2019年7月20日 (土)

キオクシア

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https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1193544.html

 数年前は東芝メモリ(写真一枚目)売却の報道で新聞は連日賑わったが、最近はとんと聞かなくなったと思ったら、今回社名を変更するというニュースである。今年末の上場に合わせて、「記憶」とギリシャ語で価値を意味する「アクシア」を組み合わせて、「キオクシア」という妙な社名に変えるらしい。売却後も東芝は40数%の株式を保有していたが、「東芝」の名を使うことでブランド使用料を払っていたのを今後は解消すると。ダイナブックなど、東芝の社名が消えるのは寂しい気もする。

 ところで、上場を前に東芝メモリは思わぬ試練にあった様子。先月、中電のミスで13分間の停電が起き、生産回復に1か月程度かかったと言う。半導体のプロセスは微妙な連続的工程で、途中で一回止まると再開が大変らしい。クリーンルームだけでも浮遊超微小ゴミが収まるまで1週間はかかるそうだ。停電対策には自前の発電所を持てば良いが、大電力なので簡単にはペイしない。瞬停程度はUPSでカバー可能かも知れないが、2010年の瞬停は0.07秒だったが、四日市工場は停止して大損害が出た。サムスンなどは、対策なしとして保険で停電はカバーするが、今度は半導体材料入手難に会うがその保険はありや?

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https://04510.jp/times/articles/-/3248?page=1

 東芝メモリの上場前のもう一つの試練に、メモリの市場が良くないことがあり、現に今年の1-3月は赤字である。アマゾンやグーグルなどのデータセンターのメモリ需要が弱くメモリ売価が下がっているらしい、ただ、今回の停電で東芝メモリの在庫は1か月はあったのでむしろ幸いしたとか。また、韓国が日本の輸出規制でもし生産が減れば価格は上昇するかも知れない。このように価格が安定しないのは、半導体の宿命とも言える。新鋭設備に大規模な投資をし、写真2枚目の大口径のシリコンウェファーにどんどん回路を印刷する仕組みだが、上記の設備稼働を止められないことなどから作り過ぎに陥りやすい。従って、ある意味ではばくち的なビジネスでもある。

 東芝がメモリを売却した際、マスコミはこれからのIOTやAI時代でキーとなるメモリ事業を手放すとはと手厳しい評価をしたが、多分、東芝はこの孝行息子でかつどら息子のメモリ事業を、かなり前から手放すタイミングを計っていたに違いない。たまたま市況が良くて2兆円で売れたが、現在では半値8掛けでも売れないかもしれない。

 ところで、あまり本筋とは関係ない蛇足だが、今回の停電事故で東芝メモリは「6エクサバイトのNAND供給が減る」と発表した。これは世界の年間供給量の2%相当とか。このエクサという表現は世の中でもう市民権を得ているのであろうか? 念のため、エクサは10の18乗で100京である。我らのPC用のUSBメモリ容量は多分数ギガバイトだが、ギガは10の9乗で10億であり、エクサはギガのギガ倍である。ついでに、10の6乗はメガで百万、10の12乗はテラで兆、10の15乗はペタで1000兆、10の21乗はゼタで10垓(がい)、10の24乗はヨタで秭(し)である。 

2019年7月17日 (水)

送電鉄塔

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http://pylon.client.jp/soden_file/minami-yokohama-karyoku_line/minami-yokohama-karyoku_line_no28.html

 一日平均1万歩は歩くのを目標にしているが、雨風の日や一応野暮用もあるので、なかなかその達成は難しい。それでも早朝と午後の2度に分けて歩くのが、歩数を稼ぐのに有効であることが分かってきた。だが、やみくもに近所を歩き回るのではなく、歩くルートを毎回少し変えるとか、他人の散歩ルートをちょっと真似てみるとかの工夫をするのである。

 最近、ちょっとトライしているのが送電鉄塔巡り、と言っても実はブログに書くほどのたいした内容はない。ただ、住宅地の中の意外なところに鉄塔が建ち、次の鉄塔までは通常道路はないので、歩き方を工夫するなどなかなか面白い。年寄りに何よりなのは次の目標地点が明確で、かつ高圧線というガイドもあること。鉄塔と鉄塔の間はだいぶ距離があると思われるかも知れないが、実際は谷あり丘ありの高低差があって意外に近距離に設置してある。つまり、高圧電線の地上からの高さをキープするため、丘陵地などでは間隔を詰める必要があるようだ。

 だが、そもそも送電鉄塔は見渡してもそんなにないよと言われる地域もあるであろう。幸いと言うのか、港南台駅近辺に限ってかも知れないが、ちょっと歩くと10基くらいは御の字である。ネットで調べると、相鉄線いずみ野駅そばに京浜変電所と言うのがあって、神奈川県全域や東京都西部に電力を供給する巨大な電力ハブらしいが、東電横須賀火力と磯子にあるJERA南横浜火力、電源開発磯子火力などから、この京浜変電所への送電線の交差点に丁度ここらは当たるようだ。環状3号の上でやけに高圧線が低いところがあるが、横須賀系統と磯子系統が空中で交差しているため。

 ところで、写真の鉄塔はURLを検索して見つけた近くの日野南小学校脇のもの。左端の建物は小学校で、撮った人はこのあたりは住宅地で写真を撮りにくいとボヤイテおられる。驚くのはこの写真で知ったのだが、鉄道マニアならぬ「鉄塔マニア」らしき人が沢山世の中にいること。各地の鉄塔を写真に撮りアップしているが、解説も電線数・電圧・碍子の形状など極めて専門的である。全国を巡るには、本格的な登山なども多分必要だが、それこそ「鉄塔ガール」なんかもありかな?

 横須賀から来る高圧線は、東京南線1・2号線、同3・4号線と呼ばれ、2系統ある大規模な送電線だが、実は2014年以来電気は流れていない筈。横須賀火力発電所は1960年にオープンした8基からなる大規模発電所で原発3基分に相当した原油依存のため2010年引退した。2011年の福島事故でピンチヒッターとして再開したものの2014年再び停止。以降は2023年石炭火力でリニューアル再開の計画だそうだが、反対運動も起きているらしい。

 写真の鉄塔の高圧線は南横浜火力線と呼ばれ、磯子のJERA(東電・中電)南横浜火力発電所と、電源開発の磯子火力発電所からだが、磯子から金沢区の富岡までは地中ケーブルで送電され、富岡から地上に顔を出す。南横浜火力は1970年世界初のLNG発電をしたので有名。また、磯子火力は石炭では世界最高水準の発電効率を持つそうだ。

 なお、ウサギさんの知り合いの元東電のNさんの話では昭和30年代に日野のあたりに良く鉄塔を建てたよとのことなので、時期的には住宅地が開発される相当前に鉄塔は既に建っていたに違いない

 

 

 

2019年7月15日 (月)

宇宙のこと全然分からない

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https://item.mercari.com/jp/m56975468507/

 たまにマクドナルドやカレーライスが無性に食べたくなるが、同様に科学関係のちょっとした専門書を読みたくなり、日本一のジュンク堂などへ用ありげに勇んで行くのだ。アメリカのハーバード大やMITの教授などの分厚い最新版を買い、帰りの電車の中で得意げにパラパラめくるが、結局は理解不能で本箱に積んでおかれるのが、悲しいかなこれらの貴重な?翻訳本の運命である。

 先日、また悪い癖が出て藤沢のジュンク堂へ行ったが、今度は従来と違って、中高校生向けの「僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからないーこの世で一番おもしろい宇宙入門」(写真)という易しい一般向けの入門書を買ってみた。著者は、スタンフォード大卒の漫画家ジョージ・チャムと、カリフォルニア大教授のダニエル・ホワイトソンである。特に文字サイズがやけに大きくて年寄りに見やすく、まさにハズキルーペが不要な点が気に入った。

 ところが、読んでみて驚いた。宇宙の何が分からないかの分かりやすい解説本だが、読者は現在の最新の量子力学などは、当然知っていると考えているのだ。考えて見れば当然だーー何が分からないかは、分かっていることは全て知っているから分かるのだ。中高校生向きと考えたのは自分の早とちりで、多分大学物理学科の学生くらいが対象であろうか。

 まず、有名な話に我々は宇宙の5%しか分かっていないというのがある。つまり、宇宙の全物質・エネルギーのうち、人類が知っている物質はたったの5%に過ぎず、残りの27%はダークマター、68%はダークエネルギーで、ダークというのは我々が何物か全く分からないという意味である。政治家や経営者は、大金を研究費に使って、科学者は一体何をしとるのかと怒るかも知れないが、この事実も割合最近分かったことである。

 次に、宇宙の物質を最終的に細かく分けたとき、何から成り立っているかについては、12の基本的な物質粒子から成り立っていることが最近分かってきた。つまり、クオーク(アップ・ダウン、チャーム・ストレンジ、トップ・ボトム)、レプトン(電子・電子ニュートリノ、ミューオン・ミューニュートリノ、タウ・タウニュートリノ)の12種である。ところが、困ったことに、我々が知る5%の物資は、アップクォーク、ダウンクォーク、電子の3種類があれば十分で、残りの9種類は何のためにあるのか全く分からないのだ。

 地球が引力で太陽の周りを回るなど、重力は宇宙で最も重要かつありふれた力だが、これが現代物理学では一番分からない現象とか。つまり、重力子などは未だ見つかっておらず、量子力学などの世界と全くそりが合わないし、重力が他の力と比して桁違いに弱い理由も不明である。毎日、重い買い物籠を運ぶ主婦は、重力が弱いなんてウソと思うかもしれない。だが、机上におかれたクリップは、地球全体が引っ張っているに拘わらず、いとも簡単に磁石に吸い上げられてしまう。最近では、重力は我ら3次元の世界でない世界の住人で、ひょいと3次元に顔を出したので力が弱いとの説も有力とか。

 次に分からないものは時間とエントロピー。全ての宇宙の事象は戻れるのに、何故時間とエントロピーはどんどん一方向に進むだけなのか。タイムマシンでもし過去に戻って、自分を殺したら現在の自分の存在は矛盾するから? エントロピーの増加とは、熱力学第2法則のことで、世の中はどんどん複雑さが増加するというもの。例えば、猫が部屋を滅茶苦茶にする。整理したらエントロピーは戻るかと思うが、整理のために余計なエネルギーを使い、これが世の中をより複雑にする。このエントロピーの増加一方により、将来の宇宙は乱雑さは最大限に達し、「宇宙の熱的死」を迎えるという。

 草臥れたのでこの辺でやめる。あとは分かっていないテーマのみ挙げる。「次元はいくつある?」、「光より速く進める?」、「地球に超高速粒子を撃ち込んでいるのは誰?」、「どうして僕らは反物質じゃなくて物質でできているの?」、「ビッグバンのとき何が起こったの?」、「宇宙はどのくらい大きいの?」、「万物理論はあるの?」、「宇宙で僕らはひとりぽっちなの?」。

ーーサイエンティストたちは、幸いにも当分飯の種は尽きないようだーー

 

 

 

 

 

 

 

2019年7月12日 (金)

米中関係の日本への影響

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http://www.pp.u-tokyo.ac.jp/overview/message/

 学士会夕食会で、高原明生東大教授(写真)の「米中関係の行方と日本に及ぼす影響」という講演を聴いた。本人も認められていたが、米中関係の行方の影響分析はほとんどなく、大半は単なる日中関係についてのお浚いであった。

 中国にとってアメリカは最重要の国であり、アメリカをハンドリングできないような中国トップは失格である。中国人は米国は大好きであり、同時に大嫌いでもあり、米国との摩擦の心理的な打撃も大きい。2017年トランプ政権発足のころは、中国と北朝鮮間が緊張関係にあったこともあり、むしろ米中関係は良好であったが、その後、知的財産権、貿易などで米中間の摩擦が大きくなり、相次ぐ米国の経済制裁が発生した。

 だが、2018年までは中国は「対米21文字方針」という低姿勢策をとっていたが、2019年5月になって、政権内の批判から態度を急変し対米強硬姿勢を示すようになった。2019年6月の大阪G20でのトランプー習会談で、米中交渉再開となったものの先行きは見通せない。また、米朝関係は米中関係の矛盾に北朝鮮が付けいる構図であり、北朝鮮は在韓米軍を認めるとしているので、中朝関係は微妙なバランスの上に成り立っていることになる。

 日中関係は2010年の尖閣諸島漁船衝突事件以来冷え切っていたが、中国は2014年歩み寄りを見せた。これは米中関係の行き詰まりと、日系企業の投資抑制への危機感から。2015年南シナ海を巡って日中間で論争があったものの、2017年中国の「一帯一路」に日本が協力を表明し、2018年10月の安倍訪中では大歓迎を受けて韓国を悔しがらせ、2019年の習近平訪日までもが計画されている。

 特に中国の2018年の経済成長率は6.6%と公式発表されているが、これを信じる中国人はほとんどいないらしい。実際はかなり悪く0%成長との噂である。金融恐慌、資本流出、大衆の不満を警戒せよとの声も多いとか。ただ、中国人の対日イメージは改善されつつある。良いイメージは2017年の31.5%から、2018年は42,2%と上がった。他方、日本人の対中良いイメージは、2017年11.5%、2018年13.1%と余り改善していない。やはり、中国の尖閣領海侵犯、国際ルール違反、歴史問題などが尾を引いている。

 米中対立は長期的な競争であり、短期的には「我慢比べ」である。一方、日中関係の持続的な発展には、矛盾を生きる強さを持ち、関係の強靭性(経済関係、安全保障、文化交流)を一層強化し、脆弱性(尖閣諸島、歴史問題)を抑制管理すべき。抑止力を強化し、それと同時に防衛交流を促進し、一帯一路と自由で開かれたインド太平洋の共生、中国の自制を促す知識交流や、認識ギャップ、情報ギャップの縮小などが必要である

 全般に優等生的国家公務員のレポートといった感じだが、最後に出席者からの質問がいくつかあり、中でも中国人女性から「結局、中国の今後はどうなると見ているのか」という厳しい指摘があった。講師曰く、現在の共産党支配が永久に続くと考える中国人はいない。経済が拡大すれば、それだけ共産党の口出しする余地が狭まるから。ただ、党関係者の既得権益はべらぼうに大きいので抵抗は強く、新体制にソフトには着地せず、何らかの暴力的な解決をみるであろうと。 

 

2019年7月11日 (木)

ゴールデン・リバー

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https://movies.yahoo.co.jp/movie/367307/story/

 チネチッタ川崎で、それこそ何十年ぶりかで西部劇を見た。「ゴールデン・リバー」(2018年、フランス・スペイン・ルーマニア・ベルギー・アメリカ、ジャック・オーディアール監督)で、何とフランス人監督によるいわばマカロニ・ウェスタンならぬフレンチ・ウェスタンである。

 The Sisters Brothersという妙な映画名で、シスター家の兄弟ということだが、ヨーロッパ系のヴェネチア国際映画祭や、フランスのアカデミー賞であるセザール賞のいずれも監督賞を受賞している。例の英語通信教育の宿題で、東京や神奈川でも2か所程度しか上映していないマイナー作品扱い。だが、チネチッタは水曜午後というのに、なぜかかなりの入りである。

 ゴールドラッシュに沸くアメリカ。オレゴン準州のある町に最強の殺し屋シスターズ兄弟、イーライ(写真右、ジョン・C・ライリー)と、チャーリー(写真左、ホアキン・フェニックス)がいた。兄弟は雇い主の提督から、仕事仲間のモリス(ジェイク・ギレンホール)と協力して、ウォーム(リズ・アーメッド)という化学者を捜し出し、始末するよう依頼される。

 一方、一足早くウォームを捜しに出ていたモリスは、金の採掘者のなかに彼を発見し、行動を共にするうちに、ウォームからある衝撃的な秘密を打ち明けられる。ウォームとの間に友情が芽生えたモリスは、提督とシスターズ兄弟を裏切り、ウォームの砂金採りの旅に同行する。

 兄のイーライはロマンチストでお人よし、弟のチャーリーは粗野で大酒飲みだが憎めない愛嬌があり、裏社会でのし上がる野望を持つ。兄弟は二人を追って西海岸を南下するうちに、結局、黄金を目の前にしてウォームたちの仲間となり、四人は協力して砂金採りに励むが、結末はーー。

 フランス人監督らしい登場人物間の緊張した駆け引きや、兄弟のトラウマとなった生い立ちの描写が見事なサスペンス。また、当時の西部の時代背景説明も珍しい。繁栄し始めたサンフランシスコ豪華ホテルの水洗便所に驚き、得意になって歯ブラシを使って見せる兄弟など。

 

 

 

  

2019年7月 7日 (日)

日本の半導体材料は中国のレアアース

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https://www.recordchina.co.jp/b727385-s0-c20-d0052.html

 日本が「元徴用工補償問題」での韓国への実質的報復措置として、半導体や液晶材料3種の輸出規制を始めた。対象のフッ化ポリイミド、レジスト、フッ化水素について、今後契約ごとに輸出申請が必要となるが、通常、認可に3か月はかかるので、在庫が1か月程度しかない韓国の半導体メーカーのサムスン電子やSKハイニックスなどには大打撃となる筈である。これらの材料の日本の世界シェアは特にレジストなど90%と高く、半導体や液晶パネルは韓国輸出の20%以上を占める重要製品で、韓国は国を挙げて真っ青になる筈だが、一向に平気の平左の様子である。何故か不思議に思ってちょっとネットで調べた。

 まず、輸出申請が不要な国は、ホワイト国と言って日本には欧米など27か国あるが、韓国は10数年前に対象国となった。今回、3品種に限ってホワイト国待遇から外れた訳だが、もともと韓国は外れていたのと、アジアでは中国やインドなど、韓国以外は皆現在でもホワイト国でないので、そもそも大騒ぎするほどの事ではない。しかも、第3国経由で輸入する抜け道があるし、日本の材料メーカーの生産拠点も海外にあるからそこから調達が可能らしい。

 フッ化ポリイミドは、液晶や有機ELパネルに使われるが、その原材料を作る日本メーカーから直接購入も出来る。レジストは、半導体の製造過程で必須の材料だが、今回の規制対象は極紫外線露光用の先端技術のもので、台湾のTSMCだけが量産に漕ぎつけ、サムスンなど韓国勢はまだ開発段階で当面の影響はないそうだ。また、韓国メーカーの半導体や有機ELパネルの製品供給が遅れれば、パナソニック・ソニーなどの日本メーカーにブーメラン効果があるし、日本の材料メーカーもシェアを失うので、そう簡単には行かないと韓国側は読んでいるのだ。どうやら、これらの話を総合すると、例の安倍政権お得意の「やってますよ」スタイルのPR作戦の一環で、参議院選挙対策パーフォーマンスが濃厚である。

 ところが、思わぬところで反応が出た。中国が今回の日本の措置を大いに警戒し、例えばニューヨークのレコードチャイナ紙は、「日本の半導体材料は中国のレアアースに匹敵する」と大きく報道している(写真)。日本は半導体に重要な14種の材料で50%以上の世界シェアがあって最大の輸出国であり、最も重要な大口径のシリコンウェファーでは70%以上もシェアがある。また、半導体製造装置メーカー世界15社のうち7社が日本であり、2020年代には、IOT・自動運転・ロボットなどで必要となる先端的な半導体チップでは世界をリードするとしている。つまり、日本が半導体を武器に、中国のレアアースもどき世界経済戦争を仕掛ける危険性に警鐘を鳴らしているのだ。

 

 

 

 

2019年7月 4日 (木)

とてつもない失敗の世界史

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https://tsuiran.jp/word/3299484/weekly

 大雨が続いて、おまけにスポーツクラブが今週は休みときて、家に閉じこもらざるを得ないので、普段は買わないような種類の本を暇対策に買ってみた。「とてつもない失敗の世界史」(トム・フィリップス著、写真一枚目)で、著者はイギリスのユーモア作家とか。ヒトの脳は複雑な事象を解明できるのに、極端に変な判断ミスをしたり、ナンセンスな計画を思いつく。交響曲や相対性理論などを想像できるのに、スナック菓子を買うのに5分も悩む。

 世界史にはおかしなことがいくらでもある。例えば、アメリカの赤狩りなどの集団ヒステリー、アラル海の干上がり、クリーヴランドの汚染で炎上するカヤボガ川、オーストラリアの野ウサギ大発生など、いずれも人による失敗・失政が原因である。現在でも、太平洋には巨大なごみベルトがあり、魚はプラごみに悩む。

 統治者にはおかしな人が多いが、中でもオスマン帝国の17世紀前半の皇帝たちは酷かったらしい。面白いのは、ヒトラーは偉大な能力のある独裁者と見られがちだが、実際は無能な怠け者で自己中心的であり、常に酔った道化師のようであった。ただ、大衆受けのする熱弁をふるうことに長けていたと。その他、戦争での失敗、植民地支配での失敗など沢山の例があり、どれも面白いが、以下、特に科学・技術関係での失敗例をいくつか紹介する。

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https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/5261/

 写真2枚目は、1998年に打ち上げられたアメリカの火星探査機マーズ・クライメイト・オービターである。宇宙管制センターが軌道を微調整したとき、意図せぬ事態が起こった。つまり、探査機は火星表面に激突したのだ。原因は、探査機のプログラムはメートル法ベースで作られ、地上のコンピュータソフトはなんとヤード・ポンド法ベースであった! 

 この単位の勘違いミスは、かのコロンブスも犯したという。コロンブスは地球は実際よりずっと小さいと思っていたらしい。9世紀の天文学者ファルガーニーのいう距離を参考にし、単位は古代ローマのマイル(1.48km)と思ったが、実はアラビア式マイルで2km前後だった。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/トロフィム・ルイセンコ

 大勢の国民を飢えに苦しませたとして悪名高い人にソ連のルイセンコ(1898-1976、写真3枚目)がいる。ウクライナの生物学者・農学者だが、ダーウィンの進化論や遺伝説を否定し、取得した形質が遺伝するとした。これがスターリンに、努力すれば報われるとする共産主義の思想と一致すると称賛され、いわば現在では否定されている似非科学が、ソ連や中国・北朝鮮などでは大手を振って農業政策に使われた結果は不作続きで、ソ連は食料の輸入に頼ったがこの事実は国民に伏せられていたらしい。

 似たトップのミスに毛沢東の四害駆除運動がある。1950年代、中国では伝染病が蔓延し、蚊・ネズミ・ハエの撲滅運動に乗り出した。ここで止めておけば良かったが、スズメが穀物を食べるとして、ついでにスズメまで駆除した。結果はイナゴが大発生し、ルイセンコ学説と相まって、深刻な飢饉を招き、1500-3000万人が餓死したのだ。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/トマス・ミジリー

 写真4枚目は、アメリカの発明家のトマス・ミジリー(1889-1944)である。この人は二つの大発明をしたが、二つともとんでもない環境破壊を起こしたので悪名高い。一つは、自動車エンジンのノッキング対策として、有鉛ガソリンを発明した。エタノールでも良かったのに、有害な鉛の方を選んだのは儲かるからである。二つ目は、フロンガスを冷蔵庫用に開発したが、その後フロンはスプレーなどにも広く使われて、図らずも?オゾン層破壊を起こした

 有鉛ガソリンとフロンはともに1996年禁止されている。なお、ミジリーは小児麻痺に罹り、ベッドから起きる際に使う綱とプーリーを使った便利な装置を発明したが、55歳の時にこの仕掛けに絡まり窒息して亡くなったそうだ

 

 

2019年6月29日 (土)

G20「大阪写真の陣」

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http://mogyutto.tokyo/archives/2203

 大阪G20サミットの一日目が終わったが、朝日朝刊はハンセン病患者賠償命令のニュースが中心で、日本初のG20というのにサミット関係報道の影が薄い。日経ネットニュースによれば、「軸なきG20、会議は踊る、世界の液状化を映す、印ロが米中対立の隙を突く」と、極めて的確で分かりやすい総括をしている。ともかく、かってG7などの中心であった欧州と日本勢は急速に地盤沈下し、今やアメリカ・中国・インド・ロシア勢が、世界を引き回す構図らしい。

 テレビを見ていると、安倍首相が各国首脳と写真に収まる場面が延々と続き、さだめし「大阪写真の陣」である。もっとも、会議での成果は所詮望めず、賀詞交歓会のようなものだから写真が何よりも重要になるのだろう。一枚目の集合写真では、恒例により主催国の安倍首相が中心に立ち、左側に次回のサウジアラビア、右側が前回の主催国アルゼンチンが立つ。並ぶ順番は大まかに大統領が中心に近く、首相は就任の順とかだが、一番先輩格のドイツ・メルケル首相が右端に居るのは何故? なお、メルケルさんは、前回のブエノスアイレスG20では、飛行機トラブルで遅れ集合写真にすら写っていない。

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http://mogyutto.tokyo/archives/2203

 2枚目は晩餐会直前の集合写真で、カットしたがバックに大阪城が大きく写っていた。雨が降るといけないので、この場所に急遽屋根を作ったとか。韓国の文大統領は、朝鮮征伐の秀吉を思い起こさせるとして、大阪城での夕食会開催に反対したらしいが、前列右の方に憮然とした表情で写っている。この写真の立ち位置は事前指定がなかった様子だが、自然に現在の国際関係を表すという。日本の隣がアメリカで、中国とロシアは隣同士である。

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http://mogyutto.tokyo/archives/2203

 3枚目は大阪城迎賓館での夕食会の様子。適当な写真がなく極めて見にくいが、ここも席は決まっていなかったらしい。安倍の左隣にトランプが座り、その左がインド、トランプの正面に習近平、安倍の右隣りがプーチン、その右がメルケルである。なお、韓国の文は見当たらない。

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https://www.mbs.jp/news/kansainews/20190628/GE000000000000028407.shtml

 4枚目の写真はファーストレディの京都観光風景。安倍昭恵夫人のプロデュースで、錦鯉のえさやり、東福寺での人力車と庭園と昼食など。各レディは具体的に誰かは分からないが、右端の唯一の男性は、メイ首相の旦那のフィリップさんとか。

 

2019年6月27日 (木)

宇宙人の星を見つけ出せ

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https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00470935

 日曜夜のNHKスぺシャルで、「宇宙人の星を見つけ出せ」というやや「トンデモ番組」に近いのを見た。元来、公共放送は、民放の「UFOを見た」ライクの低俗番組と張り合う必要はない筈だが、視聴率競争でNスペもそうは言っていられない? それにしても、このブログは最近宇宙づいている。ブラックホール、火星と3連荘である。

 驚いたことに、世界の科学者の大多数は、宇宙人はいると信じるようになったとしている。その例として、2017年に太陽系外から初めて飛来した天体オウムアムア(写真一枚目)が、自然ではありえない加速をして、太陽系から飛び去った。全長400mの葉巻型だが、これは宇宙人が創った宇宙船だと、ハーバート大の天文学主任教授が昨秋論文発表したとNHKは紹介した。

 ただ、ネットで確認すると、この物体は電波を出していないし、加速したのは太陽系以外からの飛翔物は初なので、人類が知らない何かの自然現象があるのではとか、宇宙船説を疑問視する意見も多いようだ。しかも、速いと言ってもオウムアムアの速度は、たったの毎秒30kmで、太陽に一番近いお隣の恒星でも光で数年はかかるという遠方だから、多分、帰るのに5万年くらいはかかるそうだ。 

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https://www.swissinfo.ch/jpn/

 後半の地球外生物のCGなどはご愛敬だが、生命存在の星の探索のあたりはまともである。生命のハビタブルゾーンは、高温の恒星上ではありえず、周回する惑星を探すことになるが、ご承知のように惑星は光を反射するだけなので、惑星が明るい恒星の前を横切るときの恒星の光度の変化で発見する。ところが、発見できた惑星は、ほとんどが恒星に近すぎて高温で水がないことが分かったらしい。

 そこで、去年打ち上げられた最新の宇宙望遠鏡TESS衛星の出番となる。TESSは太陽などの恒星より暗い赤色矮星の惑星を観測できる性能がある。赤色矮星(写真2枚目)は、太陽の1/10位の重さで、半分くらいの表面温度であり、地味だが何よりも宇宙の星の70%と多数ある。それに太陽などは100億年くらいで燃え尽きるが、赤色矮星の寿命は長いので、宇宙誕生以来の138億年間に消えたものはないそうだ。つまり、長くかかる生命の進化に最適の環境である。

 既に、TESSなどで数百個の赤色矮星の惑星が見つかり、そのほとんどが水があるハビタブルなことが分かったそうだ。何せ我らの天の川銀河だけで恒星は数千億個もあり、全宇宙に銀河系の数は最近では数兆個もあると言われるから、ほぼ無限大の数の生命ハビタブルな星が宇宙に存在する計算となる。

 ところが宇宙はそう甘くはない。ハビタブルということは、温度の低い赤色矮星の近くの惑星が候補となるが、近いと矮星からのフレアや放射能を浴びる危険がある。大規模なフレア発生は、矮星誕生直後との説もあり大丈夫としても、近いと潮汐ロックという厄介な問題が起こる。つまり、月と地球の関係で月は自転できず、常に同じ面を地球に向けて公転するように、赤色矮星近くの惑星も自転できず、常に昼の半球と夜の半球に2分され、その温度差は数百度に及ぶという。この場合は昼夜両域の境あたりに生物は辛うじて生きることになる。

2019年6月24日 (月)

運命を分けた姉妹惑星 火星

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https://newsphere.jp/technology/20180731-1/

 NHKBSプレミアム「ザ・プラネッツ 運命を分けた姉妹惑星 火星」を見た。英BBCとの共同制作でCGをセンセーショナルに使った科学ドキュメンタリー。火星は写真一枚目のように赤い岩石の地球型惑星だが、地球には金星に次いで近く、一日が24.7時間で季節があり、過去誕生時には表面に海があったなど、地球に似ており「姉妹惑星」と呼ばれる。ただ、大気が希薄で熱を保持できず平均気温はマイナス43度。特に、太陽系が生まれた直後は、地球そっくりであった火星がなぜ変容してしまったのかを番組で解説。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/太陽系

 写真2枚目は太陽系の惑星群を表し、左端が太陽で右へ水星・金星・地球・火星と岩石惑星4個が並び、次に木星・土星の巨大ガス惑星、天王星・海王星の巨大氷惑星が続く。火星と木星の間に帯状になっているのが、最近話題の小惑星群である。太陽からの熱は強いので、小惑星群より太陽側は水は蒸発して存在できないので、水星と金星には水はないが、地球と火星は例外的に存在する。それは、巨大な木星の誕生と関係する。木星は生まれたときは、太陽にもっと近いところにあり、それが徐々に今の場所に移動したが、その際、様々な混乱を起こした。例えば、多数の氷からなる小惑星群を、地球と火星に衝突させたらしい。また、火星の成長を邪魔して現在の地球直径サイズの1/2に抑え、各小惑星群が新しい惑星に成長するのも抑えたという。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/オーロラ

 木星騒ぎのお陰で火星は当初地球より水が豊富で、それこそ生命誕生は地球より先になる可能性があったが、その後、表面の海は蒸発し気候は猛烈に寒冷化してしまった。理由は火星の大気が長い間に太陽風に吹き飛ばされたせい。太陽風は写真3枚目のオーロラで見られるが、太陽風のプラズマ流が地球の地磁気で曲げられて、大気の酸素や窒素原子を励起することで起こる。もし、惑星の地磁気が弱いと太陽風が大気を飛ばしてしまうが、岩石惑星の地磁気は、惑星内部の金属マグマの対流によるダイナモ発電効果で起こる。ところが、火星は木星のためにサイズが地球より小さくされ、マグマの冷え方が早かったので、地磁気が弱かったのが致命傷になったと。姉妹の運命を分けたのは、ちょっとした神の悪戯か。

 

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