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2019年11月

2019年11月30日 (土)

吉野石膏コレクション

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www.yoshino-gypsum.com/site/recruit/faq_01.html

 おサルさんと丸の内の三菱一号館美術館で、「印象派からその先へーー世界に誇る吉野石膏コレクション展」を見た。吉野石膏(写真一枚目)は、1901年山形県吉野鉱山で原石の採集をはじめ、その後タイガーブランドの石膏ボードで、日本のシェア80%をキープする優良建材メーカーになった。1980年ころから、フランス近代美術の収集を始め、1991年に地元の山形美術館に作品18点を寄贈したのを皮きりに寄贈が続いたという。今回72点を展示。

 実は、先週の水曜日にウサギさんは、三菱一号館に学士会の帰りに寄るつもりで出かけたが、ふと気が変わって上野の都美術館の方へ行ってしまった。おまけに水曜日は都美術館は65歳以上は無料と知り喜んで帰宅したら、今度はメンドリさんから、偶然に三菱一号館の招待状を頂いたのだ。全くついているとはこのこと。

 気温は低いが珍しく晴天で、土曜日のせいか人の入りもよい。驚いたのは、有名なフランス近代画家がすべてと言ってよいほど網羅されていること。普通のコレクションはコレクターの好き嫌いもあって、特定の傾向があるが、今回は揃いすぎて学芸員も困ったであろう。よって、「西洋近代美術史いいとこどり早見表」をつくり、xx派の流れを時間軸にそって分類整理して紹介している。美術史の勉強にはサンプル付きで最高であろうか。

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 まず、パリ郊外のバルビゾン村に住み、身近な田園などを描いたコロー・ミレーなどの「バルビゾン派」。写真2枚目はコローの「浅瀬を渡る山羊使い、イタリアの思い出」(1872)。

 続いて、クールベ・マネなどの現実を主題とする「レアリズム派」。ルソーなど画家が本業でない「素朴派」。

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 戸外での制作を取り入れて鮮やかな色彩の「印象派」。モネ・シスレー・ルノワール・ドガ・カサット・ピサロなど多数。写真3枚目は、モネの「睡蓮」(1906)。

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 写真4枚目は、本展の目玉であるルノアールの「シュザンヌ・アダン嬢の肖像」(1887)。特にパステル画であることに注目してと。

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 写真5枚目も同じくルノアールの「幼年期(ジャック・ガリマールの肖像)」(1891)。描かれた子供は男の子。

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https://ameblo.jp/zoomsky/entry-12309298358.html

 写真6枚目は、ドガの「踊り子たち(ピンクと緑)」(1894)。これもパステル画。

 他に、モネなどと同世代だが、まったく違う幻想的な画風のルドンがいる。

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 印象派の影響を乗り越えた「ポスト印象派」には、ゴッホ・セザンヌなど。写真7枚目は、ゴッホの「雪原で薪を運ぶ人々」(1884)。こんな絵もゴッホは描いたと知りびっくり。平坦で装飾的なボナールなどの「ナビ派」や、鮮やかな色彩と大胆な筆触のマティス・マルケ・ルオー・ヴラマンク・ドンゲンなどの「フォーヴィズム」。

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https://mimt.jp/blog/cafe/?p=2792

 写真8枚目は、「抽象絵画」の創始者カンディンスキーの「結びつける緑」(1926)。

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https://ameblo.jp/pandausagi37/entry-12548355409.html

 次は三次元を二次元の世界に描くピカソ・ブラックなどの「キュビズム」。写真9枚目は、ピカソの「女の肖像(マリー・テレーズ・ワルテル)」(1937)。

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https://www.kyodo.co.jp/b/2019-04-02_1979663/

 やっと、モンマルトルに集まったユトリロ・キスリング・シャガール・ローランサンたちの「エコール・ド・パリ」になる。写真10枚目は、ユトリロの「モンマルトルのミュレ通り」(1911)。

 以上名が出た画家の絵はすべて展示されているが、一番多いのがシャガールで10点。シャガールの国内最大のコレクションとか。

2019年11月29日 (金)

2019年ヒット商品番付

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https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_eco_general-hitproductrank

 SMBCコンサルティングが恒例の「2019年ヒット商品番付」(第一表)を発表した。単なる売れ筋商品だけでなく、世相を反映する出来事や人物をも含むのが特色。

 東西の横綱には「平成から令和へ」と「ラグビーWC」が選ばれ、明るい話題が多かった年としている。東西の大関には、リチウムイオン電池でノーベル化学賞受賞の「吉野彰氏」と、全英女子オープンを制したゴルフの「渋野日向子選手」(写真2枚目)、米国NBAで活躍するバスケの「八村塁選手」(写真3枚目)。

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https://www.golfdigest-minna.jp/_ct/17293692

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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191121-00201618-bballk-spo

 ところで、同様な2019年ヒット商品30件を、日経トレンディがすでに発表しているが、こちらはまさに売れ筋商品・サービスの感じ。

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https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00242/00002/

 1位は「ワークマン」(写真4枚目)で、群馬県伊勢崎市の職人向け作業服店が大ブレークして、チェーン店舗数ではユニクロを超える843店で、8月の売り上げは前年比60%増とか。

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https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00242/00002/

 2位は2019.11.12の本ブログでも紹介したばかりだが、「タピオカ」(写真5枚目)。ドリンクにもデザートにもなる黒い粒に人気が爆発し、輸入量は前年比4.5倍で、大手チェーンも参入して今や国民的な飲料とか。

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https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00242/00002/

 3位はソフトバンクとYahooが組んだスマホ決済の「PayPay」(写真6枚目)。2000万ユーザーと170万の加盟店を持つと言う。4位は「ラグビーW杯」で、SMBCの横綱と同じ。

 なお、SMBCの20傑と日経トレンディの30傑の両者に登場するのは、この他に、「平成から令和へ」、「タピオカ」、映画「天気の子」、映画「ボヘミアン・ラプソディ」、「ハンディ扇風機」、「ムーミンバレーパーク」。

 

2019年11月28日 (木)

ヒッチコック カメオ出演

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https://ja.wikipedia.org/wiki/アルフレッド・ヒッチコック

 NHKBSのザ・プロファイラーで「ヒッチコック」を見た。稀代の名監督(写真一枚目右)の実像は完璧主義者で、「俳優は家畜」と言ったとかで俳優からは冷酷とされ、スタッフも離れ、「私は一人ぽっちだ」と嘆いたという。当時はミステリーは一段低いと評価されて、結局何回もノミネートされたが、アカデミー賞受賞にはならなかったと。

 ただ、こんなヒッチコックを最後まで支えたのは、映画界では珍しく長く続いた妻アルマ(写真一枚目左)との良い関係だった。アルマは、もともと優秀なアシスタント・ディレクターの出身で、全てのヒッチコック作品に事前に目を通し、彼女のOKが出ないと撮影ができなかった陰の実力者だったらしい。

 ところで、ヒッチコックと言えば、必ずする「カメオ出演」がご愛敬だが、むしろそれを探すのがファンの目的となったので、ストーリーを理解して貰うために、カメオ出演は映画の初めに変更したと言う。ウサギさんは急にこのカメオシーンが見たくなりDVDで再確認した。

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https://uramado59.hatenablog.com/entry/20130422/p1

 写真2枚目は「救命艇」(1940年)。映画の場面は救命艇シーンのみで、カメオ出演する余地がないので、奇策を用いて新聞広告に登場。勿論、ダイエット前がヒッチコック。始まってやや後に出てくる。

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https://yurikoariki.web.fc2.com/hitchcockcameo.html

 写真3枚目は「裏窓」(1954年)。前のアパートの音楽家の部屋で時計を巻く男。このシーンも冒頭ではない。

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https://yurikoariki.web.fc2.com/hitchcockcameo.html

 写真4枚目は「めまい」(1958年)。サンフランシスコの造船所の前を通るスーツの男。やや目立たない感じ。

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https://uramado59.hatenablog.com/entry/20130422/p1

 写真5枚目は「北北西に進路をとれ」(1959年)。バスに乗り遅れる男。スタート直後でこれはいやでも目立つ。

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https://yurikoariki.web.fc2.com/hitchcockcameo.html

 写真6枚目は「サイコ」(1960年)。不動産屋の窓越しに見える帽子を被って立つ男。モノクロ映画でもありちょっと分かり辛い。

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https://yurikoariki.web.fc2.com/hitchcockcameo.html

 写真7枚目は「鳥」(1963年)。ペットショップから2匹の犬を連れて出てくる男。カメオのなかでは最も堂々とした出演?

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https://yurikoariki.web.fc2.com/hitchcockcameo.html

 写真8枚目は「マーニー」(1964年」。ホテルでマーニーが通り過ぎた後に部屋から出てくる男。

2019年11月26日 (火)

血液一滴でがん検出

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https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1220546.html

 東芝は血液一滴から2時間で13種のがんを、精度99%で検出する装置の開発に成功したと発表した。現在では、13種のどのがんかは特定できないが、来年から実証実験を始め、数年内には2万円程度で一般に検診できるようにしたいと言う。

 第一図のように、採取した血液を血清化し、30分ほどでマイクロRNAを抽出する。これに人工配列のDNAを付加して(50分)、小型の検査装置で分析する(40分)。2500種ある血液中を流れるマイクロRNAの一部は、がん細胞と正常な細胞で作る量が異なることに目を付けたもの。

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https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1220546.html

 第2図は、縦軸がマイクロRNAの濃度で、横軸の左端が健常者。右の各種がん患者では濃度が高いことが分かる。従来の健康診断などでは、血液検査の腫瘍マーカーで主にがん判定してきたが、この値は患者間で一定せず、むしろ、早期がん発見より、処置後の経過観察などに使われてきたらしい。

 また、従来の個別のがん検査は、エックス線や内視鏡などの目視検査では早期のがんの発見が難しい。また、がんの種類ごとに検査方法が変わり、中には痛みをともなう検査があったり患者の負担も大きかった。もし、今回の装置が普及すれば、ともかく、がんに罹っているかどうかが至極簡単に分かるわけで、がん早期発見のたいへんな援軍になると。

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https://www.terumozaidan.or.jp/labo/technology/25/index.html

 ところで、鍵となるマイクロRNAとは何ものかちょっと調べた。第3図のように、細胞の核にあるDNAは、タンパク質を作るさい、メッセンジャーRNAを複製し、このメッセンジャーRNAの情報ベースに細胞の外でタンパク質をつくる。

 一方、核のDNAは塩基の長さが短いマイクロRNAをも作ることが1992年に発見された。このマイクロRNAも細胞の外へ出て、特定のメッセンジャーRNAと結合してさまざまな働きをすることが分かったという。この血液中に出るマイクロRNAの量が、正常細胞とがん細胞で異なるのだ。

 東芝と言えば、不正経理や原発事業失敗などで倒産寸前となり、医療機器事業の旧東芝メディカルは日本一で好調だったが、本体の経営悪化でキャノンに売却された。ただ、今回の発表を見ると、「精密医療」事業分野は東芝で再開するらしい。

2019年11月23日 (土)

コートールド美術館展

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https://www.asahi.com/articles/ASL6P53YHL6PUCVL00X.html

 上野の東京都美術館での「コートールド美術館展ーー魅惑の印象派」を見に行ったが、多数の年寄りが上野公園方面から駅に戻ってくるのに出会った。何があったのかと思ったら、驚いたことに都美術館からである。知らなかったが水曜日は65歳以上は入場無料らしい。久しぶりに30分は並んだであろうか。

 展示の目玉は写真一枚目のマネの最晩年の大作「フォリーベルジェールのバー」(1882年)である。先日のNHK日曜美術館でも特集したが、鏡を使った凝った構図は絵画の研究対象としても面白いらしい。何しろ、手前のものと鏡像の関係が不思議である。ミュージックホールを舞台に、娼婦とされるメイドを正面に描くことで、当時のパリの世相をリアルに描いたと。 

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https://ebravo.jp/archives/57449

 コートールド美術館(写真2枚目左)は、ロンドン大学付属美術研究所の美術館である。コートールド(写真2枚目右、1876ー1947)は、イギリスの実業家でレーヨンで財をなした人とか。印象派、後期印象派の作品を集め、1932年に美術館に寄贈したらしい。小規模だが、質の高い作品群で知られると。60点の今回展示の特徴は、流石に珍しい美術研究所付属だけあって、展示主要作品にX線解析などの解説が付くこと。

 作品はめったに海外などには出ないが、今回美術館が改修中のため東京に来た。なお、全く関係ない下世話な話で恐縮ーー明日は相撲九州場所の千秋楽だが、横綱・大関・関脇の7人の力士のうち4人が休場している。これは巡業興行が年間100日と、異常に多いのが原因の一つとか。つまり、大相撲はドサ回りでも食っているのが実態らしい。絵画も世界巡業、特に入場者数を確実に稼げる東京が狙い目か?

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https://www.enjoytokyo.jp/museum/event/1594545/

 コートールドは、実業家ながら絵画を見る目もあり、特に当時評判があまり良くなかったセザンヌが気に入っていたらしい。現にコートールド美術館は英国で一番セザンヌ収集が多い美術館とか。今回の展示会でもセザンヌが一番多い。 

 写真三枚目は、セザンヌの「カード遊びをする人々」(1892-6年)だが、ウサギさんはこの絵を他の美術館でも見た記憶がありネットでちょっと調べてみた。びっくりしたが、セザンヌは似たモチーフで同名の絵を5枚も描いているのだ。

 描かれた人数が5人のがバーンズ財団蔵、4人のがメトロポリタン美術館蔵、3人のがオルセー美術館蔵、コートールド美術館蔵、カタール王室蔵である。うち、カタール王室の絵は、2011年に約3億ドルで取引され、史上3位の高額絵画とか。

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https://www.tobikan.jp/exhibition/2019_courtauld.html

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https://www.enjoytokyo.jp/museum/event/1594545/

 写真四枚目は、ルノアールの「桟敷席」(1874年)。第一回の印象派展に出品されて批評家の評判が良かった記念すべき作品。あらぬ方向を覗いている男は、ルノアールの弟がモデルとか。写真五枚目は、ゴーガンの「テ・レリオラ」(1897年)。テ・レリオラは「夢」という意味らしい。他にドガ、モディリアーニ、ロートレックなどの有名作品多数あり。

2019年11月21日 (木)

はやぶさ2

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https://www.sankei.com/life/news/180702/lif1807020010-n1.html

 学士会午餐会で、津田雄一JAXAはやぶさ2プロジェクトマネジャー(写真一枚目)による「はやぶさ2-ー深宇宙探査技術の最新動向」という講演を聴いた。最近では珍しい日本科学技術の成功談で、満席の年寄り一同は感慨深く傾聴したと思う。

 「はやぶさ2」のミッションは、小惑星リュウグウを詳細に調べ、サンプルを持ち帰ること。2014年12月に打ち上げられ、2018年6月にリュウグウ着、2019年2月第一回タッチダウン、2019年7月第二回タッチダウンしサンプルを取得した。今月リュウグウを出発し、2020年末地球帰還予定である。

 なお、先輩の「はやぶさ」は、2010年6月トラブルが多かったものの、小惑星(イトカワ)のサンプルリターンに、不完全ながら世界で初めて成功している。その経験が今回大いに役立っていると。

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www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20180711je/

 小惑星は約79万個発見され、リュウグウ(写真二枚目、直径1km)は、炭素を含むC型と呼ばれて、生命誕生の謎に迫るのに格好だそうだ。なお、イトカワは炭素がないS型で岩石小惑星と呼ばれると。特に小惑星は内部にマグマなどがなく、太陽系が生まれた直後の状態が保持されているので貴重だそうだ。

 リュウグウは、火星と地球のあいだの軌道を回るが、地球からの距離は光(電波)で13-20分もかかかり、太陽(8分19秒)の約2倍、月(1.3秒)の800倍も遠い。

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www.aero.or.jp/web-koku-to-bunka/utyu-yusou/kawaguchi.htm

 惑星の探査方法には第三図のように段階を踏んで各種ある。左端は「フライバイ」と言って惑星の傍を通り過ぎる方法、二番目は惑星の周りを回る「オービタ」方式、三番目は惑星に着陸する「着陸」方式、四番目はサンプルを惑星から取得して帰還する「サンプルリターン」方式である。

 日本の前回の「はやぶさ」と今回の「はやぶさ2」は、「オービタ」と「着陸」フェーズを飛ばして、一気に「サンプルリターン」にチャレンジした。「サンプルリターン」は、既に月から石を持ち帰るなどの実績があるが、惑星では彗星からの1件のみで、世界にまだ実績はほとんどないのが実情とか。

 その原因は、惑星は月に比してとんでもない遠方にある「深宇宙」にあるせいらしい。つまり、行き来に時間がかかるし、大きな探査機を送り込むのも大変で、かつ電波による制御が月ではほぼリアルタイムにできるのとはわけが違う。

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www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20191113_SAYONARA_Ryugu/

 探査機「はやぶさ2」(写真四枚目)は、重量609kg(燃料込み)、大きさは、本体(1.1mx1.6mx1.25m)、太陽電池パドル幅6mである。小型ロボット4個と14個の観測機器を搭載し、下側にサンプラーホーンが飛び出している。また、タッチダウンの際に使うターゲット・マーカーを5個もっている。

 エンジンは、惑星間飛行などで使われるイオンエンジン。第五図に示すように、キセノンガスに日本独自のマイクロ波方式で照射して陽イオン化し、3枚のグリッドで静電加速して推力を得る。推力は小さいが真空中では大きな力となり、燃料も少ないので、太陽系の往復には最適らしい。

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https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/article/COLUMN/20140619/359860/

 さて、準備万端を整えて、2018年6月27日「はやぶさ2」はリュウグウに到着した。20km遠方にホームポジションをとり、500m以下に近づくさいは自律制御をすることにした。9月21日、高度55mに降下し、2機のロボット探査機ミネルバを分離し自律的に表面調査を実施した。10月3日、再度55mに降下し、独仏開発の着陸機MASCOTを分離し17時間の測定に成功。

 いよいよ本命のタッチダウンを行ってサンプル採取する段になったが、クレーターと岩だらけで、想定外に着陸場所がないことが分かった。それでも、ターゲットマーカーと画像処理を巧みに使って、1mのタッチダウン精度を達成し、2019年2月22日第一回のタッチダウンに成功。

 その後、リュウグウの地下内部を爆破してのサンプル採取を試み、60cmの精度を得て、2019年7月11日第二回のタッチダウンに成功。

 成功の鍵は、プロジェクトメンバーの綿密な共同作業に尽きると。総員約600人で、JAXAマネジャー10人、JAXAスタフ100人、メーカー300人、国内研究者130人、海外研究者50人とか。

 

 

 

 

 

2019年11月15日 (金)

量子暗号

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52081980S9A111C1MM8000/?n_cid=NMAIL007_20191113_A

 最近、Google社が量子コンピュータ開発成功を発表してから、俄かにマスコミが「量子」づいてきたようだ。日経がトップ記事で「量子暗号実用化へ前進、官民で機密保護強化、米中が先行-日本追う」とぶち上げた。突然の日経だけの報道で何事かと思いネットで背景をチェックしたが良く分からない。まあ、「量子景気づけ」の一環であろうが、量子コンピュータが実用化されれば、現在のRSA暗号システムは簡単に破られるので、対策が現実味を帯びてきたとある。

 ご承知のように、RSA暗号解読はスーパーコンでも素因数分解計算に数年かかるとされるが、量子コンで容易に解けるアルゴリズムが発見されてしまったのだ。ただ、量子コンの普及には20年はかかるとされ、たとえ解けてもRSAに代わる強力なアルゴリズムの格子暗号方式なども控えていて、現在の便利で安価な公開鍵方式がそう簡単に崩れるとは考えられない。

 だが、原理的に絶対に解読されない暗号がもしあればそれに越したことはない。それが、量子暗号方式である。第一図のように、暗号鍵を発信者から受信者に送る方法で、これは昔からの愚直な方法だが、この鍵を特別な光伝送ルートで送る。もし、誰かが鍵を盗もうとすると、量子の性質でその痕跡が残るので、盗まれたのが受信者にすぐ分かる仕掛け。従って、誰にも見られていない鍵(しかも一度の使用で破棄)を使えば、絶対安心と言う理屈である。 

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52081980S9A111C1MM8000/?n_cid=NMAIL007_20191113_A

 量子鍵配送(QKD)するには光子1粒を使うので、通常の光ファイバー伝送の100万分の1くらい弱い光を使う。従って、雑音に弱く、減衰するので長距離伝送が難しいし、特殊なので一般伝送路との相乗りも難しいなど、要するに高価で汎用の商用化は難しい。

 だが、第2表のように中国は国を挙げて推進しているらしい。勿論、軍事用である。特に、地上の光ファイバーは減衰が激しいので、専用の衛星まで打ち上げ、既に1200kmの伝送を達成したとか。中国は「量子暗号システムを高速鉄道に続く国家ブランドに育てようとしている」と。

 世界市場はまだ100億円程度しかないが、今後、政府関係以外に金融機関などが採用すれば、マーケットは急に大きくなるかも。2023年には5倍になるとの見込みもあるらしい。日本のメーカーでは、最近元気のない東芝が珍しく先行し、来年には市販品を出すとしている。英国ケンブリッジにある東芝欧州研究所が結構世界をリードしているとか。

 

2019年11月13日 (水)

旧東ドイツ

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51956520Y9A101C1MM8000/

 9日でベルリンの壁崩壊(写真一枚目)から30年たった。朝日新聞は「壁、30年後の現実」と題して、旧東ドイツのその後を3回にわたり検証している。もともと同じ国民が、全く違う価値観の体制下にあって、また一緒に戻るケースはあまりなく、香港や北朝鮮などの今後をも占う壮大な社会実験とも言える。

 ご承知のように、1945年ベルリンは米英仏ソに分割占拠されたが、1946年にはソ連による封鎖が行われ、連合国側による空輸作戦が実施された。1949年には、東西ドイツ(図二枚目)が誕生し、ベルリンは東ドイツのなかの西ドイツの飛び地となったが、ソ連は東から西の逃亡者の増大にしびれを切らし、西ベルリンの周囲155キロにわたる壁を1961年築いた。

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 1989年の壁崩壊から1年後に東西ドイツは一つの国になったが、人口は西6700万人・東1600万人、平均月収は西3340ユーロ・東2790ユーロ、失業率は西4.9%・東6.1%と東西に大きな格差が存在する。さらに、現実は厳しい。主要企業500社のうち、本社を東に構えるのは僅か7%であり、81公立大学学長は全て西出身とか。

 旧東独に住む人々へのアンケートでは、57%が自分は二級市民とみなし、東西統合は成功したと考える人は38%しかいないと。東に残った人々は大混乱を経験し、西の制度に従い続けて敗北感を味わった。怖いのは、東ドイツで急速に右翼が勢力を伸ばしていること。

 この民主主義離脱とも見られる動きは、ハンガリーやポーランドといった東ヨーロッパの現政権でもみられ、チェコやスロバキアを含めて、EU内に難民反対などの不協和音が広がりつつあるらしい。

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https://www.pinterest.jp/pin/695172892456457328/

 ところで、この東ドイツは戦前はどうであったのかに興味を持ったのでちょっと調べたが、東ドイツという概念はソ連が戦後に作ったもので、もともと歴史的には存在しない。そこで、プロイセン(英語ではプロシャ)王国の歴史を調べると言うことになる。プロイセンは第3図のように、1701年から1918年まで続いた東部ドイツと北部ポーランドを支配した王国。首都はベルリンで、ベルリンがドイツの中心からかなり東に位置する理由である。

 プロイセンは、宰相ビスマルクなどの努力で産業と軍備の増強に努め、1860年代に欧州の覇者オーストリーとフランスを破って、1871年に中部ドイツ(ハノーファー・ザクセンなど)、南部ドイツ(バイエルンなど)を併合して、ドイツの統一を果たした。従って、歴史的には東ドイツ側が覇権を握っていたのだ。

 第一次世界大戦でドイツ帝国は敗れ、プロイセン政権は実質消滅する。依然として、ベルリンはヴァイマル共和国の首都であったが、「赤いベルリン」と呼ばれるほど共産党勢力が強く、1932年のナチス政権発足直前の選挙では、31%を獲得して第一党だったらしい。1933年ナチスの時代になってからは、ベルリンの文化はことごとく破壊されたそうだ。

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https://matome.naver.jp/odai/2138452437646874701/2138452828250090603

 実はドイツの歴史にも疎いことに気が付いて、近くの図書館から「教養のドイツ現代史」(田野大輔・柳原伸洋著)を借りた。映画・マンガ・音楽などを通してドイツの歴史を知るという、一風変わった趣向の本である

 その中で、ベルリンの信号機マーク(写真4枚目)が面白い三頭身のキャラクターを使っているとの紹介があるその名を「アンペルマン(信号男)」といい、東ドイツ時代に使われていたらしいが、東西統合後、西ドイツ方式に変わった。だが、ベルリンの人々は納得せず、結局、元のアンペルマンに戻ると同時に、可愛らしいとして西側でもかなり使うようになったとか。

 このように、東ドイツ時代を懐かしむ声も多くあるらしいーー「金は少なかったが、なにより物は安かった」。また、「テレビで東の方言には字幕がつくが、西にはつかない。だいたい、東西が一体化するのに30年は短すぎる」などの意見もあるとか。

 

 

 

 

 

 

 

2019年11月12日 (火)

タピオカ

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https://www.nichireifoods.co.jp/media/9341/

 今朝の朝日の天声人語は、台湾を先月訪れた筆者が、「日本人は主食がコメからタピオカに変わったの?」と聞かれたと書いている。台湾が本場のタピオカ入りのミルクティーが、何故日本で流行ったのか調べに行ったらしい。

 この黒い粒というのにウサギさんはちと引っかかった。ロートルのせいか、中華料理のデザート定番のタピオカ入りココナッツミルクしか知らず、タピオカは白いと決まっているからだ。そこで、暇に任せてネットでちょっとサーフィン。

 日経トレンディによれば、2019年のヒット商品ベスト30の2位がなんとタピオカ(写真一枚目)である。ドリンクにもデザートにもなる「黒い粒」に長蛇の列ができ、輸入量は2018年の4.5倍とか。大手チェーンも参入して今や国民的飲料になったそうだ。

 台湾を旅行した人々が、タピオカ・ミルクティーに魅せられ、太めのストローや黒い粒が写真映えすることが決め手だったと。つまり、元々白いタピオカ粒を黒く色づけしたのが、現代のインスタグラムSNS時代のセールスポイントになったのだ。

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https://taberugo.net/1766

 ウイキペディアによれば、タピオカはキャッサバ(写真2枚目)の根茎から製造するデンプン。キャッサバはブラジルが原産だが、アフリカ・アジアの食料としても広く生産され、世界のイモ生産量ではジャガイモに次いで多いそうだ。ナイジェリア20%、タイ11%、インドネシア9%、ブラジル8%などが主要生産国。日本はタピオカのほとんどを台湾から輸入するが、その原材料はタイかららしい。

 

 

 

 

2019年11月 9日 (土)

6G開発

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https://ameblo.jp/mgmkyoto/entry-12347863159.html

 昨日の朝日に「6G開発、中国が国策に」という記事が載った。今月から高速通信規格5Gのスマホ向けサービスを始めた中国だが、早くも次の無線規格6Gの研究開発を国を挙げて行うと発表したらしい。ご承知のように、5GはIOT・無人運転車・遠隔医療などの中核技術だが、中国のファーウェイ社が独走してきた。危機感を持ったアメリカは、ファーウェイ社排除に必死である。そこで、将来の規格6Gに興味を持って例のごとくネットで調べた。

 その前に、無線通信規格の世代をお浚いする。第一図のように、携帯電話は1980代は音声のみで第一世代、90年代はメールが登場して第二世代、2000年代に入ると広くインターネットが使われ第三世代、2015年ころからスマホ全盛で動画が主流となる第四世代である。

 さて、第五世代は、日本でも来年中ごろから始まる。伝送速度は10Gbpsと現在の10-20倍高速となるが、具体的なサービス内容はこれから順次オープンになる筈。アメリカの意向もあって、携帯各社は5G通信設備に、実績あるファーウェイ社を使わず、フィンランドのノキア社か、スウェーデンのエリクソン社を使うようだ。残念ながら日本のベンダーは採用されていない。

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https://www.ntt.co.jp/news2018/1805/180515a.html

 ところで、第六世代の技術内容や規格は、これから決まるのでネットでも分からない。なにしろ2030年ころ実用化の見込みで、だいたいの目標伝送速度は、第五世代の10-100倍とされるそうだ。だが、その基礎技術である超高速伝送に、昨年、なんと日本のNTTがもう成功したらしい。写真2枚目の装置で第五世代の10倍(100Gbps)を達成したとか。痩せの何とかでなければ良いが。

 ここから急に話は難しくなり、ウサギさんも理解できていないが、第五世代では、Massive MIMOという技術で高速化しているそうだ。つまり、送受信のアンテナ数をやたらに増やして、空間分割による多重化を図っている。今回のNTT方式(第六世代のプロト)では、このMassive MIMOと、OAM(軌道角運動量)伝送方式を上手に組み合わせたらしい。

 なんのことやらチンプンカンプンであろうが、もう少し分かりやすく説明すれば、このOAM方式とは、中心方向別に少しずつ厚みを変えた回転する誘電体レンズに電波を通すと、電波の位相がずれる性質を使う。受信側では送信側と逆回転するレンズで位相を同相に戻す仕組み。

 位相のずれなし電波をゼロ、プラス方向のずれありをプラス1、プラス2、マイナス方向をマイナス1、マイナス2と5段階に分け、上記のMIMOによる多重度を、ゼロでは3、プラスとマイナスでは各2とすると、結果の多重度は、3*1+4*2=11で、多重度11が得られる。つまり、第五世代の約10倍の超高速が実現されたことになるらしい。

 課題は多々あると。こんな高周波を携帯に使って人体に影響なしや? こんな複雑な装置を小型化できるか? 電池はどうする? などなど。だが、夢もある。遠方の人があたかも前に座っているかのような対話ができるかも。

 

 

 

 

 

 

 

2019年11月 7日 (木)

ヘリウム危機

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https://www.nikkei.com/article/DGXZZO68601000Q4A320C1000000/

 5日のNHK夜7時のニュースの2番目は「ヘリウム危機」である。迂闊にも知らなかったが、写真一枚目のような極低温実験にも必須の液体ヘリウムを、大学などが入手するのは、もはや極めて困難な状況にあるらしい。そこで、ヘリウムの「俄かファン」ではないがネットでちょっと調べてみた。

 元来、ヘリウムは適当な代替品がなく、しかも日本は輸入しか手はないので、過去にも2-3度ヘリウム危機があったらしい。ヘリウムは何故か天然ガス産出と同時にのみ得られるそうだ。

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https://www.jccme.or.jp/11/pdf/2017-11/josei02.pdf

 ヘリウムの原産国は、第2図のようにアメリカが過半を占め、過去、戦略物質として大量の国家備蓄をしてきたらしい。ところが、備蓄が巨額すぎるとして、設備の民営化が計画され、手始めに民間1社に備蓄ヘリウムが払い下げられたが、この会社が輸出を絞り、2021年以降の輸出を止めるらしい。背景には、最近アメリカはシェールガスへ転換しているが、シェールガスはヘリウムを産出しないため。

 アメリカ以外では、中東のカタールが主力だが、カタールは最近アラブ諸国から経済制裁をうけ、物流に時間がかかっていると。さらに、中国の半導体や光ファイバーの生産が急激に増え、冷却用のヘリウムガスを大量に使いだしたので、価格が3倍に跳ね上がったらしい。

 将来、アメリカのシェアは30%程度に下がるとみられるが、その穴を埋めるのは、天然ガス大国のロシアの東シベリア開発だそうだ。

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https://newswitch.jp/p/17928

 ヘリウムはご承知のように、宇宙での存在量は水素に次いで2番目に多い。無色・無臭・無味・無害で、希ガスでは最も軽く、全ての元素のなかで最も沸点が低いので、液体ヘリウムは超電導など絶対零度に近い環境での冷媒として使われる。

 主な用途は第3図のように、医療用のMRI(液体ヘリウムで超電導電磁石を冷却)、半導体の製造(ヘリウムガスで熱処理を終えたシリコンウェファーを冷却)、光ファイバー(ファイバー・ガラスの焼成にヘリウムガスを使用)、リークテスト(ヘリウムガスが逃げ出しやすい性質を利用)、溶接(溶接部を覆うシールドガスとして利用)など。

 日本物理学会などは、緊急声明を出し、国がヘリウムの特に民間企業などでのリサイクルの推進や、備蓄を早急に開始することを求めている。なお、東大を中心とする30の大学では既にリサイクルをしており、研究用途の実使用は全体の30%はあるのに、消費量は4.4%に抑えているらしい。 

 

 

2019年11月 5日 (火)

RCEP

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https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180303/mca1803032150012-n1.htm

 7年間続いたRCEP(東アジア地域包括的経済連携)交渉は、安倍首相も出席したバンコクの首脳会談で決着するはずだったが、関税削減に慎重なインドの扱いで紛糾し、年内妥結を見送った。

 結局、インドのモディ首相の最終同意を得て、「インド以外の15か国は、20分野の交渉と基本的な市場アクセスの課題を終えた。2020年の署名への法的な精査を進める。インドは未解決の重要な課題があるが、参加国が解決へ作業する」と玉虫色の最終共同声明を発表した。

 ところが、共同声明発表の僅か20分後、インドによる「ちゃぶ台返し」が待ち構えていた。インド外務省のシン局長は、「インドは今後RCEPに参加しないと各国に伝えた」と突然発表したのだ。これには、さすがのインド人もびっくりしただろう。

 RCEPは、第一図のように、日本・中国・韓国・インド・ASEAN10か国・豪州・ニュージーランドなど16か国による関税同盟であり、実に世界の人口の50%、GDPの30%を占める世界最強の経済連携である。特に、米中関税戦争などで、世界に保護主義がはびこるなかで、自由貿易の旗手として日本が主導したい連携の一つ。

 中国は、かっては、知財権問題などでRCEPに乗り気ではなかったが、アメリカとの関税問題発生で、RCEP大歓迎に変わり、お陰でRCEPは成立間際まで進んだが、今度はインドが難題を持ち出した。背景には、中国との貿易が巨額の赤字なことがある。

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https://dailynewsagency.com/2018/11/03/top-10-country-gdp-ranking-t5r/

 そこで中国は、ごねるインドを切り離して、15か国でのRCEP成立を急ぐ戦術に転換したのが、今回の舞台裏らしい。ただ、巨大な人口と市場があるインドなしのRCEPが、意義があるのか見通せないという。また、そもそもインドをRCEPに引き込んだのは、中国の暴走を警戒した日本である。

 中国とインドは、中印国境紛争などが過去あったが、アジアの2巨人としてライバル関係にある。第二図は、2060年の世界のGDPトップ10の予想だが、ダントツの1位は中国で、2位はアメリカを抜いてインドである。2100年の予想では、中国とインドは世界のトップ2で肩を並べるのだ。

 中国・インド両ジャイアンの確執がもはや表面化しつつあり、そうなるとアメリカも日本も蚊帳の外である。もっとも、歴史を見れば、中世では農業中心のGDP(つまり人口の多さ)を、両者が牛耳っていた訳で、彼らにすれば出番の再来という感覚か。

 

2019年11月 2日 (土)

五輪マネー

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https://www.j-cast.com/2019/11/01371691.html?p=all

 東京オリンピックのマラソンと競歩の開催場所は、結局、IOCに押し切られて、若干涼し

いと見られる札幌への変更と決まった。小池都知事(写真一枚目)は、「合意なき決定」と

述べ、都は費用負担しないことになった。

 

 今回の騒動の根本原因は、アメリカでのテレビ放映事情に合わせて、酷暑での開催を

IOCが開催条件としていることにある。やはり、IOCはいくら綺麗ごとを言っても、

つまるところ金であり、まさにMoney talksの世界である。


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https://globe.asahi.com/article/11590375

 そこで、タブーとなっているらしい五輪マネーをちょっと調べたが、ネットでは

IOCの収支などはなかなか分からない。2004-10年ころの古いデータ(第2表)が

1件やっとみつかっただけ。


 2008年のIOCの24億ドルの収入をみると、確かに17億ドルくらいの放送権料が

ほとんどで、特にアメリカ・テレビ局への依存度が半分以上と大きいのが分かる。

他に大きいのが4億ドルくらいはあるTOPスポンサー収入。世界で米国のコカ・コーラ

など13社が特別の権限を持つスポンサーに指定され、IOCへ上納金を納める仕組み。

日本からは、トヨタ・パナソニック・ブリジストンがエントリー。

 

 ここで、IOCというのは、オリンピック憲章などと言うので、なにか国連のような

国際機関と間違える人が多いが、上記の収入からも明らかなように、単なる大スポーツ

エベントの興業主の一つに過ぎない。従って、金次第でいかようにも動き、開催国との

不測の事態発生に備えた事前契約もしっかりしているのだ。

 

 一方、2008年のIOCの支出の内訳は、12億ドルが大会開催国への補助、4億ドルが

国際競技連盟への補助、2億ドルが各国の五輪委員会への補助だが、ここでもアメリカが

負担が大きいことと引き換えに突出して多く貰っているのが分かる。つまり、

オリンピックとは、要するに金持ちアメリカ中心の行事なのだ。

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https://www.sankei.com/tokyo2020/news/181004/tko1810040002-n1.html

 ところで、東京大会の出費予算を調べると、表3のように約3兆円で、大会組織委が6000億円、都が1.4兆円超、国が8000億円超負担する。税金が大量に使われるわけで、大変国民の負担が大きい事業であることが分かる。また、東京のような大都市でないと、もう開催は財政的にも不可能かもしれない。

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29262970R10C18A4CR8000/

 東京大会組織委の収入6000億円の内訳は、図4のように国内スポンサーが3100億円、IOC負担が850億円、チケット売り上げが820億円、TOPスポンサーが560億円などで、五輪は言われるほどうまい興行ではないかもしれない。だが、五輪マネーの構造が分かると、権力や意思決定のプロセスが見えてくるようだ。

 

2019年11月 1日 (金)

三大がっかり名所

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https://ja.wikipedia.org/wiki/首里城

 沖縄の「首里城」(写真一枚目)が焼失した。その長い歴史で、1453年、1660年、1709年、1945年に続いて5回目の焼失である。沖縄の人々にとっては魂が奪われた感じがするという。保存されていた貴重な琉球王朝時代の文化財も相当失われたらしい。第2次世界大戦で地下に日本軍の司令部が置かれたことから、米軍の集中砲撃を受けて焼けてから、長い間、首里城跡には琉球大学が置かれていたそうだ。1979年に琉球大学が他へ移転し、1992年に首里城は再建された。2000年には世界遺産に指定され、今年1月には30年に及ぶ全ての改修工事が終わったばかりである。

 ウサギさん一家6人は、2001年の正月に復元後の首里城を見学している。ネットによると、首里城が復元される前の首里城跡地は、「日本三大がっかり名所」の一つとして有名だったと知った。そこで、現在の「日本三大がっかり名所」はどこか関心を持ち調べて見た。ちょっと、この時期に不謹慎の感じもあるがお許しあれ。

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https://kurashi-no.jp/I0020475

 誰が決めているのか知らないが、ネットで言う定番は写真2枚目の札幌の「時計台」。歴史的な建築様式も素晴らしく魅力的だが、ビル群の間にあって、どこから撮ってもビルが背景に入るのが、がっかりの理由とか。でも、この写真はどうやって撮ったの?と突っ込みたくなるが。

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https://kurashi-no.jp/I0020475

 次は写真3枚目の高知の「はりまや橋」。本当のはりまや橋は近代的な石造りの欄干の橋に変わってしまったが、写真のものは観光用に造られたもの。むしろよさこい節が有名になりすぎたのが、がっかりの原因?

 4枚目の写真は、長崎の「オランダ坂」。洋館が立ち並ぶ異国情緒を期待した向きは、普通の生活道路で景観スポットでないのにがっかり? 次いでに「がっかり候補」と言うのもあり紹介する。

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https://kurashi-no.jp/I0020475

 候補は、「仁徳天皇陵」(全貌が見えない)、「京都タワー」(イメージが京都にそぐわない)、「宮島」(鳥居がちと汚い)、「松島」(島の緑と空の青とのコントラストが見られない)、「天橋立」(観光写真とのギャップが大きい)、「鳥取砂丘」(暑い、風が強い、坂がきつい)、「平城宮跡」(広すぎて歩きすぎる)、「小樽運河」(水が汚い)、「三保の松原」(富士山が見えない)などなど。

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https://www.msn.com/ja-jp/travel/news/「世界三大がっかりスポット」全部行ってみた-%EF%BD%9Eマーライオン・小便小僧・人魚姫像%EF%BD%9E/ar-AAAKugr#page=2

 こうなったら、「世界の三大がっかり名所」はどうなっている? 写真5枚目は、ブリュッセルの「小便小僧」。身長56cmと小さいうえに、広場の一角の建物の陰で、観光客がいなければ見逃しかねないと。写真6枚目は、コペンハーゲンの「人魚姫像」。場所が街の中心から遠い上に、近くに見るべきものがないし、だいたい観光客が多すぎるそうだ。

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https://www.msn.com/ja-jp/travel/news/「世界三大がっかりスポット」全部行ってみた-%EF%BD%9Eマーライオン・小便小僧・人魚姫像%EF%BD%9E/ar-AAAKugr#page=2

 写真7枚目は、シンガポールの「マーライオン像」。現在地に移転する前は、像の後ろ姿しか見えなかった今でも口元の噴水口が汚れているそうだ。

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https://www.msn.com/ja-jp/travel/news/「世界三大がっかりスポット」全部行ってみた-%EF%BD%9Eマーライオン・小便小僧・人魚姫像%EF%BD%9E/ar-AAAKugr#page=2

 海外でも「がっかり候補」がある。「ローマの真実の口」(写真待ちが長すぎる)、「ナスカの地上絵」(全体が分からない)、「ルーヴルのモナ・リザ」(絵が小さい上に混みすぎ)、「シドニーのオペラハウス」(近くで見ると汚い)など。

 だが、ご安心あれ。がっかりするのは、有名な名所への期待が余りにも大きすぎるため。行ってみれば、それぞれ、身の丈に合って?ご立派だと思うが。

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