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2019年3月

2019年3月27日 (水)

創作四字熟語

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https://www.topics.or.jp/articles/-/18336


 住友生命が平成時代象徴の創作四字熟語として、アンケート1位に東日本大震災を表す「天威無法」(天衣無縫、2011年)が選ばれたと発表した。2位は阪神大震災の「震傷膨大」(針小棒大、1995年)、3位はバブル崩壊時の「泡年万削」(豊年満作、1990年)である。


 創作四字熟語は1990年から世相を反映する企画として住友生命が始め、毎年1万作の応募があるとか。俵万智が最初から選者を務め、朝日の天声人語などに、一年を振り返る格好の材料として使われるらしい。同様なものに、第一生命の「サラリーマン川柳」、日本漢字能力検定の「今年の漢字」、自由国民社の「今年の新語・流行語大賞」、東洋大学の「現代学生百人一首」などがあると。


 アンケート4位はオウム真理教の「富士騒然」(父子相伝、1995年)、5位は東西ドイツ統合の「異旗統合」(意気投合、1990年)、6位は米国同時テロの「万国胸痛」(万国共通、2001年)、8位はソ連崩壊の「紙面ソ禍」(四面楚歌、1991年)など。その他、ウサギさんが面白いと思ったのが、米リーマンブラザーズ経営破綻で「兄弟減価」(兄弟喧嘩、2008年)、トランプ大統領就任で「万事虎風」(馬耳東風、2017年)など。


 なお、スポーツ関係も結構ある。新聞には出ていないが、横浜ベイスターズが優勝して「横星復古」(王政復古、1997年)、長嶋の引退で「長3慕思」(朝三暮四、2001年)、交流戦開始で「セパ琢磨」(切磋琢磨、2005年)、イナバウアー荒川静香の「銀盤反舞」(大判振舞、2006年)、テニスの大坂なおみの「全米庭覇」(全米制覇、2018年)など。


 


 


 


 

2019年3月23日 (土)

ジェイ・ルービン


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http://densoken.jp/?page_id=115
 英語通信教育のインタビューで、ハーバード大名誉教授ジェイ・ルービン(写真一枚目)の話を聴いた。知らなかったが日本文学翻訳の第一人者で、村上春樹の「1Q84 book1,2」、「ねじまき鳥クロニクル」、「ノルウェイの森」や、夏目漱石、芥川龍之介の英訳などで世界的に知られる人とか。
 ウサギさんが「1Q84」の英語訳を3度も読んだのは、何故か日本語より分かりやすくて心地よい感じがしたため。インタビューでは、単に英訳するのではなく、日本語の裏の意味や、何故その言葉を選んだのかなど、作者が生存する場合は、納得するまで電話で質問するそうだ。ただ、村上の場合は作者に別に深い考えがあるわけではなく、ルービンの考えすぎであることが多かったとか。
 また、日本語の勉強は19歳から始めたため、日本人のように作品を感じることができないので、翻訳文は必ず日本人にそのニュアンスをチェックして貰うとのことーー実に謙虚である。
 現在98歳の大先輩ハワード・ヒベットの場合は、漱石の翻訳の場合はディケンズの文体を真似したり、谷崎の関西弁の場合は、女流作家の英語方言を真似るなど、一流の翻訳家は単なるAIの機械翻訳などとはレベルが違うそうだ。ただ、芥川は作品ごとに文体が変わる稀有の人であり難しいし、一番翻訳しづらいのは太宰治とかーー例えば、漢文調でサムライの威厳を示すなどの英文化は不可能に近いらしい。
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https://www.pinterest.jp/pin/382806037075049516/
 ところで、ルービン自身の訳を含む日本の短篇小説をテーマ別にセレクトしたアンソロジー(写真2枚目)が、昨年10月に発行されたらしい。The Penguin Book of Japanese Short Stories で、川端康成、芥川などの文豪はじめ、村上、吉本ばなな、河上未映子など現代作家の短篇も収録とか。震災や原爆など天災、人災をモチーフにした作品も集めたとかで読みたくなり、今日ついでに寄った藤沢のジュンク堂で探したが見つからず。ペーパーバック版が近く出るらしいので、アマゾンででも買ってみようか。でも、日本文学をわざわざ翻訳で読むのも妙ではある。

2019年3月20日 (水)

イギリスとEUの今後を読みとく

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https://www.google.co.jp/search?q=%E6%B1%A0%E6%9C%AC%E5%A4%A7%E8%BC%94&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=0ahUKEwjBrrqopJDhAhUTE4gKHRGMBK0Q_AUIDygC&biw=1172&bih=650#imgrc=1fLYGIQF4ohqZM:&spf=1553069933331
  学士会の午餐会で、池本大輔明治学院大学教授(写真一枚目)の「イギリスEU離脱ーイギリスとEUの今後を読みとく」という講演を聴いた。学士会会長の挨拶では「まさに時宜を得た講演」と言う事だったが、本人によれば今日は特に英国最悪のタイミングで、講演の題を「今後は読みとけない」に変えたいとか。
 ご承知のように、キャメロン首相時代の2016年6月の国民投票にて51.9%でBREXITが決まった。其の後の混乱は、2017年6月の下院総選挙でメイ首相の与党保守党が過半数を失い、北アイルランドの民主連合の閣外協力で、かろうじて政権を維持したことに始まる。その後のEU離脱に関する議会ゴタゴタは広く世界に恥をさらした。詳細は一切省いて、そもそも本質的にイギリスは何故EUを離脱するのか?                  
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https://talking-english.net/england/
 まず、英国は歴史的にヨーロツパ統合に消極的であった。独・仏など大陸諸国はお互いに領土侵略などの痛い経験があるが、イギリスはそれらがなく、欧州統合参加も1972年と20年遅れたし、通貨もユーロを使っていない。だが、EU統一市場に引かれて入ったものの、その後に東欧諸国が加盟して思わぬ移民の流入を招き、世間の反発(ポピュリズム)を招いた。また、ギリシャに発したユーロ危機で、ロンドンの金融センターへの規制が厳しくなり、特に金融で食っている英国は、EU加入のとばっちりを受けたと感じた。
 離脱で関税問題や手切れ金(6兆円)が生じるのは分っていたが、思わぬトラブルになったのが、北アイルランド問題。長らく紛争が続いた北アイルランドは、1998年にやっと南北合意し、国境は自由往来可能となった。ところが、英政府は今回のEU離脱に関して、両立不可能な次の3条件を主張するので解がないのだ。①南北アイルランドの物理的な国境管理は避ける。②北アイルランドと英本国の間で、法的地位に相違がないようにする。③英国はEUの単一市場、関税同盟(対日、対米など)の双方から離脱する。
 イギリスは多数決型民主政治の典型例で、今回のように色々な案がでると、どれも成立しないので、妥協案の策定が困難になる。今後のシナリオは、①政府案に基づき6月に離脱。 ②合意無しの離脱。これは英国側からはないが、EU側から出る可能性がある。 ③離脱延期。ただ、国民投票の可能性は低いと。一時は「よせばよかった」の反省から、再度の投票があれば「離脱せず」が勝つかに見えたが、最近はEUの欠点だけがクローズアップされ、EU残留支持は25%くらいしかないと。
 それでは、長期的に英国はどうなるか? 今回の講演では触れられなかったが、ウサギさんの勝手で無責任な推測では、ソ連が解体してロシアが残った感じになるのでは? つまり、UKは解体して、2枚目写真の4本の旗(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)に戻るのでは。
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http://www.dhbr.net/articles/-/4816
 最後に今回の英国のようにポピュリズムが台頭する背景の説明があった。アメリカなどで世界でこの傾向がみられるが、原因は経済的な不平等ではなく、社会的なリベラリズムに対する反発である。グローバル化でここ30年は、産業革命以降で初めて世界的な所得格差が減少した時期だとしている。
 上図で、横軸は所得、縦軸はこの30年での所得の増加率を表すが、真中で山になったところは、中国・インドなどであり、右端のピ-クは世界で上位1%の富裕層。右側で谷になったところは、先進国の中間層(我々のこと)で過去30年間で所得の伸びがないことを示す。
 経済のグローバル化批判が誰によってどう政治的に組織されるか(BREXIT、トランプ)が重要と。BREXITやトランプは、グローバル化をめぐる議論の対象を、所得・富の分配や金融規制の問題から、移民や貿易へとシフトさせたそうだ。
 

2019年3月18日 (月)

地球の大きさ、重さ、年齢

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 本棚を整理していたら、読んだ記憶がない本を見つけた。「人類が知っていることすべての短い歴史」(ビル・ブライソン 2006年、写真一枚目)で、「科学は退屈だと信じているあなたへ」と腰巻に書いてある。結構、面白そうな本を何故読んでいないのか不思議に思って、未公開の旧ブログをチェックすると、ちゃんと読んでいるではないか。12年でもう忘れるとは、辛いが自分の認知症の度合いを再確認させられた。

 著者は、紀行作家で科学とは全く無縁の人。多くの世界中の科学者に嫌がられながらも、辛抱強くインタビューして、この科学の歴史大書をまとめたと言う。知りたがりやの著者は、海は年月とともにしょっぱくなっていくのか? 地球の真中に太陽まがいのものがあるなら、地面は熱くて触れられない筈だが? 原子の内部のことがどうして分かるのか? ほとんど全てのことが分る科学者はなぜ水曜日に競馬場へ傘を持って行くべきか分からないのか? などの疑問を持つ。

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http://www.asahi.com/edu/nie/tamate/kiji/TKY200508220108.html

 なかでも、著者が関心を持ったのは地球自体で、昔の人はどうやって地球の大きさを測ったのか? また、地球の重さはどうやって測った? 地球の年齢はどうして分かった? これらに関する科学者たちの面白い競争や軋轢、人間関係のエピソードなどは、本書にいやというほど登場するが、肝心の科学技術的な本質的なポイントは何故か触れられていない。そこで、ウサギさんがちょっとネットで調べてちょっかいを出して見た。 

 まず、地球の大きさは、もう紀元前3世紀にギリシャのエラトステネスが測っているらしい。第一図のように、エジプトのシエネの深い井戸に夏至の太陽光が直射するが、同時刻に920km離れたアレクサンドリアで太陽の角度を測ると7.2度であり、これはシエネ・アレクサンドリア・地球の中心でつくる扇の中心角度に等しい。従って、地球の円周の長さは、920x360/7.2=46000kmと計算される。実際は40000kmだが、当時の科学水準からすれば、相当に高い精度であろう。

Fig01

 

http://fnorio.com/0006Chavendish/Chavendish.htm

 次は、地球の重量だが、1798年にキャベンディッシュが測量している。これはちと難しいので、考え方の概略だけを紹介する。第二図のように大きい重い鉛の球2個と、小さく軽い鉛の球2個を準備する。小さい球2個に棒をつけ、その真中をワイヤーでつるす。すると、小さい球は、大きい球の引力と、ワイヤーのねじりの戻りで、微小の振り子運動を繰り返す。これをねじり秤と言い、この振り子の振れの大きさを測ると、万有引力の重力定数Gが求まる。すると、地球の半径の長さから、地球の重量が計算できるのである。キャベンディッシュが計算した地球の重さ60垓トンは、驚異的に正確で、最新の計測値との誤差は1%以下とか。

 ところで、地球の年齢に関して、本書のなかで延々と過去の論争に触れている。御承知のように、ごく最近までネックになったのが、ここでも聖書の天地創造の教えである。長い間、6000年未満であったが、ニュートンは5万年まで拡張した。1862年トムソンは、地球の冷え方から計算して2000万年から4億年の間とした。ラザフォードは1902年ウラン鉱が7億歳であることを見つけている。1946年アリゾナの鉄隕石の放射線同位体から、46億年余であることが発見された。御承知のように、放射線同位体は、決められた崩壊定数λを持ち、時と共に放射線崩壊を起こして元素の数が減るので年齢が分かるのである。


2019年3月14日 (木)

ファクトフルネス

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https://note.mu/tokuriki/n/n4cc69cd7251f

 近所の本屋を久しぶりで覗いたら、ベストセラーとして「FACTFULNESS」(ハンス・ロスリング他著、写真)が積んであったので、面白そうだと思って例の如く衝動買いした。

 はなから、12問の簡単なグローバルに関する常識クイズがあり、答えはABCの3択で、チンパンジーでも33%の正答が得られるが、日米欧などの先進14か国アンケートの正答率は10%位しかない。これは知識や知能レベルが低いからではなく、ノーベル賞受賞者などでも同じ傾向とか。

 本書は、それが何故なのかを分析してくれる。つまり、我々がデータに基づく事実をベースに世界を考えていないし、間違った思い込みや、マスコミによる物事を悲観化する思考に慣らされてきたせいとしている。

 ハンス・ロスリング(1948-2017)は、スウェーデン人の医者かつカロリンスカ大学医学部教授で、グローバルヘルスの分野でアフリカなどで活躍。スウェーデンの国境なき医師団を立ち上げ、TIME誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた人らしい。

 なお、FACTFULNESSなる英語は著者の造語だが、チンパンジーにも負けるクイズのいくつかを紹介する。

*質問1 現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するや?   Aー20%、B-40%、C-60%。 正解はCの60%だが、14か国の平均正答率は7%しかない。なお、日本も7%で世界平均。多くの人はAを選んだが、20%以下はアフガニスタン、南スーダンしかないそうだ。

*質問3 世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わった?  Aー約2倍、B-変わらず、C-約半分。答えはCの約半分だが、正答率は10%以下で日本も10%。 なお、ここ20年での中国・インドでの貧困率改善の貢献が著しいと。

*質問5 15歳未満の子供は現在世界で約20億人であり、2100年にはどうなる?  Aー20億人、B-30億人、C-40億人。 正解はAの20億人だが、平均正答率は15%くらい。ただし、韓国(45%)と日本(36%)が突出して高い正答率を示した。この2国は高齢化、少子化が進んでいるせいならん。

 ところで、人口に関連して大陸人口の暗証番号という面白い記述がある。世界の今の人口約70億人は、マクロに南北アメリカに10億、欧州に10億、アフリカに10億、アジアに40億で、その暗証番号は1114である。ところが、2100年の世界人口は110億人となり、その暗証番号は1145となると。つまり、アフリカが40億と人口大爆発を起こす見込みなのだ。

*質問7 自然災害で毎年亡くなる人の数は過去100年でどう変わった? Aー半分以下になった、 B-あまり変わらない C-2倍以上になった。答えはAの半分以下だが、平均正解率は10%で日本は15%。自然災害による人口あたりの死者数では、この100年で94%も減少しているそうだ。

*質問9 世界中の1歳児の中で、何らかの病気に対して予防接種を受けている子供はどのくらい? Aー20%、B-50%、C-80%。 正解はCの80%で正答率は約15%だが、日本は極端に低い6%の正解率で何か低い原因があるのかも。だが、正直言って、80%は「思いがけない現実」といっても良いかな。それとも、ウサギさんも思い込みと言うバイアスがかかっている?

 これらの誤解が生じる原因としては、①「世界は分断されている」という思い込みー分断本能。 ②「世界はどんどん悪くなっている」という思い込みーネガティブ本能。 ③「世界のある事象はひたすら増え続ける」という思い込みー直線本能。 ④危険でないのに恐ろしいと考えてしまうー恐怖本能。 ⑤「目の前の数字が一番重要だ」という思い込みー過大視本能。

 ⑥「一つの例が全てに当てはまる」という思い込みーパターン化本能。 ⑦「全ては予め決まっている」という思い込みー宿命本能。 ⑧「世界は一つの切り口で理解できる」という思い込みー単純化本能。 ⑨「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込みー犯人捜し本能。 ⑩「今すぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込みー焦り本能など。

 ただ、事実(ファクト)に基づいて世界を見れば、これらの本能を押さえることができ、世の中、それほど悪くないと思えてくる。これからの世界を良くするには何をすればよいかも見えてくるはずと。

2019年3月12日 (火)

平成の30冊

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http://blog.livedoor.jp/ono_ha_monika/archives/22910354.html

 平成時代の最後に「平成を振り返ってXX」という企画が大流行りである。最近、朝日新聞が「平成の30冊」という特集をした。書物の評論を担当する各界の識者120人にアンケートし、一人ベスト5冊を選んで貰ったらしい。従って、一般読者とは違ったバイアスがややかかっているかも知れないが、ともかく30冊は平成を代表する作品であろう。この30冊から上位10作品を紹介する。

 1位は村上春樹の「1Q84」(2009)。おサルさんは奇怪なリトルピープルなどが登場して、途中で投げ出したらしいが、何とウサギさんは日本語版で2度読み、英語版(写真)も2度読んで、この正月から英語版3度目を終わったところ。何故何度も読んだのかは自分でも分からないが、プロットが複雑で分り難かったのと、エンターテイメントに徹している点が気に入ったのであろう。ただ、世界で800万部も売れては、ジンクスからノーベル賞は無理かな。

 2位はカズオ・イシグロの「わたしを離さないで」(2006)。こちらはノーベル賞受賞作家である。旧ブログによれば、おサルさんから薦められて2007年に読んでいる。クローン技術で生まれた若者たちの過酷な世界にショック。

 3位町田康「告白」(2005)、4位宮部みゆき「火車」(1992)、同票4位桐野夏生「OUT」(1997)、同票4位東浩紀「観光客の哲学」(2017)だが、残念ながらウサギさんはこれらを読んでいない。

 7位はジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」(2000)である。こんな堅い本が入るなんて不思議だが、ウサギさんはこの人の本が大好きで、今も栄図書から「文明崩壊(上下)」を借りている最中。思考スケールが大きい人で、文明の発展・消滅などに独特の考え方がある。例えば、アメリカ大陸やアフリカ大陸に比して、ユーラシア大陸の文明の方が何故進んだのか? それは、大陸の形が東西に長いから。農業でもし良い作物が見つかると、東西にはほぼ同気温なので伝わりやすいが、南北に長いと気温差があり伝搬は途中で途切れてしまう。

 8位は小川洋子の「博士の愛した数式」(2003)。これはおサルさんと映画を見ているが、おサルさんによれば本の方がずっと良いと。オイラーの公式、eのiπ乗+1=0であるのが、博士が愛した数式だったと思う。第一回の本屋大賞の受賞作。

 9位は小熊英二の「民主と愛国」(2002)だがこれも知らない。

 10位はまたも村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」(1994)。非公開版の旧ブログを見ると、ウサギさんは2006年に何故か図書館から借りて読んでいるが、感想は「よく分からず」と一言あるのみ。

2019年3月11日 (月)

グリーンブック

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https://movies.yahoo.co.jp/movie/%E3%82%B0%E3%83

 おサルさんと上大岡TOHOシネマズで「グリーンブック」を見た。アカデミー賞作品賞など3賞の受賞作のせいか、日曜朝一だがほぼ満員である。珍しく予約して置いて正解だった。

 1962年、ニューヨーク。一流ナイトクラブの用心棒トニー・リップ・ヴァレロンガ(写真左、ヴィゴ・モーテンセン)は失職して、黒人一流ピアニストのドクター・ドナルド・シャーリー(写真右、マハーシャラ・アリ、アカデミー助演男優賞受賞)の南部演奏ツアーのお抱え運転手となる。

 無教養でガサツな黒人嫌いのイタリア系のリップと、カーネギーホールに住む!上品で誇り高きシャーリーとの、黒人旅行者向けガイド「グリーンブック」片手の珍道中が始まる。

 黒人差別がまだ色濃く残る南部では、様々な事件が持ち上がるが、口がうまく腕っぷしの強いリップの活躍で何とか2か月のツアーを乗り切り、二人の友情は深まって行く。

 実話をコメディー風に映画化。アカデミー脚本賞受賞三人の一人、ニック・ヴァレロンガはリップの実の息子である。また、リップ自身もイタリア・マフィア関係の映画に多数出演していたそうだ。なお、おサルさんによれば、リップ役のヴィゴ・モーテンセンはデンマーク系で、イタリア系のこの役は当初固辞したが、脚本を読んで気に入った。だが、痩せていたので体重を増やすのに苦労したとか。

 この映画は、勿論、白人の黒人差別が主テーマだが、白人同士のイタリア系、ドイツ系、ロシア系、ユダヤ系などの対立反目も処々に顔を出す。やはり、人種のるつぼ、アメリカである。なお、最近でも白人警官などによる黒人の酷い扱いが多発し、この映画でも「白人の視点からであり甘すぎる」との批判も結構多いとか。

 リップが土産物のジェム・ストーンをいつもの癖?でちょろまかしたり、リップから奥さんへのユーモラスな手紙など、映画を彩るちょっとしたエピソードも楽しい。

 

2019年3月 9日 (土)

外交から見た平成という時代

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http://kouensupport.jiji.com/international/1480.html

 平成も余すところ1か月半となったが、平成時代の30年を振り返って総括する記事がマスコミで盛んである。昨日の学士会夕食会でも、田中均日本総合研究所国際戦略研究所理事長(写真)の、「外交から見た平成という時代」なる講演を聴いた。

 田中氏は、外務省アジア大洋州局長などを歴任したが、2002年の小泉首相の日朝首脳会談のフィクサーとして特に有名。だが、右翼からは「北朝鮮のスパイ」とされ、自宅に爆弾を仕掛けられたりした。2005年の退官後は、東大特任教授などの研究畑を歩んだが、今日の話などから、学者というより依然として政治・官僚色濃厚である。父は日商岩井の元会長とか。

 「平成の外交とは一口で何だったのか」との話はなかったが、聴講者からの北朝鮮外交に関する質問の応えの中で、ちょろっと、「受動的な外交であった」と述べたのが、平成時代全般の日本の外交を要約しているように感じた。

 平成時代の世界の潮流は、①先進民主主義国と中国・インドなど新興国の力のバランス変化。この30年間でGDP世界シェアは、アメリカは25%->24%と変わらず、中国は2%->15%と激増、日本は13%->6%と一人後退した。 ②ポピュリズムの台頭と新興国での専制的体制の跋扈。EUなどでは移民への国民の不満を政府が代弁。特にロシアが欧州のポピュリズム活動を支援。 ③アメリカの指導力低下ーー相次ぐやり過ぎた戦争で疲弊した。

 次に、平成時代の日本外交の趨勢は、①安保体制が整ってきたが、これは安倍政権の成果。ただ、朝鮮半島動乱勃発時の日本の対応は全く不十分。 ②「西側の一員としての国際協力」から、「主張する外交」へ。ただし、排他的なナショナリズムは要注意。 ③政治主導の外交へ。外交はプロフェッショナルな識見が重要なのに、官邸による人事の弊害が目立つ。

 これからの日本外交の課題として、①憲法を改正すべきか? ドイツのような「普通の国として人道のための海外派兵」を目指すという意味で、9条改正は賛成だが、それには安保の改正が必須であり、日本単独での防衛は事実上不可能。従って、当面は憲法改正は現実的でなく反対である。 

 ②米国と中国との距離をキチンと議論すべき。トランプは側近が次々に裏切るなど無茶苦茶だが、国内の分断を巧みに使い、不満層の40%の岩盤支持を得て、政権は続きそうである。しかも、後継者も同じ戦略をとる可能性がある。 

 一方、冷戦時代のソ連は経済的に封じ込めができたが、中国は経済的に世界に繋がり孤立化さすのが難しい。米中貿易戦争で中国が最も恐れるのは、経済成長率低下と対米マネジメントで国内で権力闘争が起こること。中国は大きくなると外国との共存が必要となり、いずれ変わり得ると見る。また、日・豪・印安保や、日中関係好転は、対米関係が悪化するが、反面、梃子に使う事もできるのだ。

 ③外交を進める体制の改善が必要。外交は、情報の収集、分析、評価が重要で、これが欠けると、イラク戦争での大量破壊兵器保有誤認のようなことになる。このようなプロフェッショナルな人々が意見を言えることが重要だが、官邸主導の不健全人事や、自民党議員の主導などが横行している。自分は健全なる批判勢力として、マスコミの道も歩んだが、報道機関そのものがすくんでいる。

 最後に、出席者から朝鮮半島と北方領土に関する質問があった。朝鮮半島は、過去500年に渡って、日露中からの脅威の下にあり、日清戦争、日露戦争も朝鮮が発端である。しかも、日本は植民地化してきた。従って、頭ごなしに諸事を言うべきではなく、お互いにウィンウィンの関係を築く必要がある。何故、北朝鮮と日本は首脳会談を持たないのか不思議であり、日本の受動的外交と言わざるを得ない。またロシアが無関心のこの時期に北方領土交渉推進とは解せない。

2019年3月 8日 (金)

奇想の系譜展

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https://news.nicovideo.jp/watch/nw4838409

 都美術館での「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」にT社のOB会の帰りに寄った。10日のNHK日曜美術館で特集される予定なので、混む前に行って見た。大規模かつ話題性のある展示会だが、折からの大雨のなか、意外に待ち時間なしで入れた。

 NHKは主催元の一つで、日美のURLによれば、--その身の毛もよだつ凄惨な構図。ありえないような人物描写。日本画と思えないほどのけばけばしい色彩。かって異端とされたアバンギャルドな絵画は、いかにして主流になったのか?--とある。

 今や絶大な人気を誇る伊藤若冲(1716-1800)による「象と鯨図屏風」(写真1枚目)。しかし、戦後に再評価されるまでは、忘れ去られた画家だったそうだ。歴史の中に埋もれた知られざる傑作に、再びスポットを当てたのが、1970年に出版された美術史研究者辻惟雄の「奇想の系譜」。そこには、日本画のイメージを覆すような、前衛的で自由奔放に新たな表現を求めた絵画の数々が掲載されていたらしい。

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https://www.cinra.net/review/20120420_art_shohaku

 本展では、上記の「奇想の系譜」で取り上げられた6名の画家、伊藤若冲(幻想の博物誌)、曽我蕭白(醒めたグロテスク)、岩佐又兵衛(執念のドラマ)、狩野山雪(狩野派きっての知性派)、長沢芦雪(京のエンターテイナー)、歌川国芳(幕末浮世絵七変化)の他に、白隠慧鶴(奇想の起爆剤)、鈴木基一(江戸琳派の鬼才)を加えている。

 写真2枚目は、曽我蕭白(1730-81)の「雪山童子図」で、赤と青のどぎつい色彩の対比が、当時としてはエキセントリックとか。なお、蕭白については、本ブログの「お宝発見」2018.5.5でも紹介している。

http://joudeki.cocolog-nifty.com/blog/2018/05/post-6251.html

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https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/12_hakuin/works.html

 写真3枚目は、白隠慧鶴(1685-1768)の「達磨図」。80歳を超えた禅僧の最晩年の大作。

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https://blogs.yahoo.co.jp/anonymat_21/52225242.html

 写真4枚目は、歌川国芳(1791-1861)の「相馬の古内裏」。

 展示作品数は113点に及ぶが、その所蔵元が多様なのに驚く。海外、国内もバラバラで個人蔵も多いようだ。学芸員もやりがいがあり、かつ、大変であったろう。久しぶりに気合の入った展示会。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年3月 4日 (月)

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https://www.renoco.jp/knowledge/158/

 最近、畳屋さんからよく電話がかってくるが、マンションなどが増え、和室は昔よりかなり減って、畳の需要は少なくなっているに違いない。気の毒だが、「生憎、家には畳の間がありません」と売り込み電話を断っているが、実は四畳半が一間あるのだ。床の間と仏壇が置いてあり、帰って来た子供たちの泊り場所にもなっている

 昨日、一階と二階で四畳半二間の畳の表替えをした。建て替え15年ぶりだが、姑・嫁コンビが大活躍である。昔と違って、朝7時半に畳を工場に持ち帰り、もう3時過ぎに終わった。イグサではなく和紙の畳表は、カビ・ダニの心配がないとか。そこで、それこそ「親の顔を見たい」と言われそうだが、ウサギさんは畳についても全く無知な事を発見。以下は、ネット調査の結果で、畳を知っている人は読み飛ばしを奨める。

 そもそも、畳は日本固有の文化で、古代の畳は、筵・茣蓙・菰などの薄い敷物の総称であり、使用しないときは畳んで部屋の隅に置いたことから、動詞である「タタム」が名詞化して「タタミ」になったのが畳の語源だそうだ。

 乾燥させた稲藁を強く圧縮して縫い止め、厚さ5.5cm程度の板状に加工した畳床の表面を、イグサを編み込んで出来た畳表でくるんで作る。縦方向の縁には畳表を止める為と装飾を兼ねて、畳縁と呼ばれる帯状の布を縫い付けるが、一部には縁の無い畳もあると。

 畳には縦横比が2:1になっている長方形の一畳サイズと、これを横半分にした正方形の半畳サイズの2種類がある。大きさは3×6尺のものが基本となるが、部屋の寸法に合わせて注文生産される場合が一般的なのでサイズは一定していない。一般的な規格としては、京間(6尺3寸)、中京間(6尺)江戸間(5尺8寸)団地間(5尺6寸)の4種類が有名。

 この畳の寸法にいろいろなものがある原因は2つあるそうだ。ひとつは、基準となる1間の寸法が異なること。太閤検地の時は1間は6尺3寸であったが、江戸時代になると6尺が中心となった。 もうひとつの違いは、家の建て方を、「畳を基準とする(畳割り)か、それとも柱を基準とする(柱割り)か」である。当初は畳割りであったが、江戸時代になると柱割りが主体となったらしい。

 京間は主に近畿・中国・四国・九州と西日本の大部分で使用され、中京間は主に愛知・岐阜や福島・山形・岩手および北陸地方の一部と沖縄・奄美大島で使用されているそうだ。江戸間は関東・東北地方の一部、北海道と伊勢地方で使用され、団地間は公団住宅・アパート・マンション等、共同住宅や高層住宅のほとんどで使用されていると。これらは、江戸や明治時代の大阪・名古屋・江戸の各経済勢力圏を示していて興味深い。

 畳床は、近年では稲藁の入手が困難であること、製造が難しいこと、重くて取り扱いが面倒であること、ダニ・カビ等が発生しやすいこと、などの理由から新素材が利用される場合が多いと。木材チップや発泡スチロールで、建材畳床または化学床と呼ばれる。踏み心地や通気性では藁床に及ばないが、安価で軽く、階下への防音性能に優れるらしい。

 また、畳表は畳床と異なり現在でも天然素材が一般的だが、合成繊維を織った畳表や、合成樹脂の表面に畳の目を型押しした畳表もあると。日焼けした畳表を新品のように色鮮やかに見せるため、畳用塗料、あるいは畳ワックスが塗られる場合もあるそうだ。

 畳床を畳表で包むとき、長手方向には畳表を巻き付けて裏側で畳床に縫い付けるが、横方向は畳床の幅に合わせて畳表を切り揃えてしまう。切り放しのままでは畳表が固定されないので、畳縁で切り口を隠すと同時に畳床に縫い付けて止める。畳縁は目立つので、色や柄で部屋の雰囲気が大きく変わる。 昔は、身分等によって利用できる畳縁に制限があったとか。

 お疲れさまーー最後に畳の敷き方。祝儀敷きと言って、4枚の畳の角が一か所に集まらないようにする。 そういえば、六畳の間でも2x3を単純には並べていない。こんな大事な理由を今更知るなんて、お前は日本人かよ!!
 

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