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2020年4月

2020年4月29日 (水)

9月入学

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ttps://onepiece-rental.net/article/154/

 日本の学校の入学時期は、一部の大学を除けば桜の咲く4月(写真一枚目)と決まっているが、新型コロナウイルスのお陰で、欧米と同じ9月入学案が急にホットになってきた。コロナ休校中の在宅学習の期間やオンライン学習ツール確保などが、地域によって格差があり、その解決策として大阪市の高校生が、9月入学・新学期のネットによる署名活動を始めたもの。

 これに複数の知事などが賛同し、国会でもアベノマスクなどで支持率が下がった安倍首相が、渡りに舟とでも思ったのか「前広に検討する」と答えた。なお、「まえびろに」という表現は余りポピュラーではないが、広辞苑を引くと「あらかじめ、前もって」と言う意味である。

 ハンコとか日本の古い制度を革新し国際化するのに、コロナ危機は絶好のチャンスとして、大方は9月入学に好意的のようだが、ネットでは反対意見もある。つまり、全国的に6か月間生徒・学生全員の勉強の機会が一律失われることと、給食など共働き家庭の長期負担、新卒の採用・就職も6か月遅れるので、経済や生涯収入へのインパクトが大き過ぎるなどとするもの。また、国や自治体の会計年度との違いや、各種法律の改正・規則の変更などの作業も膨大で、この危機状況下では如何という意見。

 ネットによれば、明治5年近代的な学校制度が始まったときは、欧米に準じて9月入学だったらしい。ところが、明治19年に国の会計年度が4月スタートと決まり、徴兵対象者の届け出と、士官学校の入学が4月になったので、順次4月入学に変更となったとか。ただ、帝国大学は大正10年に4月入学となったので、今朝の朝日天声人語で紹介された「三四郎」が入学したのは、確かにまだ9月の時代である。

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https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=61449?pno=2&site=nli

 ついでに、主要各国の政府会計年度・学校入学時期・企業の事業年度の比較表(第2表)を見つけたので紹介する。政府の会計年度は、カレンダー通りの1月~12月の国が多いが、米国(連邦)は10月~9月、英国・カナダ・インドは日本と同じ4月~3月で旧大英帝国の名残りか。オーストラリアの7月~6月は南半球で気候の半年ずれのせいか。

 学校入学は、ほとんどが9月で、日本とインドが4月、オーストラリア2月、韓国3月である。韓国は日本統治の名残りで4月に近いが、1月~2月は寒いので休暇にせざるを得ないとか。この欧米諸国の学校スタートが9月なのは、かっては子供たちの労働力が農業に重要で、小麦を収穫して一段落するのを待ったせいらしい。

 会社の事業年度は、大半がカレンダー通りの1月~12月だが、ここでもオーストラリアは7月~6月と半年ずれ。なお、4月~3月は日本とインドのみ。

 また、ドイツ・フランス・イタリア・中国は4か国間で、日本・インドは2国間で3つの年度の全てが一致している。さらに、3年度とも同じ月(4月)スタートと合理的?なのは日本とインドの両国のみ。日本そっくりなので「インド人もビックリ」しているかも。

 

 

 

 

 

2020年4月27日 (月)

ラマヌジャン

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https://wired.jp/2016/10/21/ramanujyan/

 新型コロナウイルス騒ぎで、テレビ番組も再放送がやたらに増えた。4月から囲碁将棋の新年度のNHK杯が始まるので、日曜日を楽しみにしていたら、こんな少人数の番組まで中止/再放送となるらしい。映画館もやっていないから、ネットで映画を見るNetflixが、全世界の契約者を爆発的に伸ばし2億人弱となったとか。ただ、Netflixも事実上映画の再放送で、特定のもの以外は新作は見られないのが残念。

 このNetflixで前から見たいと思っていた2015年のイギリス映画を見た。「奇蹟がくれた数式」で、ニュートン以来と言われたインドの天才数学者、ラマヌジャン(1887-1920)の伝記映画。独学で数学を学んだラマヌジャン(写真一枚目右、デヴ・パテル)が、異国の地イギリスのケンブリッジ大へ招聘される。文化の違いや人種偏見に苦しみながら、ハーディ教授(写真左、ジェレミー・アイアンズ)の強い支援と友情に育まれ、強い絆で結ばれてゆく。

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https://shotyan032456.at.webry.info/202001/article_16.html

 ラマヌジャン(写真2枚目、切手肖像)は南インドの極貧家庭に生まれ、数学だけは優れていたが大学を出ていなかったので、下級の港湾事務所員を務めた。算盤を使わず全て暗算で計算できたが、そろばんを使うふりをした。当時貴重品であった紙が使えなかったので、多数の考案した数式は書き留めぬままだったが、いくつかを薦められて、イギリスの大学教授たちに送った。だが学歴もない印度下層民の手紙は、狂人扱いされなんの返事もなかった。ところが、ケンブリッジ大のハーディ教授だけは関心を示し、彼の天才に驚き大学へ招聘したのだ。

 大学は古い伝統と偏見に満ち、住みよいところではなかったが、問題は、ラマヌジャンの公式は、彼だけが閃きで作り、本人も正しいことが判らず、まして他の誰も証明できなかったこと。ヒンドゥー教の女神の夢のなかでのお告げと本人は言ったとか。例えば、写真2枚目の複雑なπの公式は、その後、コンピュータで確かめられ、最近数学的にも証明されたが、その発想を得た経緯は謎。しかも、このレベルの公式が3254もあると言うから凄い。その公式に至る経緯の解明は今後の数学界の知られざる鉱脈らしい。

 ここで、有名なエピソードを一つ。ラマヌジャンが入院中に見舞いに来たハーディ教授が、「乗ったタクシーの番号が1729でさしたる特徴のない数字だったよ」というと、ラマヌジャンは「先生、とんでもありません。2通りの立方数の和で表せる最小の数です」と言ったという。つまり、1729は、1^3+

12^3と、9^3+10^3の2通りの立方数の和で表せる。なお、その後1729は「タクシー数」と言われたと。

 大学での不当な差別扱いに、ハーディ教授は頑張り、ついにラマヌジャンを王立協会員とケンブリッジ大フェローにまで押し上げる。だが、第一次世界大戦の最中で、栄養事情の悪化もあって、ラマヌジャンは病気を得てインドに戻り、33歳の若さで世を去った。

2020年4月24日 (金)

パチンコ業界

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https://nobiciro.com/news/14468/

 新型コロナウイルス緊急事態宣言で、各県知事の休業要請に一部のパチンコ店が応じないとして、近く店名公示を行うことになるらしい。この物議をかもすパチンコ業界(写真一枚目)の実態について、何故かあまりマスコミの報道がなく、ウサギさんはほとんど知らないことに気が付き、今更ながらネットでちょっとお浚い。

 ロートルの素人が驚いたことに、パチンコ業界は思ったより巨大産業であり、全国の従業員数ももの凄い。パチンコホール数は約1万店、売り上げは年約20兆円で日本国家予算の約20%、ホールの従業員数は24万人(遊技機などのメーカーは含まず)もいる。

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pachinko-shiryoshitsu.jp/structure-industry/transition/

 パチンコ業界の歴史は浮き沈みが激しい。戦後、急速に普及し機関銃連発式の普及で1953年にはパチンコ店数は3万8千に達したが、翌年機関銃連発式は禁止となり店数は半減した。1960年チューリップの発明で第2期黄金時代が到来。更に1980年画期的なフィーバー機(現デジパチ)が登場して、777の大当たりで出玉が溢れてバケツが必要となる騒ぎとなった。1996年大当たりの確率に規制がかかり、以降、店数は2万6千をピークに減少に転じ、若い人が離れたりして2018年には1万をやや下回った(第2図)。

 ところで、パチンコ業界の回し者ではないが、意外に密閉空間のパチンコ店でも、コロナウイルスに強いとの説もあるようだ。つまり、元々パチンコ店は喫煙対策のため、天井がやけに高く、一時間に何度も換気をするなど、案外ウイルス対策になっていると。また、ハンドル汚染などが危険との指摘があるが、パチンコ球の油で手が汚れるため、パチンコで遊ぶ人は結構こまめに手を洗うそうだ。

 パチンコ愛好者は、年1回の人も入れて約1000万人とか。一人平均年に200万円使い、85%景品リターンがあるから、30万円分損している勘定。うちタバコ喫煙者が50%もいて、思う存分喫煙できるのがパチンコ店に来る理由の一つになっていたらしいが、このタバコ天国も4月以降は禁煙となる様子で、ますますパチンコ店数は減るであろう。

 パチンコホールの標準経営モデルを見ると、パチンコ台数530台、一日の稼働4.1時間として、月の売り上げ3億370万円、賞品額2億5680万円で、粗利4690万円、経費4220万円、営業利益470万円、消費税200万円、税引き後営業利益270万円となる。

 月の経費4220万円の内訳は、遊技機費1313万円、人件費938万円、減価償却797万円、家賃539万円、水道光熱216万円、その他417万円で、遊技機費1313万円から推測して、一台のパチンコ台50万円とすると、月に26台を新規に入れ替えている勘定。「本日10時開店」とビラを配るが、他店との差別化にはパチンコ台を、年中、新規に入れ替えるしかないため。また、減価償却797万円は、空調機・玉貸し機・カード発行機・PCなどの設備代。人件費は24人分だが、家賃は駅前の一等地ゆえ当然高いのであろう。

 一杯飲み屋が、コロナで休業して50万円保証してもらうのとは、ちとパチンコ店は出費の規模も違うのに気がつくであろう。パチンコ店がなかなか言うことを聞かない理由でもある。なお、パチンコ業は風俗を取り締まる警察の監督下にあって、関連要所に警察トップOBが天下っている。また、各パチンコ店に一人はOBがいると言われ、違法の景品の換金が取り締まれないのは、他でもないその業務を警察OBが請け負っているせいとか。

 また、以前から、パチンコ店経営者は在日が独占していると言われている。実数は諸説あって分からないが、ネットから総合判断すると、韓国人60%、朝鮮人20%、日本人15%、中国人5%といったところか。

 

 

 

 

 

2020年4月23日 (木)

隠れたLNGのリスク

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https://www.isep.or.jp/archives/library/11784

 福島原発事故のあと、日本の電力エネルギー源の大黒柱は、原子力と石油に替わって、第一図のように37%を占めるLNG(液化天然ガス)である。LNGは、重油や石炭に比して地球温暖化ガスの発生が少なく、輸入先が石油のように中東に偏らない(第2図)など、メリットが大きいとされてきた。しかも、最近は石油の値下がりに連れて、LNGの価格も低下傾向で、エネルギー源の優等生と思われている。さらに、都市ガスも最近では、かっての石炭ガスに替わってLNGがメインである。

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https://www.teikokushoin.co.jp/statistics/map/index17.html

 ところが、今回の新型コロナウイルス事件で、思いかけずLNGのリスクが急浮上したらしい。つまり、もし港湾関係などでの感染が拡大して、国内外での荷動きが止まれば、一発で日本の電気・ガスともに沈没ともなりかねない。最大の問題点は、前からも指摘されてきたらしいが、LNG備蓄が異常に少ないこと。電力会社で14日、ガス会社で20日しかないそうだ。

 従来、石油は「油断」とも言われたように、備蓄が義務付けられ、日本合計で200日ほどの備蓄があるが、LNGは石油の付属品の感じで、主役とは見なされてこなかった。しかも、LNGは安定した長期契約が多い上に、中東以外の輸入先が多かったので、リスク管理が甘かったらしい。今回のような全世界一斉のウイルスのようなケースは想定外だったようだ。

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https://www.mol.co.jp/iroiro_fune/03lng.html

 それでは、LNGの備蓄を増やしておけば良かったのではと思われるだろうが、LNGの備蓄はそう簡単ではないようだ。まず、現地で採掘した天然ガスは、パイプラインで出荷港のプラントに送られ、そこでマイナス162度の揮発性の液体にし、さらに写真3枚目のLNG船に積み込む。

 この船はいわば巨大な魔法瓶で、日本へ輸送する間も少しずつLNGは気化するが、その気化熱のお陰でマイナス162度をキープし、さらに気化したガスを船の動力源とする。日本の最終ユーザ近辺の港に着くと、即座に気化してパイプで送り出す。従って、一般には備蓄するような時間や高価な設備はないのだ。

 もし、備蓄するとすれば、ガス状態のまま、欧米なら600か所もある地下のガス層に再び圧入する。天然ガスに恵まれない日本では、新潟県に数か所小規模な候補がある程度とか。日本同様の状態の中国では、2017年冬にLNG不足を経験し、2020年には地下貯蔵設備での備蓄量を、現在の22日から57日に拡大する計画と言う。日本もマスク2枚を配布して466億円も使う場合ではないーー何が本質的に国家として重要なのか中国を見習うべきだ。

 

 

2020年4月21日 (火)

原油マイナス価格

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58291780R20C20A4000000/

 いや、驚いた。長く生きていると、正に歴史的な事件に会えるわけだ。NY原油の5月先物価格(第一図)が史上初めてマイナスになった。マイナスというのは、売り手は金をつけてまで原油を売りますよという事。冗談だが、世界のコンピュータプログラムも、マイナスの原油価格まで予測して対応できたか心配ではある。

 原油がだぶつき気味のところに、新型コロナウイルス・ショックによる世界的な需要急減で、原油の在庫が急増し、これ以上保管するタンクがなくなった。もし海上のタンカーにでも保管すれば、膨大な保管料が発生するので、損を出してまで石油会社は原油を売ってしまいたいのだ。また、空きの保管タンクがあれば、大量に買って大儲けも出来る構図であり、大いに胸騒ぎしている人もいるかも。

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https://www.nikkei.com/article/DGXKZO49853970V10C19A9NN1000/

 第2図は2018年の世界の石油生産状況。シェア12.7%のサウジを盟主とするOPECが世界の42.1%をしめ、ロシアの13.5%、シェール・オイルの米国の13.2%などが大所である。3月初めに低迷する原油価格の維持を狙って、サウジがOPECプラス(OPECにロシア・メキシコなどを加えた20か国)の減産を提案したが、アメリカのシェア拡大を警戒したロシアが逆に増産を始めたのでおじゃん。

 ロシアに対抗してサウジも増産を開始し、原油価格はますます下落して、今度はアメリカのシェール・オイル開発業者の倒産が発生した。困ったトランプ大統領の仲介もあって、4月12日にOPECプラスは日量970万バレル(全世界の約10%)の減産に合意したばかり。これでも新型コロナウイルスによる4月の需要減予想2900万バレル(全世界の約30%)の1/3程度しかない。

 特に、アメリカのシェール・オイルは後発なので、生産原価は1バーレルあたり30ドルと言われ、サウジやロシアに比べて競争力がない。従って、もし原油価格の低迷がこのまま続けば、借金が多く中小企業が多い米国開発業者の経営破綻が心配される。この影響が米国の金融システムにまで及べば、日本も対岸の火事ではなくなるのだ。

 今回の原油マイナス価格騒ぎで、心底一番ほっとしたのは意外にも燃料のど素人の東芝かも知れない。原発で倒産したウェスティングハウス関係で、テキサス州のフリーポート・プロジェクトとシェールLNGの20年間の長期購入契約を結んでいたが、原油価格の下落で、1兆円の損失が見込まれていた。この契約を肩代わりしてもらうため、やっと中国企業を探したものの、2019年4月に契約破棄されてしまう。

 ところが、その後、米中貿易戦争で、中国がアメリカのシェールLNGに25%の関税をかけたので、アメリカの新規のLNG開発プロジェクトが一斉に止まり、東芝のLNG物件に今度はフランスのトタール社が飛びついた。東芝は930億円の損失を出したものの、なんとか1兆円の損失は免れたのだ。しかも、その契約実行日はなんと2020年3月31日で、今回の原油暴落にすれすれセーフ。もし、トタール社との契約も不成立なら、東芝の損失は1兆円どころではなく、東芝そのものが吹っ飛んだかもしれない。

 ビジネスの世界でマイナス価格というのは余り目にしないが、似たものにマイナス金利がある。中央銀行が市中銀行などのカネを預かるとき預かり料を徴収する。つまり、カネが企業などにだぶついてカネの価値が下がり、借り手が少ない状況下で、市中銀行は中央銀行にカネを有料で保管して貰うより、企業に貸し出す努力をするだろうという狙いから生まれたもの。

 三菱UFJ銀行も一般預金者が2年間口座を使用しなかった場合、年1200円の口座維持料をとる検討を始めたらしい。新規口座に限り今年秋以降に導入とか。これもマイナス金利の一種。

 

 

2020年4月20日 (月)

「若々しさ」のバックアップコピー

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https://president.jp/articles/-/17465

 英語通信教育のインタビューで、ハーバード大学医学部のデビッド・シンクレア教授(写真一枚目,51歳)の話を聴いた。我々細胞の中に、あたかもPCのハードディスクのように、「若々しさ」のバックアップコピーが残っていることを見つけ、年取ったマウスの眼を若返らせたという。ヒトが老化するのは運命と従来考えられてきたが、なに、老化は単なる一種の病気であり、薬で治療できてもっと長生き可能だとする。

 こんな人間の存在そのものの哲学を変えるような大発見をしたのは、もう6年以上前で、当時の山中教授のIPS細胞と並んでの大ニュースとなったらしいが、ウサギさんはもうすっかり忘れていた。シンクレア教授は2014年のTIME誌の世界の100人に選ばれ、2015年のNHKスペシャル「ネクストワールド」でも取り上げられた筈。

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www.satomishiraishi.com/latest-antiaging-studiesfrom-harvard-medical-school.html

 ところで、昨年、教授は写真二枚目の本を著してベストセラーとなっていて、日本では今年7月に翻訳版を出版予定とか。氏の主張する「老化の情報理論」とは、体内にあるエピゲノム情報を失って、老化が進み病気になるというもの。そして、細胞を再起動させると、細胞が若かった時の情報を読み取ることが出来るという。一口で言えば山中氏のIPSは「細胞の初期化」だが、シンクレア氏の場合は「初期化ではなく、少し戻す」技術らしい。

 なお、上記のエピゲノム情報とは、ちょっと難しくなるが、DNAの塩基配列の変化を伴わずに遺伝子の働きを決める仕組みをエピジェネティクス(後成遺伝学)と呼び、そのゲノムに加えられた修飾・情報の集まりを言うそうだ。つまり、細胞が正しい遺伝子を適切な時に読み込むことを可能にするシステムのことで、細胞はその能力を失うと病気になって行くとか。

 今回、マウスの眼球・網膜をリプログラミング(再起動)することで、年をとったマウスの視力を回復できた。この1年間、マウスはガンにも罹らず健康だったが、今回は一回のみのリセットで、もし何回もリセットできれば、それこそ歴史を変えることに繋がるであろう。また、同時に、ヒトの眼疾患・緑内障・眼圧の薬の開発する会社を立ち上げたそうだ。

 エピゲノム情報は、我々の生活習慣でもコントロール可能である。つまり、長寿遺伝子のスイッチを入れたり切ったりできるが、現状満足の状態から抜け出す必要がある。体にショックを与え、細胞に命の危険が迫っていると思わせるのだ。これを「ホルミシス」と呼び、例えば椅子に座らず立って仕事をし、階段は歩いて登り、ストレッチをし、食事の回数を減らし、頭の体操を続け、地域社会に参加するなど。これらの生活習慣の改善で、加齢時計を巻き戻せると。

 我々の寿命は1日で5時間も伸びていて、現在の子供たちは確実に100歳まで生きるとされるが、もし120歳まで生きるとしたら、我々の人生設計は完全に変わるであろう。多分、50歳くらいから、勉強しなおして自分に合った新しい仕事を探すのが普通になるかも。

 

 

 

 

2020年4月17日 (金)

ちゃぶ台返し

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https://biz-journal.jp/2019/04/post_27333.html

 この時節にやや不謹慎なことを言えば、安倍政権内で下手な韓国ドラマよりも面白いドタバタ劇が演じられている。事の起こりは、二階自民党幹事長(写真左)の「ちゃぶ台返し」。新型コロナ経済対策として、収入が大幅に減った世帯に限定しての30万円の現金支給を政府はきめ、来週の国会で補正予算を通す予定だったが、突然、二階幹事長は、「一人一律10万円の支給が必要」と言ったのだ。

 これには官邸も驚いた。首相の側近などでやりたいようにやってきて、自民党は忘れていたが、「今更、党は予算の仕組みを知らないのかーー前代未聞の出来事」と当惑したという。二階氏の動きの裏には、勿論、事前の公明党との調整があった。30万円支給は、分かり辛く対象が小さく非常に評判が悪いとして、その後、山口公明党代表は、安倍首相との党首会談で、所得制限なしの一律10万円支給を求めた。

 安倍首相は、30万円の補正予算成立後に、追加施策として検討すると一端は答えたが、山口氏はがんとして、30万円支給に替わっての一律10万円支給を要求し、ついに30万円支給は廃案となった。この裏には、怖い創価学会婦人部の意向があるとかーー安倍首相もやはり選挙には弱い。いずれにせよ、マスク2枚配布や、優雅に自宅で寛ぐ自身の映像など、首相近辺と国民の意識のずれが明らかになった。

 ここでドタバタ劇はさらに佳境を迎える。突然、安倍首相は独断で、緊急事態宣言を全国に拡大したのだ。従来、もっと先と見られていたが、まさに急で事前の対策会議での配布資料が間に合わなかった位だという。連休での人の移動を封じるために急いだとされるが、公明党から脅されての30万円施策の失態を隠し、10万円一律配布の理由付けに緊急事態宣言を使ったのは見え見え。こういった小手先の悪知恵は大得意で、祖父の岸信介元首相譲りのDNAかも?

 このドタバタ劇でメンツを失い、一番割を食ったのは岸田自民党政調会長だが、実は裏で糸を引いているのが麻生副総理兼財務相(写真右)である。2009年のリーマンショック時の1万2千円一律現金給付の際の首相経験から、一律に給付しても預金になるだけで効果なし、だいたい支給に3か月もかかったとして、10万円一律給付に猛反対し、30万円限定支給を推進してきた張本人である。安倍首相もこの「3か月」をほうぼうで一律支給が不可能な理由として宣伝してきたが、昨日は「一律支給のもっと早い方法を見つけたので」と、ケロリとしている。これでは「安倍は信用できない」が世論調査の不信任トップの理由になるわけだ。

 財務省も、30万円だと1000万世帯として約4兆円で済むが、10万円一律だと1億2千6百万人で約14兆円もかかるので、財源からしても30万円を主張した。噂によると、安倍は自民党内の反対の空気を知って、もともとは10万円を内心希望していたが、麻生氏と財務省に30万円支給案で押し切られた経緯らしい。というのも、安倍首相は、森友事件で財務省に借りがあり、頭が上がらない構図である。

 ところで、関係ない余談で恐縮だが、昔、英会話のN校のアメリカ人先生から、麻生首相の名をアメリカの女性アナウンサーが発音に大弱りと聞いたことがある。どうしても、ass hole(尻の穴)首相になってしまうらしい。もっとも、「シリアナ」という2005年のハリウッドの有名映画があったが、あまり日本では気にならなかった記憶もある。

 このass hole氏のことか不明だが、ネットによれば、マスクを政府が大量に中国から調達する話が最近あったが、商談成立直前に、財務省トップ筋から支払い条件で横やりが入ってご破算になったという。これには、中国のみならず世界中が、この期に及んでの日本の役所の杓子定規ぶりに驚いたという。ともかく、ass holeさんはもう79歳でこのままでは更に晩節を汚すことにもなりかねない。今回、岸田氏と張り合って頑張った二階氏も81歳で、そろそろお二人とも引退してもおかしくないご高齢ではある。

 海外諸国では、韓国やドイツなどコロナ対策でむしろ国民の政権支持率が上がっているところも多いらしいが、なかでも日本はコロナで支持率が下降している珍しい国とか。いずれにせよ、安倍長期政権の隠蔽・改竄などに見られる傲慢さが治らない限り、今後いくらあがいても支持率改善は見込めないであろう。

 

 

 

 

 

2020年4月16日 (木)

アメリカ・ファースト

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https://www.youtube.com/watch?v=euwilCCO7bU

 トランプ米大統領(写真左)はWHOへの拠出金を当面の間停止すると発表した。「WHOは中国の新型コロナウィルスに関する偽情報を信用し、世界の感染者を20倍に増やした。1月の米国の中国からの入国禁止に反対したWHOは中国中心で、米国は中国の10倍以上の拠出金(年4億ドル以上)を払っており不公平だ」としている。それにしてもこの時期に発表とは? 国内でトランプの初期対応拙さの指摘をかわすためか? 中国の経済属国化したエチオピア出身のテドロス事務局長(写真右)を送り込んだ、長期的な中国の戦略に苛立ったか?

 この反グローバリズムと言うのか、国際的な協調を嫌うアメリカ・ファーストの動きは、昨年からだけでも多数ある。まず、187か国の合意による歴史的な地球温暖化対策のパリ協定(2015年)からの離脱を、正式に国連に通告し、2020年11月からアメリカは離脱する。ここでも、「協定は中国に温室効果ガスの排出を許している。アメリカにとって不公平だ」としている。

 一方、WTO(世界貿易機関)は2019年12月から機能不全に陥っている。紛争処理の最終審の上級委員会のメンバー選出で、米国がメンバーの再任や補充を拒んでいるため。WTOでは全会一致が原則のために機能しなくなっているのだ。TPPから脱退するなど、保護主義を強めるトランプ曰く。「WTO上級委が国内法解釈に踏み込むなど、権限を越えている」、「中国が政府補助金などで競争力を不当に高めているのにWTOが黙認している」、「中国や韓国がいまだに発展途上国として優遇されている」など。

 2019年1月から、アメリカとイスラエルは、国連のユネスコから脱退した。「パレスチナ問題でユネスコが偏見ある態度をとった」としている。なお、2011年にパレスチナがユネスコに加盟したときから、両国はユネスコ負担金を払っていないそうだ。また、アメリカは1984年に「ユネスコはソ連の利益を擁護している」として脱退し、2003年に再加盟しているらしい。

 ところで、このアメリカの国際協調嫌いは、何もトランプに始まった訳ではない。1823年、時のモンロー米大統領は、欧州諸国に「アメリカ大陸とヨーロッパ大陸の相互不干渉」を提案した(モンロー主義)。1918年第一次世界大戦終戦後、アメリカのウィルソン大統領は、国際連盟設立の提案をし1920年に発足できたものの、米議会での講和条約批准に失敗して、以降米国は国際連盟にも不参加であった。1945年、第二次世界大戦の終了を待って、アメリカ主導のもとに国際連合が発足したが、皮肉にもトランプが嫌いな国連の本部はニューヨークに置かれた。

 アメリカの国際協調嫌いのいわばマーベリックぶりは標準化にも及ぶ。未だにメートル法を使わず、ヤード・ポンド法に拘るのは、世界広しといえども、アメリカ・リベリア・ミャンマーのみとか。伝統を重んじるイギリスでも、国外向けはメートル法である。この標準に従わぬ弊害は、米国とロシアの宇宙船ドッキングの時問題になったとか。温度でも、アメリカは依然として華氏であり、他に華氏を使う国はジャマイカのみ。英国は日常生活では華氏だが、正式には摂氏を使うらしい。

 

2020年4月12日 (日)

海底ケーブル

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https://jpn.nec.com/kids/himitsu/07.html

 藪から棒だが、テレビの海外中継などを見ていると、例えばアメリカの特派員の応答に、ちょっと遅れが出るのに気づくであろう。電波は光速だが流石に外国は遠いので時間がかかると思いきや、光は秒速30万キロで1秒で地球7回り半もするので、東京ーロス間9000kmとして往復でも約0.06秒であり、ちょっとテレビの応答遅れはおかしい。

 遅れの原因は、図一枚目のように、テレビ映像は通信衛星経由のためである。通信衛星経由だと往復14万4千kmで約0.5秒もかかるので気になる遅れとなるのだ。この遠くてコストが高い通信衛星を使う理由は、海底ケーブルの通信容量不足のため、かっては動画が送れなかったせい。

 ところで、昨日のテレビで新型コロナウイルス外出自粛の一環で、合唱の練習をPCの動画に多数の人々が参加して行っている様子が映った。その中で欧州からも参加とある。はて、インターネットの海外動画映像は、もし通信衛星経由だと遅れて合唱が難しいのではと、ロートルの素人は心配して早速ネットで調べた。

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https://www.ntt.com/content/dam/nttcom/mig2/release/monthNEWS/detail/pdf/20150924_3.pdf

 結果は心配ご無用、合唱練習は可能である。第2図のように、ここ20年の光ファイバー化で、海底ケーブルの伝送容量が飛躍的に増大して、テレビ中継やインターネットなどの日本の国際通信量の99%は今や海底ケーブル経由とか。伝送容量が衛星の1000倍以上と大きく、距離が短くて速いし、コストが安いし、衛星のように天候に左右されないので、言うことなしである。

 それでは、何故、テレビ局は一部とは言え未だに通信衛星を使用するのか? ネットで調べたが謎である。多分、通信衛星運用会社と、各テレビ局との間に長期の使用契約か何かがあるのではと推定。

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https://www.spf.org/opri/newsletter/118_1.html

 ついでに、海底ケーブルに興味をもったのでちょっと調べたがその歴史は古い。1850年にもう英仏間のドーバー海峡に敷かれた。勿論、当時はツートンツートンの電信用。日本でも1871年に長崎ー上海、長崎ーウラジオ間に開通。日米間の太平洋を渡ったのは1906年で、光ファイバー化は2001年である。

 海底ケーブルは第3図のように、世界の海底に網目のように敷かれていて、一本のケーブルには8対の光ファイバーがあり、日米間には複数のケーブルが走っているので、全ての日本人が一斉にアメリカに電話しても、容量の8%を使う程度とか。

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https://jpn.nec.com/info-square/mitatv/discover/01_sequel/index.html

 海底ケーブルは第4図上のように、8000mの深海底を這わせるが、浅い1500mまでは地中に埋設するそうだ。深海の方が水圧が高いので大変だと思われがちだが、実は浅い方が人工物などとの関係で問題が多いとか。浅いところは、船に積んだ大きな鋤で溝を掘り、そこにケーブルを置くと、あとは海水が自然に土を埋めてくれるらしい。ケーブルも浅い場所用は太くてがっちりしているが、深海用はびっくりするほど細い(写真5枚目)。

 中継器は日米間で60-100台は必要だが、地震の検知器もつけられ、早期警報の発信に役立っていると。8000mの海底の平地を狙って船からケーブルを這わせるのは、神業に近いノウハウと腕が必要らしい。もし、地震などで深海のケーブルが切れたりしたら大事で、作業船がケーブルと直角に動いて、ケーブルを引っかけて持ち上げ、海上で切断部分を入れ替えるが、数か月以上もかかる大作業になるとか。

 それにしても、海底ケーブルは、まさに一度引退した役者が再登場したような感じで、年寄りにはこの手の話はとりわけうれしいのである。

2020年4月10日 (金)

「今日も数学やるぞ」は甘い

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www.kurims.kyoto-u.ac.jp/ja/invitation-01.html

 朝日新聞デジタルが、「今日も数学やるぞは甘い 京大数理研という異世界」という妙な記事をメールで送ってきた。数学の超難問「ABC予想」を証明した望月新一教授が所属する京都大学数理解析研究所は、国内で唯一の数学全般を研究する数学の聖地とか。数学のノーベル賞といわれるフィールズ賞受賞者など、世界のトップレベルの研究者が集い、その魅力は学生への授業が義務付けられておらず、研究に没頭できる環境にあるらしい。

 1963年に設立され、数学者は35人。最先端の考えを披露する研究集会は毎週開かれ、来訪者は年間4000人以上、内外国人は300人を超えるとか。一階の休憩室(写真一枚目)の壁は、いつでも数式が書けるように、幅5m以上の巨大なホワイトボードになっているそうだ。世界で活躍する研究者集団なので、「日本と世界のための研究所」と米数学界から評されるよし。

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www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kenkyubu/past-director/sato.html

 数理研は有名数学者を多数輩出した。本ブログのタイトルに書いた言葉を残したのは、「数学の大家」と言われた佐藤幹夫元所長(写真2枚目、現在91歳なので相当前の写真?)。論文をほとんど書かず、アイデアを弟子に教えて書かせたという一風変わった人らしい。いわく「朝起きたときに、今日も一日数学をやるぞと思っているようでは、ものにならない。数学を考えているうちにいつか眠り、目覚めたとき既に数学の世界に入っていなければならない」ーー流石に数理研は異世界ではある。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/伊藤清

 米ウォール界でもっとも有名な日本人は故・伊藤清氏(写真3枚目、1915-2008)らしい。何しろ米科学アカデミーから、「ピタゴラスの定理を除いて、伊藤の公式ほど世界で実用化された数学はない」と絶賛されているそうだ。戦前の1942年に、微粒子が液体の中で不規則に動くような、自然界の無秩序な現象を数式で表す確率微分方程式を考案したと。

 ところが、この伊藤の公式は30年後に大化けし、株価や為替の変動予測に応用され、デリバティブ(金融派生商品)の価格を決定する方程式に使われて、マネー革命を起こしたらしい。伊藤氏は実応用に貢献した数学者に贈られるガウス賞の第一回の受賞者(2006年)でもある。

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https://www.chugoku-np.co.jp/column/article/article.php?comment_id=3669&comment_sub_id=0&category_id=254

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https://ja.wikipedia.org/wiki/森重文

 ところで、数学のフィールズ賞はノーベル賞ほどには一般に知られていないと思うが、実は遥かに難しい賞である。何しろノーベル賞のように毎年ではなく4年に一度であり、しかも、ノーベル賞が研究成果が出てから20-30年後くらいの高齢でも受賞できるのに、フィールズ賞は年齢が40歳以下と来ている。それに、数学は共同研究は珍しいので、受賞者はほとんど一人に限られる。

 1936年の制度開始以来、日本人は3人しか受賞していないが、うち2人が京大数理研関係者である。写真4枚目左の広中平祐京大名誉教授(88歳)が1970年、写真5枚目の森重文元数理研所長(69歳)が1990年にそれぞれ受賞している。なお、日本人最初の受賞は、小平邦彦(1915-97)元東大教授の1954年。ちなみに、広中氏写真の右側の奥様は、若かりし?頃の元環境庁長官の和歌子さん。

 なお、あまり関心がないかも知れないが、国際的に有名な数学の賞にアーベル賞がある。2001年ノルウェー政府が、同国出身の数学者ニールス・アーベル(1802-29)の生誕200年を記念して設けたもの。スウェーデンのノーベル賞に似て、毎年授賞し、年齢制限もなく、賞金も1億円と同等である。残念ながら未だに日本人の受賞者はいない。

 

 

 

2020年4月 9日 (木)

「真水」と「水増し」

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https://go2senkyo.com/seijika/142022/posts/124972

 安倍政権は、新コロナウイルスの緊急経済対策として、事業規模108兆円に上る財政パッケージを決定した。これは、ドイツと並ぶGDPの20%と最大級の経済対策で米国の10%を凌ぐと首相は胸を張った。ところが、その内容は真にお粗末とのネット評が多く、だいたい内訳が不明確である。また、不思議なことに、108兆円も支出するのに、補正予算は17兆円にしか過ぎない。残りの91兆円はなんだ?と誰でも不思議に思ったであろう。

 この疑問にネット上で分かりやすく答えてくれたのが、国民党の福村隆衆議院議員のブログ(図一枚目)。つまり、補正予算の17兆円を「真水」分とすれば、残りの91兆円はいわば「水増し」分である。民間企業が連れて支出すると期待するのが42兆円、税金等の支払い猶予26兆円、政府系金融機関からの民間への貸し出し13兆円、何と昨年度補正予算の未執行分10兆円までも含むのである。

 平気で大量の水増し分を、108兆円の事業規模に潜り込ませる、例の安倍政権の「大いにやってます」ふりの悪知恵?は、国際的にも恥ずかしい。アメリカやドイツは、真水の現金給付などで、GDPの10-20%を達成しているのだ。日本は20%どころか、せいぜい3%強程度にしか過ぎないのがバレバレである。これは、安倍政権独特の国民の支持率を異常に気にし、「隠蔽」、「改竄」という悪習に走りがちな体質を、ここでも見事に?反映しているのかも知れない。

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https://twitter.com/nonowa_keizai

 少し108兆円の中味を見る(第2表)と、5つの柱があり、Ⅰ,Ⅱ項は当面のコロナウイルス対策、Ⅲ,Ⅳ項は次のステップのV字型回復対策である。Ⅱ項の雇用の維持と事業の継続が大半を占めているが、総額39兆円の財政支出というのは、上記の「真水」に税金の猶予分などを加えた、まあ、政府から見た「真水」分であろうか。

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https://go2senkyo.com/seijika/142022/posts/124972

 次に「真水」のポイント(第3表)を少し検討。現金30万円給付は、全国5300万世帯のうち1100万世帯を対象としての3兆円だが、市町村役場に申請する書類が大変そうで、どのくらいの人が実際に恩恵を受けるかな? 30万円と高額に拘って条件を厳しくしすぎたきらいもあり。子育て支援は1600万人だから1600億円程度。中小企業事業者支援は50-100万件で2兆円程度ーー草臥れたのでもうやめる。なお、珍しい一国首脳のエプリル・フールとして、世界的にも有名になった「アベノマスク」は466億円もかかる。

 ところで、政府の緊急事態宣言で、東京都が多くの商業施設の営業自粛を要請しようとしたところ、政府から待ったがかかり、都と政府間で揉めているらしい。政府は経済損失の影響大とするが、東京都にならって他県も追随すれば、休業補填をせざるを得ず、それを政府が予算化していないので慌てているのだ。欧州では広く休業補填しているのに、日本ではせっかくの緊急事態宣言が、このためにもう3日も足踏みしている。緊急経済対策の内容が、108兆円にしては「真にお粗末」とのネットの声がここでも聞こえてくるようだ。

 

 

2020年4月 4日 (土)

IUT理論

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https://www.huffingtonpost.jp/entry/mochizukishinichi-math-abuyosou_jp_5e86d26bc5b63e06281bb548

 最近のNHK夜7時のニュースは、大半の時間がお決まりの新コロナウイルス関係で占めるが、昨夜は藪から棒に「数学の難問、ABC予想が証明されました」と来たので、一瞬、唖然とした視聴者も多かったと思う。京都大の望月新一教授(写真一枚目)が2012年に既に証明していたが、余りにも理論が斬新で難しく、世界の数学者でも理解できた人は10名以下で、論文の査読に8年もかかったと言う。ただ、今回、論文が載るのは、京大数理研が発行する数学誌PRIMSである。

 ABC予想関係の論文は600ページもあるが、ベースとなる教授独自の数学理論IUTは、その理解に1000ページを更に読む必要があるとか。しかも、IUT(宇宙際タイヒミュラー理論)は、相対性原理にも匹敵する現代数学界をひっくり返すほどの奇抜なアイデアときているらしい。なお、オズヴァルド・タイヒミュラー(1913-43)はドイツの数学者。

 おまけに、教授はちょっと変わった人で、海外での講演会依頼がひっきりなしに来るが全て断っているとか。普通は英語ができないとかの理由があるが、東京生まれで5歳にて渡米し飛び級の16歳でプリンストン大に入学、19歳で学部卒23歳で博士で在米18年。しかも母親がアメリカ人で、ギリシャ語・ラテン語にも長けるときている。何か、白人のアジア人への偏見が嫌になり、英語や外国が嫌いになったとか。

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https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2004/03/news155.html

 ABC予想とは第2図に示す。例を示せば、a=4=2^2, b=9=3^2とすると、c=a+b=13, rad(abc)=2*3*13=78 従って、c<rad(abc)。この不等式は、ほとんどのa,b,cの組み合わせで成り立つが、例外もいくつかある。例えば、a=1, b=8=2^3では, c=9=3^2, rad(abc)=2*3=6, c>rad(abc)。

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www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/project-2020-japanese.html

 この難しいIUT理論の香りでも嗅ごうと、よしゃ良いのに、東工大加藤文元教授による、中高生向けの講演会YouTube(写真3枚目)を1時間半も見た。ABC予想が難問なのは、足し算と掛け算が混じっているせいとか。これは、双子素数問題(2だけ離れた素数は無限にありや?)、ゴールドバッハ予想(3より大きい偶数は2つの素数の和として表せる)などの難問にも共通するそうだ。

 全ての自然数は1の足し算で表せるが、他方、掛け算でも表せるのだ。つまり、掛け算だけの数学世界を造れる。これらの複数の数学世界間の通信を考えたとき、通信による情報の歪みを、ある不等式で表せ、定量化できる。「複数の数学世界」、「通信」、「情報の歪み」など、新しい数学概念の登場で、理解が難しいであろう。しかも、IUT理論をABC予測に応用するさいゼータ関数が登場して、訳が分からなくなりウサギさんは遂にお手上げ。だいたい中高生がゼータ関数を分かるのかな? ともかく、世界の10人に入るのは難しく、やっとアガサ・クリステイの「ABC殺人事件」のレベルと納得。

 

 

 

 

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