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2019年6月 6日 (木)

米中関税戦争

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44743950T10C19A5MM8000/?n_cid=DSREA001

 今朝の毎日小学生新聞は、米中関税戦争について分かりやすく解説している。今回、トランプ米大統領が関税を上げるのは、自国の産業を守るためだけではなく、知的財産の盗用についての報復の色合いが強いとしている。双方の引き上げは、第一図のように第3弾まで進み、アメリカは第4弾を今月末以降に発動するらしい。

 ところで、毎小はこの関税は誰が払うのかとしているが、これが意外に難しいであろう。アメリカの場合で言えば、当面は輸入米企業が負担するが、かなりの部分は最終顧客つまり消費者価格に転嫁されるであろう。だが、トランプは中国が負担するのだと言っている。それは中国がアメリカ市場でシェアを守るためには、関税分を中国側で値下げせざるをえないと踏んでいるからだが、まあ、常識的にはアメリカの消費者が泣きを見るのであろうか。

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https://jp.wsj.com/articles/SB12403095601924873365004584166373214809410

 第二図はちょっと見づらいが米中の他国との貿易関係を示す。アメリカの輸入元で言えば、506B$(55兆円)が中国からで、314B$のメキシコ、300B$のカナダが続き、日本は137B$で思ったより小さい。一方、アメリカの輸出先は、カナダ282B$、メキシコ243B$、中国130B$、日本68B$。アメリカの対中国の貿易赤字が巨大であり、国境を接するメキシコ・カナダとの取引が意外に大きいことが分かる。

 他方、中国の輸出先は、アメリカが506B$で突出し、次いで日本129B$、韓国94B$である。中国の輸入元は、韓国が最大で159B$、次いで日本が146B$、アメリカが130B$で、ここでも中国の対米黒字が物凄い。

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44811190V10C19A5I00000/

 では、具体的にどんな品物を米中間で取引しているのであろうか? 第一図で分かるように、米国が中国から輸入しているのは、産業機械、半導体、家電などで、中国が米国から輸入しているのは、大豆、古紙、木材、LNGなどである。つまり、中国が工業国、米国が農業国のイメージである。

 第三図は、米国がこれから発動する第4弾の中身で、横軸と円の大きさは輸入額の金額、縦軸は対中依存度を示すが、巨額のノートパソコンや携帯電話は、80%以上中国に依存していることが分かる。

 なお、中国の第4弾は未定だが、元来、中国の輸入総額はアメリカより遥かに少ないので、報復関税をかける物品は第3弾でほぼ尽きている。従って、関税ではなく、例えば「レアアース」の輸出抑制や、保有する米国国債の売却などの報復が噂されているが、これらは世界の緊張関係を一気に激化させ、世界経済の混乱が中国自身にも及ぶ危険性があり、中国は「虎の尾」を踏むかどうか分からない

 いずれにせよ、高関税をかけあう事態は、世界にブロック経済を生み、追い詰められた日独伊による第2次世界大戦開戦悪夢の再現を防がねばならない。

 

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