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2020年2月

2020年2月27日 (木)

科学の理解度テスト

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www.spring8.or.jp/ja/news_publications/research_highlights/no_57/

 「知ってるつもり 無知の科学」(早川書房)に、アメリカで2010年に実施した大規模な国民の科学リテラシイ・テストの結果が載っている。基礎的な12問の2択問題で、ネコでも50点はとれる仕組みだが、50点以下が4問もある。アメリカ人がまたどうして?と驚く前に、同じテストを中国・ロシア・EU・インド・日本・韓国で実施したところ、大差がなく、しかもほとんどの国でアメリカより悪かったそうだ。

 
 問題自体は、小中学生レベルだが、一歩突っ込むとロートルにもなかなか面白いテーマなので、ちょっとコメント付きで紹介する。
 
 (問1)「地球の内部はとても熱い」。答えは当然YESで正答率84%。第1図のように、内核の温度は5500度とか。

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nh.kanagawa-museum.jp/kenkyu/epacs/museum/3c02.htm

 (問2)「各大陸は何百万年もかけて現在の位置まで移動した。今後も移動を続ける」。答えはYESで正答率80%。1912年ヴェゲナーの大陸移動説から始まり、現在のプレートテクトニクス理論で実証された。

 第2上図は、6億年前の全陸地が一か所に集結していたゴンドワナ大陸だが、現在の姿を経て、2億5千万年後の世界予想が第2下図。アジアとアメリカがやけに近づき、間にオーストラリア大陸が割り込んでいる。

 (問3)「地球が太陽の周りを回る」。答えはYESで正答率73%。なんと天動説信者?がまだいるのだ。

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https://www.jaero.or.jp/sogo/detail/cat-03-01.html

 (問4)「電子は原子より小さい」。答えはYESで正答率51%。第3図のように、物質は原子から成り、原子は電子と原子核からなる。ついでに、更に原子核は陽子と中性子から構成される。

 (問5)「放射能はすべて人為的に作られる」。答えはNOで正答率67%。原子には高いエネルギーを持った不安定な状態のものがあり、原子核が高速の粒子や電磁波を出して、時間とともに安定した状態に向かう。この放出される粒子や電磁波が放射線(第3図)であり、その放出能力を放射能という。

 放射能を持つ原子を放射性同位元素または放射性同位体RI(Radio Isotope)と呼び、RIを含む物質が放射性物質である。RIは放射線を出すことで別の原子になる。放射性物質には、地球誕生時から存在する自然のもの、宇宙線の作用によるもの、原子炉などで人工的に作られるものの3種類がある。

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https://kotobank.jp/word/レーザー-151587

 (問6)「レーザーは音波を集中させて作る」。答えはNOで正答率は47%。ウサギさんもそうだが、レーザーの知識は意外にないのに驚く。1960年に発明された光の増幅・発振装置(第4図)。指向性・収束性に優れた単一波長の電磁波を発生させることができ、光ディスク・医療・通信など応用範囲が広い。

 (問7)「宇宙は巨大な爆発とともに始まった」。答えはYESで正答率はなんと38%。極端に正答率が低いのは、勿論、アメリカのキリスト教の教えのせいだが、問の頭に「天文学者によれば」を付け加えると、正答率は70%に上がったそうだ。

 (問8)「生物のクローン技術は、遺伝子的に同一のコピーを作る」。答えはYESで正答率80%。

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lumens.blog.fc2.com/blog-entry-26.html

 (問9)「赤ん坊の性別を決めるのは、父親の遺伝子である」。答えはYESで正答率は61%。第5図のように、ヒトの性は、XとY性染色体の組み合わせで決まり、XXなら女性、XYなら男性。つまり、XとYと両方を持つ男性で子供の性は決まる。果たして重要な責を担う自覚が男性にありや?

 (問10) 「一般のトマトには遺伝子はなく、遺伝子組み換えトマトにはある」。答えはNOだが正答率はなんと47%。これには、オイオイと言った感じか。遺伝子組み換えの意味が、一般人には全く理解されていない?

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https://www.fizz-di.jp/archives/1028577473.html

 (問11)「抗生物質は細菌とウイルスの両方に効果がある」。答えはNOだが、これも正答率50%でネコのレベル。抗生物質とは、微生物が産生し、他の微生物の発育を阻害する物質であり、ウイルスは微生物どころか、生物でもないとされるので全く効果がない(第6図)。

(問12)「今日、私たちが知っている人間は、祖先である動物から発達した」。答えはYESだが正答率は47%。キリスト教バイブル上の問題を抱え、進化論を学校で教えるのを禁止する州があるアメリカだが、問7の「神の一振りビッグバン」よりも高得点である。これも問の頭に「進化論によると」を加えると、正答率は70%に上がったとか。

 

 

 

2020年2月26日 (水)

知ってるつもり

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https://www.flierinc.com/summary/1603

 年寄りの新型コロナ対策として、スポーツクラブ・学士会・クラス会・ウォークの会などへの外出は一切控えているが、例外として?近くの本屋で本を一冊仕入れたのだ。「知ってるつもり 無知の科学」(写真一枚目)で、著者の一人スティーブン・スローマンは米ブラウン大教授、他のフィリップ・ファーンバイクは米コロラド大教授。

 共に認知科学者だが、認知科学は、1950年代頃から始まった工学・心理学・哲学などの学際的研究を通じて、人間の知性の働きを解明する学問。ただ、この間、明らかになったのは、人間の知性の素晴らしさではなく、むしろその限界であったと二人は指摘する。

 人間は本人が思っているよりずっと無知であり、その自覚の欠如が時として不合理な判断や行動という形で、個人や社会に危険な影響を齎す。どうすれば、我々はこの問題を乗り越えられるかが本書のテーマ。本書とは直接関係ないが、今回のクルーズ船のウイルス集団感染事件対応でも、まさに官邸筋の無知が明らかになった感じで怖いことだ。

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https://toyokeizai.net/articles/-/216994?page=3

 まず、我々がいかに無知かという例から。自転車は誰でも子供の頃から慣れ親しんできたと思うが、第2図一番上の段のような自転車のスケルトンを、リバプール大学生に示し、欠けているフレーム・ペダル・チェーンなどの重要部品を書き加えるテストをしたところ、下の4例のような答えが返ってきた。つまり、ほとんどの学生は、良く知っているつもりの自転車の基本構造を、実は知らなかったのだ。

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 学生だけでなく一般の人々にも、毎日使う例えばジッパーや水洗トイレの原理を聞くと、そんなの簡単さとまずは言うが、結局は正しくは答えられないであろう。水洗トイレ(第3図)は、用をたして水を流すと、ボウル内の水位が上がり、トラップ経由で水は外へ流れる。サイホンの原理で水は下水道へ流れ続けるが、ボウル内の水位が下がると、トラップ内に空気が入ってサイホンが機能しなくなるので止まる仕組み。

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 次に人間は知識の欠落を、自分の経験で補おうとするが、それでしばしば思い違いを起こすのだ。その良い問題がある。第4図の2枚のコインで、矢印が付いた上のコインが、下のコインの縁に沿って回るとして、ちょうど上のコインが下のコインの真下に来たとき、矢印の向きは? 上のコインは半周分回るのだから、下向きと答えるであろうが、正解は上向きである。これは、上のコインが水平方向に半周した際の結果を、我々は経験的に推定するので、回転する場合は間違ってしまうのだ。

 人間の直観的思考における錯覚も大いにありうる。簡単な問題を即座に回答させる認知反射テストというのがあるが、例えば、(問1)バットとボールで合計1ドル10セントで、バットはボールより1ドル高い。ボールはいくら? 殆どの人は即座にボールは10セントと答えるがこれは錯覚で正解は5セントである。

(問2)湖面の睡蓮の葉は毎日面積が2倍となるが、48日で湖面が一杯になるとき、湖の半分が覆われるまで何日かかる? 大多数の人の答えは24日だが正解は47日。(問3)5台の機械を5分間動かすと製品が5個できる。では、100台の機械で100個の製品を作るのに何分かかる? 答えは100分ではなく5分。名門プリンストン大学の学生でも、3問全正答率は26%だそうだから、ご安心あれ?

 人間は全てのものを記憶・理解できないので、判断に必要なもの以外は、外部の人や環境に頼ってきた。これらのいわば外部記憶装置を「知識のコミュニティ」と呼ぶ。だが、社会のコミュニティも「集団浅慮」のような問題もはらむ。従来は、個人の賢さはIQによって測られたが、今後は集団にどれだけ貢献できるかで賢さを図るべきだとしている。つまり、他者の立場や感情的反応を理解する能力、効果的に役割を分担できる能力、周囲の意見に耳を傾ける能力などである。

2020年2月22日 (土)

今更だが中国(再)

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 妙なことが起こった。この記事は2月13日に一度投稿したが、その後記事のタイトル名が気に入らず一部を変えた。従来はOKだったが、GOOGLE(Yahooも)がシステム管理方法を最近変えたらしく、検索できないことが判った。そこで再度トライするが初めての経験。もし、2度読む人が居られたら御免なさい。

 政府は新型コロナウイルス対策で、中国湖北省に加えて、浙江省に滞在した外国人の入国拒否を発表した。第一図は2月6日現在と若干古いが、浙江省の感染者が湖北省に次いで多く、特に浙江省の温州市は、中国全国の市のなかでは、人口3100万人の直轄都市重慶市に次いで感染者が多く、外出禁止処置がとられたことが理由。
 
 ここで、ウサギさんは香港には行ったことがあるが、中国本土はまるきし土地勘がないことが分かった。つまり、頭では北京・上海・重慶などの位置関係は分かるが、湖北省武漢、浙江省温州となるともう駄目である。

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 第2図のように中国の行政区分は、23省、4直轄市(北京・上海・重慶・天津)、5自治区(チベット・内モンゴル・新疆ウイグル・寧夏回族・広西チワン族)、2特別行政区(香港・マカオ)の34区分からなるが、人口の14億人を34で割ると平均1区分約4000万人である。
 ヨーロッパで言えば、ドイツ・フランス・イギリスの人口クラスの州は、河南省(96百万人)・山東省(91)・四川省(87)・広東省(79)など、それこそ、ぞろぞろあるのに、欧州に比して中国の省は、何故かウサギさんは知らない。そこで今更ながらちょっとお浚い。
 
 ウイルス発祥地の武漢がある湖北省は、中国中部エリアと呼ばれ、武漢は人口1100万のエリアの中心都市らしい。自動車関係が盛んで、日本からもホンダ・日産などが進出している。中国の産業は1980年代から、北京の東北の遼寧省(瀋陽)から始まり、順次東部海岸地方、南部海岸地帯の開発が進んで、今や、内陸の武漢や重慶にまで進む構図とか。
 
 浙江省(杭州)は上海市の南に位置し、特に商業が昔から盛んなところらしい。「浙江商人」や、中国のユダヤ人とも呼ばれ海外に飛躍する「温州商人」の名でも有名。18万人の温州人が武漢で商いをし、旧正月で2万人が温州に戻ったと言う。省都の杭州にはアリババの本社がある。
 2019年度上半期のGDPは、トップが広東省(広州)、2位が江蘇省(南京)、3位が山東省(済南)で、浙江省・河南省(鄭州)・四川省(成都)も大所。日本人が多いのは、上海市、広東省、江蘇省、遼寧省、北京市などで、もちろん商取引や産業が盛んなところである。
 日経によれば、今後の中国の経済の死命を制するのは、極言すればウイルスの蔓延が、香港に接する心臓部の広東省で収まるかどうかだと言う。アップルなどの生産を、世界で一手に広東省の深圳などで引き受けているからと。そういえば、今や世界の頭脳集団5Gのファーウェイ社も深圳にある。

2020年2月21日 (金)

常識を覆す

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https://www.10000nen.com/media/5009/

 今朝の朝日新聞に、「耳垢の掃除NO」とのコラムがある。日本耳鼻咽喉科学会で動画が紹介されたもので、教育現場で既に10万回再生されたとか。多くの人が間違えているが、耳垢は汗やほこりではなく、鼓膜や耳の穴の皮膚の老廃物。鼓膜は爪のように生え変わり、古い鼓膜や耳の穴の皮膚は、入口付近で耳垢となり、自然に押し出されるという。

 もし、耳掃除をすると、耳垢を奥に押し込んでしまい、続けると積み重なって、耳栓のようになり、病院で除去することになる。耳垢が湿性の人は耳掃除をすべきとの説があるが、気になる人は外に出ている部分の掃除は良いが、穴の奥へ耳かきを突っ込むのは不可とか。

 ところで、耳垢の縄文人型は湿性、弥生人型は乾性で、日本人の70%は乾性。一方、欧米人やモンゴルなどアジアの北方系は湿性、中国など南方系が乾性らしい。ウサギさんは湿性で風呂上りなどに耳垢をティッシュなど押し込むせいか、3年に一度くらい耳が痛くなり、医者の世話になる。医者にどうすれば良いのか聞いたことがあるが、「まあ、医者にかかりなさい」とのことで、耳垢掃除を止めろとは言わなかった。医者も慈善事業でなく、ビジネスであることを納得。

 この日本人の常識が通用しない例に歯磨き法がある。昨春のNHK「ガッテン」でやっていたが、40歳代の日本人は100%歯磨きをするのに、ほとんどの人には虫歯があるが、スウェーデンの人々は少ないのは何故か? 1990年代にスウェーデンでは、歯磨きのあとに、歯磨き粉の泡などは吐き出すが、口をゆすがずに歯磨き粉のフッ素化合物を、歯に残す方法を始めたところ、その効果はてき面で40%も虫歯が減ったらしい。

 我々が子供の頃は今では信じられないが、「朝起きて顔を洗い歯を磨いてから、朝ご飯を食べなさい」と教わったものだが、「歯磨きは食後に」が常識になったのは、6-70年前ではないか。お陰でウサギさんは今は総入れ歯に近いが、こんなことは歯医者はとうに分かっていた筈? これも「不都合な真実」? まさかね。

 次は、「靴下の常識」。先日のNHK「ガッテン」の受け売りだが、靴下を洗濯機で洗うとき、日本人の常識は汚れのある表側をそのままにして洗う。だが、もし、靴下を裏返しにして洗うと、臭いが格段によくとれ、品質もものすごく長持ちするという。知らなかったが、どの靴下にも小さな文字だが「洗うときは裏返して下さい」と必ず書いてあるそうだ。

 70年ほど前に、靴下業界に革命がおこった。従来、靴下は穿いているうちに下へずり落ちて困っていたが、表を天然繊維、裏を化学繊維としたところ、見事にこの問題は解決した。ところが、化学繊維はごみや臭いが付きやすく洗いも悪い。一方、天然繊維は何度も洗うとこすれて品質上弱い。この両者の問題点に対して、靴下の裏表ひっくり返して洗うことで、一石二鳥の解決策を得たという。

 だが、何故こんな重要なことを、メーカーは大きく赤字にしてでも表示しないのか? ウーン! ともかく結果として、靴下が数多く売れなきゃメーカーも困るからかな。

2020年2月19日 (水)

忖度ホテル

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https://anaintercontinental-tokyo.jp/company-profile/
 珍しくポータルサイトのyahoo自身の記事を見つけた。滝沢信秋というホテル評論家による「桜を見る会で注目されるANAホテルとホテルニューオータニは何が違うのか?」である。
 
 ご承知のように、安倍首相の「桜を見る会」前日の夕食会は、2013年、2014年、2016年にANAホテルで開催されたが、ANAホテル広報の立憲民主党への回答文書は、安倍首相の過去の国会答弁をことごとく否定したのだ。「見積書や請求書を発行しないことはない」、「金額を手書きし宛名を空欄のままの領収書を発行することはない」、「主催者から経費はまとめて支払われる」、「政治家だからといって対応を変えることはない」。
 
 これに対して、首相は「その後、ホテル側に確認したところ、これは一般論で個別物件は営業秘密のため回答に含まれていないとの回答を貰った」としたが、さらに報道各社がホテル側に確認すると、「そう回答した事実はない」とのこと。

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https://www.booking.com/hotel/jp/new-otani-tokyo.ja.html

 一方、2015年、2016年、2018、2019年の会場は、ホテルニューオータニ(写真2枚目)だが、こちらは、首相の主張を全面的に認めている。つまり、首相が、公選法違反と政治資金規正法違反に問われぬように忖度した感じである。

 一部の自民党議員は「今後、ANAホテルは使わない」と言ったらしいが、どう見てもANAの矜持を持った毅然とした態度の方が事実のように見える。安倍政権もいずれそう長くはないのだから、コンプライアンスを問われぬうちに、名門ニューオータニも早く事実を認めることを薦めたい。

 前置きが長くなったが、この両ホテルの違いを一口で言えば、ANAが外資系、ニューオータニが日系である。かって、東京の御三家ホテルは、帝国・オークラ・ニューオータニの日系と決まっていたが、90年代に入って外資系が席巻する。フォーシーズン(椿山荘)・パークハイアット・ウェスティンを新御三家と呼び、2005年以降になるとマンダリンオリエンタル・ザリッツカールトン・ザペニンシュラの新新御三家が開業する。

 外資系の強さは、何と言ってもワールドワイドな顧客をもつことで、ホテルの運営でもブランドのルールが守られていること。つまり、今回の対応でも余計な「忖度」が入りこむ余地がなく、ある自民党幹部も「なるほど外資系で対応がスッキリしている」と。

 

 

2020年2月18日 (火)

クルーズ船の管理

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www.at-s.com/event/images/n26/259875/20150516_DiamondPrincess.jpg

 横浜港に停泊中の豪華クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号(写真)で、新型コロナウイルス感染者が新たに99名発見され、合計454名となった。厚労省は「船内での感染リスクの管理がうまくいってなかったケースもありうる」などと呑気なことを言ったらしい。全世界で中国以外の感染者の半数以上を出したまさにホットスポットで、米ニューヨークタイムズ紙は「こうしてはいけないと教科書にも載る感染症対策の例」と決めつける。特に本件のような緊急事態では、前例とする事例や規制などはなく、政治家トップの判断力に待つしかないが、週刊朝日は「蔓延するウイルス 安倍官邸失敗の本質」という特集までもうしている。

 このクルーズ船の管理はどこが責任を持つのかについて、前から疑問に思っていたが、今朝の日経の電子版に「旗国主義が問題」という関連記事を見つけた。ダイヤモンド・プリンセス号の船籍はなんと英国らしい。国際法上の旗国主義で、日本は法律上口出しできず、これが対応を複雑にしていると。公海上では、海賊・奴隷行為などを除いて船籍のある国の法に従う。日本領海内でも、結果が日本に及ぶ犯罪行為や民事裁判だけが日本法に従うが、その他は治外法権である。今回、香港から日本への公海上で感染が広まったが、公海上での感染拡大防止の責は本来英国にあり、日本がちょっかい?を出したのは、乗客に日本人が半数以上を占めたため。元来、入港拒否すらできたらしい。

 ここで、さらに話を複雑にするのは運用会社である。ダイヤモンド・プリンセス号の運用会社は、ネットによれば米国のプリンセス・クルーズ社だが、実際の運航を請け負っていたのは、日本のカーニバル・ジャパン社である。このカーニバル社の本社というの米国マイアミとロンドンにあり、さらにプリンセス・クルーズ社の所有者だというから、話はややこしい。また、一般に船籍を置く国は登録料などが入るので、容易に船籍を与えることが多いとか。日本の船もやたらにパナマ籍が多いであろう。従って、クルーズ船の船籍国・運用者国・実運航者国・主要乗客や乗務員の国籍は、バラバラであることが多いと。これでは、何か起こった時の責任や、指揮管理体制は滅茶苦茶であろうか?

 いずれにせよ、船内管理体制の不十分さが予測された状態で、2週間船内に3700人の乗客乗務員を閉じ込めた官邸の判断の是非が、今後問われることになるであろう。ちょっと怖い話で終わりとする。2013年、なんとダイヤモンド・プリンセス号は、安全上の指揮管理体制が特段に優れているとして表彰され、それをセールスポイントにしてきたらしい。と言うことは、他のクルーズ船のレベルは?

 

 

 

2020年2月15日 (土)

「三体」

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 学士会会報には、旧七帝大の生協書店での3か月ごとの人気本が載っていて、最近の大学生の読書傾向が分かる仕組みである。昨年の夏から秋にかけて、ほとんどの大学でトップを占めたのは、「三体」(劉慈欣著、写真)であったので、近くの本屋でそれとなく探していた。だが、主婦や年寄り客が多い横浜の郊外店のせいか、なかなか見つけられなかったが、先日、1冊隠れるように置いてあるのをついに発見したのだ。

 「三体」は、珍しく中国人作家が2006年に書いたSF小説で、中国内の各種の賞をとり、2015年には世界最高のSF小説賞であるヒューゴー賞を受賞している。長大な小説で全3部作からなるが、2019年7月に日本で初出版された本書は第1部であり全体の1/4-1/5程度とか。中国だけでもシリーズ合わせて、2100万部を突破して売れたというから驚異的人気である。

 話は、いかにも中国らしく1960年代の文化大革命大混乱時代から始まる。文革を知らないSFファンの若い日本人は、多分ここで挫折するほどSFと無関係な歴史を学ぶことになる。主人公の女子大学生、葉文潔の物理学教授の父は、これも物理学教授の母から大衆討議の場で批判され、紅衛兵に殺される。紅衛兵の妹も同士の内紛で殺されるという一家は悲惨な目に合うが、文潔は紅岸基地と言う軍の秘密電波天文台に職を与えられる。

 紅岸基地というのは、強力な電波を宇宙に発して、地球外生物とのコンタクトをとるのが使命だが、電波が弱くてなかなか成功しない。失敗したとされたプロジェクトの使命が終わるころ、文潔は太陽の力を借りて電波を強力に増幅できることを発見し、試みると8年後に返答があった。つまり、4光年離れた惑星「三体」に知的な生物がいたのだ。しかも、「返答するな」とのメッセージまである。返答すると地球より遥かに進んだ「三体」文明が、地球の場所を特定して滅ぼしにくると言う警告である。だが、環境問題などで地球に愛想をつかしていた文潔は、地球の状況を説明し、救いにくるよう優れた文明の「三体」へメッセージを送信してしまう。

 更に8年後、地球の各所で不可思議な事象が発生し、これを説明できない物理学者などが不審の自殺を遂げるようになる。この原因を探るべくナノマテリアルの開発者の汪淼が任命され、疑わしい秘密結社である科学フロンティアの会員として潜り込むが、驚いたことに科学フロンティアのトップは文潔であり、「三体」文明を信奉しているのだ。

 ここで、三体というのは物理学の「三体問題」からきている。星の間に万有引力が働く場合、2つの星の間ならば将来位置の予測は計算できるが、3つの星の場合は計算不可能であることが証明されている。星の「三体」の場合は、太陽恒星が3個あり、それらの惑星なので年中位置関係が変わり、昼夜どころか気候が一定しない。極寒の時期もあれば、酷暑の時期もあり、太陽に吸い込まれる危険さえある。従って、「三体」文明は常に興亡を繰り返し、「三体」人は極めて冷酷・冷静に事を判断する。

 地球の存在を知った「三体」人は、自分たちの移住先候補として地球の征服を考える。だが、距離は4光年もあるので、彼らの技術をもってしても戦隊が行くのに400年もかかるのだ。その間に地球の科学水準が「三体」に追いつかぬよう、陽子内部を工夫して「智子」なるものを作り、それを光速で地球に送って地球の物理基礎研究を滅茶苦茶にする作戦に出たのだ。それを知ってしまった地球の科学者たちの士気は衰えた。ここで第1部は終わりで第2部は2020年刊行予定とか。

 著者は1963年生まれの発電所で働くコンピュータ・エンジニアとか。相当難しい物理学の知識を駆使するが、なかにはユーモアでサービスするところもある。「三体」というコンピュータゲームが登場するが、時代は秦で、3000万人の人力コンピュータが計算する。基礎的なAND・OR・NOT回路は、人間が手旗で伝え、バスラインは騎馬兵が情報を伝え、外部メモリーは人が紙に記録する。3000万人を大草原に整列させ、手旗論理回路を組んでOSを動かし、始皇帝の号令一下計算が始まる。計算は何年もかかるが意外に正確で、途中手旗操作を間違えた兵隊は交代し殺される。

 科学フロンティアで内部抗争が起こり、「三体」からの重要情報を隠す一派をせん滅する作戦が練られる。一派は巨大な船にこもり、船内は複雑に区割りされ、どこにコンピュータや人がいるのか分からないし、もし襲われたのが分かると、10秒以内に必要な重要情報は破棄されてしまうのだ。彼らの巨大な船がパナマ運河を通過するとき作戦は実行される。汪淼が開発した細い強力なナノマテリアルの線が使われるのだ。つまり上下50cm間隔にワイヤを運河に直角に張って、通過する船を人ごとすべてを一瞬に輪切りにする作戦である。

 

 

 

2020年2月13日 (木)

今更だが中国

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 政府は新型コロナウイルス対策で、中国湖北省に加えて、浙江省に滞在した外国人の入国拒否を発表した。第一図は若干古いが、浙江省の感染者が湖北省に次いで多い。特に浙江省の温州市は、中国全国の市のなかでは、人口3100万人の直轄都市重慶市に次いで感染者が多く、外出禁止処置がとられたことが理由。

 ここで、ウサギさんは香港には行ったことがあるが、中国本土はまるきし土地勘がないことが分かった。つまり、頭では北京・上海・重慶などの位置関係は分かるが、湖北省武漢、浙江省温州となるともう駄目である。

 ご承知のように、中国の行政区分(第2図)は、23省、4直轄市(北京・上海・重慶・天津)、5自治区(チベット・内モンゴル・新疆ウイグル・寧夏回族・広西チワン族)、2特別行政区(香港・マカオ)の34区分からなるが、人口の14億人を34で割ると平均1区分約4000万人である。

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 ヨーロッパで言えば、ドイツ・フランス・イギリスの人口クラスの省は、河南省(96百万人、省都鄭州)・山東省(91、済南)・四川省(87、成都)・広東省(79、広州)など、それこそ、中国にはぞろぞろあるのに、欧州に比して中国の省は、何故かウサギさんは馴染みがない。そこで今更ながらちょっとお浚い。

 ウイルス発祥地の武漢がある湖北省は、中国中部エリアと呼ばれ、省都武漢は人口1100万でエリアの中心都市らしい。中国の産業急拡大は1980年代から、北京の東北の遼寧省(瀋陽)から始まり、順次東部海岸地方、南部海岸地帯へと開拓が進んで、今や、内陸の武漢や重慶が脚光を浴びる構図とか。

 浙江省は上海市の南に位置し、特に商業が昔から盛んなところらしい。「浙江商人」や中国のユダヤ人とも呼ばれ、海外に飛躍する「温州商人」の名でも有名。18万人の温州人が武漢で商いをし、旧正月で2万人が温州に戻ったと言う。省都の杭州にはアリババの本社がある。

 2019年度上半期のGDPは、トップが広東省、2位が江蘇省(南京)、3位が山東省で、浙江省・河南省・四川省も大所。特に日本人が多いのは、上海市、広東省、江蘇省、遼寧省、北京市などで、もちろん商取引や産業が盛んなところである。

 日経ビジネスによれば、今後の中国、いや世界の経済の行方を決めるのは、極言すればウイルスの蔓延が香港に接する心臓部の広東省で、どう収まるかにかかっていると言う。アップルなどの生産を、世界で一手に広東省の深圳などで引き受けているから。そう言えば、今や世界の頭脳集団と言われる5Gのファーウェイ社の本社も深圳にある。

 

2020年2月 9日 (日)

カササギ殺人事件

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https://angel.ap.teacup.com/sammy/4505.html

 評判のミステリー「カササギ殺人事件(上)(下)」(写真)を、近くの図書館から4か月待ちでやっと借りられた。昨秋、英語通信教育のインタビューで著者の英人アンソニーホロヴィッツの話を聞いた。内容はほとんどが、コナンドイル財団からの依頼による新作「シャ-ロックホームズ 絹の家」の話であったが、最後にちょこっと「カササギ殺人事件」にも触れた。

 アガサ・クリスティの再来と言われる本人いわく、「カササギ殺人事件は、全く新しい型の殺人ミステリーで、出来るだけ良質な謎を書きたかった。一作のなかに異質の2件の殺人事件を入れたが、両方の犯人を当てた人にあったことがない。現代ミステリーの答えを黄金期の古典ミステリーの中に見出す構造」と。

 2018年に日本で翻訳され、2018年の海外ミステリー部門の1位を総なめし、2019年には本屋大賞の翻訳部門で1位。ともかく、図書館でも予約者が列をなしている人気本である。

 出だしから、「カササギ殺人事件」の作者は、実はホロヴィッツではなく、アラン・コンウェイであることを知らされる。英国の田舎の村の殺人事件の葬儀で始まるが、人間関係の設定など、まさにクリステイそっくりである。知らなければ、多分、クリステイの未発見の作と思うに違いない。ポアロ探偵に似たアティカス・ピュント探偵は、ベルギー人ではなくで、ギリシャ系のドイツ人。

 上巻では20人ものレッド・ヘリング(おとり)が登場するが、いずれも題名と同じく鳥にちなんだ名前。あらゆるところに、アナグラム(回文)の遊びや、有名ミステリーに登場する地名などのもじりが出てくる。上巻の結末で、ピュント探偵の推理による犯人がオープンになる筈が、その部分はなぜかない。

 下巻で、「カササギ殺人事件」の作者とされるアラン・コンウェイが殺害されてしまったので、上巻の結末がないことを知る。この上巻ミステリーの内容と、コンウェイの死とは関係ありと睨んだ、女性編集者スーザン・ライランドの素人探偵活動がスタート。下巻はリアルの世界だが、おとりは14人もいる。

 上巻のバーチャルな世界と、下巻のリアルの世界を関係づけるあたりは抜群の構想力であろう。どれも奇をてらった話ではなく、日常ありそうな事件がベースとなっていて、論理的な考証もしっかりしている。最後のどんでん返しはーーー。

2020年2月 3日 (月)

すごい宇宙講義

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 小田原での100kmウォークの帰りに、藤沢のジュンク堂を覗き、久しぶりにリサ・ランドール(写真一枚目)の最新の宇宙物理学の入門書でも買おうと思った。ところが、美人過ぎるので有名なハーバード大理論物理教授の彼女のベストセラー本は、ウサギさんには初めはとっつきやすいものの、途中から急に難しくなり、結局は積読になることを思い出したのだ。

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https://auctions.yahoo.co.jp/search/search/すごい宇宙講義/0/

 リサの本の隣を見ると、50歳の日本人独身男で高校生向けに書いたという「すごい宇宙講義」(多田将著、写真二枚目)が並んでいるではないか。パラパラめくると、手書きで幼稚っぽい(失礼)イラストが半分くらい占めていて、いかにもロートル向きである。勿論、買ったが読んで驚いた。最新の宇宙物理の話題を全てカバーするだけでなく、アインシュタインなどの古典物理や、素粒子論までカバーしているし、何よりも素人向けにことの本質が分かりやすく書いてある。

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tokyocultureculture.com/notice/22708

 タイトルに「講義」とあるが、現在は渋谷に移転した東京カルチャーカルチャー(写真三枚目)での4回にわたる講演の講義録である。ここは食事をしながらのイベントホールで、学士会での午餐会・夕食会講演と若干似ているようだ。先生は、なんと宇宙の専門家ではなく、高エネルギー加速器研究機構の素粒子研究の准教授である。NHKでも先日放送していたが、まさに今や宇宙は星の世界ではなく、量子力学が解く世界に変身したらしい。

 前置きが長くなった。本来、これからが本書の紹介となるのだろうが、まあ、ここでぐだぐだ書いたものを読むより、税込み2000円で買う方をむしろ薦める。

第一章 ブラックホールーー空間と時間の混ざり合う場所。

第二章 ビッグバンーー人はなぜ宇宙をイメージできないのか? 

第三章 暗黒物質ーーそこにいるのに捕まえられないものを、いかに捕まえるか? 

第四章 そして宇宙は創られたーー想像力と技術力で辿り着いた世界。

 

2020年2月 2日 (日)

面白くて眠れなくなる化学

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https://item.mercari.com/jp/m97328573219/

 左巻健男法大教授の子供向けの「面白くて眠れなくなる化学」(写真)を、近くの本屋で見つけて衝動買いした。著者は長く東大付属中高の理科の先生で、面白い実験などを生徒に教えて見せるので有名な人らしい。実は、本ブログの2019.4.18「面白くて眠れなくなる物理パズル」でも著者の別の本を紹介している。joudeki.cocolog-nifty.com/blog/2019/04/post-a79b86.html

 のっけから表紙にクイズが載っている。「鉛筆の芯(黒鉛)を高温・高圧状態にしておくとどうなる?」。答えは「ダイアモンドができる」。理科の授業で「ダイアモンドは炭素原子だけからできている」と教えたとき、一度自分で燃やしたいと思っていたと。テレビ番組である小学生から「ダイアモンド焼きのマツタケを食べたい」とのリクエストが入り、切削工具メーカーのスポンサーを得て、ダイアモンド原石を酸素ガスでなんとか燃やして、小学生に松茸焼きを食べて貰ったとか。

 成人男子は体重の60%が水であり、女子は55%である。男子は脂肪が少なく筋肉が多く、女子はその逆のため。一般に水分の20%を失うと死にいたるが、60kgの人ではこれは7.2kgに相当する。一日に必要な水の量は2-2.5Lであり、尿や汗で2Lは排出するから、単純に計算すれば、3.6日間水を全くとらないと生命の危機にさらされることになる。逆に水を摂りすぎると、ナトリウムイオンなどの電解質濃度が低下して、水中毒に罹る。現にアメリカで2007年「水飲み大会」に出場した28歳の女性が、トイレに行かずに7.6Lを飲み干して翌日死亡したという。

 クイズ「折り紙の銀紙・金紙は何からできている?」。意外に答えるのが難しいのでは? 答えは両方とも紙に薄いアルミニウム箔が貼ってあるでした。ただ、金紙の方は、銀紙の上にさらにオレンジ色で透明なラッカーを塗ったもの。似た問題ーー「ケーキの上に載っている銀色の粒であるアラザンや、仁丹の銀色の粒の成分はなに?」。答えは意外に銀そのものでした。銀はさびにくく光沢を長く保つため。また、銀は体内で消化されずそのまま排出されるとか。

 身近で当たり前の事でも、化学の不思議は沢山ある。例えば塩である。塩の成分のナトリウムは、水に投げ込むと化学反応で爆発を起こす。かたや塩の他の成分、塩素はかって毒ガス兵器に使われたように毒性が強い物質。それが化学変化でNaClになると、なぜ無害の調味料である塩になるのか? ただ、塩も取りすぎると中毒になるが。

 似た不思議に、氷が水に浮くのは何故だ? ほとんどの物質は固体になると密度が高くなり、自身の液体に沈むのだ。全物質中で水のような例外は、ゲルマニウム・ビスマス・ケイ素などに限られるそうだ。お陰で魚は大助かりーーもし水底まで全部氷ってしまったら生きていけないではないか。

 

 

 

 

2020年2月 1日 (土)

新型肺炎とエチオピア

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https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ethiopia/index.html

 中国の新型肺炎の蔓延で、やっとWHOが緊急事態声明を出したが、驚くことに、テドロスWHO事務局長はその発表の大半の時間を中国への異常な賛辞と配慮に使ったのだ。「中国は感染拡大阻止に並外れた措置をとった」。「中国政府の努力で中国外の感染者は少ない、中国外の死者はゼロ」。「中国は感染者封じ込めの新しい基準を作った、誇張ではない、他国も見習うべきだ」。「習近平主席は稀有な指導力がある」。「中国への渡航や交易を制限する理由はない」などなど。

 テドロス局長は、発表の前に中国へ飛んだが、現地の武漢を視察したのではなく、北京で習近平(写真一枚目)と事前に相談し了解を得たのだ。これほど、テドロス氏が中国の意向を忖度するには訳がある。つまり、元はエチオピアの保健相・外相だが、WHOの事務局長になったのは、国連での中国の大いなる事前運動のお陰らしい。また、エチオピアはご承知のように、「アフリカの中国」とも呼ばれ、「一帯一路のモデル国家」でもある。なにしろ、道路・鉄道・電力・通信などのインフラは、すべて中国が請け負っている。また、国家債務はGDPの60%にも及ぶが、そのほとんどは中国からの借金とか。中国マネーの影響が、こんなウイルス感染の世界危機にまで及ぶとすれば、恐ろしいではないか。

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https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ethiopia/index.html

 ところで、ウサギさんはエチオピアと言う国は、マラソンのアベベくらいしか知らないことに今更気が付いた。図2枚目のように、東アフリカの内陸国であり、面積は日本の約3倍、人口は約1億人で、アフリカではナイジェリアに次ぐ人口大国らしい。アフリカと言えば植民地だが、エチオピアは世界最古の独立国の一つである。首都のアディスアベバは標高2400mの高地にあり、国土の大半は高原と深い峡谷だが、この地形のお陰で独立を保てたという。多くの人口を支えられるのは、雨が多いことで農業が盛んなためとか。一人当たりGDP1427ドルは世界でも低いほう。

 欧州ではアビシニアと呼ぶが、過去700年くらいエチオピア帝国と称してきた。1936-41年一時イタリアに占拠されたが、1974年のクーデターでソ連の半衛星国の社会主義国家となる。1993年北部のエリトリアが独立したが、その後長くエリトリアとの紛争が続き、2019年に和平がなって、エチオピアのアハメド首相にノーベル平和賞が授与されている。上記の中国に急接近したのは、ソ連崩壊後の1991年以降の話らしい。

 民族は、黒人とアラブ人の混血がほとんどで、宗教は意外にキリスト教63%、イスラム教34%である。スポーツでは高地のために心肺機能が鍛えられ、マラソンなどの遠距離陸上に強い。面白いのは、独自のエチオピア暦で、9月11日がグレゴリオ暦の1月1日であり、しかも7年遅れである。理由はイエス・キリストの誕生年の解釈が違うためとか。

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