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2018年10月

2018年10月30日 (火)

マリファナ

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https://www.bbc.com/japanese/44543666

 英会話のS校の先生から、何と今月からカナダでマリファナ(大麻)が、自由に買えるようになったと聞いた。完全合法化はウルグアイに続いて2国目で先進国では勿論初。ネットで調べると、カナダではマリファナは違法だったが、ワインとほぼ同額消費されていて、子供たちもアルコールやタバコの経験はないが、マリファナは吸ったことがあるという子が多いそうだ。

 6月に、カナダのジャスティン・トルドー首相は、「子供たちが大麻を手に入れたり、犯罪者が大麻で利益を手にしたりするのが簡単すぎる状態だ。今日、我々はそれを変えた。大麻を合法化し規制する我々の法案がついさっき、上院を通過した(写真、カエデが麻の葉に変わった)。公約は守られた」とツイートした。なお、合法化で税収は大幅に増加するそうだ。

 2014年、ニューヨークタイムズは、アルコールやタバコよりも危険の少ない大麻を禁止していることで、社会に多大な害悪を及ぼして来たと批判し、大麻を禁止しているアメリカ連邦法を撤廃すべきだとする社説を掲載し議論を呼んだ。2016年のギャラップ調査によると、アメリカ人の約60%が大麻の合法化を支持。なお、2015年時点でアメリカにおいて大麻の所持・使用を全面的に禁じている州はもはや10州しかない状態らしい

 一方、日本は大麻取締法で大麻は違法であり、日本人はカナダにおいても、大麻を所持すれば罰則を受けるので要注意である。 2015年の薬物関連事犯数は、覚醒剤がダントツで検挙件数1万5980件(検挙人数1万1022人)、次いで大麻が2771件(2101人)である。 厚生労働省は、増加を続ける大麻事犯に危機感を抱いて、ホームページで「今、大麻が危ない!」をアップして注意喚起している。このような中、カナダにおいて合法化されたわけだが、日本は今後いかに対応するのだろうか。 

 ところで、そもそも薬物にはどんな種類がある? これが簡単なようで分類が意外に難しいらしい。日本の取締法で分類すると、まず、麻薬および向精神薬取締法による対象は、ケシから生成されるヘロインやモルヒネがあり、さらにコカイン、LSD、MDMAなど。また、あへん法によるものにアヘン(これもケシから)、大麻取締法によるものに麻から作られる大麻(マリファナ)、覚せい剤取締法によるものにアンフェタミン、メタンフェタミン(ヒロポン)などがあると。

2018年10月28日 (日)

樅ノ木は残った

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http://nhktaiga12.blog.fc2.com/blog-entry-108.html

 今さらの感もあるが、近くの栄図書から、山本周五郎の「樅ノ木は残った」を借りて読んだ。1970年のNHK大河ドラマ(写真、右は原田甲斐役の平幹二郎)が放送されたころ、一度斜め読みしたが、今回はじっくり時間をかけたご承知のように、江戸時代初期の仙台藩「伊達騒動」にまつわる歴史小説。

 伊達騒動の中心をなす寛文事件(1671年)で、酒井忠清大老邸にて刃傷事件を起こした仙台藩の重臣原田甲斐は、歴史的には大悪人とされて来たが、周五郎は逆に藩を救った大恩人として捉え、その優しい人柄などを関係する人々を通じて描いた。

 江戸幕府の威力がまだ定まらぬ江戸時代の初期は、幕府は薩摩・加賀・仙台などの大藩を警戒し、ことあらばその改易・解体を狙ってきたが、200年後には薩摩で現実となったのだ。後に大老となり「下馬将軍」と恐れられた酒井忠清は、伊達政宗の10男である伊達宗勝が親族であることを利用して、伊達家内で騒動を起こし、仙台藩を分割して半分を伊達宗勝に与える密約を結ぶ。

 一方、仙台藩の重臣で船岡城主の原田甲斐は、当初は反伊達宗勝の伊達安芸派に属していたが、酒井忠清と伊達宗勝の間に密約があることを知り、二重スパイの感じで伊達宗勝の懐にむしろ入り込み、仙台藩の存続を図るという難しい選択をする。ただ、その過程で誤解を招いて多くの部下や友人を失うのだ。

 伊達騒動は、伊達安芸が領地境の問題で、遂に伊達宗勝を幕府に訴え出て、江戸の酒井忠清邸での審問対決が開始されるまでに至る。事前に、上記の密約書を原田甲斐が所有していることを知った酒井忠清は、伊達安芸・原田甲斐など4人の仙台藩重臣を、自邸内で殺害する暴挙に出る。ただ、虫の息の原田甲斐は、これは自分が起こした刃傷沙汰であるとし、あくまでも藩の存続を図ったのだ。

 この事件は寛文事件と呼ばれ、事件後、首謀者原田甲斐の家は断絶、男子子孫は孫まで全員死罪となり、伊達宗勝の一関藩も改易の処分を受けたが、仙台藩は無事明治維新まで存続した。ところで、原田甲斐は庭にある樅の巨木の孤高を語った。「私はこの木が好きだ。この木は何も語らない。だから私はこの木が好きだ」。寛文事件の真相も闇の中である。

 この本でユニークな手法がある。本編の合間に藩の乗っ取りを企む伊達宗勝とその腹心・新妻隼人などの密談を対話形式で描く断章が幾たびも挿入されている。 伊達家の各重臣の家には、必ず伊達宗勝のスパイが配置されていて、その報告を聴くスタイルだが、読者も逐一時の情勢が理解できるのだ。

 ウイキペデイアによれば、山本周五郎(1903-67)は、山梨生まれだが7歳のころ横浜西区へ移住し近くの小学校を卒業して、すぐ銀座の山本周五郎質店に徒弟として住み込んだ。23歳のときの文芸春秋に載った「須磨寺付近」が出世作となったが、戦後は横浜市の中区に住み、間門にあった旅館「間門園」を仕事場にしたと言う。

 本作は1954-56年ころ日経に連載されたが、丁度そのころウサギさんは間門園の周りをウロチョロしていたのである。間門園と埋め立て前の海岸の間には、当時根岸飛行場があり、よく遊びに行ったし、間門は市電の始発駅であったので、高校への通学時に間門園の前を朝夕歩いていたのだ。間門園は残念ながらもうないようだ。

2018年10月26日 (金)

SUBARUの大規模リコール

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http://www.carlifesupport.net/engine%20kiso_4stroke-2.html

 妙なことが起こった。SUBARUが国土交通省へ正式に届ける前に、朝日がスバル車の大規模なリコールを大々的に報じ、リコール対象がエンジンのキー部品で、しかも取り換え作業量が膨大で長期化し、経営に重大な影響を与えかねないとしたのだ。

 朝日の記事の中で重要なキーワードとして、「バルブスプリング」と、「水平対向エンジン」とかの用語が使われているが、車の素人には意味不明で、またもやネットで勉強する羽目に。最近、とみに知らない用語が増えてきたというより、ボケがめだって来た?

 第一図が通常のレシプロエンジンを示すが、エンジンの吸気バルブを開けてガソリンと空気を吸い込み、点火燃焼させてピストンを押し下げ、クランクシャフトを回して車の動力とする。さらに排気バルブを開けて燃焼済みのガスを排出する。ご承知のように、これらのバルブを開けるのは上部にあるカムの運動だが、バルブを閉める時には伸びたバネの戻りの力を使う。これが問題の「バルブスプリング」である。

 エンジンを心臓とすれば、バルブスプリングはまさに心筋にあたる重要部品であり、これが高速走行中に壊れれば、大事故に繋がりかねない。

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https://www.subaru.co.jp/jinji/guide/technology01_1.html 

 さて、SUBARUにとって痛いのは、「水平対向エンジン」を使っていることだそうだ。第二図で真中が第一図と同じ通常の直列エンジンだが、左端が水平対向エンジンである。レシプロエンジンの形式の一つで、1本のクランクシャフトをはさんでシリンダーを左右に水平に配置し、対になるピストン同士が必ず向かい合うように下降または上昇するエンジンで、世界ではSUBARUとポルシェの2社が使用。

 メリットは振動が非常に少なく、エンジンの重心が低くできるので走行が安定するなどがあるが、デメリットは何といっても構造などが複雑になること。従って、今回のバルブスプリングの交換は大変で、エンジンを一度取り外す必要があり、スプリングは16個もあって2日はかかる様子。

 ところで、他にも四輪駆動とか、スバルには独特の技術があり、ファンも多いらしいが、戦前の中島飛行機の技術屋の雰囲気が未だに残っている? 戦後、中島飛行機は、プリンスと富士重工に分かれ、富士重工がSUBARUになった歴史がある。

 

2018年10月24日 (水)

ボナール展

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http://bonnard2018.exhn.jp/keyword/

 国立新美術館で「オルセー美術館特別企画、ピエール・ボナール展、いざ視神経の冒険へ」を見た。東京での学士会の帰りには、映画か展覧会を見ることにしているが、生憎、見たい映画は夜8時からだし、月曜日でほとんどの美術館は休館である。そこで、ボナールさんには申し訳ないが、余り画風など知らないまま、ちょこっと「ボナール展」を覘いて見た。

 展示会のURLによれば、19世紀末のフランスで、ナビ派の一員として出発した画家ピエール・ボナール(1867‐1947年)は、浮世絵の影響が顕著な装飾的画面により、「日本かぶれのナビ」の異名を取ったらしい。写真一枚目は、「ジャポニスム 庭の女性たち」(1890)で、まさに日本風である。

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 20世紀に入ると、目にした光景の印象をいかに絵画化するかという「視神経の冒険」に身を投じ、鮮烈な色彩の絵画を多数生み出したらしい。写真2枚目は、「化粧室あるいはバラ色の化粧室」(1914-21)で、モデルは後に妻となるマルト。

 本国フランスでは近年ナビ派の画家たちへの評価が高まり、2015年にオルセー美術館で開催されたピエール・ボナール展では51万人が集まり、2014年のゴッホ展に次ぐ、歴代企画展入場者数の第2位を記録したとか。

 オルセー美術館の豊富なコレクションを中心に、国内外130点超の作品で構成されるボナールの大規模な回顧展。油彩72点、素描17点、版画・挿絵本17点、写真30点といったさまざまなジャンルに活躍した画家ボナールを紹介すると。

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https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/061000001/022000041/

 なお、写真3枚目の「格子柄のブラウス」(1892)は、昨年の三菱一号館での「オルセーのナビ派展」での目玉作品として紹介されたので記憶がある。その時の記事は、2017.3.11の本ブログhttp://joudeki.cocolog-nifty.com/blog/2017/03/post-a703.htmlに載っている。

 

 

 

 

 

2018年10月23日 (火)

誤嚥性肺炎

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https://ameblo.jp/easy-way-to-live/entry-12382443352.html

 学士会午餐会で、NTT関東病院稲川利光部長の「誤嚥性肺炎から命を守る術ー自分自身と家族が出来ることー」という講演を聴いた。高齢化社会が進むなか、身近なテーマのせいか結構盛会である。ユーモア溢れる講師は、リハビリテーションの専門家らしい。

 まず、口から食べた飲食物を、食道を通って胃に送ることを「嚥下」といい、気管を通って肺に入ってしまう場合を「誤嚥」と言う。また、これらと関係して、主として鼻と気管を通して肺との間の空気のやり取りである「呼吸」があり、肺からの空気で声帯を振動させ口から音を出す「発声」がある。

 問題は、気管は体の前方にあり、食道は後ろ側にあるので、これらの空気と飲食物の流れが咽頭のところで交差すること。従って、これらの2つの流れを巧みに交通整理をしているのが、上図の「軟口蓋」と「喉頭蓋」という2つの蓋(弁)である。

 呼吸の際は左側のように軟口蓋と喉頭蓋の両方が開く。発声の場合は、軟口蓋は閉じて口から音が出るようにする。また、嚥下の際は、喉頭蓋は気管側を閉じ食道側を開け、軟口蓋を閉じて鼻腔へ飲食物が行かないようにする。これらは、脳の指示で筋肉がほぼ瞬時に自動反応する。また、万一、誤嚥が発生すると、気管の神経が咳反射を起こし、猛烈に咳き込んで排出しようとする。

 摂食のメカニズムとしては、まず、先行期という食物を認知して口へ運ぶ時期があり、口腔準備期という咀嚼の時期、舌から咽喉へ運ぶ食塊移送期、嚥下反射が起こる咽頭期(0.5-6秒)、食道の入口の輪状咽頭筋が弛緩し蠕動運動で胃に送られる食道期がある。

 誤嚥が起こる原因は、嚥下反射の前に咽頭(気管支)に食物が入ったり、嚥下後にも咽頭に残留したり、鼻腔へ逆流したり、常時唾液などが気管に流れ込む場合などがある。特に、高齢者では嚥下障害が起こりやすく、死亡原因の4位が肺炎で、そのほとんどが誤嚥が原因である。

 この誤嚥性肺炎の予防で最大の効果があるのが、実は「口腔ケア」だそうだ。食物が肺に入って悪さをするのは細菌だが、細菌は口内で付着したものがほとんど。口腔ないの細菌数は、大腸を除けば飛びぬけて多い。食残、舌苔、歯垢、痰残留、開口乾燥(唾液が減って殺菌力減退)、歯周病など。特に口腔バイオフィルムは、ブラッシングだけでは除去できず、歯科衛生士に時々かかることを奨める。

 最後に、日常の生活再建・向上が重要、運動と栄養管理と歯の健康。出会いと交流、笑いと感動。教養(今日、用がある)と教育(今日、行くところがある)。

2018年10月20日 (土)

免震・制振と耐震

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http://www.fukui-systems.co.jp/idc/facility.html

 油圧機器大手KYBの免震・制振オイルダンパーの検査データ改ざんで、987件の建物などの対象物件の一部が公表され、今朝の新聞を賑わしている。ここで、例のごとく気になったのは、「免震」・「制振」という言葉。そもそも「耐震」と何が違うのか? 素人のウサギさんは、建築基準法との関係をも疑問をもちネットでちょっと勉強。

 まず、「耐震」とは建物の骨組みなどを強固にして、地震時の振動を建物全体で吸収できる構造にすること。建築基準法に基づき、震度6強ー7程度でも倒壊の恐れがない事と決められている。

 ところが、高層ビルなどでは、倒壊しなくても揺れがひどくて、家具などが転倒するおそれがあり、揺れを吸収するために、「免震」や「制振」装置をとりつける建物が、最近増えているという。

 「免震」装置としては、上図のように建物と地面の間に、免震ゴムやオイルダンパーなどを設置する。

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http://www.gva-tomo.com/

 一方、「制振」装置は写真のように、各階の柱の間などに設置して、風や地震の力をオイルダンパーなどで吸収する。これらの免震・制振装置の仕様は、国の基準に基づくが、設置は各建築業者と顧客が個々に契約を結ぶ仕組み。従って、建築基準法の対象外である。

 2015年に、東洋ゴム工業の免震ゴムの性能偽造問題が発覚して、大問題となったが、今回のKYBの改ざんは15年以上も続いていると。免震ゴムやダンパーの交換は、マンション住民の風評被害意識もあって、長期間かかるとされ、東洋ゴムの場合は、まだ6割しか実施できていないらしい。

 なお、KYBは免震・制振装置では、国内の45%を占める大手だそうだが、一般に名は余り知られていないであろう。実は、車のショックアブソーバー(車体の振動を吸収する)で、日本でのシェア65%、世界2位の萱場(カヤバ工業)が、2015年にKYBへ名を変えたのだ。売り上げ約4000億円、従業員約15000人の東証一部上場大手企業である。

2018年10月15日 (月)

電力余剰

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https://mainichi.jp/articles/20181012/k00/00m/020/114000c

 電力供給不足で北電でブラックアウトが起こったと思ったら、今度は供給過剰で九電でブラックアウト寸前となり、一部の太陽光発電事業者からの電力購入をストップすると言う思わぬ事態を起こした。全4基の原発の最近の再稼働が背景にあり、しかも、原発は100%の出力のままと言うから、まさに世界の再生可能エネルギーへの流れに逆行する、本末転倒の九電の判断であろうか。

 福島原発事故の後、政府の音頭で2012年のFIT(固定価格買い取り)以降、太陽光発電は急速に普及したが、九州では上図のように最大出力807万KWと、ピ-ク時需要電力1585万KWの50%を太陽光だけで超えたらしい。一方、停止していた4基の原発の再稼働で414万KWを供給し始めたので、10月13日昼時の需要851万KWに対して、太陽光と原発を合わせただけで、明らかに供給過剰となった。

 ご承知のように、電気は揚水発電などを除けば、余剰電力を貯められず、発電量が大きくなると、50/60ヘルツの周波数を維持できなくなり、全域停電のブラックアウトが起きる。電力会社はこの事態は事前に想定できる筈で、火力発電所を止めたり、揚水量を増やしたり、他の電力会社に頼んで余分な電力を受けて貰ったりするが、今回は何故かうまく行かなかったようだ。だいたい、原発を4基も再稼働させれば、需要が減る秋には、このような事態が起ころことは容易に判ると思うが、まさに不思議ではある。

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https://blogs.yahoo.co.jp/phon_bb/32625304.html

 泣きを見たのは太陽光発電事業者だが、FIT導入時の契約で出力抑制を認めているので、法的には弱い立場にあると言う。また、原発を動かすのは、政府の原発優先のルールと、原発の出力調整が難しいからと。だが、フランスなどは何故原発出力調整できるのか? 素人ながら疑問をもってちょっとネットで勉強。

 原発は第2図のように、原子炉内の核燃料の核反応を制御棒などで制御して出力調整を行うが、火力発電の重油や石炭などの燃焼をコントロールするのとは、レベルの違う難しさがあるようだ。現に、チェルノブイリ事故は、この出力調整操作のミスから生じたらしい。そこで、一般に原発は100%動かすか、停止さすかのどちらかとなる。各国とも同様だが、だいたい、原子力発電への依存度が意外に低いので、電力過剰の際は、他の火力発電などを止めれば十分だそうだ。

 ところが、フランスは例外である。つまり、原発依存度が75%と異常に高く、電力需要が減った場合、原発の出力を下げるしか手がない。そこで、10基は常にフル稼働させ、残りの48基は順次出力制御する方法をとる。48基を3グループに分けて、定期点検などを組み合わせて、上手に季節調整するらしい。しかも、全国の原発は電力網で繋がっていて、需給バランスをとるのも楽である。出力調整では1982年からの長い経験がある原子力先進国だから出来るそうだが、日本も今後研究の要あり。

 一方、カナダのオンタリオ州の8基の原発では、風力発電量が増えた場合、480万KWの出力を200万KWに下げるそうだ。第2図で、タービンの手前のタービンバイパス弁を開けて、蒸気を復水器へ通し、タービンの回転速度を落とすやり方。この方法はなかなかスマートだが、原子炉の方は100%稼働なので、発電コスト面の問題がありそうだ。

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http://www.garbagenews.net/archives/2050101.html

 話は長くなるが、最後に電力会社間の電力融通が、欧州のようにうまく機能すれば、余剰電力問題はかなり解決する筈。第3図は、電力会社間の融通電力の上限を示すが、九電から中国電へは、273万KWの融通容量があるのが分る。日本中の原発のほとんどは現在止まっているから、余剰電力受け取りの要請があった場合、各電力会社は火力発電所を停止すれば、受け入れ可能かと思われる。

 ただ、現実はこれらの融通は、地震や事故で電力不足の緊急応援用であり、今回のような余剰分については、各社とも勘弁してくれという感じか。朝日によれば、九電は公的機関の調整で別の大手電力管内へ送電したとあり、このあたりのルール化が今後必要であろう。

 いずれにせよ、再生可能エネルギーはまだひよこであり、世界的にも今後育てる必要があるのに、旧態依然たる優先順位を守り、既存権益を守る電力会社や政府筋の態度はいかがなものであろうか。四国電力でも原発が再稼働し、太陽光発電も多いので、九電と似た状況にあると言われ、今後の対応が注目される。

 

 

2018年10月12日 (金)

レアメタル

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http://www.dowa-ecoj.jp/sonomichi/akita/02.html

 学士会夕食会で、東大生技研岡部徹教授の「レアメタル資源の現況と今後の活用法」という講演を聴いた。上図のように今やレアメタルはあらゆ先進的な製品に使われ、近年、日本近海の海底で大量のレアアース(レアメタルの一種)が発見されるなど、レアメタルの「光の部分」の話かと思って参加したら、意外にも逆で「影の部分」の話であった。

 マスコミ報道では、レアアースは世界的に資源枯渇の心配があるとされるが、これは誤解で陸上の資源量だけで1000年分はあり、ほとんど不安はない。それでは、陸上どこにでも存在するレアアースなのに、何故中国が98%も一国で生産するのであろうか。それは、採掘や精錬の際に大変なゴミが出るが、中国は安く捨てる場所があり、環境問題をクリアできるからだそうだ。

 また、新聞報道では、「日本近海のレアアース発見により、日本のレアアース問題は解決する」とされているが、海底からレアアースを取り出す技術開発には今後何十年もかかり、たとえその目途がついても、今度は廃棄物処理をどうするか。もし、海中への投棄が許されるなら、わざわざ海底で掘らなくても、陸上の海岸で掘ったほうが合理的である。

 例えば、電気自動車やハイブリッドカーの高性能モーター用のジスプロシウムは自動車1台に数百グラム必要だが、それには1-4トンもの原鉱石が要ると。廃棄する鉱石には、放射性物質など有害な物質が含まれるので、それらを取り除くだけでも膨大なコストがかかるらしい。環境規制が厳しいオーストラリアからのレアアースは、マレーシアで中間処理される。つまり、マネーロンダリングのようなことをレアアースで行うのだ。

 問題は、レアメタル供給寡占国の中国、ロシア、南アなどが政治的理由などで売らなくなったとき、資源のない日本はどうするか。勿論、輸入先の分散化、代替技術開発、備蓄などを、国家戦略として行っているが、やはり、公害が出ないリサイクルが命である。ただ、これもマスコミの「日本には巨大な都市鉱山があるので安心云々」は嘘で、現状のリサイクルコストでは全くペイしない。今後も地味なリサイクル技術開発が重要である。

 ところで、レアメタルとはそもそも何であろうか、意外に答えるのが難しいであろう。ネットで調べると、金属のうち、鉄や銅、亜鉛、鉛、アルミニウムなどのように社会の中で大量に使用され、生産量が多く様々な材料に使用されてきた8種の金属を、一般的に「ベースメタル」と呼ぶそうだ。一方、金、銀、白金(プラチナ)やパラジウムなどの8元素は、希少で耐腐食性があるので「貴金属」と呼ばれる。、

 金属のうち、これらの「ベースメタル」と「貴金属」以外のものを「レアメタル」と呼ぶと。これでは、余りにレアメタルに気の毒なので、レアメタルとは、地球上の存在量が稀であるか、技術的・経済的な理由で抽出困難な金属のうち、安定供給の確保が政策的に重要で、産業に利用されるケースが多い希少な非鉄金属を指す。構造材料へ添加して特性を向上させたり、また電子材料・磁性材料などの機能性材料などに使用される。

 レアメタルは31種あり、その一種であるレアアース(希土類)は更に17種の元素からなる群である。レアメタルの全元素数は47種もあるが、これは全元素の約40%がレアメタルであることを示す。それにしても、レアメタルの定義は何と非科学的であろうか。現にチタンは最近浅草寺の瓦屋根の代用となるほど広く使われてきたので、レアメタルからベースメタルへの昇格?寸前らしい。

 ついでに更に悪乗りして、そもそも「金属」とは何? ウイキペディアによれば、金属(metal)とは「内部の原子同士が、金属結合という陽イオンが自由電子を媒介とする金属結晶状態にあるもの」。だが、余りに厳密な定義過ぎるので、もう少し平たく言えば、「展性、塑性(延性)に富み、機械工作が可能な、電気および熱の良導体であり、金属光沢という特有の光沢を持つ物質の総称。水銀を例外として常温・常圧状態では透明ではない固体となり、液化状態でも良導体性と光沢性は維持される」と。

2018年10月11日 (木)

リンドン・B・ジョンソン

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https://eiga.com/movie/89320/

 新宿カリテで、映画「LBJ ケネディの意志を継いだ男」(米2016)を英語通信教育の関係で見た。御承知のように、LBJとはリンドン・B・ジョンソン(写真中央、ウディ・ハレルソン)のことで、ケネディ政権の副大統領だったが、ジョン・F・ケネディの暗殺で、第36代米国大統領に急遽なった人。

 ジョンソンは、就任直後の泥沼のベトナム戦争突入もあり、アメリカでは最も人気のない大統領の一人らしいが、その伝記のこの映画も、首都圏では新宿カリテ1か所の上映と、人気がないこと夥しい。監督のロブ・ライナーと主演のウディ・ハレルソンも、最初は乗り気でなかったという本映画は、何故製作されたのかは謎だが、「地味なスルメも噛めば噛むむほど味が出てくる」ということであろうか。

 1960年のアメリカ大統領予備選挙で、院内総務として辣腕を振るい、最も実力のある民主党員と言われたリンドン・B・ジョンソンは、弱冠43歳の上院議員ジョン・F・ケネディに敗れる。東部ボストンの名門の家系の出で、ハーバード大卒、若さと洗練された容姿、カリスマ性を兼ね備えたケネディは、国民的な人気を得ていたのだ。

 一方のジョンソンは、南部テキサス州の貧しい地方の出で、たいした学歴もなく、粗野な言葉が混ざるがさつな言動は、誰が見ても人気ではケネディに敵わなかった。ところが、政治家としては鋭い勘と洞察力があり、交渉能力に長けた当代一の策略家だったと言う。まさに、角栄のアメリカ版と言ったイメージ。

 ケネディは、こんなジョンソンだったが、自分が弱い南部選挙対策と、議会筋懐柔のため、1960年副大統領に任命する。しかし、ケネディの弟で、実質的な蔭の大統領と目されたロバート・ケネディ司法長官の猛反対を受けた。もともと、ロバートとジョンソンは、反りが合わず何かと対立してきたが、次第にジョンソンは政権の中心から遠ざけられ、実力を発揮できず苛立つ日々を送る羽目に陥る。

 だが、1963年11月11日、ジョンソンの運命は一変する。テキサス州ダラスで遊説中のケネディ大統領は暗殺され、その僅か98分後に、ジョンソンは大統領に昇格する。彼は戸惑いながらもケネディの遺志(映画名には「意志」が使われているが「遺志」がベター?)を引き継ぎ、公民権法を実現することを決意する。

 黒人の地位向上などを目指す公民権法は、長い間、民主・共和両党の枠を超えた南部系議員たちの一致団結した反対で、議会を通過できなかったが、南部出身のジョンソン大統領の予想外の決断が大きく働き、1964年歴史的な公民権法が成立した。映画は、まさにその点に焦点を当てた大型の政治ドラマとなっている。

 映画はここで終わるが、その後、1964年の大統領選挙では、ケネディの弔い合戦もあって、ジョンソンは大勝したが、ベトナム戦争が泥沼化し、ジョンソンの支持率は急速に悪化する。1968年3月には、ジョンソンは秋の大統領選に不出馬を表明せざるを得なくなった。一方、ロバート・ケネディは、有力な大統領候補と目されたが、ケネディ家の運はまたも暗転する。1968年6月、ロバートはロスで暗殺されたのだ。1969年、ジョンソン大統領の後を継いだのは、共和党のニクソン大統領である。これも人気がなかった大統領の一人か。

2018年10月 5日 (金)

運命の人

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https://blogs.yahoo.co.jp/hiroshikey66/61446081.html

 山崎豊子の小説「運命の人」を読んだ。文藝春秋に2005年から2009年まで連載されたが、後作の「約束の海」が絶筆となったので、本作が完結した小説の最後らしい。山崎豊子を全く読んだことがなかったので、図書館から新潮社全集を借りだしたら止まらず、「二つの祖国」(3巻)、「不毛地帯」(4巻)、「「白い巨塔」(3巻)」、「運命の人」(3巻)と来て、トータル13巻となった。

 だが、山崎豊子は量産作家で全26巻もあるからやっと半分である。残りで有名なものに、「大地の子」(2巻)や「沈まぬ太陽」(3巻)があるが、これらはいずれも人気が高く、予約順番待ちでありいつになるか分からない。

 さて、「運命の人」は毎日新聞の西山太吉元記者(写真一枚目)が起こした「西山事件」がベースである。1971年の沖縄返還協定に関する取材で、入手した機密情報を記事にする以前に、野党国会議員横溝孝弘に漏洩した西山記者らが、国家公務員法違反で有罪となった事件。山崎は「事実を取材し小説的に構築したフィクション」としているが、人名・社名などは容易に実名が類推できる仕掛けになっている。

 特ダネ記者である毎朝(毎日)新聞政治部の弓成亮太(西山太吉)は、大詰めとなった沖縄返還の取材中に、日米間で進められている密約の存在に気づく。激しいスクープ合戦の中、弓成は証拠となる機密文書を、外務省事務官の三木昭子(蓮見喜久子)から入手するが、二人が男女の仲であったことを材料に、国は機密漏洩を追及し、やがて世間の関心は国民の知る権利と国家権力の戦いから、二人の関係の詮索へと変質していく。

 沖縄返還の対米交渉を主導した佐橋首相(佐藤栄作)は、交渉妥結を機に退陣し、ノーベル平和賞の有力候補となったが、この事件は佐橋の華麗な花道に泥を塗ったものとして佐橋は激怒し、弓成記者への厳しい対応を指示した。弓成記者は一審では無罪となったが、二審で有罪となり、最高裁では上告棄却との扱いを受け、マスコミの世界から去る。

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https://hot-fashion.click/2017/10/25/post-16814/

 当時、政治部記者として、弓成と張り合っていたのが、読日(読売)新聞の山部一雄記者(渡辺恒雄、写真2枚目)。国民の知る権利を主張して裁判では弓成側の証人にもなるが、2012年、テレビ化された「運命の人」を見た渡辺恒雄は、烈火のごとく怒ったと言う。むしろこの作品はこれでも有名になったようだ。劇中、山部は料亭で田淵角造(田中角栄)に這い蹲って請願したらしいが、政治フィクサーの凄腕記者として、読売の社長にまで上り詰めた渡辺は、角栄とさしで飲んだことはないとか。

 ところで、西山記者も将来の毎日社長と目されていた大物記者だったが、事件後、毎日は読売、朝日に販売部数で大きく水を開けられ、それが現在まで続いているそうだ。毎日新聞出身の山崎豊子の嘆きが随所に出てくる。また、読売のナベツネは戦後共産党に入党したぐらいの左翼系だったが、漸次保守化して現在では右寄りか。

 まさに、ヴァーチャルとリアルが輻輳するので書きにくいが、傷心の弓成は、九州に戻って父の事業を継ぐ。ところが、経営に失敗して一人沖縄へ流れるのだ。沖縄の歴史を学び、人の情の篤さを知るが、暴慢な米軍の姿も肌で感じる。また、普天間基地の辺野古移転問題が、20年前の作中にもう出てくるから、結構、これは長期の根の深い問題だったようだ。

 2000年に、遂に密約を裏付ける公文書がワシントンで発見され、弓成は社会的な名誉を回復し、物書きとして再出発する決意をする。たが、事ここに至っても、外務省は頑固に密約は存在しないと言い張ったらしい。外務官僚とは不思議な人種ではある。

 

2018年10月 3日 (水)

薬価

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https://mainichi.jp/articles/20161117/ddm/016/040/023000c

 本庶氏のノーベル医学生理学賞受賞で、俄かに有名になったがん免疫治療薬「オプジーボ」(写真)は、2年前の週刊現代によれば、3500万円もするとしている。がん治療薬の中でも突出している高価さなので、ちょっとその背景を勉強。

 写真のように「オプジーボ」は、当時100mg73万円だったが、60kgの体重の人には一回180mgが必要で133万円かかる。もし、2週間に1回、一年間投与すると、年間で3500万円という勘定になるそうだ。保険には、高額療養費制度があるので、患者の負担は最大でも200万以下だが、保険事業者の負担は3300万以上と巨額である。

 2014年に保険対象として認可されたとき、黒色腫瘍患者のみで、400人ほどだったらしい。ところが、その後、保険対象が、肺がんなどにも広がって、急速に保険事業者の財政が苦しくなったという。そこで、急遽、政府の主導で2017年に臨時に半額、2018年に当初の4割に下げた。それでも、現在、年間一人1400万円もかかるのである。

 それでは、この薬の価格はどうやってきまるのであろうか?ご承知のように、薬は大別してOTC医薬品(大衆薬)と、医療用医薬品(処方箋によるもの)がある。OTCは、家電製品のように、メーカーが勝手に価格を決める。一方、医療用医薬品のうち、保険医療で用いられるものは、政府が価格を決め、「薬価基準」に収蔵される。

 政府はこの薬価をどうやって決めるのであろうか? まず、内外に類似の医薬品があれば参考とする。ただ、「オプジーボ」は正に異端児で、参考とする薬が世界中で全くないから、メーカー(小野薬品工業)の申告ベースとなる。次に市場サイズとコスト(主として開発費)を考慮するが、「オプジーボ」のマーケットは上述のように、当初は極めて小さかったので、売り上げが見込めず、従って異常に高価となった様子。

 ただ、一度決めて変えないと、状況の変化に追いつかないので、2年に一度薬価改定を行い、一般に薬価は廉価の方へ向かう。ただ、「オプジーボ」の場合は、売り上げが想定外に急拡大したので、慌てた政府は臨時措置を新設し、上記の半額値下げを実施したらしい。

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https://www.ds-pharma.co.jp/sukoyaka/iroha/theme6/vol1.html

 ところで、本質的に何で創薬にこんなに開発費がかかるのであろうか? 上図は、一般的な新薬開発の道のりを示したものだが、基礎研究では、新薬の基となる物質を探すが、当たる確率は3万分の1とか。次に候補薬を非臨床試験(動物など)、臨床試験(人)で確認し、厚労省に申請し、認められれば発売する。

 こう書くと簡単だが、道のりは長く9-17年はかかるそうだ。また、海外に販売しようとすれば、臨床試験(治験)を外国でも行う必要がある。落語の落ちを言うようだが、新薬開発プロジェクトの成功率は4%にしか過ぎないそうだ。毎年、優秀な薬学や化学の大学卒業生が、大量に大手製薬会社の研究所などに就職するが、一生のうち、創薬1つでも成功すれば幸せ者らしい。

 そういう中で、「オプジーボ」開発に命を賭けた小野薬品工業(大阪)は立派である。ネットで調べると、従業員約3000人、売上約1600億円、純利益約250億円の一部上場企業で、売り上げの50%以上は「オプジーボ」の筈。なお、「オブジーボ」は2017年度の国内医療用医薬品15000品目中、販売高で堂々の3位である。

2018年10月 2日 (火)

自分の目で確かめる

7

https://mainichi.jp/articles/20181002/k00/00m/040/151000c

 京都大の本庶佑特別教授(写真一枚目)が、ノーベル医学生理学賞を受賞して、今朝の新聞は受賞の喜びで一色である。ともかく、政治と経済ではここ25年近くも停滞してきた日本にとっては、ノーベル賞は唯一の明るいニュースとも言える。

 その受賞研究内容(下図)は、各紙に詳しく紹介さているので、省略するが、一年前の学士会で河上裕慶応大医学研究科委員長の「ガン免疫療法」の講演を聴いたので、参考に本ブログ2017.9.10のURLを紹介する。http://joudeki.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/post-fec4.html

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https://toyokeizai.net/articles/-/240566

 河上氏は、免疫療法は効く場合は素晴らしいが、効かないガンもあり、その事前特定が課題。また、オプジーボなどの薬が高価であるのも今後改善の要あり。いずれにせよ、ガンの症状や部位などにより、外科手術、放射線治療、薬剤治療、免疫治療を組み合わせるのが現状ベストとされた。

 今朝の朝日によれば、iPSの山中伸弥京大教授は、本庶氏の業績は、感染症のペニシリンの発見に匹敵するとした。ネットで調べると、1928年のフレミングによるペニシリンの発見のあと、なかなか量産できなかったが、1942年トウモロコシからコンスターチを作る際に得られる粘液を、青カビの培地に使うことが発見され、コストが大幅に下がって、第二次世界大戦で多くの兵士の命を救ったと。

 そのころでも、ペニシリンが効く感染症は限られていたが、その後の長い改良で現在の各種の抗生物質が得られたそうだ。今回のガン免疫関係の薬でも、ペニシリン同様の今後の進展を期待したい。

Photo

https://ameblo.jp/michi--0103/entry-11737082204.html

 ところで、昨日のテレビインタービューで、本庶氏は「ネイチャーやサイエンスなどの論文はそのまま信じてはいけない。その90%は10年もたつとおかしいことが判る」と言われた。つまり、実験などで自分の目で確かめるのが重要である。子供たちも教科書を100%鵜呑みにせず、疑いを持つことと、文科省あたりには頭が痛いことを仰った。

 そこで「間違いだらけの物理学」(松田拓也)から、クイズを一つ。写真2枚目のように、缶コーヒー2個を坂から転がす。一つは熱いコーヒーで、一つは氷ったコーヒーであるとき、どちらが速く転がる? 松田氏がサイエンス・カフェで、科学者などにテストしたところ、ほとんどの人が凍ったコーヒー缶が最も速いとし、一部の人が同速、1名が熱い缶としたそうだ。

 答えは熱い缶である。位置のエネルギーは、転がるとともに、一部が運動エネルギーに、一部が回転エネルギーに転化する。このとき、熱いコーヒーは中身が回転しないので、回転エネルギーが少なく、その分運動エネルギーが増えるため。まさに、頭で考えることと、実際とは違う良い例であろう。

 

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