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2019年2月

2019年2月26日 (火)

キャサリン・マンスフィールド

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https://amanaimages.com/info/infoRM.aspx?SearchKey=22214001614

 今日はロートル・ウサギさんとは、全く正反対の世界の話で、柄にもなく英文学科の女子大生にでもなった感じである。キャサリン・マンスフィールド(1888-1923年、写真一枚目)は、全然知らなかったイギリスの女流作家。毎月の英語通信教育で、彼女の短篇「蠅、The   Fly」が教材となり、その前半から後半を推察するもの。
 
  前にも、O・ヘンリーの「よみがえった改心」でも同じことが起こったが、何故か後半を無性に知りたくなって、栄図書からマンスフィールドの短篇集「不機嫌な女たち」(2017年、芦澤恵訳)を借りてみた。
 ウッデイフィールド氏は、定年後、家でぶらぶらしているが、火曜日だけは町に出て、相手の迷惑をものともせず、各所で旧交を温めている。ある日、もと上長で5歳年上の社長の事務所を訪ねた。ウ氏は伝える用件があった筈だったが、覚えだせずにいると、社長が極上のウィスキーを振る舞い、飲んでいるうちに思い出した。
  6年前の第一次世界大戦で戦死した息子のベルギーでの墓を、最近娘たちが訪問し、近くに社長の息子の墓も見つけたという報告。だが、社長は多くを語らないので、ウ氏は事務所を辞去した。

  そこで、後半の推測になるが、息子の何かが関係するのは間違いないが、鍵となるのは「蠅」という題名で、蠅と息子が何を意味するのか、ちょっと推定不可能であろう。また、O・ヘンリーと違って、マンスフィールドは、淡々とした細かい描写が得意とかで、ドラマチックなプロット展開はありえないと来ている。

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https://matome.naver.jp/odai/2140193805786477501/2140194201489115503

 社長は、一人息子の成長を唯一の楽しみにして、全てを犠牲にして働いて来た。息子も期待に応え、立派な社員として働き、朝夕、父子で出勤する様を人々は羨んだ。ところが、息子が出征したあと、一通の戦死を告げる電報が全てをご破算にしてしまった。

 ウ氏が去った後、社長が一人で机で物思いにふけっていると、机上の口の広いインク壺の中に、蠅が一匹泳いでいるのを見つけた。救い出して吸い取り紙の上に置くと、蠅はインクをふるい落とし飛び立とうとした。そこで、社長はあることを思いつき、インクを一滴蠅の上に落とした。

  だが、今度も蠅はもがき飛び立とうとする。「なんと、勇敢な気概のある奴」と社長は思い、また、たっぷり一滴加えた。「さあ、今度はどうする?」。息詰まるような重苦しい時間が過ぎたが、またもや蠅は動き出した。「おまえはたいしたやつだ」。そこで息を吹きかけて乾かす手助けをしようと考えたが、「これが最後だ」とインクをまた一滴垂らした。そこで、蠅は遂に動かなくなったのだーー。

 ウイキペデイアによれば、キャサリン・マンスフィールドは、ニュージーランド生まれとしては最も有名な作家で、主にイギリスで作品を発表した。病のため34歳という短い作家生命に終わったが、中流階級の家庭に起きるささいな事件と、それにまつわる人間心理の機微を描いて高く評価されていると。その描写には作家本人の孤独、疾病、嫉妬が反映されていると共に、チェーホフの影響が強いらしい。 同時代の英国女流作家のヴァージニア・ウルフ(1882-1941年、写真二枚目)は、「マンスフィールドの作品は、私に嫉妬心を抱かせる唯一のもの」と言ったそうだ。

 父親がニュージーランド銀行頭取という恵まれた出身だが、ロンドン留学帰国の2年後に、再度渡英してからその運命は暗転する。たびたびの男性運にも健康運にも恵まれず、失意の生涯だったようだ。上記の「不機嫌な女たち」という変わった題の短篇集から、「幸福」、「ガーデン・パーティ」、「人形の家」などの代表作を読んだが、どれも感情の揺れを繊細に掬い取り、日常に潜む皮肉を鋭くえぐり出す。読者に深く考えさせるエンデイングは特に秀逸。

2019年2月23日 (土)

素晴らしい裏方たち

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ttps://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1902/22/news072.html

 JAXAの探査機「はやぶさ2」(写真一枚目)が、小惑星りゅうぐうの半径3メートルしかない目標地点の着陸に成功した。トラブルが相次いだ「初代はやぶさ」に比べて順調で、日経によれば、米国・中国の1/10以下と言う限られた宇宙予算の中での成功は、日本の特長を生かし世界に存在感を示した。小惑星という地味な分野だが、宇宙小国ニッポンの生きる道を示していると。

 りゅうぐうは、月よりも800倍ほど遠く、地球との交信に往復で40分ほどかかる。はやぶさ2からの情報を地球に送って指令を返していては、着陸動作の修正は間に合わない。そこで、それまでの観測から岩の大きさや高さを推定し、着陸の姿勢や方法などを検討。それにもとづいて作った指令をはやぶさ2に送り、エンジンの噴射のタイミングを細かく自動制御しながら着地に成功したらしい。 

 ところで、これらの快挙の報道は全てJAXAが正面に立ち、裏方である衛星メーカー名は一切登場しない。まあ、それが役割分担だから仕方がないが、元メーカーのエンジニアの端くれのひがみかもしれないが、もしトラブルや事故があれば必ずメーカー名が公表されるのだ。

 そこで、ネットで調べたところ、「はやぶさ2」の主製造業者はNECとあり、「初代はやぶさ」はNEC東芝スペースシステムとある。なお、NEC東芝スペースシステムとは、2001年にNEC60%、東芝40%の出資比率で両社の宇宙事業部門を分離統合したもの。その後、経営不振に陥った東芝は2015年に手放したらしいが、「はやぶさ2」の打ち上げは2014年だから、実際の開発製造は当時のNEC東芝スペースシステムの筈である。

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https://www2.ctv.co.jp/news/2018/09/10/21519/

 この優秀な裏方で有名な例が浜松ホトニクスである。なにしろ光電子増倍管で世界シェア約90%であり、2002年に小柴昌俊教授がノーベル物理学賞を受賞したが、これは浜松ホトニクス製の20インチ光電子増倍管が大量に設置されたカミオカンデで、ニュートリノを観測した功績によるものである。

 続くスーパーカミオカンデ(写真2枚目)でも、同タイプの光電子増倍管が研究に大量に用いられ、2015年の梶田隆章教授のノーベル物理学賞受賞に大いに寄与している。小柴、梶田両氏とも、浜松の方には足は向けて寝ていない筈である。

 また、2013年のピーターヒッグス教授等のノーベル物理学賞受賞は、CERN(欧州原子核研究機構)のLHCプロジェクトによる、ヒッグス粒子の存在確定があった。そのセンサ部分には、同社製のSSD(シリコン・ストライプ・ディテクタ)、APD(アバランシェ・フォトダイオード)、光電子増倍管が用いられていたそうだ。

 2010年小惑星「イトカワ」の観測を終え戻ってきた、小惑星探査機「初代はやぶさ」にも同社が開発・製造したInGaAsイメージセンサとCCDイメージセンサが搭載されていたと。

 話変わるが、ノーベル賞と言えば、山中伸弥氏など研究助手のちょっとしたミスが、反って大発見につながることが多いらしい。これも一種の「素晴らしい裏方」だが、先日のNHKスペシャルによれば、「裏方」イコール本人で、ノーベル化学賞を貰った人が田中耕一氏とか。間違えてグリセロールとコバルトを混ぜてしまい、捨てるのがもったいないので実験に使ったところ、タンパク質の質量分析法を見事に発見したと言う。

 「イグノーベル賞」も良いけど、「裏方ノーベル賞」などいかが?  ちょっと、差しつかえがあるかな。

2019年2月22日 (金)

内閣人事局

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http://agora-web.jp/archives/2019199.html

 今朝の朝日は、毎月勤労統計の調査方法について、厚生労働省が中江元哉・元首相秘書官の「意見」を受け、有識者検討会の結論を変えた可能性が浮上したとしている。この厚労省側の証言に対して、中江氏(現財務省関税局長)は「記憶にない」を連発したそうだ。

 野党は、官邸の意向を官僚が、またもや忖度したとの批判を強め、これは森友学園や加計学園事件と全く同じパターンだとしている。朝日は、この官僚の忖度の原因に、「内閣人事局」の存在があると指摘。そこで、この悪名高い?内閣人事局をちょっと調べた。

 内閣人事局(写真)は、内閣官房の一部局として、2014年に安倍内閣の時に発足した。2012年以前の民主党政権の際、官僚が政権の意向を度々無視したので、内閣の意志を徹底する趣旨で設置したらしい。アメリカなどでは、大統領が変わると、官僚トップが総入れ替えになるにも倣ったかも。

 従来の官僚人事は、政務次官などを除いて、政権は口出しせず、省庁からの原案を人事院が総括してきたが、内閣人事局の発足で600人に及ぶ幹部クラス官僚の人事が、首相やその側近の意向で決められるように変わったらしい。

 特に側近の秘書官経験者や、首相に有利な「記憶にない」答弁の人々が出世したり、首相の意向に反した官僚が左遷されるのを見て、全ての官僚が首相および側近の意向を忖度するようになったと言う。この20日に、安倍首相は連続在任日数で吉田茂と並んで歴代2位となったそうだが、この長期政権の背景に、官僚への支配を強めたことがあると。

 小林喜光経済同友会代表幹事の説によれば、平成は日本の敗北の時代であった原因の一つが、現政権の官邸一強体制による官僚の委縮にあるとしている。一方、一握りの首相秘書官等による、無謀な原発輸出推進策で、東芝・三菱重工・日立などが、2兆円に近い損失を被ったが、官邸はあくまで「考え」を示しただけで、その責任はとらないで済む仕組みなのだ。

 ところで8000億円もかかる巨大な国際的な科学装置ILC(国際リニアコライダー)が、北上山地に作られる計画が進んでいる。学術会議が無用の長物として、日本誘致に否定的な答申をしたが、安倍政権はオリンピックや万博など、格好な成果PRのテーマを探しており、またもや側近が誘致を画策する恐れが大である。

2019年2月20日 (水)

「着る」アフリカ展

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http://takarabune.org/blog/?p=449

 Eテレ日曜のアートシーンは必ず見ているが、横浜で開催中の「着るアフリカ展ーーアフリカはカッコイイ!」の紹介があった。はて、あーすぷらざとは、聞いたことがあるがどこだったけと一瞬思ったが、何のことはない近所の本郷台駅そばの展示場である。図書館の帰りにちょこっと覗いて見た。

 コンゴでは月3万円と生活は苦しいが、その中でも金を貯めておしゃれを楽しむ人々を「サプール」(写真一枚目)と呼び、コンゴのファッション文化とか。原則3色を使い、服が汚れるから争わないと言うのが彼らのメッセージ。今回、多数の写真が展示されている。

 なお、一口にコンゴというが、実は2つの大小独立国からなり、元仏領のコンゴ共和国と元ベルギー領のコンゴ民主共和国(10倍くらい広い)。両国の首都ブラザビルとキンシャサは、コンゴ川を挟んで向かい合っているそうだ。

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http://enplus.jp/?mode=f2

 次は、タンザニアやケニアなど、東アフリカで使われる「カンガ」(写真2枚目)。単なる一枚の布だが、様々な生活の知恵が詰まっているそうだ。普段着だけでなく、冠婚葬祭やインテリアにも使われる。巾1.1m、長さ1.5mの色鮮やかなプリントで、スワヒリ語で格言や流行語などが必ずついている。ジナとよばれるこれらの言葉は、自分の気持ちを表すのにも使われ、「喋る布」とも呼ばれると。

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https://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/5/58/Chikyushimin.jpg

 ところで、ネットで調べると、あーすぷらざ(写真3枚目)は、本郷台の消防学校跡地に1998年に開館している。「神奈川県立地球市民かながわプラザ」が正式名称で、主に国際交流を目的とした施設とか。そのせいか、青年海外協力協会などが運営を行っているらしい。なお、栄区民文化センター「リリス」も併設されている。

 また、突然のアフリカ展開催には訳がある。今年の8月に横浜でアフリカ開発会議があるのだ。日本政府が主催し1993年から始まったが、何故か2008年、2013年も横浜国際平和会議場(みなとみらい)が会場だったらしい。推察がつくとおり、会議主催は、中国がアフリカに大投資をして、実質、欧州に代わって植民地化しているのに対抗してである。2016年のナイロビ宣言で、安倍首相は3年間で3兆円のインフラ投資を約束している。この会議のアフリカ参加国だけでも53カ国もあり、特に国連総会などの投票に威力を発揮するらしい。

 

2019年2月18日 (月)

国家非常事態宣言

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https://japan-indepth.jp/?p=43987

 米国トランプ大統領は、またも自身の選挙公約を遵守する暴挙に出たが、全く、物議をかもす人である。上下院が可決した2019会計年度予算に署名したあと、メキシコ国境の壁建設(写真一枚目)をめぐり、国家非常事態宣言を出したのだ。予算には14億ドルに及ぶ壁建設予算が盛り込まれたが、自分が要請した57億ドルに遠く及ばなかった上に、コンクリート製ではなく鉄の薄板などであったため不満たらたらのためと。

 アゴラのURL(安田佐和子氏のブログ)によれば、非常事態宣言は、1917年にウィルソン大統領が初めて行ない、第2次世界大戦中は、ルーズベルト大統領が、これで日系アメリカ人を隔離させたと言う。現代の非常事態宣言は、ウォーターゲート事件などを経て、1976年に成立した国家非常事態法に依拠すると。今回のトランプの発動で存在する有効な非常事態宣言は32回目(無効分を含めると52回)を迎えたらしい。

 これにより、メキシコ国境の壁建設は、①米軍建設予算、②麻薬撲滅予算、③財務省の管理下にある財産差し押さえファンドなどから割り当てられると。当初は57億ドルの予算を要請していたが、政権は今回の宣言で最大80億ドルの捻出が可能と試算している模様。

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https://www.youtube.com/watch?v=J3h9MeaViP0

 1976年以降、最初に行使したのはカーターで、イランのアメリカ大使館での人質事件(1979年)。2000年以降では、2001年にブッシュの同時多発テロ事件発生時(写真2枚目)、直近ではオバマが2015年にサイバー攻撃をめぐり宣言。非常事態宣言で大統領が行使できる分野は136に及び、戒厳令の発動ほか海外派兵、資産凍結、旅行制限などが含まれるよし。問題は、今回の非常事態宣言が果たして「国家が危機、非常事態、緊急事態の脅威」に直面しているか否か。

 そもそも、「非常事態宣言」は取り消し可能? 大統領が不適切に権限を行使したと、上下院が判断し差し止め法案を過半数で可決すれば、同宣言を無効とする一歩が踏み出せる。しかし、トランプが拒否権を発動すれば元の木阿弥。そうなれば、米上下院で3分の2の票の合同決議をもって、非常事態宣言を差し止められるそうだ。ただ、民主党が多数派を握る下院で仮に共和党議員を取り込み3分の2の票を集められたとしても、共和党が過半数を占める上院では極めて困難であろう。

 今回の非常事態宣言を「違憲」と判断した民主党などが提訴することは可能。既にメキシコ系移民が人口の37%を占めるカリフォルニア州では、提訴の構えをみせる状況。ただ、法廷闘争は時間が掛かること必至。最高裁判事も、昨年夏に中道派の一人が引退し、保守派をトランプが指名したので、9人の判事は、保守派5人、リベラル派4人である。

 ところで、事前の世論調査(2月12~13日実施)では、米国民の69%がメキシコ国境の壁建設を受けた非常事態宣言に反対と回答し賛成は僅か31%。だが、トランプは驚かない。世論調査と選挙投票行動は別であることを熟知している。学士会での中林美恵子氏の講演によれば、アメリカ人の選挙投票率は一般に50%以下だから、批判分子の大半は口先だけで、実際は投票所へ行かないのだ。もしもトランプ信奉者が1/3もいれば御の字である。彼らは必ず投票するから。従って、トランプとしては、世論やマスコミ論調などは無視してでも、支持者の気に入る施策をどんどん進めれば良いわけだーー民主主義を標榜するアメリカのおかしな実像ーー。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AD%A6%E8%A6%96%E5%BA%81%E4%BA%88%E5%82%99%E9%9A%8A

 一方、日本ではどうであろうか。ウイキペデイアによれば、第二次世界大戦後の占領期の1948年4月に起こった阪神教育事件に際し、GHQが発令した例があるそうだ。また1954年までは、旧警察法に基づいて、国家非常事態宣言を出す権限が内閣総理大臣に与えられていたが、2019年現在、根拠法令はないとか。

 ただ、現在の日本では、非常事態宣言に類似する制度として、災害対策基本法に基づく災害緊急事態の布告と、警察法に基づく緊急事態の布告とがあり、いずれも内閣総理大臣が発するらしい。また、2011年の東日本大震災では、原子力災害対策特別措置法による原子力緊急事態宣言が発令されている。

 なお、上記の阪神教育事件(写真3枚目)は知らなかったが、GHQの指令を受けた日本政府が、「朝鮮人学校閉鎖令」を発令し、日本全国の朝鮮人学校を閉鎖しようとした事に対して、1948年(昭和23年)4月14日から26日にかけて大阪府と兵庫県で発生した在日韓国・朝鮮人と、日本共産党による大規模な暴動あるいはテロ事件。

 その詳細は分からないが、大阪・兵庫ともに知事室が占拠され、兵庫県だけで1600人-7300人が逮捕されたと言う。同年5月5日、朝連教育対策委員長と文部大臣との間で、「教育基本法と学校教育法を遵守する」「私立学校の自主性の範囲の中で朝鮮人独自の教育を認め、朝鮮人学校を私立学校として認可する」との覚書が交わされ、事件は決着を見たと。

 

 

2019年2月17日 (日)

東京の地下世界

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https://store.shopping.yahoo.co.jp/kidsroom/g9625.html#&gid=itemImage&pid=1

 たまたま、最近のNHKテレビの「チコちゃん」と「NHKスペシャル」の両方で、東京の地下世界の話が放映された。余り、普段、気にして居なかった話題だが、興味を持って見たし、その後、例の如くちょっとネットで情報を補足追加して見た。従って、新規のニュース性はない。

 チコちゃんの問題は、「東京の地下鉄路線は何故ゴチャゴチャ?」(第一図)。答えは、土地の所有権が地下にも及んでいるから。民法では「土地の所有権は上下方向にも及ぶ」となっているそうだ。従って、地下鉄を新規に引く際は、地権者の全ての了解をとり、借地料を払う必要がある。

 ただ、こんなことは実際的ではないので、結局、地下鉄は道路などの公共用地の下を通すことになる。名古屋や大阪などは比較的道路が碁盤目のように整理されているから良いが、東京は広大な江戸城(皇居)が真中に蟠踞し、しかも周りの堀が「の」の字のように取り囲んでいるので、道路の方向性は滅茶苦茶だそうだ。

 このように、狭い範囲に地下鉄が集中すると、後から出来た路線は地下深いところに潜らざるを得ない。都営大江戸線の六本木駅は、最も深く地下42.3mにあり、地上に出るのに5-6分はかかるそうだ。また、今後、品川始発のリニア新幹線など、まっすぐな地下路線の建設が必要となるので、2001年には、40mより深い地下での公共利用を可能とする「大深度法」が施行されたよし。 

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 一方、NHKスペシャル「東京リボーン第2集、巨大地下迷宮」では、東京の地下世界の集積度は世界一と言われ、13の地下鉄路線が複雑に交差し、電気・ガス・水道・通信などのライフラインが密集。地下トンネルやケーブルすべてをつなぎ合わせると、その長さは地球3周分にもなると。都内で進む地下の大規模プロジェクトは200以上。狭い日本の中でもさらに小さな土地しか持たない東京の中心部にとって、地下は「大フロンティア」としている。

 また、あまり知られていないのが、大地震の時、地上に比べて地下は揺れが小さくなる傾向にあり、都では災害時の避難用シェルターを現在の3倍・90万人分の規模に拡大する計画を打ち出しているが、その多くは地下に作られる予定とか。

 ところで、最も複雑で全貌をつかむのは困難とされてきた東京駅周辺の巨大地下世界を、NHKは初めて立体的に可視化した(図2)。赤色はJR東日本、黄色は東京メトロ、緑色は東京都の管轄範囲を表すが、他に周辺ビルとの連絡通路も多数あり、複雑なシェルター群を災害時に全体的にコントロールする組織がはっきりしないとも言う。

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https://nuki2pon.exblog.jp/24661956/

 スペシャルでは、過酷な地下鉄工事の歴史を紹介しているが、なかでも救いとなったのが、トンネルを掘る巨大なシールドマシン(写真)の登場とか。知らなかったが、約30億円もするこの機械は、使い捨てで工事が終わると地下深くに埋められ、その数は都内だけでももう1000台にも及ぶらしい。

 何故使い捨てなのか辺りに興味を持ってネットで少し調べて見た。まず、この機械は工場で作るような装置かと思ったら違った。こんな巨大なものは運搬できないので、現地で数か月かかって組み立てるいわば建造物であり、他にも使える汎用性はないらしい。

 だが、掘り進めるために、この建造物を少しずつ前進させる必要があるが、車輪などは使えず多数の油圧ジャッキで押すのである。そのジャッキの足場として、コンクリートの円筒の枠を壁に少しずつ嵌めて行く。従ってもうバックは出来ない仕組みである。進むスピードは一日約10mくらいで、多数のジャッキのコントロールで、若干の左右、上下の方向転換が出来るそうだ。

 先端の回転する多数の鋭い刃で岩石などを砕き、ベルトコンベアで土砂を出口へ送るが、これらの刃は5km分位進む期間しか使えず、そこでそのシールドマシンの寿命が尽きる。取り出しが不可能に近いこともあって、トンネルの壁近くの地中がマシンの墓場となるのである。遠い将来、考古学者が多数のマシンの残骸を見つけて、得々として講釈するさまが目に浮かぶようだ。

2019年2月12日 (火)

新しい暗号の誕生ー格子暗号方式ー

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https://www.hummingheads.co.jp/reports/series/ser01/111013.html

 今頃、ブログに書くのは、まさに「六日の菖蒲、十日の菊」だが、昨年6月のNHKサイエンスZEROの「量子コンピュータでも解読不可能!? 新しい暗号誕生なるか」の再放送を一昨日見て、関心かつ大いなる疑問点をも持ったのでネットでちょっと調べた。八十路に近い素人ロートル元SEの調べだが、正直言って難しすぎてお手上げに近い。

 放送の要旨を一口で言えば、現在ネットや銀行などでも広く使われているRSA公開鍵暗号方式が、2030年頃には量子コンピュータで解読される恐れがあり、世界中で代替の新しい暗号方式の研究開発を進めていると。

 現在のRSA公開鍵暗号方式(図1)は、1977年に発明された画期的な暗号方式で、従来、秘密にした暗号化の鍵をむしろ公開鍵にすると言う逆転の発想。大きな二つの素数の積である公開鍵を、素因数分解して復号の鍵を得るのに、スパコンの計算でも10年位かかるという性質を巧みに使った。

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http://eetimes.jp/ee/articles/1709/22/news018.html

 当面、これで一安心と思っていたところ、よしゃ良いのに?1994年MIT教授のピーター・ショアが、量子コンピュータ向きの並列演算を使った素因数分解アルゴリズムを発見した。現在、量子コンピュータの量子ビット数は70位だが、早晩、1000ビットにでもなれば、RSA公開鍵暗号は簡単に解読されてしまうそうだ。

 ところで量子コンピュータ(図2)とは何物であろうか? 量子力学はかのアインシュタインでさえ理解できなかったほど難しいので、ウサギさんなどに簡単に分かる筈はないが、例えば、普通のコンピュータは、2進法で3桁の101は数字なら5を表すが、量子コンピュータは、各桁が0と1を同時に表すから、000から111まで、つまり、0-7の8通りの値を同時に持つのだ。この例は3ビットだが、これが1000ビットになれば、通常のコンピュータは一時にたったの1情報を示すだけだが、量子コンピュータは2の1000乗という桁違いの多くの情報を持てるのだ。

 従って、とんでもなく高速の演算の可能性があるし、並列の計算などは大得意である。ただ、容易に推察できるように、何分気まぐれにふるまう量子ビットなので、その姿を同定するのが難しい。よって、量子コンピュータ向けの特殊な演算アルゴリズムが必要になり、それが上記のショアのアルゴリズム以外に、グローバーのアルゴリズム(例えば、人名でソートされていない電話帳を効率よく引くようなデータベース検索)などがあるが、まだ、あまり多くはないそうだ。

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https://www.nict.go.jp/publication/NICT-News/1303/02.html

 ところで、2026-30年頃には、量子コンピュータによる現行暗号方式の解読がなされるという危機感から生まれた新しい暗号方式が、格子暗号方式(図3)で、現在、各国でその検証が行われているそうだ。だが、これがまた素人泣かせでさっぱり分からないが、その雰囲気だけでも紹介する。

 これも一種の公開鍵暗号方式で、上図で右の送信者が、まず左の受信者に格子暗号で送信したい旨を伝える。受信者は直交に近いベクトルは秘密にして、少し斜めの平行に近いベクトルを作って送る(これで何だか分る人は凄い!)。送信者は送られて来たベクトルを適当に整数倍して足し合わせ、更に送りたい情報の「ずれ」を加えて暗号文ベクトルとし、受信者へ送信する。

 受信者は送られた暗号文ベクトルの座標に一番近い格子点を、直交に近い秘密のベクトルを使って計算し、「ずれ」から目的のメッセージを復元する。要は、受信者が持つ直交に近いベクトルが分からないと、一番近い格子点の計算が簡単にはできないのがミソ。上記の例はベクトル2本の2次元だが、実際はベクトルの数は1000本とかになるそうだ。

 さて、全くの余談だが、NHKの番組には東芝の総合研究所の研究員が、格子暗号のエキスパートとして登場した。東芝と言えば、盛んに事業売却してコンパクト化したので有名で、中央病院まで売ったので、当面儲けにならない代表格の総合研究所はもう売却済みかと思ったら、意外に違ったらしい。流石、東芝と変なところに感心ーー小泉元首相ではないが「米百俵」ーー。

 なお、参考に2017.11.20の本ブログ「量子コンピュータ」のURLは、http://joudeki.cocolog-nifty.com/blog/2017/11/post-3ec9.html

2019年2月10日 (日)

総合電機 解体への歩み

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https://books.rakuten.co.jp/rb/14896783/

 今朝の朝日新聞は、「総合電機 解体への歩み」として、平成経済でのリーマン衝撃を検証している。2008年のリーマンショックで、電機大手は軒並み巨額の損失を計上し壊滅状態に陥った。その後、各社は「選択と集中」のリストラを繰り返してきたが、縮小均衡からまだ抜け出せない電機メーカーも多いと。

 電球から原子力までを手掛けると言う総合電機の名を聞かなくなってから久しいであろう。かっては、街にはナショナル・日立などのパパママ・ストアが目立ち、テレビ番組では、東芝のサザエさん・日曜劇場などが定番であった。ところが、最近はどうだ。PCやスマホなどでも滅多にお目にかからなくなったし、勿論、GAFA(グーグル、アップル、フェースブック、アマゾン)など、最先端のネットやAI関連では完敗であろうか。

 朝日には、解体への道のデータとして、各社の2008年から10年間の従業員数減少をグラフで示しているが、ちょっと、分かりずらいので、2018年4月の東洋経済の記事で補完する。正規従業員数が10万人を超える日本企業は23社あり、うち大手電機は、日立2位、パナソニック4位、富士通10位、東芝12位、三菱電機15位、ソニー17位、NEC21位と、なんと7社もあって、未だに日本の基幹産業中の基幹であることが分る。ただ、1位のトヨタ、3位のNTTなどは、軒並み人員がここ5年で増加しているが、電機7社は三菱電機を除いて減少している。

 ここ5年間での最大の減少率は東芝で37%、5万6千人減である。会計不正事件で、医用機器事業をキャノンに売り、ウェスチングハウス原発ロスで半導体メモリ事業を手放した。その後、白物家電やPCなども続々売っているが、これらは多分まだ上記減少数に入っていないと見られる。次いで、多いのがパナソニックの28%減で、電池やテレビ事業など買収した三洋電機関係の不振か。最近、業績急上昇中のソニーも意外に27%減。続いて、富士通12%減、日立7%減、NEC1%減である。

 朝日は、NECの地方通信関係工場の閉鎖を大きく取り上げているが、NECはリーマン直後の5年間に、既に4万人を減らしている。かって、NECと富士通は、IT関係の雄として期待されたが、PC、携帯、半導体などを次々に売却している。7社には登場しないが、シャープは液晶テレビ事業の失敗で、台湾の鴻海傘下となった。

 神戸大の三品教授によれば、原因は専業メーカーの台頭で、総合電機が対抗できなくなったのに、経営者はその本質に気が付かず、景気が悪いせいと思ったことにあると。そういえば、ウサギさんも、エアコンでは専業のダイキン、髭剃りではブラウンを使うようになった。平成の30年間は、まさに「総合電機全滅の時代」と言えると。ただ、教授の心は温かい。「たとえ全滅しても、焼け跡には必ず芽が出てくる」ーーそう信じたい。大手8社には130万人もの正規従業員がいるし、その傘下の従業員数はまたべらぼうであろうーー

 ところで、各社の生き残り策で共通しているのは、国内でのサービス事業重視だ。例えば、官庁や企業向けのITシステム構築や、電力・鉄道・水道などのインフラ事業。2015年、学士会で冨山和彦経営共創基盤(株)代表取締役の講演を聴いたが、産業を大きくGの世界(グローバル)と、Lの世界(ローカル)に分ける。Gはモノや情報を扱い貿易財として持ち運びが可能だが、Lはサービス中心で生産と消費が同時・同場である。

 Gは自動車・電機・機械・製薬・ITなどであり、Lは交通・飲食・小売り・福祉サービスなど。Gは大企業が多く生産性が高く高賃金であり、Lはその逆である。Gは世界的な競争が激しく淘汰されやすく,30-40%のGDP比は減少傾向。反面Lは不完全競争で空洞化が起こり難く、60-70%あるGDP比は増加傾向にある。まさに、電機大手の今後の戦略は、G->Lへの転換である。冨山氏によれば、今後の日本経済再生の処方箋はLであり、Lによる地方の活性化にありと。

 参考に、2015.7.21の本ブログ「日本経済の再生」のURLは、http://joudeki.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-7b08.html

2019年2月 4日 (月)

世界を動かす日本人50

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https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00013/020100001/?P=3
         
 日経ビジネス最新号で、「世界を動かす日本人50」という特集をしている。「米国と中国という大国に挟まれた日本は、人口減という内憂を抱え、世界ではテクノロジーなどの覇権競争で存在感が薄れる。若者を中心に海外に関心を示す人が減ったとの説もある。だが悲観する必要はない。混沌とした世界の中で、新たな地平を切り開いている日本人は数多くいる。50周年を迎えた本誌がよりすぐりの50人を紹介する」としている。ここでは安心することに、「平成は日本敗北の時代」ではなかったらしい。
 ウサギさんは、残念なことに日経ビジネス誌を購読していないので、50人の名を頼りにネットで何者かを調べたが、結構、同姓同名の有名人が居るのを知った。もし日経の意図と違った人だったらごめんなさい。それにしても、世界を動かすほどの日本人50人のうち、知っている人は僅か12人とは、チコちゃんの「ボーと生きてんじゃねえよ」の部類か。

 50人の記事上の順位はないと思うが、ミュージシャンの坂本龍一(写真一枚目)を、ニューヨークで日経ビジネスは会見している。同時に今朝の朝日新聞も「がんとともに」の特集でインタビュー記事を載せている。2014年64歳のとき、中喉頭がんを経験。7か月の闘病中は、音楽を聴く気も作る気もしなかったと言う。「人間も動物も生まれた時から、死に向かって歩いている。がんは難しい病気だが、ともに向かい合っていきましょう」と。

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https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00013/020100002/?P=2
     
 日経ビジネス二人目のインタビューは、バルセロナでの外尾悦郎(写真2枚目)。先月のNHKスペシャルでも紹介していたが、2013年以来のサグラダファミリア教会芸術工房監督である。喫茶店でのインタビュー中に、記者のバッグが盗まれそうになったが、外尾氏の一喝で難を逃れたとか。また、イタリアでのコンペで日本人を勝たせたくない何者かが、外尾氏の使う材料を入れ替えたが、それを取り戻して徹夜で作品を作り、コンペに勝ったと言う。欧州で40年間、彫刻の第一線で活躍してきた経験から、「ピュア過ぎるのが日本人の最大の問題だ」と指摘する。「何千年もの間、争いを繰り返してきた欧州では、争いを収める術やその中で価値を生み出す知恵がある」とも。一筋縄で行かない価値観や難題の中で作品を作り続けてきた自負があると。

 一転して、スポーツ関係では、お馴染みの大坂なおみ・錦織圭(テニス)、大谷翔平(野球)、中邑真輔(プロレス)、石井勝之(パラリンピック用車椅子製造)など。ノーベル賞候補に坂口志文(T細胞)、藤田誠(金属有機構造体)、細野秀雄(超伝導物質)、本田賢也(腸内細菌免疫系)など。

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https://honcierge.jp/articles/interview/287
 変わり種では、片付けコンサルタントの近藤麻理恵(写真三枚目)。驚いたことに、konmari(片づける)がもう英語になったくらいの海外有名人の様子。この1月から、米ネットフリックスのリアリティー番組「Kon   Mariー人生がときめく片付けの魔法ー」が始まったとか。インドネシアでは、学校の自転車置き場の整理整頓に効果抜群らしい。
 さて、ビジネス誌であるから、当然事業関係の人がメインである。常連の稲森和夫(京セラ)、孫正義(ソフトバンク)、豊田章男(トヨタ)、柳井正(ユニクロ)、前澤友作(ZOZO)、山田進太郎(メリカリ)などに続いて、とくに海外でベンチャー企業を立ち上げた有望株の人が続々と続く。また、途上国での福祉関係の人も意外に多いのに気が付く。
 ところで、去年、創業60周年を迎えた日清食品。『チキンラーメン』『カップヌードル』を生み出した創業者・安藤百福は、NHK朝ドラ「まんぷく」でお馴染である。その百福の孫で、CMやネットで話題となる多くの戦略を仕掛ける安藤徳隆社長が、今回、何故か50人の一人に選ばれている。まさか、NHK効果じゃないよね。

2019年2月 2日 (土)

天才作家の妻

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https://eiga.com/movie/88376/special/

 おサルさんと桜木町のブルグ13で、「天才作家の妻ー40年目の真実」(2017年、スウェーデン・アメリカ・イギリス、監督ビョルン・ルンゲ)を見た。たまたま、ウサギさんの英語通信教育の珍しくメジャーな作品の宿題でもあったが、新聞の高評価の割には客の入りは思ったほどではなかった。土曜日の朝9時のせいと思いたいが。

 アメリカ文学の巨匠ジョセフ(ジョナサン・プライス、写真右)と、長年彼を支えてきた妻のジョーン(グレン・クローズ、写真左)は、理想的な夫婦。ある朝、ジョセフのノーベル文学賞受賞を知らせる国際電話がかかってくる。夫婦は大喜びするが実は二人にはある重大な秘密があった。

 夫婦は授賞式のためにストックホルムを訪れる。舞い上がるジョセフのために世話を焼くジョーンだが、彼女は夫の成功を喜ぶ一方、浮気っぽい無神経な夫への怒りや不満を抱えていた。そんな彼女の前に伝記記者のナサニエル(クリスチャン・スレーター)が現れる。二流の作家であったジョセフ教授が、何故才能ある学生のジョーンとの結婚後に、傑作を次々に書けたのかを疑問に思い、夫婦の秘密を聞きだそうとする。

 ジョーンは平静を装うが、心の奥底に押し殺してきた長年の思いを抑えきれなくなって行くーー。夫の成功を機に、長年の結婚生活が崩壊していく様子を描いた心理愛憎サスペンス。夫婦の絆や人生の意味を問い続けるヒューマンドラマ。

 熱演のグレン・クローズは、2018年のゴールデングローブ女優賞を受賞している。残ったアカデミー賞では、主演女優賞にレディー・ガガらとノミネートされ、今月末にその結果が分かるらしい。なお、ジョーンの学生時代を演じたアニー・スタークは、グレン・クローズの実の娘とか。

 ところで、身内のゴースト・ライターの存在や共作の噂は、どこにでもあり得るかもしれない。また、メグ・ウオリッツァーの原作は、名もないフィンランドの文学賞だったらしいが、映画でノーベル賞へ昇格となると、やはり見る方も緊張する。それにしても、貴重なノーベル賞メダルのずさんな扱いはどうだ。コメディめいた扱いも面白いが。

 おサルさんによれば、「胡桃」が各所に伏線として、上手に使われていると言う。また、コンコルドの機中が大西洋往復とも重要なシーンとなるが、コンコルドは2003年に中止となっていて、1950年代後半が、ジョーンの学生時代だから、ちょうどタイトルの「40年目の真実」は、時期的に符合する仕組みである。

 帰りに、上大岡の伊勢定でウナギの顔を久しぶりに拝んだ。そこでのビールのタダ券を使うのが、この映画を見た「真実」なんて言ったら、全く身もふたもないよねーー年寄りの冗談済みません。

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