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2019年5月

2019年5月30日 (木)

日本の空母と垂直離着陸機

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https://the-liberty.com/article.php?item_id=14001

 来日したトランプ米大統領は、安倍首相と横須賀で護衛艦「かが」(写真一枚目)を視察した。日米同盟の絆を再度確認したと報じられたが、もちろん、トランプは兵器ビジネスが主目的である。「かが」は両首脳が乗った大きな昇降機の映像でも明らかなように、ヘリコプター用の小型空母であり、日本はこれを改造して、実質的な空母としてアメリカの一種の垂直離着陸機であるF35B戦闘機を搭載する計画である。

 日本が空母を持つ目的は、隣国の中国が保有しているのに対抗する面もあるが、当面は尖閣諸島有事の際、九州の自衛隊基地から戦闘機が発進するのでは遠すぎる点と、もし米中戦争勃発の際に、駆け付ける米空母の守り用らしい。ご承知のように、世界の空母は10万トンを超える原子力空母が主体で、アメリカには11隻あり、1隻で小国の兵力を上回るくらいの力があるようだ。日本の空母候補の護衛艦には「かが」と「いずも」の2隻があるが、いずれも2万トン以下で改造後も小型空母であることに変わりはない。

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https://www.sankei.com/photo/daily/news/180412/dly1804120014-n1.html

 この小型の空母搭載に最適な戦闘機は、垂直離着陸機で、VTOLとSTOVLの2種があるらしい。VTOLで有名なのがイギリスのハリアー機で完全な垂直離着陸ができる。一方、STOVLはやや斜めに離着陸するので、短い滑走路や甲板が必要になるが、積載重量や燃費を考えるとリーズナブルとか。F35B(写真二枚目)がSTOVLでは有力だが、F35は世界の次期戦闘機として最右翼で、ロッキード・マーチン社の単発単座のステルス機。特に情報統合に優れ、ヘルメットディスプレイでの360度視界が売りらしい。3種あって、F35Aが空軍用、F35Bが小型空母の海兵隊用、F35Cが大型空母の海軍用である。日本は147機発注済で、米国以外では最大の得意先とか。1機約100億円で補修部品など入れると200億円もする。

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https://kotobank.jp/word/VTOL機-122692

 ところで、この垂直離着陸はどういう仕組みになっているのであろうか。相次ぐ墜落で物議をかもしたオスプレイの場合は、プロペラの向きを90度変えることだったが、今度はジェット機である。VTOLの場合で簡単に説明すると、図のように離陸時にジェット流を下向きに噴出し、この噴出方向を徐々に斜めにして加速上昇し、水平飛行ではジェット噴出方向を水平にするだけである。着陸時はこの手順を逆にする。なお、F35の事故は一件もなかったそうだが、先月、青森県東方海上に航空自衛隊機が世界で初めて墜落した。原因不明。

 

2019年5月28日 (火)

日本企業最大の問題点

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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45217570U9A520C1MM8000/

 令和初の国賓として来日したトランプ米大統領は、連日、ゴルフ・大相撲・炉端焼きなど、安倍首相の「接待外交・抱き着き外交・泣き落とし外交」に あっている。アメリカの各紙は、それにしても4日間は長すぎるし、観光旅行ではないかとの批判もあるらしい。だが、あまり日本では報道されていないが、初日の夜にアメリカ大使公邸で、トランプは日本の経済界幹部30人を呼んでパーティをしている。これは実質的な成果であろうか。

 テレビニュースでチラと覗けたのは、最初にソフトバンクグループの孫正義会長(写真)、次にトヨタの豊田章男社長と握手している姿。言うまでもなく、トヨタとソフトバンクは、アメリカから見て評価できる日本唯一の企業2社であろう。なにしろ、株の時価総額で世界100社に入っている日本企業は、10年前はNTTドコモやホンダなど5社あったが、今ではこの2社しかないのだ。

 ところで、最新の日経ビジネスは、ソフトバンクGの孫会長が指摘した「日本企業最大の問題点」という記事を載せている。日本の経営者は従来の事業に固執するが、最大の問題はこのドメインの見直しができないこと。ソフトバンクは、設立時はソフトパッケージが事業領域だったが、その後、出版・インターネット・通信・AIと戦う場を常に変えて来た。つまり、勝てる領域に資源を投入して成長してきたのだ。

 ソフトバンクのように歴史の浅い個人企業ではこれが可能でも、長い歴史のある大手企業は難しいとの意見もあるが、日本に似た欧州の大企業でも変身に成功したところもある。ドイツのシーメンスは電力事業から、インフラや工場向けのデジタルソリューション(IOT)事業に転換しつつある。オランダのフィリップスは、家電・照明メーカーからヘルスケア企業に転身した。日本でも、旧電機メーカーで唯一気を吐くソニーは、もう音楽・映画・ゲームなどのコンテンツ企業である。

 話変わるが、最近、米国が次世代5G通信規格で世界をリードする中国のファーウェイ社対策の一環で、部品などのファーウェイへの輸出を禁じた。高機能半導体やアンドロイドOSなど、スマホなどにも必須の技術が多いが、世界が息を飲んだのが、実は英国ARM社の技術供与停止である。ARM社の技術の源流が米国にあると判定されたものだが、ARM社が凄いのは、世界の半導体やスマホの70-90%は、ARM社の特許などを使っているのだ。

 更に驚くのは、数年前、東芝のメモリ事業が売りに出されたとき、儲けが大きいので2兆円ならソフトバンクが買うのではとのうわさもあったが、孫会長は3.3兆円でこのARM社の方を買ったのだ。当時はいくら将来のIOTや5G通信時代に必須の技術とはいえ、たかが設計会社への投資としては過大であるとして、ソフトバンクの株価は10%下落した。ところが、今回のファーウェイの事件で、孫会長のドメイン判断が正しかったことが認証されたようだ。なお、ARM社については、本ブログの2016.7.19[ARM社」でも解説している。

joudeki.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/post-5cec.html

 

 

 

2019年5月22日 (水)

コレット

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https://www.orangepage.net/daily/2263

 TOHOシネマズ川崎で映画「コレット」(2018年、英米)を見た。川崎駅周辺は久しぶりで、当てにしていたシネマのあるダイスビル4Fのメガ書店「あおい」は閉店していたが、川崎駅ビルアトレ4Fの有隣堂の方は、場所が移動して雰囲気も喫茶店風を取り入れるなど様変わりである。

 映画を見たのは、英語通信教育で「コレット」で主役を演じたイギリス人女優キーラ・ナイトレイのインタビューを聞いたのがきっかけ。ナイトレイは、「プライドと偏見」(2005)、「イミテーションゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」(2014)などで、アカデミー主演女優賞にノミネートされている。ココ・シャネルのミューズを長年務めるなど、女性の解放と新たな生き方に共感してきたという。ただ、ナイトレイの映画だというのに、月曜午後のせいか客の入りは良くない。

 映画はフランスで一番有名と言われる女流作家、シドニー=ガブリエル・コレット(1873-1954)の伝記。田舎出のコレット(写真左、キーラ・ナイトレイ)は、20歳の時、パリで14歳年上の人気作家ヴィラール、ペンネームはウィリー(写真右、ドミニク・ウェスト)と結婚する。結婚後、ウィリーは「学校のクロディーヌ」シリーズで大当たりをとり、クロディーヌをイメージした帽子や付け襟、化粧品なども発売され大人気を得た。一時は、クロディーヌがパリを制したとまで言われたが、実はコレットが書いた作品。

 ウイリーは女性関係が派手だったが、コレットもロシア貴族の女性ミッシーをパートナーとするなど、夫婦間で公認の愛人をそれぞれが持つ、ベル・エポック(19世紀末から第一次世界大戦までの時代)を象徴するような関係であった。離婚後、コレットはパントマイム俳優、ジャーナリスト、実業家などの顔を持つ。代表作に「さすらいの女」(1910)、「シェリ」(1920)、「ジジ」(1944)など。まさに現在の#MeTooや#TimesUp時代の先駆け的存在で、1954年に亡くなったさいはフランス国葬。

 

 

 

 

 

2019年5月21日 (火)

「がん」とどう向き合うか

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https://www.asahi.com/articles/ASL1Y5TSRL1YUBQU00X.html

 学士会の午餐会で、垣添忠生国立がんセンター名誉総裁(写真)による「人はがんとどう向き合うか?」という講演を聞いた。78歳の講師は、若いころからがん研究や治療一筋で、その間に自分もがんに罹って何度か大手術を受け、妻までもがんで失ったと言う。現在も、公益財団法人「日本対がん協会」会長として、がんの予防やがん経験者の保護などの活動をしていて、本人の言では、まさに「一生がんにまみれて」生きてきた人間とのこと。

 まず、一口で「がん」とは何かというおさらいがあった。昭和初期から現在までの、日本人の病気による死亡原因の推移をみると、最初は圧倒的に「結核」が多かったが、戦後は「脳血管疾患」が首位を占め、30年前ころからは、今度が「がん」が1位となった。高齢者比率の増加にともない今後もがんが増加する傾向にあると。日本人は一生のうち2人に1人はがんになり、年間100万人を超す人ががんに罹り、うち38万人を超す人ががんで亡くなる。

 人間の細胞は60兆個からなり、各細胞の中には核があり、各核のなかには全長1.8mのDNAが詰まっている。各DNAには2万個の遺伝子があるが、うち100個以上のがん遺伝子、がん抑制遺伝子がある。がん遺伝子が活性化するか、がん抑制遺伝子が不活性化すると、正常の細胞ががん細胞に変身する。つまり、一口ででいえば、がんとは遺伝子異常による細胞の病気である。

 がんの原因は、食事35%、たばこ30%、感染症10%などであり、遺伝は5%と少なくて、生活習慣病の一種とも言える。日本では、過去、胃がんの比率が高かったが最近は減少傾向にあり、高齢化とともに前立腺がんなどが増えている。一般にがんの発生・進展には時間がかかり慢性の病気である。従って、がんの予防・検診による早期発見・緩和ケアなどが重要となる。がん患者の色々な実例の紹介があったが、人は実に多様で複雑な存在であり、人の強さ弱さをすべて包摂して医療はあると。

 以下、話はがらりと変わって、個人や哲学的な話題になる。妻の看病の話、亡くなった後の12年の過ごし方、自分の最近の人生観など。ヒトは宇宙の10の27乗mの広大な世界から、素粒子の10のマイナス35乗mの極小の世界まで、途方もないスケールの世界に漂う存在。一人一人は弱くて儚い存在だが、巨大な存在でもあり、どんな状況下に置かれても、人は希望があれば生きられ、大きな達成をすると。途中で趣味の山登りの風景のスライドが多数挟まり、深刻になりがちな話を明るくした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年5月20日 (月)

さらばキログラム原器

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http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0703/kilogram.html

 今朝の新聞に、今日から過去130年にわたって使われてきたキログラム原器(写真)が引退して、あらたにプランク定数(光子のエネルギーを振動数で割ったもの)をベースにした高精度のものになると言う。従来、水1リットルの重さを1kgとしてきたが、1888年にパリの郊外の国際度量衡局に設置した合金を世界基準の1kgとして、厳重に保管してきたらしい。しかし、各国に配置されたコピー原器との間に、最近指紋一個分くらいの誤差が生じたことが分かり、製薬などで不都合が生じる恐れもあって、不変の定数を基準とすることにしたと。

 ところで、最新の学士会会報に、田中充氏が「キログラム定義の改定」の題で、今回の改定の背景などを詳しく書かれている。国際標準は、メートル条約で7つの基本単位が決まっているそうだ。秒はセシウム133の電磁波周期、メートルは真空中の光の伝搬距離などが基準。他にアンペア、ケルビン(温度)、モル、カンデラ(光度)などがあるが、今回、キログラムに合わせて、アンペア以下の4単位も定義が同時に改定されたらしい。

 以下、余談だが、時間の秒単位など、日常不必要と思われるほどの正確さがなぜ必要となるのか、実例をちょっと調べてみた。例えば、カーナビである。衛星との電波のやりとりで、衛星とカーナビの時刻差から距離が分かり、もし、衛星が3か所あれば、自分の位置(X,Y,Z)が分かる仕組みである。位置精度を上げるため、衛星には原子時計が積んであるが、カーナビの時計の精度は一般に悪いので、衛星を1個追加して、4個の衛星を使って4元方程式を解き、正確な現在時刻tを求めるのである。

 他方、意外に知られていないのは温度の定義ではないか。1気圧の下での水の沸点を摂氏100度とすると、子どもの頃から教わって来たであろう。ところが、驚いたことに、最近は摂氏99.974度が沸点である。つまり、従来水が氷る温度を摂氏0度とした定義を、水の三重点(水蒸気、水、氷が共存する状態)を摂氏0度に変更したためである。今回、またボルツマン定数から温度(ケルビン)を定義するらしいが、素人にも分かりやすくして欲しいものだ。もっとも、だからと言ってどうと言うこともないが。

 

 

 

 

 

 

2019年5月15日 (水)

ケ・セラ・セラ

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https://kent-go.blog.so-net.ne.jp/2008-05-05

 大女優の京マチ子が95歳で亡くなったが、一日前にアメリカの女優で、ケ・セラ・セラの歌で有名なドリス・デイも97歳で亡くなっている。ドリス・デイは学生時代に映画「先生のお気に入り」(1958年)で見て、何故か気になっていたが、京マチ子より年配とは知らなかった。多分、もともと歌手出身で、ヒッチコックの映画「知りすぎていた男」(1956年)にて、ケ・セラ・セラを歌った時は、もう30歳を越えていたせいかも知れない。

 そこで、久しぶりに「知りすぎていた男」のDVDを見た。アメリカから、息子のハンクと共に休暇でモロッコを訪れたベン(ジェームズ・スチュアート、写真右)と妻のジョー(ドリス・デイ、写真左)。だが、知り合ったばかりのフランス人スパイが、ベンの腕の中で謎の言葉を残して死亡。さらにハンクが誘拐され、イギリスへ連れ去られてしまう。

 周りの誰も信用できなくなった夫妻は、単独で息子を捜すため、国際暗殺組織の只中へ飛び込んでいく。だが、最後に監禁されていたハンクを救ったのは、ジョーのケ・セラ・セラの歌声であった。見せ場は、アルバートホールでの演奏会で、シンバルの音に合わせて犯人が狙撃する瞬間に、ジョーが大声をあげて暗殺を防ぐ。

 余談だが、このシンバルの音が使われる有名な小説に村上春樹の「1Q84」があるが、この時の曲名はヤナーチェクのシンフォニエッタである。ヒッチコックがロンドンフィルで使った曲の方を調べたが、1934年のこれもヒッチコックの「暗殺者の家」で作曲されたものらしい。結局、「知りすぎていた男」は、「暗殺者の家」のリメークであり、ヒッチコック映画の常連作曲家バーナード・ハーマンの編曲であることが分かった。

 なお、Que,Sera,Seraはスペイン語で、Whatever wlll be,will be(なるようになる)の意味だとされてきたが、実はスペインでは使われず、米製スペイン語とか。日本では和訳されて、雪村いづみ、ペギー葉山により歌われ大ヒットしている。

 

2019年5月13日 (月)

都立日比谷高校

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https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a9/Nagatacho-Shinsaka-02.jpg

 おサルさんから「朝日に日比谷が大きく載っているわよ」と教わった。「いま子どもたちはーー足もとの宝物」という教育欄のシリーズ物で、何と日比谷高校の雑草研究会(雑研)の紹介である。都立日比谷高校(写真一枚目)は、地下鉄赤坂見附駅から写真の急な坂(遅刻坂)を5分ほど登った小高い岡の上にある。最近は、地下鉄永田町駅、国会議事堂前駅、溜池山王駅なども出来て至極便利になったようだ。

 日比谷の名は旧府立一中が、20世紀の初頭の30年間ほど、現在の検察庁のあたりにあったゆかりで戦後に付けられたらしい。差し詰め、現在地では「永田町高校」がぴったりであろうか。校庭からは国会議事堂が真正面に見えるこの都心の地でも、高校の南北西の斜面は雑草が生い茂り、雑草研究には事欠かないそうだ。先日のテレビで、運動会でも捕虫網を持っていた昆虫博士の日比谷OBの話を聞いた。

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https://twitter.com/_O_daifuku_O_/status/1085496780475686915

 話変わるが、正月過ぎに同窓会から珍しくメールが来て、「日比谷高校がNHKの探検バクモンで特集されるので見て」とある。お笑い番組は余り見ないので知らなかったが、探検バクモン(写真2枚目)は、2012年から続いているNHKの人気番組で、この3月に終わりになるとか。

 驚いたのは、日比谷高校生たちの熱狂的な歓迎ぶり。「トゥース」の連発に大騒ぎで、全国公立高の中でも、東大進学数1位(50名)の進学校とはとても思えない。だが、授業が始まると様子は様変わりである。60年前と変わらず生徒が先生となる「発表授業」である。これは生徒に自発的な予習を行わせる効果がある。昔と違ったのは、英語授業での生徒間の英語ディベート。最近の医学部入試での女性差別を扱っていたが、かなり高度な内容と見た。これらは生徒が対話を通して学ぶ「生きる力」をつけるアクティブラーニングと呼ばれる新しい試みとか。

 面白かったのは、9月の学園祭でのクラスごとの劇。切符が売り切れるほどの人気があるとか。最近は一般公開しているようだが、結構、準備が大変だった記憶がある。番組では紹介がなかったが、一風変わっていたのが、ホームルームのクラス分け。生徒が担任を選ぶ「旗立て」方式で、逆に生徒はどこかの「閥」または「グループ」に属さないと孤立する。まさに社会的な「生きる力」を身をもってつけるのだ。

 番組では、夏目漱石や谷崎潤一郎など大先輩の資料紹介があり、谷崎は180人中1位の成績である。ウイキペデイアによれば、日比谷高校は、オリンピック金メダリスト(西竹一、乗馬)、内閣総理大臣(阿部信行、軍人)、ノーベル賞受賞者(利根川進)を輩出したが、これは神奈川県立横須賀高校と2校しかないそうだ。ちなみに、横須賀高校の方は、柔道の猪熊功、小泉純一郎元首相、ノーベル賞の小柴昌俊である。余談だが、上記の「西竹一」という人は、元男爵で欧米にて豪遊し、「バロン西」としてチャップリンなどとも交遊した歴史的に有名な人物である。

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https://mainichi.jp/articles/20170122/org/00m/100/009000c

 上の表は東大合格者数ランキングで、左欄の1965年では日比谷は181名で断トツ1位で、都立高が上位を占めているが、右欄の2016年では開成など国私立が10位までを独占し、日比谷は欄外だがかろうじて11位の53名である。だが、2003年に僅か3名まで落ち込んだにしては良く回復した。

 ところで、ウサギさんが在籍したころでも、男子300名、女子100名のうち、男子の過半数は東大に入ったと思う。入学前は予備校みたいな所と想像していたが、入って見てびっくりした。まるで受験準備めいた雰囲気はないのだ。夏は勝山で水泳合宿し、合唱祭や星陵(学園)祭、部活も活発で、先生も授業をしないで生徒任せであり、英語も受験に全く関係ない古典などが教材である。何か教師も生徒も、余裕綽々、全国区から集まった生徒の能力を過信して格好つけているようにも見えた。

 だが、3年生になって4年生(補習科)と一緒の構内模擬試験を受けると厳しい現実を知る。東大合格などはほど遠いことを知るのだ。それでもまだ懲りずに、9月の学園祭などに打ち込んだりするうちに受験となり、見事に浪人して補習科の世話になるパターン。補習科はまさに公立の一級の予備校だが、学校群導入の際に目の敵にされ廃止された筈。

 

 

 

2019年5月 9日 (木)

キーエンス

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https://www.keyence.co.jp/products/sensor/photoelectric/ps-n/

 日本で社員平均給与が一番高い上場企業はどこ? 35歳平均で年収2088万円だが、銀行、商社、証券、テレビ、外資系などではなく、なんとキーエンスという従業員2200人ちょっとの大阪の企業であることを最近日経ビジネスで知った。キーエンスと言うのは、あまり一般広告などは打たない謎めいた企業なので、知っている人は限られるであろうが、興味を持ってちょっと調べてみて魂消た。たいした会社だ。

 給与が最も高いのに加えて、平成時代で株の時価総額の増加額が、キーエンスはトヨタに次いで2番目に多いそうだ。ちなみに3番目は日本電産だが、平成時代中に創業した楽天やユニクロなどは別である。なお、関係ないが、逆に平成時代中に時価総額を大きく下げたのは、NTT、東電、野村證券の順とか。

 キーエンスは、1974年に浦崎武光が尼崎でリード電機として創業し、1986年にKey Of Scienceに由来するキーエンスへ社名変更したらしい。ファクトリオートメーションの各種センサー(写真)の自社工場を持たないファブレス企業であり、アイデアとデザインで高収益を上げたアップルとちょっと似ている。世界44か国に200拠点をもち、売り上げの過半は海外というグローバル企業。創業者の浦崎武光は、ユニクロの柳井正、ソフトバンクの孫正義、楽天の三木谷浩史などとならぶ長者番付トップクラスの常連とか。

 キーエンスの原価率が18%と低いのが高収益を上げるもとだが、元キーエンス社員の話では、ともかくニッチのマーケットだが、世界一、世界初のセンサーなどを顧客の要請で作り、高く売るのが上手であると。それを他の顧客へ横展開するマーケッテイングにも長けるそうだ。元東芝のメモリ、ソニーのCCDなどの例からわかるように、特長がありシェアが高ければ、1品でも全社を支える巨額の利益を稼げる仕組みである。それにしても、たかがセンサー(失礼)で、世界の大トヨタと張り合うとは驚き。

 

  

2019年5月 7日 (火)

ジャンクDNA

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https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_967.html

 先日のNHKスペシャル「遺伝子」で面白い映像を見た。西郷どんの鈴木亮平(写真左)のつばをとって、ゲノム解析し、本人の顔(写真右)を推定して見せたのだ。びっくり、かなりそっくりではないか。事実、アメリカではもうこれを利用して犯人逮捕の実績があるとか。こんな事が可能になったのは、ヒトゲノムの98%を占める、従来ゴミと思われたジャンクDNA部分の研究かららしい。

 それと、ヒトゲノムの解析にかかる費用が、最近、技術の進歩で劇的に下がったこと。研究室などで多量の解析をする場合は、信じられないが一人当たり5000円と、普通の病院での血液検査ともう大差ないのだ。ちなみに個人でのゲノム解析依頼をインターネットで調べると、1件10-14万円で承りますと出ている。

 ヒトの細胞の数は60兆個と聞いていたが、何故か最近では37兆個になったらしい。この各細胞の核の中には、2mにも及ぶDNAが折りたたまれていて、各DNAは30億対の塩基から成り立つ。このDNAのうちたんぱく質の合成をするなど重要な遺伝子DNAは2%しかなく、残りの98%の部分は役立たずのゴミと考えられ、ジャンクDNAなどとひどい扱いを受けてきたらしい。

 ところで、チンパンジーとヒトのDNAは96%ほぼ同じであり、ネズミ85%、ミバエ61%はよいが、バナナ60%となると、おいおいといった感じになるであろう。つまり、ジャンクDNAは40億年という長い生物進化の歴史そのものが詰まっているのだ。それにしても98%もの不要な情報を、なぜ後生大事に人間はコピーし続けてきたのであろうか。これに疑問を持った研究者は、大量に安価に手に入るようになったヒトゲノム情報を分析して最近大発見をした。

 つまり、ジャンクDNAは、ゴミではなく、ヒトの顔、性格、才能、発病など色々なことに影響する重要な要素で、NHKはトレジャーDNAと名付ける。直接、DNA塩基組み合わせ情報に従って、たんぱく質の合成をするのは遺伝子DNAだが、それらを刺激したり制御したりサポートする役目などを担っているらしい。ある人の例えでは、車を製造するのは組立工たちだが、彼らをサポートする多数の営業・管理・食堂の人たちが必要であると。

 

 

 

 

 

2019年5月 4日 (土)

ニムロッド

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 昔は芥川賞受賞作は、必ず文芸春秋を買うのを通例としてきたが、最近はずっとサボってきた。ところが、日経の電子版で、1月の受賞作「ニムロッド」(写真)の主人公が、今はやりの仮想通貨のマイナーであり、著者の上田岳弘が、ITソリューション企業の役員経営者で、二足の草鞋を履いていることを知り、興味が沸いて買ってみた。 

 
 主人公の中本さとしは、小さな東京のサーバ会社のマイナー(採鉱)担当課長だが部下はいない。仮想通貨ではブロックチェーンという技術を使い、そのデータを保全するため世界中のマイナーといわれる人たちが、日夜、競争してナンスという暗号を計算して探す。最初にナンスを見つけた人は、仮想通貨で1200万円ほどの報奨金がもらえる仕組みなので、大手が電力料金が安い中国などの大規模なコンピュータセンターで計算するのが普通。ただ、それでも計算パワーが不足するので、個人や小企業が空いたサーバーやPCを使って、下請けアルバイト的な仕事も可能となる。
 
 さとしの1年先輩の荷室(ニムロッド)は、精神を病んで名古屋支店に移るが、実は相当な実績のある作家であり、役立たずに終わった航空機の歴史という妙な研究をしている。また、仮想通貨で儲けた金で、バベルの塔を模した壮大な塔の建設をするという小説にも忙しい。
 

 かたや、さとしのガールフレンド田久保紀子は、胎児の遺伝子検査で中絶し同時に離婚した経歴を持つが、国際的な企業買収などのベテランで、シンガポールなどへの出張を繰り返す裕福なビジネスウーマン。やがて、荷室に関心を持つ。登場人物はこの3人だけ。

 技術は進歩し、システムは次々に新しくなるが、何故か不快感が漂う世界。いつの間にか、人類は人類を置き去りにして、とんでもない高い塔を建ててしまったのではないか。なお、「ニムロッド」とは、旧約聖書でバベルの塔を造った立役者の名であり、「中本さとし」はビットコインの発案者で、2兆円の資産家となったといわれる豪州人?の名でもある。

 ともかく、年寄りには読むのがしんどい小説。ラインの画面がやたらに登場し、ctrl+c、ctrl+vなどの表現が通常化しているが、これも令和の時代に生き残るには仕方があるまい。

 

 

2019年5月 2日 (木)

三種の神器と国璽・御璽

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https://jpnculture.net/sansyunogingi/

 天皇の退位と即位の式典で、「三種の神器」と「国璽・御璽」が重要な役を務めた。ただ、4人の侍従が恭しく掲げた箱は4個しかない。つまり「三種の神器」のうちの「鏡」がないのだ。日本人なら誰でも知っているのかも知れないが、何故かなと思ってネットでちょっとチェック。

 「三種の神器」は、写真一枚目が示すように、八咫鏡(やたのかがみ)、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、草薙剣(くさなぎのつるぎ)の三種である。このうちの八咫鏡は、宮中三殿の賢所のご神体そのものであるため、動かさずにそのまま受け継がれ、剣璽等承継の儀には登場しないそうだ。

 なお、「八咫鏡」の本物は伊勢神宮にあり、皇居のものは型代と言われるいわばコピーとか。ついでに「草薙剣」の本物も熱田神宮にあり、皇居御所の剣璽の間に保管された剣もコピ-。従って、皇居にある本物は「八尺瓊勾玉」のみである。ただ、「三種の神器」の箱の中の実物は、天皇すら見たことがなく、誰も知らない現代のミステリーの一種とか。 

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https://www.touken-world.jp/blog/19909/

 次に、重そうな2個の箱に入ったのが、「国璽」と「御璽」で、いわば、国と天皇のハンコである。写真2枚目の真中が「国璽」の印で、明治4年に作られたので大日本国璽と書いてある。ハンコは9cm角の金製で4kgと重く、戦前はよく使われたが、戦後は勲章の勲記に使われるのみとか。

 右側が「御璽」で、ハンコは「国璽」と同じサイスだが、これも重くて一人では押せず、職員二人がかりで押す。詔書、法律、政令、条約、批准書、大使信任状、全権委任状など、国家として重要な多数の文書に押されるらしい。

 

 

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