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2018年11月15日 (木)

宇宙望遠鏡

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https://rika-net.com/contents/cp0320a/contents/rekishi/answer05/index.html

 今月は、たまたまだが、やけに宇宙望遠鏡関係の記事や本を読んだ。まず、学士会会報で伊藤和行氏の「ガリレオの見た新しい宇宙」である。伊藤氏は北大の学部と東大の修士課程は両方とも理系の出身だが、京大の博士課程は文学で、現在は京大の文学研究科教授である。1609年、ガリレオは写真一枚目の望遠鏡による天体観測で、月表面の起伏、天の川が星の集まりであること、木星の衛星などを僅か2か月間で発見した。当時は地上界と天上界とは全く別物と考えられていたので、このガリレオの発見は、全く新しい宇宙像の出現と思われたらしい。我々にとって現代では当然のことが、当時はそうでないことに、過去の科学文献を読む際は、特に注意が必要と。

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https://www.astroarts.co.jp/news/2001/04/10nao430_alma/index-j.shtml

 2件目は同じ学士会報で、立原研悟名大教授の「究極の電波望遠鏡ALMA」。ALMAは、チリの標高5000mのアタカマ砂漠に設置された巨大な電波望遠鏡(写真2枚目)。2011年に運用が始まってから、その高い分解能と感度で、原始惑星円盤など画期的な成果を挙げているらしい。66台のパラボラアンテナは、高速高精度に駆動され、突風や温度変化などの環境の変化にも補正でき、二つのアンテナ間の相互相関が超高速のスパコンで処理されると。22か国の共同プロジェクトで日本の出資は250億円、年間負担は30億円とか。

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 ところで、栄図書館で「宇宙物理学者がどうしても知りたい12の謎」(2012年、スティーヴン・ウェップ著、写真3枚目)を見つけた。題名からして、宇宙の謎の話かと思って借りて見たが、意外にも宇宙望遠鏡の詳しい話で、素人向け解説書どころか、レベルの高い専門書であった。よしゃ良いのによく分からぬまま終わりまでともかく読んで見た。

 1つ目の謎は、宇宙開闢時から何分の1秒以下の超短時間のインフレーションである。インフレーションは真にあったのか、あったとすればどう始まり、どう終わったのか? 衛星軌道に打ち上げられた最新のマイクロ波観測機がそれを明きらかにすると言う。なお、下手の横好きで、本ブログにも過去結構関連の記事があるので紹介する。(参考)2015.5.21「インフレーション理論」http://joudeki.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/post-8031.html

 2つ目の謎は、宇宙の全質量の23%を占めるダークマターである。地下深くに設置された装置で、ダークマターの検出が試みられている。日本ではキセノンを使った神尾鉱山地下のXMASSプロジェクトが挙げられている。(参考)2016.11.30「宇宙を創るダークマター」http://joudeki.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-e630.html

 3つ目の謎は、宇宙の全質量の72%を占めるというダークエネルギーだが、これが皆目何者か分からないそうだ。つまり、宇宙のほとんどはその成分からして分かっていないのだ。従って、ダークエネルギーの検出は、各種の観測装置を総動員するしかないと。

 4つ目の謎は、ブラックホール。そもそも、光を出さないので見るのは難しいが、X線望遠鏡が要である。(参考)2014.10.11「ブラックホール」http://joudeki.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/post-49e1.html

2017.6.1「巨大ブラックホール」http://joudeki.cocolog-nifty.com/blog/2017/06/post-252b.html

 

 5つ目の謎は、とんでもなく高いエネルギーがある宇宙線は、宇宙のどこから来るのか? 新世代の宇宙線観測装置が答えを出すと約束するよし。

 6つ目の謎は、ニュートリノだが、神岡鉱山の地下のカミオカンデで、すでに1987年に検出されている。(参考)2015.5.21「ニュートリノ振動」http://joudeki.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-61b0.html

 7つ目の謎は、宇宙で最も明るい現象であるガンマ線バースト。何がこの爆発を起こしたのか? 地球を周回するガンマ線望遠鏡が答えを出す筈と。

 8つ目の謎は重力波。レーザー光による検出装置LIGOの紹介があるが、この本が出た後の2016年に重力波は検出されている。(参考)2015.11.3「重力波」http://joudeki.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/post-d61f.html

2016.3.6「やったぜ! LIGO(ライゴ)」http://joudeki.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/post-d62b.html

2016.11.21「KAGRAプロジェクト」http://joudeki.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/kagra-49af.html

 9つ目の謎は、普通の物質は宇宙の質量の5%しかないが、その半分は実は見えず、どこにあるのか分からない。コズミックワイド・ウェブとかいうのが候補らしいが、この発見の決め手は紫外線望遠鏡とか。

 10番目の謎は、宇宙に太陽系以外の惑星があるか? これを解いたのは赤外線望遠鏡。(参考)2016.9.27「系外惑星」http://joudeki.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/post-2973.html

 11番目の謎は、地球型の惑星が存在するか? これに劇的な成果を出したのは、2009年にNASAが打ち上げたトランジット法を用いたケプラー探査機。(参考)2017.7.12「第二の地球」

http://joudeki.cocolog-nifty.com/blog/2017/07/2-7498.html

 12番目の謎は、地球外知的生物は存在するや? 電波望遠鏡を使ったSETI計画で、全宇宙を50年以上探ってはいるがーー。(参考)017.12.27「コンタクト」http://joudeki.cocolog-nifty.com/blog/2017/12/post-1344.html

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