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2019年9月 6日 (金)

東京の戦後裏面史

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https://www.amazon.co.jp/ふたつのオリンピック-東京1964-2020-ロバート・ホワイティング/dp/4044002185

 近くの本屋で「ふたつのオリンピック 東京1964/2020」(ロバート・ホワイティング著、写真一枚目)を、面白そうだと思って何気なく買ったが読んで驚いた。東京に60年近く住んだアメリカ人のいわば自叙伝だが、登場人物は全て超有名人であり、その内容は公表して良いのかなとも思われるように全てがドギツイ。もっとも、ウサギさんは元来週刊誌情報などに疎いから、こんなのは皆知ってる話だよと言う事かも知れないが。

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https://www.scoopnest.com/user/mitsuya_niwa/853894230581760000-fa

 著者のロバート・ホワイティング(写真2枚目)は、1943年、アメリカ生まれの田舎育ち。高卒後米空軍に入り、1962年来日し府中基地で電子諜報に携わる。毎週末は都心に繰り出し東京の夜を満喫した。除隊後は上智大学で政治学を専攻し、英会話学校、出版社勤務などを経て、日米の文化をテーマとした執筆活動を開始。1977年に「菊とバット」、1990年に「和をもって日本となす」がベストセラーとなる。「東京アンダーワールド」「イチロー革命」など多数の著作があり、知らなかったがテレビでも結構知られた外人とか。特にプロ野球の助っ人外人のルポで知られ、スポーツ紙の常連のライターで日米野球の比較では右に出る人はないらしい。また、ヤクザや芸能人、政治家、マスコミ筋の情報にも詳しい。

 「ふたつのオリンピック」は、オリンピックに名を借りた東京の戦後裏面史である。勿論、自身の経験に基づくドキュメンタリーで、アメリカ人独特の情報過多ともいえるほどの懇切丁寧な米国読者向けの説明がつく。一方、かっての朝日ジャーナル誌かとまごうような俯瞰的な高度な日米文化比較論が展開されるかと思うと、急に具体論に入れば週刊ポスト顔負けのセックスや暴力暴露記事になったりする。ともかく、600ページを読むのに面白いが正直疲れた感じ。

 例えば、力道山は韓国系ヤクザの親分とつるんで、東京でライバルのバーが開店すると、よく酔ったふりの大喧嘩で店を滅茶苦茶にしたが、警察沙汰にはならなかった。バブルのころ、エリザベス・テーラーが銀座で泊まったホテルは、一泊65万円だったが、バブルがはじけてホテルは倒産した。野茂がアメリカに渡ったのは、監督の厳しいシゴキを逃れるためであったーー。きりがないので個々の紹介は止める。

 最後に、意外に読売新聞の渡辺恒雄との関係がほうぼうに登場するのに気が付いた。合わせても全体の200分の1位のページ数であるが、著者がまだ若い英会話教師のころ、渡辺の英語家庭教師をしたらしい。渡辺は当時の佐藤栄作首相が大嫌いで、攻撃記事を年中書いたので、たまりかねた佐藤の妻が金を家に持って挨拶にきたらしいが、渡辺の妻は受け取らなかった。だが、読売の何かの事業の政府認可が必要となり、渡辺をワシントン支局に飛ばす条件で読売は折り合った。そこで急遽英会話が必要になったのだ。渡辺の話では、池田勇人首相が喉頭がんで喋れなくなった際、次期首相を指名した紙には、河野一郎と書いてあったが、この紙は消え失せ、大金がばらまかれて佐藤栄作と書いた紙が現れたと。

 渡辺は、東大学生のころは共産党員だったが、読売に入社するとき転向して保守派になった。だが、天皇は大きらいで、皇居は駐車場にすべしと年中言っていたと渡辺と著者の良い関係は暗転する。東京ドームの入場者数は、巨人はいつも満員で5万6千人と発表するが、著者は立ち見を入れても4万7千人であるとすっぱ抜いた。怒った渡辺は著者をドームの出入り禁止にしたが、怒った理由はウソを暴いたことではなく、その情報をライバル朝日に流したことだったと。

 松井秀喜が大リーグから帰国したとき、渡辺は松井を巨人の監督にすべく、国民栄誉賞の授与を画策した。安倍首相も了解したが、松井が先輩の長嶋茂雄を差し置いての受賞はできないと辞退した。困った渡辺は仕方なく長嶋と松井の同時授賞にしたと。

 

 

 

 

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