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2019年11月 7日 (木)

ヘリウム危機

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https://www.nikkei.com/article/DGXZZO68601000Q4A320C1000000/

 5日のNHK夜7時のニュースの2番目は「ヘリウム危機」である。迂闊にも知らなかったが、写真一枚目のような極低温実験にも必須の液体ヘリウムを、大学などが入手するのは、もはや極めて困難な状況にあるらしい。そこで、ヘリウムの「俄かファン」ではないがネットでちょっと調べてみた。

 元来、ヘリウムは適当な代替品がなく、しかも日本は輸入しか手はないので、過去にも2-3度ヘリウム危機があったらしい。ヘリウムは何故か天然ガス産出と同時にのみ得られるそうだ。

A_20191107171501

https://www.jccme.or.jp/11/pdf/2017-11/josei02.pdf

 ヘリウムの原産国は、第2図のようにアメリカが過半を占め、過去、戦略物質として大量の国家備蓄をしてきたらしい。ところが、備蓄が巨額すぎるとして、設備の民営化が計画され、手始めに民間1社に備蓄ヘリウムが払い下げられたが、この会社が輸出を絞り、2021年以降の輸出を止めるらしい。背景には、最近アメリカはシェールガスへ転換しているが、シェールガスはヘリウムを産出しないため。

 アメリカ以外では、中東のカタールが主力だが、カタールは最近アラブ諸国から経済制裁をうけ、物流に時間がかかっていると。さらに、中国の半導体や光ファイバーの生産が急激に増え、冷却用のヘリウムガスを大量に使いだしたので、価格が3倍に跳ね上がったらしい。

 将来、アメリカのシェアは30%程度に下がるとみられるが、その穴を埋めるのは、天然ガス大国のロシアの東シベリア開発だそうだ。

Cover

https://newswitch.jp/p/17928

 ヘリウムはご承知のように、宇宙での存在量は水素に次いで2番目に多い。無色・無臭・無味・無害で、希ガスでは最も軽く、全ての元素のなかで最も沸点が低いので、液体ヘリウムは超電導など絶対零度に近い環境での冷媒として使われる。

 主な用途は第3図のように、医療用のMRI(液体ヘリウムで超電導電磁石を冷却)、半導体の製造(ヘリウムガスで熱処理を終えたシリコンウェファーを冷却)、光ファイバー(ファイバー・ガラスの焼成にヘリウムガスを使用)、リークテスト(ヘリウムガスが逃げ出しやすい性質を利用)、溶接(溶接部を覆うシールドガスとして利用)など。

 日本物理学会などは、緊急声明を出し、国がヘリウムの特に民間企業などでのリサイクルの推進や、備蓄を早急に開始することを求めている。なお、東大を中心とする30の大学では既にリサイクルをしており、研究用途の実使用は全体の30%はあるのに、消費量は4.4%に抑えているらしい。 

 

 

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