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2016年11月21日 (月)

KAGRAプロジェクト

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http://blog.livedoor.jp/sekaiminzoku/archives/45932730.html
 
 学士会の午餐会で、梶田隆章東大宇宙線研究所長の「KAGRAプロジェクトと重力波天文学」という講演を聴いた。梶田特別栄誉教授は、ご承知のように、ニュートリノ振動(質量)の発見で、ノーベル物理学賞を受賞した人。神岡鉱山での三匹目のドジョウを期待するかのように、多くの年寄りが出席したが、講演では、残念ながら日本はこのプロジェクトで欧米に大きな後れをとっていることが説明された。実際、KAGRAで観測が始まるのは早くても3年先とか。近年、日本は科学関係のノーベル賞を連続取っているが、マスコミ含めてちょっと頭を冷やす必要があるようだ。
 
 ところで、この「重力波」について、ウサギさんがブログに書くのは、これで5度目である。別に専門家でもなんでもないが、内容が比較的素人分かりし、サイエンスと言うより、目立たない地味なことで、大いに汗を流す必要のある工学に近いせいかも。旧じょうで記の2004.9.25ではアメリカのLIGOを紹介し、2010.8.9では日本のKAGRAに予算がついたとし、本joudekiの2015.11.3ではKAGRAの見学が始まったこと、2016.3.6では遂にアメリカのLIGOが、重力波の観測に成功したとしている。
 
 アメリカのLIGOは、ワシントン州とルイジアナ州の2か所に、4000mのレーザー腕2本がある大規模な重力波検出装置。2002年に既に観測が開始されたが、長い間、重力波が検出できなかったので、2015年までに精度を上げる大改造をしたところ、2015年9月に2か所で同時に重力波を検出した。その後5か月間かけて、ノイズかどうか検証し、2016年2月に正式に発表したもの。重力波の発見はノーベル賞間違いなしとされたが、何故か2016年秋には受賞できなかった。
 
 今後のKAGRAの意義については、重力波は複数個所で同時に検出するのが望ましく、米国での2か所より、欧州、日本を加えた3か所以上がベストである。また、超新星爆発では、ニュートリノと重力波が同時に出るので、ニュートリノ観測が得意な日本に出番がある。将来、ビッグバンのインフレーション時の重力波観測が楽しみとか。
 
 KAGRAでの検出精度を上げる種々の苦労話があり。レーザー干渉の腕を伸ばすために鏡の反射を何回も使う、鏡を極限まで磨いて反射率を上げる、14mの多段振り子に鏡をぶら下げて外部振動の影響を和らげる、鏡を絶対零度近くまで冷やす、レーザーの80cm径の通路内(写真)を真空にするなど。これらの対策で、3kmの長さの腕が10のマイナス16乗cm変化するのを干渉縞で検出する。
 
 最後に出席者から、日本の技術レベルの質問があったが、サファイアの鏡は米国製であり、鏡を磨く技術も米国、鏡上の反射膜も欧州製である。ただ、振動が少ない極低温冷凍機は日本製とか。

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