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2019年11月 5日 (火)

RCEP

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https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180303/mca1803032150012-n1.htm

 7年間続いたRCEP(東アジア地域包括的経済連携)交渉は、安倍首相も出席したバンコクの首脳会談で決着するはずだったが、関税削減に慎重なインドの扱いで紛糾し、年内妥結を見送った。

 結局、インドのモディ首相の最終同意を得て、「インド以外の15か国は、20分野の交渉と基本的な市場アクセスの課題を終えた。2020年の署名への法的な精査を進める。インドは未解決の重要な課題があるが、参加国が解決へ作業する」と玉虫色の最終共同声明を発表した。

 ところが、共同声明発表の僅か20分後、インドによる「ちゃぶ台返し」が待ち構えていた。インド外務省のシン局長は、「インドは今後RCEPに参加しないと各国に伝えた」と突然発表したのだ。これには、さすがのインド人もびっくりしただろう。

 RCEPは、第一図のように、日本・中国・韓国・インド・ASEAN10か国・豪州・ニュージーランドなど16か国による関税同盟であり、実に世界の人口の50%、GDPの30%を占める世界最強の経済連携である。特に、米中関税戦争などで、世界に保護主義がはびこるなかで、自由貿易の旗手として日本が主導したい連携の一つ。

 中国は、かっては、知財権問題などでRCEPに乗り気ではなかったが、アメリカとの関税問題発生で、RCEP大歓迎に変わり、お陰でRCEPは成立間際まで進んだが、今度はインドが難題を持ち出した。背景には、中国との貿易が巨額の赤字なことがある。

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https://dailynewsagency.com/2018/11/03/top-10-country-gdp-ranking-t5r/

 そこで中国は、ごねるインドを切り離して、15か国でのRCEP成立を急ぐ戦術に転換したのが、今回の舞台裏らしい。ただ、巨大な人口と市場があるインドなしのRCEPが、意義があるのか見通せないという。また、そもそもインドをRCEPに引き込んだのは、中国の暴走を警戒した日本である。

 中国とインドは、中印国境紛争などが過去あったが、アジアの2巨人としてライバル関係にある。第二図は、2060年の世界のGDPトップ10の予想だが、ダントツの1位は中国で、2位はアメリカを抜いてインドである。2100年の予想では、中国とインドは世界のトップ2で肩を並べるのだ。

 中国・インド両ジャイアンの確執がもはや表面化しつつあり、そうなるとアメリカも日本も蚊帳の外である。もっとも、歴史を見れば、中世では農業中心のGDP(つまり人口の多さ)を、両者が牛耳っていた訳で、彼らにすれば出番の再来という感覚か。

 

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