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2016年8月 6日 (土)

迎撃ミサイル

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http://thutmose.blog.jp/archives/48709938.html
 
 昨日の「北朝鮮ミサイル」の続き。今回の事件で、政府は自衛隊にミサイル迎撃態勢をとらせる「破壊措置命令」を、常時発令することを検討すると言う。つまり、今までは北朝鮮から発射するよとの連絡を受けた時のみ、迎撃態勢を取り、終わるとすぐ解除してきたのだ。いわば、国民向けに防衛演技をみせるショウである。
 
 従って、今回のように通告なく発射され、もし秋田あたりの陸地に着弾しても、迎撃破壊システムが働くわけはない。これは知らなかったが自衛隊法の定めだそうだ。もし常時破壊命令が発令されれば、イージス艦の展開や、パトリオットをより柔軟に配備できると言う。だが、準戦争状態に入るので、増員を含めた部隊の再配置が必要になるらしい。
 
 これも初耳だが、北朝鮮の今回のノドン飛行ルートの延長線上には、青森県つがる市の米軍車力通信所があり、ここには、ミサイル防衛用の早期警戒レーダー「Xバンドレーダー」が配備されていて、ミサイル防衛関連施設への攻撃を想定した北朝鮮の訓練との見方もあるらしい。
 
 この高性能レーダーは、昨日のブログでも触れたが、7月に米韓が合意して在韓米軍への配備を決めた高高度迎撃システム(THAAD、サード)に使われる。在日米軍にはサードのレーダーだけは先行配備されていて、車力以外に京都の米軍経ヶ崎通信所にも設置済みとか。
 
 このサードミサイルの在韓米軍への配備には、中国が猛反発して来た。中国の顔色を窺うようになった韓国は、長い間了解して来なかったが、やっと先月OKしたいわくつきのもの。今回の北朝鮮のミサイル発射もその意趣返しかも知れないと。なお、日本ではこのサードの配備は、まだ何も決まっていないらしい。
 
 では、サード(THAAD)ミサイルというのは一体何者? 終末高高度防衛ミサイル(Terminal High Altitude Area Defense missile、写真)のことで、「終末」というのは、地球最後のと言う意味ではなく、敵弾道ミサイルが、その航程の終末段階にさしかかり、大気圏に再突入している段階で、ミサイル防衛で迎撃・撃破する。
 
 サードの有効高度は40kmから150kmで、大気圏に落下してきた弾道ミサイルを迎撃するミサイル。70kmから500kmのイージス艦搭載SM-3より高度は低い。イージス艦のSM3迎撃ミサイルは、遥かに高い高度と長い射程を持っているが、それゆえ高価でSM3を装備したイージス艦は日本には4隻しかない。サードはこの粗いネットのSM-3打ち漏らしを補う目的がある。
 
 一方、地上のパトリオットミサイルPAC-3は有効高度15km。自衛隊はPAC-3を比較的多数導入して各地に配備しているが、高度15キロというと配備された周辺数キロ範囲しか防衛できない。また、弾道ミサイルの速度を時速2万キロとすると、15キロは着弾約5秒前でしかなく、命中しても頭上で爆発して破片が落下する。従って、より高い高度で広範囲に撃ち落とすサードとの連携が重要になる。
 
 だが、ミサイルの脅威はこれで終わらない。中国やロシアが開発している超音速巡航ミサイルである。地上や海上すれすれの低空を飛ぶミサイルで、そのレーダー検出は戦闘機より難しいそうだ。これには、自衛隊は03式中SAM改を開発中とか。きりがないから、物騒な話はこの辺で止めよう。

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