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2019年12月

2019年12月29日 (日)

量子が教えてくれる宇宙空間の謎

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https://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2019-12-26&ch=10&eid=33382&f=1861

 NHKBSプレミアムのコズミックフロントで、5月の再放送「にゃんこ博士が説く 時空は幻!? 量子が教えてくれる宇宙空間の謎」(写真一枚目)を見た。

 最近の研究で量子が宇宙の時空や重力の謎を解く鍵であることが分かり、ネコを主人公に小中学生にも分かるように親しみやすく解説するもの。ただ、後半は極端に難しくなり、素人の物理学愛好者にもチンプンカンプンであろうか。まあ、何が今ホットな話題なのか位を紹介してみる。

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https://tocana.jp/2016/01/post_8476_entry.html

 まず、主人公のにゃんこ博士の名は、シュレ・ディンガーである。ご承知の有名な「シュレディンガーの猫」からとられている。1935年オーストリアの物理学者シュレディンガーが考えた、量子力学のパラドックスを指摘するための思考実験(写真二枚目)である。

 密閉した箱の中に猫を入れ、一時間の間に50%の確率で青酸ガスが出る装置も入れる。従来の物理学では一時間後に箱を開けるまでの間に、猫の生死は既にどちらかに決まっている筈だが、量子力学では蓋を開けるまでは、生きた猫と死んだ猫の二つの状態が重なっているとするのだ。こんな妙なことを考えるのも、量子が非常に小さな世界を扱い、普通の物理の常識が全く通じないからである。

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https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/ryoushi/detail/1316005.htm

 第三図に示すように、物質は原子からなり、原子は原子核と電子から構成され、さらに原子核は陽子と中性子、陽子と中性子はクォークからなる。これら原子以下の微小な粒子や、光の光子、ニュートリノ、ミューオンなどを合わせた物質やエネルギーを量子という。量子は不思議な性質があり普通の物理法則に従わない。例えば、粒子であり同時に波でもある。光や電子は粒として働いたり、回折するときは波の状態である。

 また、量子では二つ以上の状態が重ね合わさっている。これは、通常のコンピュータでビット素子は1か0かどちらかの状態に決まっているが、量子コンピュータの場合、量子ビット素子は、1と0の両方の状態を表す。従って、セールスマンが多数の都市を最短で回るルートを決めるような組み合わせの問題では、通常のコンピュータでは順次テストするしか方法がないが、量子コンでは、あらゆる組み合わせを瞬時にとれるので、最初から解が分かっている感じで超高速計算が実現できるのだ。

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https://inthetic.com/archives/2890

 さて、今日の本題に入る。アインシュタインが死ぬまで認めなかったのが、「量子もつれ」(第四図)という現象である。たとえば、光子を二つに分裂させ、いわば双子の光子を作ると、この二つの光子は量子もつれの状態にあるという。今、双子の光子の位相A度とB度が重なっているとする。

 このとき、不思議なことに片方の光子の位相を観測してAだと分かった時、相方の光子の位相を調べると必ずBなのだ。もっと不可解なことに、両者が何光年離れていようが瞬時にもつれ情報は相手方に伝わり、これを量子テレポーテーションと呼ぶ。

 アインシュタインは、光速より速く物や情報は伝わらないとしたが、これに反して量子テレポーテーション現象では、もつれ情報は瞬時に伝わってしまう。この量子もつれ現象は、最近、宇宙の果てのクェサー2個を使って遂に実証されたらしい。

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sciencejournal.livedoor.biz/archives/5045753.html

 いよいよ最終コーナーに話は進むが、なかなか難しくて説明困難である。この量子もつれの現象は、第五図のように、宇宙の時空のワームホールや、ブラックホール、重力の本質的解明につながる可能性があるらしい。また、面白い理論があって、我々の3次元世界は、2次元に投影され、重力の理解もそれで進むというホログラフィー宇宙論である。

 1997年アルゼンチン人の物理学者マルダセナ(1968年生まれ、プリンストン高等研究所教授)は、アインシュタインの特殊相対性理論に匹敵するともされる、革新的な「マルダセナ予想」を発表した。素粒子を扱う量子論は、それよりも次元が一つ高い重力理論と結びついていて、これらの理論は同じものを違う側面からとらえたに過ぎないとした。これによりブラックホールの重力問題を量子論でとらえたり、量子問題を重力問題に焼き直して解いたりできるようになったのだ。まさに本放送のテーマである、量子が宇宙空間の謎を解くのである。

 

2019年12月27日 (金)

鳥類のなぞ

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https://blog.goo.ne.jp/kawasemi0359/e/44b4a394c98af39c624cc3ccf756174e

 80歳を超え書斎の椅子に座って年中窓の外を眺めているが、昨日珍しく2羽のカラスが電線の上で戯れていた。喧嘩かと思ったがそうでもないらしい。春ならカラスの季節かとも思ったが今は冬である。カラスに限らず鳥の行動を知らないことに気が付き、小学生時代に戻ってネットでちょっとチェック。

 鳥は一般に雄雌の番で、たいていは一年の繁殖期限りだが、一生連れあう種もあるとか。オスは精子をもち、メスには卵子があるのは他の動物と同じだが、カラス含めて97%の鳥には生殖器がないそうだ。交尾は共通で一つある排泄口を使う。発情期になると、排泄口周辺がちょうど花のおしべ・めしべのような状態となり、ちょっと触れ合うだけで受精すると。

 従って、鳥の交尾の時間は数秒と短く、上品というより臆病で警戒心も強いので、鳥の交尾を人が見かけることはめったにないとか(写真一枚目)。

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https://www.osaka-eco.ac.jp/contents/ecobiyori/2017/07/28/9371

 ところで、9月の学士会で恐竜の話を聞いたが、そこで何と鳥は恐竜の生き残り説が有力なことを教わった。第2図のように、恐竜は骨盤の形状から、鳥盤類と竜盤類に分けられ、鳥類は左端の竜盤類の唯一の生き残りとか。なお、鳥盤類は鳥由来の命名だがもう絶滅している。鳥類が鳥盤類でないのは不思議ではある。

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https://news.mynavi.jp/article/20110211-a035/

 最近、羽毛のある恐竜の化石が発見され、ますます鳥は恐竜説が有力になったらしいが、第3図で示すように、鳥類の前肢(羽のこと)が獣脚類恐竜(第2図左から2番目)と同じであることが分かり、今では信じない学者はほぼいないそうだ。

 鳥類の定義とは?と聞かれれば、一般に卵生の恒温動物で、体表に羽毛があり、前肢が翼となって空中を飛べ、二足歩行するくらいであろうか。ところが、最も鳥類の種の存続に重要であった機能は、くちばしがあり、歯がないことと学士会講演で教わった。

 6000万年前の小惑星の衝突で、地球が急激に気温低下し日照時間の低下も続いて、ほとんどの生物が死滅し恐竜も滅びたとされるが、なぜ、鳥類は生き延びたのであろうか? 答えは、恐竜の中でも小型であったことに加えて、くちばしで硬い木の実を割れたので有利であり、歯を生やさないことで卵のなかでの孵化時間を極端に短くできたためと。

 

 

2019年12月25日 (水)

福島原発汚染水処理

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53681950T21C19A2MM0000/

 経産省の小委が、福島原発の汚染水処理方法は、海洋放出か水蒸気放出かその併用かだとし、実施の方法と時期は政府の決定と答申した。根拠は各国が実施している前例があるため。汚染水は浄化装置でセシウムなどは除去され、トリチウムのみが残るが、自然界のトリチウム濃度よりは相当低く、世界の原発では常時海に放棄しているのが実情らしい。現に、事故前の福島原発でも処理後に海に流していたが、事故後は保管しているのだ。米国スリーマイル島では、事故後に大気中に水蒸気放出したが問題はなかったと。

 問題は風評被害である。海洋放出では漁業業界、大気では農業業界、それに観光業界の猛反対が予想され、政権は決断を先延ばしにしてきた。ところが、汚染水保管タンクが約1000基で、処理水は118万トンとなり、いよいよ手狭になって、2022年には廃炉作業すらできなくなるのだ。最後は時の首相の決断である。

 第一表に各処分方法の比較が載っている。海洋放出は容易だが風評被害が最大であり、水蒸気放出は費用と準備時間がかかる。固化しての地下埋設は場所の選定が難しく、地下深くの地層注入は新たな基準造りが必要、水素酸素の電気分解は技術的に困難、長期保管は廃炉作業に支障があるとしている。

 そもそも、この汚染水はなぜ未だに1日170トンも発生し続けるのか、疑問に思ってちょっと復習。

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https://www.asahi.com/articles/ASM7Q5TLGM7QULBJ00Q.html

 ご承知のように、福島第一原発はメルトダウンし炉心にたまった核燃料のデブリの冷却水が常時必要である。これが高濃度汚染水となり、建屋底部に溜まり続けるのだ(第2図)。問題は外部から不必要な量の地下水が入ること。これを防ぐため、サブドレンと呼ばれる井戸で地下水をくみ上げる。サブドレンと言うのは聞きなれないが、原子力用語で原子炉建屋の下に地下水が入り込み建屋が崩れるのを防ぐ一般的な設備らしい。

 事故後、井戸でも減らない増え続ける地下水を遮断すべく、凍土壁を345億円の国費を投じて建物周辺地下にめぐらした。零下30度に冷やしたパイプで土を凍らせて地下水を遮断するという、世界でも例のない奇抜なアイデア。2014年安倍首相は、オリンピック誘致で福島は安全とこれをPRしたものの、結果は失敗で量は減ったが相変わらず地下水は流入しているのだ。

 汚染水が海に流れるので、海側に鉄板による防護壁をつくった。行き所のなくなった地下水は増え続けるが、汚染水の水位より高くなるので、汚染水が逆に閉じ込められるのでかえって良い結果を産んだ。つまり、地下水の水位はある範囲に常時保つ必要がある。

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https://www.toshiba-energy.com/info/info2019_0712.htm

 高濃度汚染水は、塩分を取り除いて、一部デブリ冷却用に戻され、残りは汚染水処理装置(写真3枚目)へ送られて、セシウムやストロンチウムなどを除去する。さらにALPS(多核種除去設備)で残りの放射性元素が除去されるが、最後に残るのがトリチウム(三重水素)。トリチウムは水の構成分子となっているで除去できず、タンクに貯蔵される汚染水は「トリチウム水」と呼ばれるらしい。

 考えて見れば、福島原発は水に翻弄されてきた。死んだ子の年を数えるような感じだが、そもそも非常用電源を地下に設置したので津波の水を被ったのだ。当時は、GEからの導入でアメリカには津波がないせいもあるが、残念な「想定外」である。また、原発建設時から多量の地下水に悩み、一時は地下水の防御壁を地下に埋めることまで検討したらしいが、実施しなかったらしい。

 たとえ、今回の答申で汚染水タンクを空にできても、燃料デブリが取り除かれ廃炉になる2041年までは、汚染水処理は延々と続くのである

 

 

2019年12月19日 (木)

日立は上手

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53527140Y9A211C1EA2000/
 藪から棒だが、今朝の新聞は三菱重工と日立の長年の裁判沙汰が和解し、日立は約5000億円の負担をしたと報じている。2014年に両社は火力発電に関して事業を統合し、出資比率三菱65%日立35%の三菱日立パワーシステムズが誕生した。

 ところが、その後、日立が合弁前の2007年に南アから受注していた12基の火力発電所(写真一枚目)で、現地ストなどのトラブルから大幅な納期遅延が発生し、三菱重工は日立に合弁前の物件として、7600億円の損害請求をした。日立はこれに応ぜず裁判となっていたが、何故か今回急遽和解したもの。

 日立は実質5000億円負担すると同時に、合弁会社の全株を譲渡し、実質的に火力発電事業から撤退した。1.3兆円といわれる金額のスケールは違うが、東芝のウェスチングハウス原発の損失と似た話である。

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53527140Y9A211C1EA2000/

 今朝の新聞は、これと関係があるのか明示していないが、日立が2つの事業を売却するとしている。第2表に示すが、1件はかっての日立メディコの医用画像診断事業を、富士フィルムへ1800億円で売却するもの。これは、東芝が優良子会社の東芝メディカルをキャノンへ売却したのと、相手がカメラメーカーであることまで含めてそっくりである。

 2件目は、一部上場の優良企業、日立化成を昭和電工に5500億円で売却する。日立化成は日立の化学部門を分離したもので、昭和電工の2倍くらいの従業員がいて、まさに「小が大を飲み込む」感じだそうだ。

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https://digmee.jp/articles/industry_analysis/3598/contents/

 かっては、日立・東芝と電機産業ではライバルのビッグ2が呼ばれたことがあるが、今では第3表のように、東芝が事業規模では遥かに日立に引き離されてしまった。東芝は、不正会計とウェスティングハウス事件などで債務超過にも脅かされ、虎の子の医用機器、半導体メモリー、PC、家電など、軒並み整理し、未だに2部上場の実質三井住友銀行管理下にある。

 方や、日立は事業基盤が遥かに東芝より強力なうえ、今回の南ア事件も損失規模が東芝に比して小さかったのが幸いした。また、今回の事業の売却も、損失補填という意味はあろうが、選択と集中という事業構成最適化のストーリーで押し通せたあたり、東芝よりすべてが上手と言えよう。

 

 

 

 

2019年12月17日 (火)

都道府県のギモン

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 近所の本屋で新刊の「常識なのに!大人も答えられない都道府県のギモン」(村瀬哲史著、写真)を買った。体裁はすべて子供向けだが、大人のコーナーに置いてあったので、狙いの読者は大人かも。著者は、東進ハイスクールの名物講師らしい。

 例えば、北海道だけはなぜ大きいの?類のギモンである。答えは、北海道の開拓を進めるため、1869年に開拓使が設置されたが、1882年に函館・札幌・根室の3県に分かれた。しかし、当時の北海道は人口26万人しかおらず、うち15万人が函館県で開拓の効率が悪いため、3県を廃止して1886年に北海道庁が生まれたらしい。

 コメの世界の主生産地は、中国・インド・インドネシアの順で、いずれも温暖で雨や川が多い平野に恵まれた地域だが、日本は何故寒冷地の北海道や東北地方、しかも雪の多い日本海側が上位なの? 答えは、永年の品種改良で寒冷地向けのコメを開発し、栽培技術も進歩させてきたため。また、日本海側は雪解け水が豊富なため。

 静岡県はなぜ茶の生産が盛んなの? 答えは、温暖で日当たりと水はけの良い土地のためだが、特に明治以降盛んになったのは、近くの横浜の開港で茶が輸出の主要品になったこと。更に、代表的茶の産地の牧之原台地は、徳川慶喜が明治になって静岡市に隠居したが、江戸から同行した武士たちが開いたと。

 昔は4大工業地帯と言ったらしいけど、なぜ今は3大工業地帯なの? 答えは、高度成長期時代までに形成された、京浜・中京・阪神・北九州を4大工業地帯と呼んだが、その後、北九州の地位が低下したため。北九州は、かっては八幡製鉄所など、近くの筑豊炭田の石炭や、中国からの鉄鉱石の輸入に便利で、鉄鋼業が盛んだった。ところが、鉄鉱石は戦後は豪州やブラジルから輸入し、1960年ころから石油が石炭に代わるようになったため、鉄鋼業の中心は太平洋側の沿岸部へ移った。だが、最近は北九州は自動車の生産が伸びているらしい。理由は中国・韓国などの市場が近いこと。なお、3大工業地帯のなかでダントツは中京とか。また、高度成長期以降に発展した関東内部・京葉・東海・瀬戸内などは、「工業地域」と呼ぶらしい。

 きりがないし、あんまり紹介するとそれこそ「ネタバレ」になるから、そろそろ終わりにする。「和牛」と「国産牛」の違いはなに? 答えは、「国産牛」は品種に関係なく、ある期間国内で飼育された牛のこと。「和牛」は日本の古くからの在来種の牛をもとに、外国種の牛と交配して食肉用に改良された牛のこと。

 1件追加。1993年日本初の世界遺産の一つに白神山地が指定されたが、なぜここだけにブナの原生林が残ったの? 答えは、ブナの森林はかっては日本中に広く分布していたが、ブナは曲がりやすいので建築材に向かず、杉や檜にどんどん植え換えられてきた。ところが、白神山地は地盤が柔らかく、切り出した木を運ぶ林道をつくるのが困難で、ブナ林は手つかずで放置されたらしい。1970年ころ、青森県と秋田県を結ぶ林道の計画が持ち上がったが、白神山地を愛する地元住民が反対運動をして潰したとか。

 全部でギモンは90件くらいある。農産物や水産物などが、なぜその県が得意なのかのギモンが多い。面白いところに目をつけた本。気軽に読めるので、寝る前の一読にお勧め。

 

2019年12月14日 (土)

懐かしの山手・本牧界隈

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 2019.10.6の本ブログに、小学3-6年のころ住んでいた「懐かしの保土ヶ谷界隈」をアップしたが、今日は小学2年と、中学1年から高校3年までを過ごした「山手・本牧界隈」である。いずれも戦後のどさくさの時期で、日本も暗かったが一家も正直暗かったと思う。ほぼ70年ぶりに訪ねると、全てが様変わりしているが、やはり昔の名残を少しでも見つけると、ジーンとくるのである。なお、撮った写真はどれも無関係の方には、まったく面白くないものと思う。念のため。

 山手駅で降りて急坂を登ると横浜国大付属小学校(写真一枚目)に出る。ここは昔、付属中学が大学・立野高校・付属小学校と同居していて超過密だったのだが、今日行ってみると小学校のみで実に悠々としているではないか。

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 小学校から根岸方向へ少し行くと、かっては左側に大学のグラウンドがあったが、分譲地になっていた。更に進むとYC&AC(写真2枚目)へ出る。明治2年(1868年)スコットランド人が作った外国人会員制のスポーツクラブで、日本のクリケット・サッカー・ラグビーなどの国際試合はほとんどここ発祥らしい。ウサギさんは、高校生のころ、日曜日になると垣根の隙間から入り込み、日本有数のチームと外人との試合をルールを知らずにただ見したのだ。今日は、日本人同士のクリケットの試合。

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 写真3枚目は、YC&ACの裏手にある元の我が家があったあたり。建物はまったく様子が変わり、石垣が残っているだけ。豆口台へつながっていた家の下の狭い道路は、車が通れるほどに幅が広がっていたが、下ってみるとすぐ行き止まり。隣の大きなOさんの家は6分割くらいされている。保土ヶ谷からここへ越したのは、大ネズミさんが本牧に転勤になったのと、たまたま、大トラさんとウサギさんも付属中に通うようになったためである。

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 間門の方へ降りていくと、左側に大ヒツジさんご夫婦がかって住んでおられたが、すっかり様子が変わってしまって場所を特定できず。また、今では信じられないが、JX日鉱日石の根岸製油所ができる前は、根岸にちょっとした飛行場があったのだ。子供の我々は暇さえあれば飛行機を見に行ったが、行くには急な崖を降る必要があり、七曲の名がつく坂道がついていた。今日行ってみると、坂道は立派な石段に変わっていた(写真4枚目)。また、近くにJR根岸線のトンネル入口まである。根岸駅と山手駅の間のトンネルで、YC&ACは丁度トンネルの真上にあたる。

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 七曲から湾岸道路の下を三渓園の方へ行くと、左手に間門小学校(写真5枚目)が見えてくる。小学2年のとき1年間のみ通ったが、それこそ終戦直後の酷いときで、通信簿をみると病欠が多かったようだ。建物は70年以上前だから当然変わっているが、右側の森はまったく変わっていない。記憶があったのは、この森の木々の太い根だけであったので、思わず泣けたのである。故郷の山河に涙すとはこのことか。

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 間門小学校は海に面していたが、今は埋め立てられて本牧海岸の面影はない。ただ、小学校裏手には本牧市民公園(写真6枚目)が整備されている。とくに白い崖が特徴的である。

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 湾岸道路下を更に東に進むと左手に三渓園があり、そのまた東に八聖殿(写真7枚目)が横浜市郷土資料館としてまだ存続していた。安達謙蔵という政治家が1933年に建てたもので、キリスト・ソクラテス・孔子・釈迦・聖徳太子・空海・親鸞・日蓮が8聖人。ここいらは自然がよく残り、子供の遊び場になっていた筈だが、何故か良く覚えていない。

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 八聖殿の続きの森の中に、かなり広い高風保育園・こども園(写真8枚目)がまだある。平野恒という女性社会事業家が、戦災孤児の救済などで始めた事業とか。白峰学園理事長や横浜女子短大学長を務めた人。大ネズミさんが、戦後、ちょこっと手伝ったらしい。

2019年12月13日 (金)

首都直下地震

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https://www.tvguide.or.jp/column/cyokusoubin/20191201/01_cyokusoubin.html

 日本人の防災意識がなかなか進まぬと見たか、NHKは前代未聞のことに、首都直下型地震を自ら起こし、7夜に渡って連続放映して見せた。NHKスペシャル「体感 首都直下地震ウィーク」(写真一枚目)で、都心南部を震源とするM7.3の大地震が発生し、死者2万3千人、焼失全壊家屋61万棟。当日からその後10年後まで何が起こるかを、つぶさに検証してみせた。

 今後、30年以内に70%の確率で発生するとし、「東京のみか日本衰退の始まり」ともして、構造的な問題点や取りうる各種の対策を提示している。この放送の効果は絶大で、早速、家具の転倒防止器具を近くのホームセンターで求めたら、欲しいサイズのものは全て売り切れであった。店員によれば、NHKさんのお陰で、防災グッズコーナーは大忙しとか。

 ところで、へそまがりのウサギさんは、この「30年で70%の確率」にちょっと引っかかった。例えば、関東大震災(1923年)からは、もう100年弱たっている訳で、この高い発生確率なら、その間に既に1回くらい起こってもおかしくないからだ。そこで、今更だが、首都直下地震とは何か調べてみた。

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https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/natural-disaster/natural-disaster_14.html

 まず、ご承知のように、関東地方は第2図のように、北アメリカプレートに乗っているが、その下にフィリッピン海プレートが潜り込み、その境界面の相模トラフで、元禄地震(1703年)や、関東大震災のようなM8クラスの巨大地震が発生した構図である。だが、幸いこの海溝型巨大地震の発生頻度は200-400年で、エネルギーがまだ溜まっていないので当面は安心とか。

 一方、北アメリカプレート内では、活断層などによる大地震は結構頻度高く発生してきた。M7クラスだが、阪神淡路大震災でも見られたように、直下型であることから大きな被害を出す可能性がある。特に、神奈川県・東京都・千葉県・埼玉県・茨城県南部に発生するM7級の地震を、南関東(または首都)直下地震と言うそうだ。

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greenflash.private.coocan.jp/tanka-page/asadiye/earthquake/note_com2.html

 政府の地震調査研究本部は、「2007年から2036年の30年間に、南関東ではM6.7-7.2の地震が70%の確率で発生する」と想定した。根拠は第3表に示すように、過去信頼できるデータのある1894年から2004年までの119年間に、震源の深さ30-80kmで一定の被害があったM6.7-7.2の地震は5回あり、発生の間隔は平均23.8年であった。

 これを多分ポアソン分布などの統計理論を適用して、30年で70%の確率とした模様。もっとも近いのは、1987年の千葉県東方沖地震で、32年前だからそろそろ次が起こっても良いころ。ただ、その前は1922年の浦賀水道付近地震だから、65年も間があったのだ。なかなか地震発生の予想は難しい

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https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/natural-disaster/natural-disaster_14.html

 さて、ここで別口の恐ろしい話。京都大学の鎌田浩毅教授が学生に教えているのが、「2020年の首都直下地震発生説」とか。東日本大震災のあと、日本の各地のプレートで歪が増大し、その解消に地震が多発している。歴史的には、第4図の869年の東北沖の巨大地震(貞観地震)は、サイズと言い地域と言い東日本大震災とそっくりだが、その9年後の878年に内陸直下型の相模・武蔵大地震が起こっている。2011年の9年後は、まさに東京オリンピックの2020年にあたるのだ。なお、更に9年後の887年の巨大地震は、南海トラフで起こった仁和地震。

2019年12月11日 (水)

電力系統バランス

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www2.iee.or.jp/ver2/honbu/16-committee/epress/index11.html

 リチウムイオン電池が電力用蓄電池として将来有望で、太陽光・風力発電などの再生エネ普及の鍵となると注目されている。そこで、なぜ、電力システム用の電池が重要なのか今更だがちょっとお浚いする。

 ご承知のように、この問題の基本は、電力系統システムが、第一図のように電力発電量と消費量がバランスしていないと、50/60ヘルツの周波数が変動してしまうことにある。つまり、負荷が発電量より大きければ周波数は下がり、逆に負荷が軽ければ周波数は上がる。周波数が±2%以上変動すると、電力のユーザも困るが、発電機の回転数が異常となり、破損を防ぐために発電を自動停止する仕組みとなっている。

 1年前の北海道では、地震でまず大きな火力発電所が破損して止まり、他の発電所からの送電線も切れて、需給のアンバランスが発生して周波数が下がり、連れて水力発電所が止り、全北海道のブラックアウトが連鎖的に発生したとされる。従って、電力会社は中央の系統監視システムが秒単位で需給バランスをチェックして、もし周波数の変動があれば、自動的に各発電所の発電量を調整する。

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https://www.fepc.or.jp/environment/new_energy/dounyuu/index.html

 需給バランスが崩れるのは、なにも地震などの異常時とは限らない。第2図に示すが、横軸は一日の時間、縦軸は発電量。赤線が需要量で、下の青色部分が原発・水力・地熱などのベース電源、紫は火力、真ん中の縦の赤線部分が太陽光発電である。従って、両側の薄緑の部分(夜間)は需要オーバーで、濃い緑の部分(日中)は供給オーバーである。つまり、太陽光発電量の一日の変動は、需要の一日の変動より一般に大きいのだ。

 この夜間の供給不足は、概して火力発電量を増やしておいたり、揚水発電(薄緑)でカバーする。太陽光などの再生エネ設備が増えると、同時に火力発電設備も対応して増やさざるをえない構図である。

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https://www.yonden.co.jp/lp/kozoo/no5.html

 一方、昼間の過剰発電の対策は、国が第3表のように手順を決めているらしい。まず、火力発電の出力を減らす。ただ、再稼働に時間がかかるから、火力を止めるわけにはいかないので、減らすのにも限度がある。次に揚水発電を稼働(濃い緑)して水を高い所のダムに汲み上げる。

 それでも余れば他の電力会社へ送電するが、いよいよ再生エネにも手が付き、バイオマスの出力を減らし、遂に太陽光・風力発電の出力制御となる。2年前に九州電力は太陽光発電の制御にまで追い込まれて話題となった。最後は、固定電源の原子力・水力・地熱となるが、そう簡単に制御できないから、これはやるとしても長期的な計画に基づくはず。

 さて、前置きが長くなったが、問題のリチウムイオン電池などの電力蓄電池の出番は、上の揚水発電と同じ位置づけで、もし実用化されれば、早い順位で活用されるらしい。今後、再生エネがますます増えると予想されるが、揚水発電の増設は容易ではなく、蓄電池なら比較的容易である。また、なによりも充電・放電は自在であり、まさに再生エネの欠点を補える優れものと言える。ただ、問題は価格とか。

 

 

2019年12月10日 (火)

リチウム

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https://www.chem-station.com/elements/elements-all/2016/02/lithium.html

 ノーベル賞化学賞を受賞した吉野彰氏は記念講演で、「環境問題の問題解決のエネルギー革命の時代を迎え、リチウムイオン電池はその中心となる」とした。スマホに限らず、EV用電池や電力蓄電池の普及が見えてきて、リチウムイオン電池が大きくクローズアップされてきた。

 ところで、このリチウムとはどんな金属? どこで採れる? 今後も十分手に入る?などと聞かれると、案外返答に困るのでは? ウサギさんもその一人で慌てて勉強。

 ご承知のように、リチウムは、水素・ヘリウムに続く原子番号3の元素で、金属では一番軽い。白銀色で柔らかいが、空気中では窒素化合物となり黒くなるそうだ(写真一枚目)。ナトリウム・カリウムなどのアルカリ金属の仲間で、多量のリチウムと水が反応すると発火する。

 過去のリチウムの主な用途は、何と水爆に使うトリチウム製造用であり、アメリカが大量に生産してきたらしい。だが、冷戦の終結でアメリカのリチウム鉱山は全て閉鎖したと。次の主な用途は、意外にも窯業である。陶器やガラスの添加剤として使われるらしい。しかし、2010年ころからリチウムイオン電池向けが逆転する。

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www.asahi.com/business/topics/economy/TKY200910310450.html

 リチウムの主要生産国は、チリ・オーストラリア・アルゼンチンなどだが、埋蔵量から言えば、南米アンデス山脈の塩湖群(図2枚目)がほとんどを占めるらしい。なかでもボリビアのウユニ塩湖が世界埋蔵量の約50%を占め、チリのアタカマ塩湖が約30%、更にアルゼンチンにはリンコン塩湖がある。

 元来、リチウムは海中に2300億トンと無尽蔵に存在するが、アンデスでは海が隆起して大量の海水からなる湖ができ、海水が干上がってリチウムが採取可能となったもの。リチウムはその戦略的な重要性から、「白い石油」とも呼ばれ、チリ・ボリビア・アルゼンチンの国境付近に集中しているので、まさにここは「21世紀の中東」になりつつある。

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https://www.mikado-d.co.jp/m-online/4119-1-4

 ただ、世界最大のリチウム埋蔵量を誇るウユニ塩田(写真3枚目)は、まだ、生産開始されていない。ボリビアのモラレス大統領(写真4枚目)は先住民出身で、資源をスペイン人に奪われた歴史から、自国による開発に固執しているため。

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https://www.mikado-d.co.jp/m-online/4119-1-4

 日本のリチウム資源獲得には、この埋蔵地域が偏っていることに加えて、まだまだ問題がある。アメリカの巨大3企業が既に市場を牛耳っているのだ。しかも、需要の急増を見越して、リチウム単価が上昇しているらしい。再生エネ普及に必須の電力用蓄電池が、なかなか普及しないのも価格が高いせいである。

 一方、可採年数は、EVが相当普及しても2100年まで大丈夫との説や、ずっと早く枯渇するとの説もあり定かではない。いずれにせよ、海水から安価に採取できる技術を開発すればノーベル賞ものであろう。

2019年12月 7日 (土)

石炭火力発電

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52936820U9A201C1CR0000/

 マドリードで開かれているCOP25で、「気候行動ネットワーク」は、地球温暖化に後ろ向きな姿勢を示す日本など3か国に「化石賞」を授賞した(写真一枚目)。世界は脱石炭にかじを切っているのに、日本は相変わらず石炭火力発電所の新設を推進しているとしている。他はブラジルと豪州で、大規模な森林火災への対応の不適切さを指摘されている。

 一方、今朝の朝日は、ドイツの環境NGOが「日本の3メガバンクは、石炭火力の開発企業への融資額で世界トップ3を独占した」と発表したとしている。石炭産業は世界の温室効果ガスの1/3を排出しているとして、世界の金融機関は融資に後ろ向きになっているが、2017年-2019年第3四半期の融資額は、みずほが1.8兆円、三菱が1.6兆円、三井が0.9兆円である。

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https://mainichi.jp/articles/20180517/ddm/002/010/137000c

 ところで、日本は先月国連から名指しで、二酸化炭素の排出の多い石炭火力発電所の中止を勧告されている。なぜ、そこまで日本は石炭火力に拘るのであろうか? それには、日本の電源構成比を理解する必要がある。第2図に示すように、東日本大震災の前の2010年度では、原子力・石炭・LNGがほぼ同等の構成比であったが、震災後の2015年では、原子力がほぼなくなり、代わって再生エネと石炭とLNGが、原子力分をカバーしていることが分かる。

 2030年度の構成比計画では、石炭・LNGの化石燃料が震災前の比率にほぼ戻り、原子力が再稼働し、再生エネが大幅に増大する。また、震災前と2030年を比べれば、マクロに言って、石油の減った分を再生エネがカバーする感じでもある。従って、石炭から見れば、震災後のピンチヒッターとして大いに働き、あとは従来のベースロードの一部をなすといったイメージ。

 では、石炭はやめて原子力や再生エネに頼れないのか? 原子力はご承知のように、福島事故で新設はほとんど見込めず、再稼働がやっとであろう。再生エネは、太陽光で相当普及したものの、日本には二つの限界がある。一つは再生エネは天候に依存するので供給が不安定で、ドイツのようにいざと言うとき、フランスの原発に頼れるような保険が日本にはないのだ。二つは電力会社の既得権益で送電容量を増やせない。電力会社を発電会社と送電会社に分割しないと不可で、これは言うほど簡単ではないであろう。

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https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/qa_sekitankaryoku.html

 化石エネルギーの中でも、何故、悪名高い石炭をわざわざ使うのか? 以下はエネ庁が言う石炭を使う理由の受け売りである。まず、石炭は可採年数が、石油や天然ガス(LNG)と比して長い。第3図左のようにほぼ3倍も長い153年もある。それから、埋蔵の地域が、石油やLNGは中東に偏り、ホルムズ海峡などで問題が起こりやすいが、第3図右のように、石炭は世界に分散している。

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https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/qa_sekitankaryoku.html

  それから、何よりも石炭の価格は石油やLNGの半値と安く、しかも安定している(第4図)。

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https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/qa_sekitankaryoku.html

 石炭は確かに排出炭酸ガス量は、比較的少ないとされるLNGの2倍はある。だが、例えば、磯子石炭火力発電所では、大気汚染ガスを大幅に減少させている。窒素酸化物(NOx)で92%減、硫黄酸化物(SOx)で83%減、粒子状物質(PM)は90%減とか(第5図)。

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https://www.sankei.com/life/news/180905/lif1809050001-n1.html

 いわき市で2020年稼働を目指すIGCC(石炭ガス化複合発電)という方式がある(第6図)。石炭をガス化してガスタービンを回し、排熱回収ボイラーで更に蒸気タービンをも回す方式で、高い熱効率とCO2排出量の削減(15%)が期待でき、品質が低い石炭でも使えるメリットがあると。

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https://www.sankei.com/life/news/180905/lif1809050001-n1.html

 苫小牧で実験が進められているのが、CCSと言われる排ガスから化学反応で直接CO2を捕まえ、地下1000mの地中または海底に埋蔵する方式(第7図)。IGCCとCCSの組み合わせが、今後の有力なCO2削減の方向とか。

 海外では、再生エネ優等生のドイツでさえも、40%を石炭に依存している。ポーランドはなんと80%である。インドや東南アジア諸国など、その国さまざまな理由で安価な石炭に頼る国が多い。日本はCO2削減技術を磨いて、これらの海外ニーズに応えていくとはエネ庁の代弁。今回の26兆円経済対策も、人気取りのバラマキではなく、CO2排出対策のような、国として本質的に重要な施策に投資すべきであろう。

 

2019年12月 6日 (金)

ポーランド

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https://skyticket.jp/guide/99522

 藪から棒だが、ウサギさんは事情があって免許証を返納し、ついでにパスポートの更新も止めたので、もう海外に行くことは多分なくなった。代わりにと言うわけでもないが、最近はNHK BSプレミアムの「世界ふれあい街歩き」を必ず見るようになった。市井の人々との自然なほのぼのとした対話が楽しい番組。

 今週は「ワルシャワ」(写真一枚目)である。東欧はチェコ・ハンガリー・バルト三国まで行ったのに、ポーランドは遂にその機会がなかったのでとりわけ珍しい。その中で、8月1日の午後5時にワルシャワの市中にサイレンが鳴り、1分間皆が黙祷するシーンがあった。1944年の「ワルシャワ蜂起」が起こった時間で、時刻[W]と呼ばれる年中行事となっているそうだ。

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www.asahi.com/international/w-watch/TKY200408290179.html

 この「ワルシャワ蜂起」に関心を持ち、例によりちょっと調べてみた。第二次世界大戦で1939年ドイツ軍に侵略されたポーランド政府はロンドンに亡命した。1944年7月になって、ソ連軍はワルシャワ近郊10kmまで迫り、ソ連はモスクワ放送でポーランドのレジスタンスに対独蜂起を盛んに呼び掛けた。

 ワルシャワ市内には独軍は1万3千人しかおらず、ソ連軍の到着を待たずに、ポーランド国内軍5万人と市民の協力で、8月1日17時を期してのW蜂起は成功するとレジスタンス側は読んだ。ところが、どうしたことかソ連軍は高見の見物をして協力しなかったのだ。凄惨な戦いは2か月間続いたが、独軍の完全勝利で終わり、ワルシャワは完全に破壊され(写真2枚目)、市民の死者18-25万人、市内から追放された者は70万人を数えた。

 ソ連が手を引いたのは、亡命政府支持のレジスタンス勢力が、戦後に強くなるのを警戒し、むしろ絶滅を計ったためとされる。逆に反独のソ連を信用したレジスタンスの読みが甘かったということ。

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https://www.ceramika.jp/?mode=f3

 今更だがポーランドと言う国を知らないことに気が付き、図書館から「ポーランド・ウクライナ・バルト小史」(伊東孝之ほか著)という本を借りた。第3図のように、ポーランドは、北はバルト海に面し、北東はロシアの飛び地、リトアニア、東はベラルーシとウクライナ、南はスロバキアとチェコ、西はドイツと境を接している。面積は日本の80%位、人口は日本の30%位、EUに属し通貨はズウォティ。一人当たりのGDPは2万3千弗でEU平均より低いそうだ。

 その歴史は、一口で言えば、西にドイツ、東にロシアという地続きの強国に挟まれている地勢に翻弄されてきた。特にドイツ騎士団やドイツ人開拓団・ユダヤ人など、ドイツの東方への膨張との軋轢の歴史でもあったと。

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https://www.y-history.net/appendix/wh1001-167.html

 10世紀に国家として認識され、16-7世紀には、ポーランド・リトアニア共和国を形成し、ヨーロッパ有数の大国となった。第4図で色付きの部分で、ベラルーシ・スロバキア・ウクライナの大半をも含んでいた強国だったのだ。ところが、18世紀末に3度にわたって、プロイセン・オーストリア・ロシアによって分割され、1795年には国家として消滅する(ポーランド分割、第4図)。

 第一次世界大戦後の1918年ポーランドは123年ぶりに復活する。しかし、第2次世界大戦では、再び独ソにより分割され、1952年ソ連の衛星国となり、1989年の自由選挙により現在のポーランド共和国がやっと誕生する。

 なお、南部のクラクフは、17世紀初めにワルシャワに遷都するまでのポーランド王国の首都で、最もポーランドで歴史ある都市とか。また、バルト海に面するグダニスク(ドイツ語でダンチッヒ)は、今の共和国誕生の基となったワレサ率いる連帯による造船所ストで有名。東北のロシアの飛び地カリーニングラードは、昔はドイツ語でケーニヒスベルクといい、旧プロイセン領で哲学者カントら多くの学者を出したので有名である。

2019年12月 2日 (月)

こども六法

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https://www.kodomoroppo.com/

 2019.11.29の本ブログで紹介したばかりだが、「SMBC 2019年ヒット商品番付」の東前頭2枚目に「こども六法」(山崎聡一郎、弘文堂、写真一枚目)が載っている。ちょっとユニークで面白いと思って、早速近くの本屋で探した。ベストセラー本らしいので、大人向けに平積みになっていると思ったら外れた。店員が子供向けのコーナーに1冊あるのをやっと見つけてくれたのだ。六法とは、憲法プラス5法(刑法、民法、商法、刑事訴訟法、民事訴訟法)のことだが、本書は子供向けということで、商法を外し、少年法といじめ防止対策推進法を追加している。

 小学高学年の子供が理解できるように易しい言葉に条文を置き換え、子供に関係ある部分や、知っておいた方が良いところをピックアップしてある。全部を読むのではなく、10分くらいパラパラと眺めて、面白いと思うところをじっくり読んで欲しいと前書きにある。つまり、子供向けの法律辞書である。

 特に本書の狙いは、著者が子供の頃に苦しんだ「いじめ」を減らすことである。大人はいじめから子供を救い、いじめを無くす義務がある。勇気を出して大人と相談することを薦めている。いじめにあったときは、いじめの色んなエビデンスをとって置くことが、再発防止に重要としている。

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https://ishida-hideki.net/constitution/

 六法の範囲は、憲法プラス5法と書いたが、「憲法」は他の法と何が違うのであろうか。第2図に示すように、法律は一般に国家権力が国民に対して制限をかけるものだが、憲法は逆に国家権力に制限をかけ、国民の人権などを保障するものである。従って、憲法はあらゆる法の基礎となるもので、憲法改正には国民投票が必要となる根拠。

 ここで、他の5法の趣旨を本書の記述ベ-スで超簡潔に要約すると、「刑法」は犯罪と受ける罪のリスト。「刑事訴訟法」は、犯罪の捜査と裁判のためのルール。「民法」は人と人の争いを解決する基準で、財産と家族に関することからなる。「民事訴訟法」はこじれたケンカを解決する最終手段。

 なお、「少年法」は、こども(20歳未満、未成年の男女)が犯罪行為をしたときのルールで、社会で今後生きていけるように教育を与える。「いじめ防止対策推進法」には、おとなには子供をいじめから守る義務があり、その各種の対応策が決められている。

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https://worklifefun.net/explanation-of-laws-regulations/

 ところで、法にも疎い理系のウサギさんは、法には六法以外にどんものが、どの位あるのかネットで調べて見た。第3図に示すが、衆議院・参議院の議決で決まる法を「法律」と呼び、なんと1935もあるとか。次は内閣が制定する命令が「政令」で2078もある。各省庁の大臣が発する命令は「省令」で3651である。2015年現在で、法の数は総計8084もあるが、毎日どんどん増えているらしい。

 一番下の「通達」は行政内部の命令であり、この他に地方自治体の議会が決める「条例」や、知事・市長などが発する「規則」があり、我々はがんじがらめの法や規則のなかで何とか生きているのがネット調べでの実感。でも、考えようによっては、この法のお陰で毎日呑気に暮らしていけるのかもしれない。ともかく、法治国家万歳?

 

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