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2016年11月 9日 (水)

愛蘭土紀行

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http://www.fullmarksstore.jp/pc/blogs/1630
 
 今日の街道をゆくは「愛蘭土紀行」。司馬は1987年、英国経由でアイルランドを訪問した。文学関係中心に事前準備が特に良く、全集本で300ページを超す力の入れようである。
 
 北海道ほどの面積と人口のケルト人の小国(上図)で、司馬が行った頃は経済が振るわなかったが、その後、1990年代のEUの統合や、アメリカ外資の投入などが成功して、奇跡の経済成長を遂げたらしい。一人当たりGDPでは、EU第2位、世界第4位の豊かな国である。
 
 だが、ご承知のようにその歴史は悲惨である。1171年イングランドの支配下に入り、1652年清教徒革命のクロムウェルにより、カトリック教徒の大量虐殺に会った。以降、1949年の独立まで、英国の過酷な植民地政策のもと、極端に搾り上げられてきた。
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 国土は、燃料にされる泥炭地(写真中)が多く、ジャガイモが唯一とも言える農作物。そのジャガイモも1840年代後半の不作により大飢饉となり、800万人いた人口のうち100万人が餓死し、150万人がアメリカなどに移民した。
 
 アメリカでも過酷な目にあったが、カトリック特徴の多産で次第に人口を増やし、現在では4000万人を数えると言う。特にニューヨークの警察官が多いらしいが、ケネディとレーガン二人の大統領を輩出するに至る。NHKはケネディの祖父が住んでいた一部屋の生家まで撮影。
 
 司馬はイギリスのリバプール経由でダブリンに行ったが、リバプール港はアイルランド人が移民でまず寄った港。現在のリバプール市の人口の40%は、アイルランド人であり、ビートルズの4人もアイルランド系とか。
 
 ところで、アイルランド人特有の毒のある皮肉を「死んだ鍋」と言うそうだ。ビートルズがアメリカ公演で記者会見の際、「ベートーヴェンをどう思う」と聞かれて、リンゴ・スターは「いいね、特に彼の詩がね」。「ガリバー旅行記」のスウィフト(1667-1745)の場合はもっと凄い。アイルランド人の幼児を食品にして、イギリスへ輸出せよと。
 
 ダブリンの一番の通りを「オコンネル通り」と言うらしい。1829年オコンネルの尽力で、従来、あらゆる事を禁じられてきたカトリック教徒の解放令を獲得したと言う。また、1843年のアイルランド併合反対運動の際、オコンネルは「タラの丘へ!」と人々に呼びかけ大集会を開いた。タラと言うのは、ダブリンの北西36kmにある聖地。「風とともに去りぬ」で、最後に傷心のスカーレットが再起を誓うのはタラの土地だが、作者のマーガレット・ミッチェルはアイルランド人である。
 
 話が長くなるが、アイルランドは出身文学者が多いのでも有名。「サロメ」のオスカー・ワイルド(1854-1900)、「ユリシーズ」で20世紀の欧米文学に大きな影響を与えたジェイムズ・ジョイス(1882-1941)など。ノーベル文学賞受賞者では、イェーツ(1923年)、バーナード・ショー(1925年)、ベケット(1969年)、詩人のヒーニー(1995年)などがいるらしい。
 
 ついでに、映画「駅馬車」監督のジョン・フォードもアイルランド人。その出身地の西部の海岸の町、ゴールウェイを司馬は訪問した。フォード一家のジョン・ウェイン、モーリン・オハラ、ビクター・マクラグレンもアイルランド系とか。
 

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