して2008年24歳で初代の永世竜王となったが、この時の対戦相手の羽生善治九段は、過去に通算6回竜王となり、規定でもし渡辺に勝てば初代の永世竜王になる筈であった。7番大勝負は羽生九段が3連勝したので、羽生九段の永世竜王間違いなしとされ、政府は国民栄誉賞の準備を始めたが、その後想定外に渡辺が4連勝したのだ。しかし、2017年羽生九段は永世竜王となり、国民栄誉賞は2018年に与えられている。

 この渡辺三冠にもスランプがある。2017年には年間で負け越し、名人順位戦でA級からB1級に陥落した。だが、勉強したのであろう、2018年にB1級で全勝し、2019年にもA級で全勝して、今年は豊島名人に挑戦する。だが、名人になるのは大変である。藤井七段のような天才でも、プロになって最短でも5年はかかる。名人順位戦には、A、B1、B2、C1.C2の5クラスがあって、A級の1位のみに挑戦権があり、1年に1級しか上がれず飛び級がないのだ。一方、竜王戦には最下位のものにもチャンスがある。いわばワイルド・カード方式で、突然、余りマークされていない棋士が竜王になったりするハプニングが起こりうるのだ。

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https://sakidori-ch.com/fujiisouta-itotanitetsuro

 2014年、当時の糸谷哲郎六段(写真4枚目)が森内竜王を破って竜王に就いた。この人は手が早見えするので有名で、相手が指すとほぼ同時に指すとか。NHK戦でこれも早い渡辺三冠との勝負ではアット言う間に終わってしまって、時間を潰すのにNHKは大弱りだったとか。早指しと言えば、当時小学4年生だった渡辺三冠が、奨励会入会試験で、子供時代の現竹部さゆり女流と指したが、双方、極端に指し手が早く、互いの手が空中でぶつかる感じで、2分で一局指し終わったという。

 ウサギさんが何となく応援する糸谷八段は、現在順位戦A級に位置しているが、怪物君のあだ名をもらっていて、エピソードが多い人らしい。前代未聞のとった駒を相手の駒台に置いて反則負けしたり、2015年の王将戦挑戦者決定戦で、羽生九段が糸谷竜王に敬意を表して下座に座ろうとしたが、糸谷はこれを認めず双方譲り合いとなり、もめたすえ羽生が例外的に上座に座ったらしい。糸谷は将棋棋士では珍しい大阪大学文学部修士卒で、卒論は「ヒューバート・ドレイファスの存在論」とか。現代の棋士は「端歩をついた」坂田三吉などとはだいぶイメージが違いますな。

 

2020年6月 6日 (土)

海外駐留米軍

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/349967

 トランプ米大統領は、ドイツ駐留の米軍兵力3万4千余人を9千5百人削減する指示を出したらしい。6月末のワシントンでの現地G7サミット開催のトランプ提案を、ドイツのメルケル首相が拒否したことに激怒してその仕返しとか、あるいは、前からのNATOへのドイツの防衛費負担が少ないのに、トランプが腹を立てていたのがたまたま重なったとか。

 いずれにせよ、韓国からの駐留米軍撤退の噂といい、トランプ大統領の外国駐留米軍の負担軽減の動きは、尖閣諸島での中国の挑発など、ますます気になる日本の防衛戦略とも大いに関係がある。そこで、米軍の海外駐留兵力についてちょっと関心を持って調べて見た。特に新情報はない。

 第一図は2018年3月時点での、米軍の海外展開状況であるが、日本が全体の1/3とダントツの1位である。日本・ドイツ・韓国・イタリアが上位4か国を占めるが、これらの国は韓国を日本とすれば、第2次世界大戦での日独伊の枢軸3か国である。結局、米国が戦後進駐した地域で基地を作り、その後、冷戦となってそのまま米軍が駐留を続けているパターンである。なお、図には、アフガニスタンの約1万6千人、イラクはかっては15万人はいたが今は約5千人?などマル秘の国は入っていない。

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https://www.asahi.com/articles/ASM3D4QFBM3DUTFK00L.html

 第2図は、2004年と若干古いデータだが各国の駐留負担額を示す。日本は「思いやり予算」のため、ここでもダントツに負担額も負担率も高い。安保タダ乗りと言われるが、タダではないし、各国が負担額を減らしているのに、沖縄の辺野古米軍基地新設では、今後1-3兆円の出費が見込まれるなど、一人逆行しているようだ。小金持ちが懲りずに相変わらず用心棒に大金を払っているイメージか。

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https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-11-05/2018110501_01_1.html

 基地の数では、意外にドイツが最多で日本は131施設で2位だが、第3図に示す各基地の資産評価額(土地を含まない建物・設備など)では、上位の大所はほとんど日本である。在日米軍は横田基地に全軍の司令部があり、在日空軍の司令部も横田にある。一方、陸軍はキャンプ座間に、海軍は横須賀に、海兵隊は沖縄にそれぞれ司令部がある。在日米兵員の半数は沖縄に駐留し、沖縄の面積の8%を米軍基地が使っていて、正に沖縄が米軍の要である。

 ところで、最近のアメリカの研究では、軍隊を海外に置くメリットは余りないとの報告もされているとか。例えば、日本の各米軍基地は、中国や北朝鮮の中距離ミサイルの格好のターゲット範囲だが、最近の軍動員能力からすれば、打撃を受けてからアメリカ本土より動員しても、日本からと大差ない筈と。ただ、沖縄や横須賀に米軍が駐留していること自体が、例えば中国への精神的な大きな抑止力となり得る。それ故に中国は簡単には尖閣諸島に手を出せないのだ。いずれにせよ、ドイツに続いてアメリカ軍が日本から一部を引き上げるような場合の戦略的な対応思考を始める必要があるだろう。コロナに続いてまたも物騒な時代に入る。

 

2020年6月 5日 (金)

ホットハウス・アイスハウス

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https://ameblo.jp/fiorimvsicali/entry-11799131054.html

 NHKBSプレミアムのコズミックフロントで、「極地大冒険 氷から見える地球史 前編」を見た。コロナでクサクサしているときに、気宇壮大なスケールの話で気分転換になった。ちょっと、おいおいと言う感じなのは、我々は氷河期(間氷期)の真っただ中で、その証拠に北極・南極ともに氷があるではないかと。

 最近、北極で5000万年前の木の切り株を発見、当時の北極では温暖な沼地が広がっていて、亜熱帯性の植物で覆われていたことが判ったと。一方、南極でも落葉広葉樹の葉と、巨大恐竜の化石が見つかり、地球では極地でさえ、氷がない「ホットハウス(英語ではグリーンハウス?)」の時期と、氷がある「アイスハウス」の時期が、交互に生じていたらしい。

 上の表は横軸が年(百万年単位)で、縦軸が温度相当(酸素同位体比率)を表す。下の青の長方形は、氷河期を表し、4憶5千年前頃が第0次氷河期、3億年前頃が第1次氷河期、3400万年前から現在までが第2次氷河期である。氷河期には、ほとんどの大陸が氷で埋まる「氷期」とやや温暖な「間氷期」があり、現在は間氷期にあたる。ここで注目すべきは、「ホットハウス」の期間が、「アイスハウス」の期間の3倍くらい長かったこと。つまり、地球の歴史では、極地に氷がない温暖な時期が75%と通常で、我々が慣れている現在は25%の珍しい時期と言う事。

 だが、現在の重大環境課題の「地球温暖化問題」は地球が自然の温暖な姿に戻るだけで、各国が目くじら立てて対策するのはナンセンスなどと、早まってはいけない。この地球の歴史の話の方は、とても時間軸が長いスケールの大きい現象なのだ。今、我々が直面している「地球温暖化問題」は、時間スケールが産業革命以降とか、極めて短時間での異常な温度上昇を問題としているので、話のレベルが全く違うのだ。

 ところで、なぜ、地球は温暖化と寒冷化を繰り返してきたのであろうか? これには金星が参考になると言う。地球に近く構造もそっくりな金星が、灼熱の地獄と化したのは、二酸化炭素が太陽光の熱の放散を妨げたため。一方、地球は火山活動で地中の炭素が大量に空中にCO2として放出されたが、幸い金星にはない雨がCO2を地上に戻し、川がミネラルと共に海に流したので微小生物が繁殖し、その死骸が海底の石灰層として炭素を封じ込めた。いわば炭素循環における炭素の空中と海中での存在バランスが、地球温暖化・寒冷化サイクルの鍵である。

 

2020年6月 3日 (水)

経産省出身官邸マフィア

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https://www.sankei.com/politics/news/190911/plt1909110088-n1.html

 安倍首相が支持率低迷の失地回復の切り札にしようとして、「幅広に検討する」と意気込んだ9月入学が、来年9月実施も含めて自民党の反対で潰れた。今朝の朝日は、「教育現場を知らない官邸の主導」のせいとしている。この現場に疎く、頭だけで動く官邸主導のミスは、特にコロナウイルス対策以降、軒並み見られるようになった。昨日の朝日は、「アベノマスク」の失態は、第2次世界大戦最大の現場を知らない作戦参謀による失敗とされる「インパール作戦」に匹敵するともしている。

 この首相官邸の作戦参謀はどんな人がかかわっているのか、興味を持ってちょっとネットで調べると、続々情報が得られる。主要人物は、今井尚哉補佐官(写真右)をはじめ、今井氏子飼いの佐伯耕三秘書官など経産省出身者で固めているらしい。ちみに、コロナ担当の西村康稔大臣まで経産省出身である。ウサギさんが若いころは、当時の通産省は大蔵省と並んで、花形官庁であった。当時の建設省や農林省のように現場を持たず予算のバラマキも少ないが、なにせ戦後復興の産業推進の企画部門として人気があったのだ。それが、今では官邸の現場に疎い企画者とは。

 だが、官邸のスタフが最近とみに権力を持つようになったのは、自民党の次期総裁選びが関係し、菅官房長官や二階自民党幹事長などが首相との関係悪化で実質的に会いにくくなり、結果として今井補佐官などが日常的に安倍首相の相談に預かるようになったためとか。2月末に文科省が、地域の状況に合わせての学校閉鎖指示を出した直後に、安倍首相は全国一斉の休校指示を発したが、菅官房長官や安倍子飼いの荻生田文科相すら知らず、安倍ー今井間で相談て決めたものらしい。

 4月1日、突然、安倍首相は「1世帯2枚の布マスクを配布する」と関係先との相談もなく発表し、官僚も気が狂ったかと思ったそうだが、これは、今井補佐官と佐伯秘書官が「マスクを配布すれば人気回復間違いありません。経産省などには十分根回ししてあります」と進言したのを信じたのが失敗の始まりらしい。なお、佐伯秘書官は、評判悪い首相のツイッター動画の発案者でもある。

 た、30万円給付が公明党の反対で潰れたが、もともと自民党内にあった一律10万円給付案に猛反対したのは、今井補佐官と麻生副首相とか。勿論、今回の9月入学に飛びついたのも今井補佐官である。新しいアイデアや企画が大好きで、安倍首相は、「今井ちゃんはなんて頭が良いのだ」と言ったとか。「一億総活躍時代」とか訳の分からぬ、実質がともなわないスローガンめいたものの発案者でもある。これも潰れた検察官の定年延長にも今井氏は絡んでいたに違いない。今や官僚や党は何も考えていないのだ。

 この今井という人は、経産省の資源エネルギー庁次長をしていた人で、原子力関係では知らぬ人はないそうだ。特に、安倍政権下では、原発の輸出に旗を振り、安倍首相が海外に出かけて、8か国で一時は受注しそうになったが、いずれも失注し、日立や三菱は大損を出した。特に、大被害を被ったとされるのが、ウェステイングハウス関係で倒産しそうになった東芝。この事件ではなんと今井氏の責任が大きいと週刊文春は報じた。これらは原発がもうビジネスにならないという現場の流れが読めなかったせい。また、被害を受けたのは、東電もしかり。福島原発汚染水封じ込めで、世界に例のない凍土方式という奇抜なアイデアを考えだし推進したのが今井氏で、結局、数百億円の国費もドブに。

 この現場を知らない頭でっかちのアイデアマン今井補佐官を安倍総理はなぜ重用するのであろうか。そこには、安倍首相独特の「お友達内閣」の姿が浮き彫りになる。ともかく、今井氏の毛並みは並大抵ではない。叔父に元通産次官の今井善衛氏元新日鉄社長で元経団連会長今井敬氏がいて、しかも安倍首相と縁戚関係と来ている。「霞が関のサラブレッド、いや、ラスプーチン」ともいわれる所以である。問題児を切れない安倍政権は先が見えているーー今朝の週刊ポスト広告のトップ記事は「さようなら安倍総理」。

 

 

2020年6月 1日 (月)

コロナ・ミステリー

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https://www.nippon.com/ja/japan-data/h00673/

 全世界の新型コロナ・ウィルス感染者数(図)は600万人を超え、アメリカの170万人を先頭に、ブラジル・ロシア・英国・イタリアなどが続いている。その中で、結構人口が多く、経済規模も世界3位の大国、日本の感染者数が極端に少ないのに対して、各国のマスコミはかってはさんざん日本を非難したのに、今や「日本は成功」と手のひら返しの論調。だが「その理由はミステリー」としている。

 ダイヤモンド・プリンセス号の政府対応では、日本が収拾に失敗してコロナを世界中にバラまいたとされ、日本は2020年オリンピックの開催と、中国の周近平訪日キャンセルを恐れて、政治的に初動を遅らせ、かつPCR検査も故意に少なくしてきたと報じられた。

 緊急事態宣言でも、日本は罰則をともなう規制力が弱く、法的にロックダウンも出来ず、人々の動きを追跡するアプリもなく、国は感染症に専門的に対応する中央の組織すら持たず、満員電車や世界一の高齢化率など、大惨事を起こすレシピを見ているようだとも書かれた。

 ところが、「日本は大惨事の一歩手前から成功した、何故だ?」と、駐日各国記者による原因追及の取材が始まったらしいが、日本人でも判らぬものが、外国人にそう簡単に分かる訳はない。「納豆を食ってるせい」とか、「日本語の発音は唾が飛ばない」、「肥満者が少ない」など、頓珍漢な?記事までまことしやかに報道されているとか。

 多い解説記事は、「日本人はマスク着用がインフルエンザや花粉症対策で定着している」、「国民皆保険制度の存在」、「ハグやキスや握手の習慣がないーー1mは離れて挨拶する。また、良く手を洗う清潔好きな国民であるーーコロナ到来を予知していたのか?」、「日本には各地に保健所があり、クラスター感染者の追及に威力を発揮した」など。

 ウサギさんもそうかなと思ったものに、「日本人は家で靴を脱ぐ。横浜のクルーズ船でも、靴にウィルス付着が多かった」というのがあるが、ネットで調べると、自宅で靴を脱ぐのは、日本だけではなく、アジア諸国・アラブ諸国・東欧・ドイツ・オーストリア・カナダなど結構多いらしい。まあ、泥や雨で汚れた靴は、どの国の家でも歓迎されないだろう。また、ノーベル生理学・医学賞受賞の本庶佑さんは、日本人のBCGワクチン接種を示唆したらしい。しかし、昨日のNHKサイエンスゼロでは、イスラエルが20年前にBCG接種を止めたが、その前後の人々の間で感染率の違いは見られなかったという。

 ところで、台湾・韓国・ニュージーランド・ドイツなど、感染封じ込めに成功した首相などトップは、そのリーダーシップ力を海外からも高く評価されているが、これほどの実績を上げた?我が安倍首相は、全く評価されず、「何故かはミステリー」とされるなど気の毒としか言いようがない。もっとも、トランプ米大統領が、強引にG7サミットを電話会議でなく、ワシントンで6月末に行う提案をしたのに、安倍首相は「状況が許せば出席します」と、早速尻尾を振ったが、流石にドイツのメルケル首相は「この時期では欠席します」。結局、G7は9月開催と延期になったらしいが、日独のリーダーとしての資質の差は、残念ながらこの一事でも歴然としてしまった感じである。

 

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